星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

84 / 354
どうも、fgo二部の内容がめっちゃ心苦しい作者です。

シュウジ「うぃーっす、シュウジだ。前回はフューレンに帰ってきたぜ。いやーみんなすげえステータスだったなー」

ハジメ「オールエラー起こしてるお前が言うと嫌味みたいに聞こえるな」

シュウジ「ひどいっ、これが風評被害!あ、ところで雫はどんな感じなの?」

雫「はい」

シュウジ「ふむふむ……む、この天職欄の〝抑止力の寵愛を受けし者〟とはなんぞや」

エボルト「字面的にお前のことじゃね?」

雫「……そう」///

シュウジ「俺の嫁可愛い(確信)」

エボルト「はいはいイチャついてろ。今回はハジメとシアの話だ。それじゃあせーの……」

四人「「「「さてさてどうなる再開編!」」」」


魔神ミーツラビットアンド幼女 その1

  再びフューレンに来た翌日。

 

「天気は快晴!体調はバッチリ!絶好のデート日和ですね!」

 

  隣で鼻歌を歌いながら、スキップせんばかりの上機嫌でシアがそう言う。デートじゃねえけどな、と言いつつ俺は良い天気なことには同意した。

 

  さて。今日は早速、シアへのご褒美の日である。現在ガヤガヤと賑わっているフューレンの表通りを二人だけで歩いているところだ。

 

  服装もいつもの黒一色ではない。というか最初それでいこうとしたらシュウジとエボルト(バカコンビ) にドナられてコーディネートされた。

 

  結果、紺色の上着にズボン、白いシャツ。一応錬成式スパイクを仕込んだ靴。義手も外してエボルトの一部を擬態させている。

 

  対するシアの格好は乳白色のワンピース。肩紐が狭く、胸元が開いている上にベルトで腰のくびれが強調されてるせいで、男どもの視線が釘付けになっていた。

 

「つうか、そんなにはしゃいでると転ぶぞ」

「いやいやー、いくら浮かれてるからってそんなベタなことしませっ!?」

 

  言って早々、石畳の隙間につま先を引っ掛けてバランスを崩す残念ウサギ。思わずため息をつきながら、腰に手を回して体を支えた。

 

  そのまま倒れていたら、短いスカートの中身が衆目を集めていたことだろう。特に鼻息荒いそこの男どもの。お前ら亜人差別どこいった。

 

「あ、ありがとうございます」

「ったく、気をつけろ残念ウサギ」

「うっ、言い返せない……」

 

  若干赤い顔をしつつ、歩幅を小さくするシア。学習するだけ立派なので、それ以上は何も言わないでおいた。どっかのバカだとわざと笑いとりにくるしな。

 

  ちなみに赤い顔のシアを見た男どもがノックアウトされてたが、基本スルーの方向で。というかそこのやつ、彼女いるならそっち見ろ。

 

「で、どこに行きたいんだ?今日一日はお前に付き合うって言ったんだ、好きなところを言ってみろ」

「うーん、そうですね……あっ」

 

  思いついた!という顔をするシア。なんか嫌な予感がしつつ、先を促す。

 

「不動産とか見に行きたいです。家の使用は街を知る大事な材料ですからねぇ」

「ほーん、珍しいもの見たがるんだな」

「それに保育園!小さい子とか沢山いると可愛いです!」

「……ほぉ」

「あ、それと結婚式場も!やっぱりプレd……ハウリア族全員が入れる大きさがないと」

「オーケーそこでストップ。さらっと俺との結婚生活の外堀埋めようとしてんじゃねえぞ」

「あ、バレました?」

 

  てへっ☆と舌を出すアホウサギに軽くげんこつを入れつつ、真剣にどこに行くか考えた。こいつに任せてたらマジで不動産に行きそうだ。

 

  思考を回転させていると、そういやシュウジに水族館の無料券みたいなのもらったなと思い出す。なんでそんなもの持ってたのかは謎だが。

 

  地球にいた頃からそうだ。なぜか遊園地の特別フリーパスとか、人気で行列のできるカフェの隠しメニューのチケットとか持ってた。

 

  本人曰く、気の向くままに人生楽しんでたらいつの間にやら色々手に入れてるとか言ってた。一番ヤバい時はヤのつく人に名刺もらってたな。

 

「水族館とかどうだ?」

「あっいいですね!行きましょう行きましょう!」

 

  とりあえず真っ先に浮かんだので提案してみれば、シアは思いのほか食いついてきた。キラキラと目が輝いており、本当に行きたいらしい。

 

  ということで行き先は水族館【メアシュタット】に決まり、観光区へと入った。そこに入った瞬間、さらに一段と賑わいが増す。

 

  この観光区は様々なものがあり、劇場やサーカス、音楽ホール、闘技場、果ては展望台などなど、豊富な娯楽施設が揃っている。

 

  水族館もここにあった。どうやらかなり有名らしく、シュウジに「これ結構レア物だから。感謝していいぜ?」とドヤ顔で言われた。

 

「私、一度も海の魚って見たことないんですよねー」

「そりゃ樹海の中に住んでたらそうだろうな。でも淡水魚はいただろ?」

「いましたけど、同じ魚でも違うんですぅ!」

 

  ぶっちゃけ魚の違いなんて料理に出るものくらいしか知らないが、まあ今日は変に突っ込むのもアレだと思ったので無難に返しとく。

 

  しかしまあ、内陸なのに水族館とは大変そうだ。地球のようにトラックがあるわけでもないのに、管理とか維持とか色々手間がかかってそうだ。

 

「あ、見てくださいハジメさん!あれすごいですよ!」

「ん?」

 

  途中、シアの声につられて指差す方を見れば、通りで人間離れしたアクロバティックな動きをしている大道芸人がいた。

 

  他にも道を進むごとに魔法を使っていると思しきマジックや、怪しい占い師など、色々なものが出てくる。まるでテーマパークだ。

 

「あはは、面白いですぅ」

「楽しそうだな」

「当たり前ですぅ!やっとハジメさんといちやいちゃしてるんですから!」

 

  いや、イチャイチャしてるかは疑問だが……まあ楽しそうだしいいか。

 

(ふっふっふっ、ハジメさんはご褒美ということで対応がいつもよりさらに柔らかい。今日はお淑やかに振舞って、ハジメさんをメロメロにしてやりますぅ!)

 

  ニコニコ笑いながらも、先ほど転びかけたのもあってかしゃなりしゃなりと歩くシア。こうして見ると、こいつも可愛いんだけどなぁ。

 

 

 ドゴスッ!

 

「あふんっ!?」

「なぜかいきなりはぐれ魔物が街に侵入してきたぞ!」

 

  そう思った瞬間、いきなりイノシシみたいな魔物にシアが引かれた。流石に反応のしようがなく固まる。

 

  恐る恐るシアをみれば、とっさに身体能力強化をしたのかシアは比較的軽傷だった。せいぜいが口の端から血を流している程度だ。

 

「おい、シア……」

「…………………………コロス

 

  何か小さく呟いたシアはスタスタと歩いていき、なぜか逃げることもなくたむろしていた魔物の足を掴み、ズルズルと路地裏に引きずり込む。

 

  それからしばらくして、スッキリした顔で路地裏から出てきた返り血まみれのシアを、俺は見ないことにした(白目)

 

  そんなこともありつつ、さらに歩くこと10分。たどり着いたメアシュタットは、海をイメージしてか青い外観の建物だった。

 

  ふと隣を見てみれば、シア(シュウジからもらったアーティファクトで清潔にしました)は先ほど以上に期待のこもった目で建物を見ている。

 

「ついにきましたよぉ!」

「おう。だが結構並んでるな……」

「大人気ですねぇ」

 

  ぐるりと建物を見回してみると、一般の入場口の受付の隣に、特待用と看板の貼り付けられた受付があった。もしやと思い、そちらに向かう。

 

  受付の女性にシュウジの無料券を見せると、案の定すぐに受理されて通された。列に並ばなくてちょっと得した気分だ。シュウジ様様だ。

 

「なんであんなの持ってたんでしょうねぇ」

「さあな。まああいつに疑問持っても仕方ねえだろ」

「激しく同意です」

 

  どう?流石俺でしょ?とかドヤ顔でウィンクするシュウジを想像し、シアと二人で苦笑する。あいつは何年一緒にいても底が知れん。

 

  まあ、それはともかく。水族館の内装は、かなり地球のものに酷似していた。ただ、水圧に耐えられないのかガラスを格子で補強してる。

 

  多少見にくいが、格子の向こうでは色とりどりの魚が泳いでいた。早速シアが走り寄り、キャーキャーと黄色い声を上げる。

 

「ハジメさんハジメさん、この子可愛いですよ!」

「おう、そうだn……」

 

  シアの見ているものを見て、固まる。水の中をスイスイと泳いでいるのは、なんか全身に目のような模様があるタコだった。

 

  人の趣味はそれぞれだよな、と思いつつシアを見守る。しきりにこちらを振り向いては魚を指差す姿は、初めて水族館ににきた子供だ。

 

  実際、すぐ隣にいる家族連れの、父親に笑顔を向けている幼女が同じ動きをしている。それを見た途端、なんだか恥ずかしくなってきた。

 

「おい、シア」

「えっ? あっ」

 

  あんまりはしゃいで注目されるのもあれなので、シアの手を引いてそこから離れる。シアが赤い顔をしてるが、今はスルー。

 

  とりあえず手を持っておけば恥ずかしがって大人しいので、そのまま館内を回ることにした。これじゃ本当にデートみたいだ。

 

  色々な場所を見て回るうちに、シアも多少慣れてきたのか、落ち着いた様子で魚を鑑賞し感想を言い始めた。

 

  嬉々として眼に映る全てを楽しむ姿は、初めて美空と水族館に行った時を思い出す。あいつもめちゃくちゃはしゃいでたなぁ。

 

  ……今この光景を見られたら刻まれそうとかいう思考がよぎったが、まあ気のせいだろう。というか気のせいと思いたい()

 

「ちょっと、ハジメさん。ハジメさんってば」

「ん、おお」

 

  シアにブンブン手を揺すられて我に帰る。危ない危ない、ハサミを持った美空に地の果てまで追いかけられる想像をしてた。

 

「今、別の女の人のこと考えてたでしょ」

「別の女っていうか、ユエを除けば本命だな」

「あ、美空さんって人のことですね」

「ああ。前に美空と水族館に来た時のこと思い出してな」

 

  そう言うと、シアはむぅと頬を膨らませて、それきり黙った。いかにも怒ってます!という空気を出している。

 

  プクプクと膨れている頬を見てると、なんとなく指でつつく。するとプゥ、と間の抜けた音とともに空気が抜けた。ちょっと面白かった。

 

「ちょっと、何するんですかぁ!」

「いや、なんとなく」

「もう!いくら彼女さんとはいえ、他の人のこと考えてたから怒ってたのに!今は私とデートしてるんですよ!」

「いや、デートじゃないけどな」

 

  まったくもう!と言うシアに、そういえば前に美空に、目の前にいる相手をおろそかにしないこと、と言われたことを思い出す。

 

  シアは恋愛対象ではないが、今は大切な旅の仲間だ。こちらにその気がないといえど、あまりおざなりな反応をするのもアレか。

 

「わかったよ。俺が悪かった」

「わかればいいんです!さ、次の子を見にいきましょう!」

 

  不機嫌から一転、パッと笑うシアは俺の手を引いて次の水槽に向かっていく。切り替え早いなと苦笑してしまった。

 

  そんなこんなでシアと水族館を回ること、一時間ほど。3分の2くらい見終わったところで、不意にシアがある水槽をギョッと見た。

 

  つられてそちらを見ると……そこにはシー◯ンがいた。な、何を言ってるかわからねーと思うが(ry

 

「なんで異世界にシーマ◯がいんだよ……」

「な、なぜここに……」

 

  なんか戦慄しているシアをよそに、説明板を見ている。こいつは水棲系の魔物らしく、〝念話〟の固有魔法を使えるらしい。

 

  確認されている中で唯一と言っていい会話可能な魔物であるが、非常に気だるげなため話してると気が抜けるとか。

 

〝お前さん、念話が使えるんだって?俺の言ってることがわかるか?〟

 

  ちょっと興味が湧いて、念話を使って話しかけてみる。普通に話しかけても滅多に答えてくれないって書いてあったからな。

 

  シアと見つめ合ってた◯ーマンはピクッと反応し、こちらを見る。そうするとチッと舌打ちした。いきなりなんだ。

 

〝初対面だろうが。まず名乗れよ、礼儀のなってねえ……これだから最近の若者は……〟

 

  ……なんか説教された。説明板に説教くさいとも書いてあったな。酒を飲ませるともっと愚痴っぽくなるとか。うちの親父か。

 

〝……すまん。俺はハジメだ。あんたは?〟

〝名前はねえよ。あえて言うなら種族名がリーマンだ。それ以上でもそれ以下でもねえ〟

 

  やだ、このシ◯マンなんかカッコいい。あと地味にイケボ。

 

〝本当に会話できるんだな。面白い〟

〝面白くもねえだろ。ただ喋れる魔物だった。それだけだ〟

〝そ、そうか〟

〝ところでお前、なんで念話が使えるんだ?まるで俺みたいじゃねえか〟

 

  なるほど、その疑問はもっともだ。普通この世界の人間は〝念話〟は使えないからな。滅多に話さないのに応えてくれた要因もこれか。

 

  しかし、シーマ◯と同じと言われるのはちょっと複雑な気持ちになるな……まあいいか。とりあえず答えよう。

 

〝魔物を食ったら使えるようになってな〟

〝そうか……お前さん、若いのに苦労してんな〟

 

  今度は同情したような顔で言われた。これアレだ、多分魔物を食わなきゃいけないくらい貧乏なんだな……とか思われてるわ。

 

  俺の服を見て頑張ったんだな……とかヒレで涙を拭いてるシーマ……リーマンでいいや。リーマンは、自分にわかることがあるなら聞けと言ってくる。

 

  またとない魔物に質問をできるチャンスだ、これ幸いといろいろなことを聞いてみる。リーマンは真摯に応えてくれた。

 

〝魔物に意思ってあるのか?〟

〝普通はねえな、基本的に本能で生きてる。俺の種族の他には見たことがない〟

〝ふーん、そうなのか〟

 

  つまり、ウサギはかなりのイレギュラーだったのだろう。体から流れた魂が似た性質の蹴りウサギの体に憑依したって話だし。

 

  他にも色々と聞いてみる。例えば魔物はどうやって生まれるのかとか、きのこ派かたけのこ派かとか、ワンピースの最終回とか。

 

  聞いた結果、魔物が生まれる方法はわからないらしく、パイの実派で、ワンピースの最終回は知らないとか。

 

「ちょっと、ハジメさん……」

 

  話してるうちにだんだん面白くなってきて会話を弾ませていると、シアに袖を引かれた。一度会話を切り上げる。

 

  そしてなんだとシアを見れば、周りを気にするような仕草をした。そこでようやく、自分がおっさん顔の魚と見つめ合ってたと気づく。

 

「……俺も変な目で見られてたか」

「ちょっと……」

 

  こいつはやっちまった。ていうか、またシアを蔑ろにした。これでは美空にも、「楽しんできて」と言ってくれたユエにも怒られる。

 

 なので、ここらで移動することにした。

 

〝すまんリーさん、そろそろ行くわ〟

〝ん?ああ、デート中か。すまんな引き止めて。ついハー坊との会話が楽しくてよ〟

〝俺もだよリーさん〟

 

  短時間で仲良くなったリーさんは、それじゃあデート楽しんでな、とウィンクした。言動が終始イケメンすぎる。

 

〝そうだ、最後に気になることがあるんだが。リーさんはなんでここにいるんだ?〟

〝ん?ああ、それはな……〟

 

  で、リーさんがここにいる理由はこうだった。

 

  地下水流を優雅に泳いでいたところ、突然急流に飲み込まれ、打ち上げられるように泉から飛び出して草むらに落ちてしまったらしい。

 

  地上でも呼吸できるリーさんだったが、動くことはできずに念話で助けを呼んでいたところ、あれよあれよという間にここに連れてこられた。

 

〝で、まんまと見世物ってわけよ〟

〝………なるほど〟

 

  それ、ミレディ・ライセンの迷宮から強制退去させられた時のアレじゃね?

 

  思えば、あんとき変なトラップないか発動してた〝気配感知〟に引っかかってた気がする。あれがリーさんだったのかもな。

 

  となると、リーさんがここにいるのは俺たちにも責任の一端があるわけだ。もし解放を望むなら、なんとかする必要があるが……

 

〝なあ、リーさん。ここから出たいか?〟

〝ああ、そりゃあな。俺には安全なカゴの中より、行くあてもなく旅をする方が性に合ってるからな〟

〝そうか……なら安心しな。俺が出してやる〟

〝そんなことできるのか?〟

〝俺は『囚われのお姫様』を助け出すことに関してはプロだからな!〟

 

 主にユエとかユエとかユエとか。

 

〝ハー坊……〟

〝あと出迎えをよこす。待っててくれ〟

〝……お前がそういうなら、信じて待ってるよ。テメェを助けようとするやつの言葉ならまず信じろってな〟

〝おう〟

 

  ということで、サムズアップしてリーさんに挨拶すると今度こそ会話を終えた。

 

  そうするとなぜか引きつった顔をしてるシアを伴い、その場を後にする。すぐあとにシアが何やら念話でリーさんと話してたが、内容は知らない。

 

  それからまたしばらくメアシュタットの中を観光して、ちょうど昼飯時になるところで一周して退場したのだった。

 

  ちなみにリーさんはアーティファクトを使って救出、近くの川に放流しておいた。




大奥イベ、新鯖実装来ますかね。
あ、活動報告を見ていただけると嬉しいです。
感想をお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。