星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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どうも、ペンタブ届いて超楽しんでる作者です。

シュウジ「よう、シュウジだ。なんか俺と雫のイラストも描いてるらしいな。ほらあの、一章の話の時のやつ」

雫「ああ、あれね。あの時のペンダントちゃんと持ってるわ。ほれで、前回はウルの街で先生と再会したのよね」

エボルト「そうだな。さぁて、どうなるか楽しみだぜ。リベル的に」

シュウジ「怖いこと言うなよ……んで、今回は話し合いだ。それじゃあせーの……」


三人「「「さてさてどうなる襲撃と再会編!」」」


混沌とした話し合い

  さて、一つ皆に質問がある。え、そういうメタいのはシュウジじゃないのかって?やかましい、そういう気分の時もあるんだよ。

 

  もしすげえ強くて、すげえカッコいい、でもいつもふざけまくってていつか痛い目に合わせてやりたい、そんな親友がいたとする。

 

  で、その親友が目の前で、互いを睨み合う今と昔の二人の女……まあ説明するとややこしくなるんだが……の板挟みになっている。

 

  ただならぬ雰囲気を醸し出して、お互いを膝の上に座らせまいと笑顔で牽制しあってる二人に、親友はだらだら冷や汗をかいてた。

 

  さて。こういう時、どんな反応をする?明らかに困っている、背中を預ける相棒がそんなことになってたとしたら。

 

 その答えは……

 

 

 

 〝ハッハァ!笑える状況だなぁ!〟

 〝ハジメ貴様ァ……!〟

 

 

 

 全力でバカにする。

 

 〝ねえどんな気持ち?今世の娘と前世で育てた娘みたいな女に囲まれてどんな気持ち?〟

 〝ここがこの世のパラダイス……なワケワカメじゃ!心臓止まりそうだわ!〟

 〝案外余裕あるじゃねえか。ならもうしばらく平気そうだな〟

 〝アハッハァーン!流石の俺でもこいつぁ初体験だよ!今にも意識の外にレッツゴーオンしたいッ!〟

 

  念話しながらできうる限りの最大の顔で煽ってやると、対面に座っているシュウジはいつものおちゃらけた様子は何処へやら、頬をひきつらせる。

 

  今、俺たちは愛子先生にVIPルームに(射殺さんばかりの眼力で)招待され、米料理を堪能しながらシュウジの修羅場を見て楽しんでいた。

 

  この世界に来て最大に縮こまっているシュウジの両隣にはそれぞれ、俺をしてヤバイと感じる殺気を発する愛子先生と、それに対抗するように重圧を伴うリベルがいる。

 

  小柄な二人が笑顔を向けあっているのは一見微笑ましいが、現実はそれどころではない。女……いや、娘の戦いが繰り広げられていた。

 

「うふふふふふ、ちょっと近すぎじゃありませんか?」

「リベルはパパのむすめだからいーの。おねーちゃんこそ、もっとはなれたら?」

「あら、私はこの人の()()()()娘であり、そして今は教師です。ずっと行方不明になっていた生徒の身を案じて、近くにいるだけですよ」

 

 先生、流石にそれは無理がある。

 

「リベルしってるよ。きょーしってせーとに、あんまりぼでーたっちしちゃだめなの。リベルはパパのかぞくだからいーの」

「それは私も同じことですよ。たとえ血は繋がっていなくても、前世の記憶という確かな絆で繋がっています。つまりこれは教師としての心配とともに、娘としての心配でもあるのです」

「……ちみっこ」

「…………ほう。五歳児のあなたが私をちみっこと言いますか。ですが容姿が幼いゆえに、周りから見てもそう問題があるようには見えませんよ」

 

  いや問題あるわ。むしろ〝豊穣の女神〟って呼ばれてるらしいあんたに、特殊性癖の彼氏がいると思って店内にいる客全員殺気立ってるわ。

 

  ほら、例えばそこの協会の騎士らしき方々とか。名前は誰一人として覚えてないが、全員愛子先生が好きなのかさっきからプルプルしてんぞ。

 

「むぅ……ちんちくりん」

「……小娘」

「おかっぱ」

「キャベツ頭」

「ぺったんこ」

「それはあなたもでしょう」

「じゃあおばちゃん」

「言ってはならないことを言いましたね!今世の私はまだ25歳ですよ!」

「かかってくるがいい!」

 

  子供の喧嘩のような言い争いから、いよいよ取っ組み合いに発展した。ブラックアウトしそうなシュウジを挟んで、両手でせめぎあっている。

 

  真っ白なシュウジとバチバチと火花を散らす二人に、エボルトは面白そうに動画を撮っていた。あとで俺のやつに送ってもらおう。

 

  反対に、ルイネはなにやら後ろめたい思いがあるのか、黙々と料理を食っている。こんなに現実逃避してんの初めて見た。

 

「見てみぃ、あの愛子はんがあーんな取り乱してるわ」

「ホンマや、珍しいこともあるもんやなぁ」

 

  そんな俺たち側の席では、謎の兄妹がケラケラ笑ってる。エセ関西弁とか軍服とか色々突っ込みどころはあるが、こいつら割と強いな。一応警戒しとくか。

 

「南雲くん、橋から落ちた後一体どうしてたの?」

「超頑張った」

「なんで白髪なんだ?」

「超頑張った結果」

「が、眼帯つけてるけど、片目はどうしたんだ?」

「超超頑張った結果」

「なんですぐに戻らなかったの?北野君と一緒だったんならできたと思うんだけど……」

「戻る理由がほとんどない」

 

  俺はといえば、異世界カレーに舌鼓をうちながら適当にクラスメイトたちの質問を躱していた。結構地球のに味が近くて美味い。

 

  それはユエたち三人も同様のようで、笑い合って感想を言いながら食べている。時折こちらにも振ってくるので、適当に相槌を打っておいた。

 

「おいお前、いい加減にしろ!いつまで愛子とくっついている!?」

 

  それにしても、愛子先生が話に聞いていたシュウジの一番弟子だったとは驚いたなぁと思っていると、騎士の一人が声を荒げた。

 

  他のやつより多少豪華な鎧を纏っていることから、隊長と思しきその男は立ち上がると、机に拳を叩きつけようとする。なのでスッと間に手を挟んだ。

 

  まさか受け止められるとは思っていなかったのか、男は驚いたような顔をする。それに俺は、多少威圧を込めた声で答えた。

 

「静かにしろ、食事中だろ。騎士のくせに行儀悪いな」

「なっ、貴様……」

「だいたい、そんなことして皿がひっくり返りでもしたらどうする。ユエたちも気分が悪くなるだろうが」

 

  な?とユエたちを見れば、案の定せっかく楽しんでいたのに水を差されて、少し不快そうな顔をしていた。ウサギは全く聞いてなさそうだが。

 

  ほんの少しの威圧で固まった男に、さっさと手を離してまた食事を始める。本当に美味いなこれ、せっかくだからお代わりしようか。

 

  再びシュウジの修羅場を見ていると、我に帰った男がなにやらギャーギャー喚き立て始めた。反応してやる義理はないので、シカトしとく。

 

「おっ鶏肉みっけ」

「き、貴様、この俺をここまで愚弄して………ふん、先ほど行儀と言っていたが、それがなっていないのは貴様の方のようだな。そんな薄汚い獣風情を同じ食卓につかせるとは」

 

  俺が取り合わないとわかって、今度はシアとウサギに標的を変える男。こいつ絡めればなんでもいい一昔前のツッパリかよ。

 

  やれ耳を切り落とせば少しは人間らしくなるだの獣臭いだの、ゴチャゴチャと言って二人を蔑むような目で見下す男。

 

  ちらりと他の騎士も見てみれば、やはり教会の教育を受けた人間と言うべきか、同じ侮蔑の目で見ている。

 

「薄汚い………」

「美味しい?」

「ゲコッ」

「うぅ……」

 

  うざったらしい目を向ける騎士たちにシアはシュンと、ウサギは全く気にせずカエルにチャーハン食わせてた。

 

  と、そんなふうに落ち込んでるシアの頭を、ユエが撫でた。そして男に絶対零度の視線を向ける。その美貌も相まってか、怯む男。

 

  が、またしても顔を真っ赤にしてギャースカ騒ぐ。こいつほんと器小せえなぁ。あっちょうどユエに小さい男って言われた。

 

  それだけ言ってさっさと視線をシアに戻したユエに、男はプルプルと震えた後、こっちを見た。おい、戻ってくんな。

 

「だいたい、貴様もなんだ。そんな薄汚れた、貧相な首巻きなどまきおって」

「「「「「あっ」」」」」

「………………………………………あ?」

 

 

 

 ドパンッ!

 

 

 

  気がつけば、俺はドンナーをホルスターから引き抜いて、引き金を引いていた。男の頭が後ろにかっ飛び、そのまま床に倒れる。

 

  ピクピクと痙攣する男の額から、非殺傷用のゴム弾が地面に転がる。俺は立ち上がって男の顔を踏みつけると、股間に向かって狙いを定めた。

 

「てめぇ、誰の、マフラーが、貧相だって、 あぁん!?」

 

 

 ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!ドパンッ!

 

 

  顔をぐりぐりと踏みにじりながら、容赦無く引き金を引いて制裁を加えていく。ウサギの毛皮で作ったマフラーをバカにするとはいい度胸だ、このまま女にしてやる。

 

  それから20回くらい棒と玉を撃ったところで、ようやく気が収まってドンナーと足を引っ込める。男は白目を剥いて泡を吹いてた。

 

「ケッ、ざまあみやがれ」

 

  見苦しいオブジェを廊下に蹴り出すと、ドンナーを机に放って椅子に座る。その拍子にクラスメイトどもがビクってしたが、知ったこっちゃない。

 

「さて、気分も収まったところで食事再開といきますかね」

 

  三分の一ほど残っているカレーをスプーンですくい、食べ始める。うん、多少冷めてきたがまだイケるな。二杯目は少し辛口にするか。

 

「秘技、笑いのツボ!」

「やらせるかぁ!」

 

  そうしてメシを食う俺の対面では、未だにリベルと愛子先生のバトルが続いていた。

 

  それから数分後。ようやく愛子先生とリベルの戦い?は終わりを告げ、俺は二杯目のカレーを堪能している。

 

「ふぅ、ふぅ……中々やりますね」

「……そっちこそ」

「今日のところは、これくらいで勘弁してあげましょう」

「しょーぶは、つぎにとっといてあげる」

 

  どうやら引き分けで終わったようだ。シュウジがようやく終わったとホッとした顔をしている。もう少し続いても良かったのだが。

 

  解放されたシュウジは、未だに先生を見据えるリベルを抱えながら俺の隣に座った。珍しく憔悴しきった表情をしており、少し面白かった。

 

  そんな俺の心境を悟ったのか、普段と違いジロリとガチめのジト目を向けてくる。そんな目を向けてもこのカレーは渡さんぞ(見当違い)

 

「こほん」

 

  ゲシゲシとすねを蹴ってくるシュウジの脇腹を肘でつついていると、先生が咳払いをした。自然と俺たちの視線がそちらに向かう。

 

「改めて……二人とも、お久しぶりです。生還を願っていましたが、無事で本当に良かったです」

 

  先ほどまでの様子は何処へやら、先生は〝畑山愛子〟として俺たちに接してきた。どうやらさっきまでのはなかったことにするらしい。

 

  それでいいのか、というか色々ぶちまけてたけど平気なのかとちらりとクラスメイトどもを見れば、何か魔法でも使ったのか虚ろな目をしている。

 

 〝おいシュウジ、これなんだかわかるか?〟

 〝あー、これは〝記憶操作(メモリコントロール)〟の魔法だな。短期的な記憶をある程度好きなように操作できる。一般人に見られた時用に教えた魔法だな〟

 〝ふーん、そんな便利な魔法があるのか〟

 〝まあ自分より精神力の強い相手とか、ランダみたいな亜神クラスには効かないけどね〟

 

  シュウジに聞いているうちに、クラスメイトたちの目に光が戻る。一見して何も変わってないように見えるが、どうやら記憶の操作は終わったようだ。

 

  ならばと、俺はこの世界の人間に対するのと同じ……つまり興味のない対象への反応として適当に肩をすくめておいた。

 

  先生のほうもそれで満足したのだろう、小さく頷いてシュウジを見る。シュウジもいつもの陽気な笑顔で「はろはろ〜」と手を振った。切り替えはええな。

 

「色々と聞きたいことはありますが……まず、そちらの方々は?」

「ん、ユエ。ハジメの女」

「……ウサギだよ。右に同じく」

 

  ユエとウサギが答えれば、クラスメイトども……特に男どもが騒がしくなる。俺とユエたちを何度も交互に見比べていた。鬱陶しい。

 

  しかし、こういう時いの一番に騒がしくしそうな残念ウサギはどうしたとユエの隣を見れば、シアはまだ落ち込んでやがった。

 

「おい、いつまで気にしてんだ。これが外での普通なんだ、慣れなきゃこの先やってけねえぞ」

「は、はい。わかってるんですけど……やっぱり、人間の方々には私の耳は気持ち悪いんでしょうか」

 

  なおもシュンとしたままのシア。おそらく、最初に行ったブルックの奴らがいい意味でも悪い意味でも好印象だったから、余計にショックなんだろう。

 

  めんどくせえと思いながらも、いつも喧しいこいつが落ち込んでるとイライラするので少し立ち上がり、ギュッとウサミミを握った。

 

「わっ、ハジメさん!?」

「いつまでもウダウダしてんじゃねえ、うざったい。いいか、兎人族は愛玩奴隷としての価値が高い。つまり一般的には気持ち悪いとは思われてないってことだ。こいつらは教会の人間だからここまでの反応なだけだから気にすんな」

「……そう、でしょうか」

「ああ、そうだ」

「その……ちなみにハジメさんは……どう、思いますか?」

 

  その言葉に、ミョンミョンとウサミミを引っ張っていた手を止める。そして耳から手を離すと、頬を書いてそっぽを向いた。

 

「……別にどうとm「えー、俺の魔法使ってマフラーの留め具作ったくせにー?」な、おまっ!」

「え?どういうことですか?」

「ん。あのマフラーを固定してる毛玉、シアが寝てる間にシュウジの魔法でウサミミの毛を伸ばして作った」

「ユエ!?」

「それに、毎晩私とシアの耳モフモフしてるんだよ。ハジメ、お気に入りなの」

「ウサギ!?」

 

  言わない約束のはずのことを盛大にバラしてくれた三人に、シアが限界まで瞠目する。しかし次の瞬間にはふにゃりとなり、俺に飛びついてきた。

 

「えへへー、ハジメさぁん」

「ちょ、ひっつくなアホウサギ!暑苦しいわ!」

「いやですぅ、この溢れ出る思いは止められませぇん」

「ぬがぁ!シュウジてめえ余計なことしやがって!」

「はっはっは、よいではないかよいではないか」

「エボルトなに録画してんだ!その携帯貸しやがれ、ぶっ壊してやる!」

「いやぁ、青春だねえ」

 

  可笑しそうに笑うシュウジとエボルト。くそ、シュウジのやり返してやったぜっていう顔がすげえムカつく!

 

「……なあ、なんか南雲に殺意湧いてきたんだけど」

「奇遇だな昇、俺もだ」

「つか、三人ともヤバいくらい可愛くね?ここが天国なのか?」

 

  クラスメイトの男衆が何か言っているが、今は無視だ。その前にこのヘニャヘニャウサギを引き剝がさなきゃ話もできん!

 

「……賑やかそうで何よりです。孤独そうじゃなくて、先生は安心しました」

「まあそうだな、退屈はしてねえ……おい、いい加減離れろや」

「ぶうー、もうちょっといいじゃないですかぁ」

 

  渋々といった様子で、ようやくシアが離れる。俺はコートの裾を叩きながら、ようやく腰を下ろした。まったく騒がしい。

 

「そうですね、一つ言うことがあるとすれば……石動さんに会った時、ちゃんと刻まれないようにする(説明する)ことですね」

「うっ」

 

  先生の言葉に、思わず息を詰まらせる。なぜならば、先生が言ったことはいずれ向き合わなければいけないことだからだ。

 

  ただでさえ、あっちにいた頃シュウジの妹とかが近くにいただけで嫉妬した美空だ。知らんうちに二人も女作ってたとか知ったら、もう刻まれる未来しか見えない。

 

  しかし、だからと言って逃げることもできん。ユエとウサギへの気持ちは正真正銘本気だし、シアもまあ……大事な仲間くらいには思ってる。

 

「……まあ、なんとか頑張るわ」

「そうしてください。それで、北野くんの方は……」

「おう、みなさんおなじみエボルトだ。久しぶりだな、先生?」

「ええ、お久しぶりですエボルトさん。あなたも元気そうですね」

「少なくとも、頭潰されてない時のアンパ◯マン程度にはな。んでこっちが……」

「……………ルイネだ」

 

  すげえ間があった後、一瞬先生と目を合わせたルイネはすぐに食事に戻ってしまった。首筋にはやばいくらい冷や汗が伝っている。

 

  というか、クラスメイトたちが驚くようなペースで異世界カレーを注文しては平らげていた。すでに六杯目だ。

 

  まあ、色々あるんだろうとそっとしておき、ある意味一番重要なリベルに皆の視線が集まる。

 

「リベルだよ。パパとママのむすめ。よろしくっ!」

 

  イェイ☆という擬音がつきそうなピースサインをするリベルに、女子が黄色い声を上げた。どうやらリベルの可愛さは万人に通じるらしい。

 

「……北野君の方も賑やかですね」

「おー、おかげで毎日ハッピーだぜ」

「それは良かったですね。北野君のほうも、八重樫さんへの説明頑張ってください」

「あたぼーよ。絶対にうまくやってみせるぜ」

 

  自信ありげに親指を立てるシュウジに、深く頷く先生。そしてもう一度こちらに目を向けてくる。

 

「それで、これまでいったいどこで、どうしていたのですか?」

「悪いが、あんたらに何かを話す気は全く無い。それにこれから関わる気もな。ここには仕事に来ただけで、それが終わればまた旅に戻る。だから不干渉でいこう。俺からいうことは一つ、俺たちの邪魔をするな。でなけりゃ……」

 

  トントン、と机の上に置いたままのドンナーを叩いて、な?とクラスメイト、そしてドンナーのことを聞こうとしていた騎士たちに目で威圧をかける。

 

  俺との力の差を感じ取ったのだろう、騎士たちは渋々と、クラスメイトどもは青い顔をして首を高速で縦に振った。

 

  言質が取れたので、ドンナーをホルスターにしまう。クラスメイトどもが安堵のため息を漏らした。

 

「……そうですか。それなら無理強いはしません。けれど、いつでも私たちの元に来てもいいのですからね?」

「……ま、頭の片隅に置いとくよ」

「それと、もう一つ……石動さんが悲しむようなことは、しないでください。こちらにいる人間であなたを誰よりも心配しているのは、彼女でしょうから」

「……あいつは、元気にやってるのか?」

 

  静かに、されど力強い声で語る先生に、ふとそんな言葉が口に出た。先生は少し目を見開いた後、微笑みをたたえて頷く。そうか、と俺は肩をすくめた。

 

「北野君も、同じ意見ですか?」

「まー、概ね間違っちゃいねえな。俺たちの旅に先生たちを介入させる気はナッシング。つか下手についてこようとしたら死ぬよ?主に君たち」

 

  この中で最も弱いであろう、クラスメイトどもを指差すシュウジ。あのベヒモスの戦いでの立ち回りを見ているクラスメイトたちは苦い顔をした。

 

「つーわけで先生、ちゃんと監督しといてね」

「わかっています。私は〝先生〟ですから。生徒を危険に晒すような真似はしません」

「なら良かった……んじゃー、そろそろ行くかね」

「ああ、そうするか」

 

  シュウジが席を立つのを皮切りに、俺たちも立ち上がる。ずっとだんまりだったルイネも、女子どもに愛でられていたリベルを回収すると立った。

 

「それじゃあな、先生」

「先生バイビー」

「二人とも、またいつか会いましょう」

 

  そう先生に一言挨拶すると、俺たちはVIPルームを出て食堂を後にするのだった。

 





【挿絵表示】


雫とシュウジのイラストです。使い始めて三日目……一昨日のやつなので色々違和感あるんですよねぇ。
あ、今日もう一話出します。
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