星狩りと魔王【本編完結】   作:熊0803

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どうも、やっとダークソウル進んだ作者です。

エボルト「よーみんな、元気?俺は全然元気じゃない。てことでローテンションヴィラン代表、エボルトだよー」

雫「いつになく壊れてるわね」

シュウジ「なにせ、今回はなぁ……」

エボルト「やめろ、それ以上言うな。これ以上俺を痛めつけると言うのなら、こっちにも考えがあるぞ?」

シュウジ「おおう、めっちゃキレてんな。ま、仕方ないよねー。ということで、前回は雫たちのサイドだったぜ。いやー、まさかカオリンと美空がねえ」

雫「ごめんなさい南雲くん、私が至らないばかりに……」

ハジメ「いや、別に八重樫のせいじゃねえし……あれはあれでありだし」

雫「えぇ……」

シュウジ「まーそんなことも気にかかりつつ、今回は魔人族の女との戦いの始まりだぜ。それじゃあせーの……」

四人「「「「さてさてどうなる再会編!」」」」


魔人族の女

  突如現れた魔人族の女は、まるで観察するように鋭い目で私達を見つめてくる。冷たい瞳は見ているだけで凍えそうだ。

 

  いつでも抜けるように腰だめに刀を構えつつ、黒いライダースーツのようなものに覆われた女の全身をくまなく観察する。

 

  見た所、目立った武器は持っていない。あの豊満な胸の間から……なんてお決まりのでもなければ、直接攻撃はないはずだ。

 

「ふむ……あの女、なかなか良いですわね。自分の美をわかっておりますわ」

 

  ……隣で真剣な顔でなんか言ってる御堂さんは置いといて。

 

  武器がないとはいえ、魔法という概念がある以上油断はできない。それは龍太郎も同じようで、既にドライバーを巻いている。

 

「で、そこにいるあんたが勇者でいいのかい?見た所別格のようだけど」

「あら、なかなかの観察眼ですわね。けれど、答えはノーですわ」

「ほう?ならどいつだい?そこの剣を構えてる女か?それとも()()()()()をつけてる大男さん?」

 

  龍太郎が息をのむ音が聞こえた。かくいう私も表情には出さないものの、内心少し動揺してしまう。

 

  なぜ、あの女はドライバーのことを?あれは所有者の龍太郎や、エボルドライバー?を持っていたシュー以外、名称すら知らないはず……

 

 

 

『せいぜい、迷宮で背中に気をつけとくんだな………』

 

 

 

 ……………もしかして、エボルト?

 

「残念ですが、それもノーですわね」

「じゃあまさかとは思うけど……そこのアホっぽい無駄にピカピカしてる鎧のやつかい?」

「あ、アホっぽ……」

 

  疑わしげな目で指を指された光輝がショックを受ける。それに不意をつかれたといった様子で御堂さんが小さく笑った。

 

  まあ、仕方ないわよね。誰だってアホと言われれば傷付くわ……嬉々としてふざけ始めるウチのバカ(シュー) 以外。

 

  そういや南雲くんと町内で有名なドカ盛りキングゴールデンジャンボカツカレーとかで競争してアホなことになってたわね、なんてくだらないことを思い出す。

 

「人間側も苦労してるね……」

「う、うるさい!魔人族にアホなんて言われる筋合いなんてないぞ!というか、なんでここにいる!?」

 

  やや自棄気味に光輝が、女に聖剣の切っ先を向ける。得体の知れない相手への挑発的な態度に、隣で御堂さんがため息をついた。

 

  それは魔人族も同じで、心底面倒臭そうに肩をすくめる。二人して酷い反応に光輝が若干顔を赤くしてプルプルした。

 

「こんなの絶対役に立たないだろうに……はぁ、まあ上の命令なら仕方ないか」

「何をごちゃごちゃ言ってる!」

「あーうるさいうるさい。というかもう手短に済ますよ。あんた、魔人族側に来るつもりはないかい?もし来るなら色々優遇するけど」

 

  今度はクラスメイト全員が驚きの声を漏らした。まさか光輝を勧誘するとは……役に立たないとか言われちゃってるけど。

 

  光輝自身も予想外だったのか、ぽかんと隙だらけで突っ立っている。予想していたのか平然としていた御堂さんがまた嘆息した。

 

  数秒たつと何を言われたのか理解できたのか、光輝の顔にみるみるうちに怒りの感情が浮かんでくる。

 

「断る!人間族を……仲間達を……王国の人達を……裏切れなんて、よくもそんなことが言えたな! やはり、お前達魔人族は聞いていた通り邪悪な存在だ!」

 

  耳鳴りがしそうな大声で断る光輝。自然と固唾を飲んでいたクラスメイトたちはホッとした表情を見せる。

 

  私は、特に驚いてはいない。やや暴走することが多いが、光輝の正義感は並大抵のものではないのでこの答えは予測できた。

 

  そのため、欠片も心配していなかった。試しに龍太郎を見ると、光輝を見てやれやれ、と笑っている。流石幼馴染、考えることは同じだ。

 

  ただ、これで一旦なびいたふりをして相手の腹を探ることはできなくなってしまった。密かに臨戦態勢を整えはじめる。

 

「仲間と一緒でもいいって言われてるけど、それでも?」

「何度でも言う、絶対に断る!」

「……………この猪突猛進の短慮野郎が」

 

  はっきりと断言する光輝に、御堂さんが小さな、かつ酷い暴言とともにこめかみを抑える。暗殺者の彼女としては、探りを入れたかったのだろうか。

 

  一方、耳を指で塞いでいた魔人族は冷めた様子で「あっそ」と言った。もしかして、光輝は何か他にある目的のおまけなのかしら?

 

「じゃあ、交渉決裂ってことで。別に最優先事項ってわけじゃないから、最初からどっちでもよかったけどね」

 

  なんにせよ、油断はできないと魔人族の一挙一動に目を光らせる。なにせどんな力を持っているかわからない。

 

  普通に考えてみよう。いくら魔法が得意な魔人族とはいえ、勇者に加えてこの人数を前に自分の身一つで余裕でいられるだろうか。

 

  答えはノーだ。それにこの深い階層で無傷でいることや、龍太郎のドライバーのことを知っているのもきになる。

 

  きっと、私たち全員を相手にしても平気な〝何か〟があるのだ。だからあんな態度でいられる。

 

  それは私たち同様に警戒していた、普段から慎重な永山くんや意外と目ざとい鈴などもわかっているようで。

 

「もう用はないから……さっさと死にな。ルトス、ハベル、エンキ、餌の時間だよ!」

 

  そして私の予想は、見事に的中することとなった。

 

  不意に、殺気を感じる。咄嗟に後方に跳躍しながら刀を抜いて防御の構えをとった。刹那の瞬間、目の前に空気の揺らめきとともに強い衝撃。

 

「ぐっ……!?」

 

  最大限に軽減してなお鈴があらかじめ展開していた結界をたやすく破壊し、謎の相手は私にダメージを与えんとする。

 

  なので、着地と同時にわざと態勢を崩す。そうすることで衝撃を逃し、あとはハザードシステムの恩恵による怪力で強引にいなした。

 

  果たしてそれは成功を見せ、なんとか腕が痺れる程度にとどまった。すぐさま態勢を立て直し、戦況を確認する。

 

  永山くんは私のとは別の敵による攻撃で両腕に負傷ならびに転倒、鈴は結界の破壊による衝撃波でダウン。

 

  そして……クラスメイトたちを襲おうとしている、3体目のゆらぎ。

 

「あぶな……」

「笑止」

 

  棒立ちになっているクラスメイトたちに 〝無拍子〟で近づこうとした瞬間、凛とした声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 パァンッ!!!!!

 

 

 

 

 

  風船が破裂するような音が部屋の中に響く。数秒遅れてドサリと何かがクラスメイトたちの前に落下した。

 

  それは、一言で言うならばキメラ。ライオンのような頭に龍のような手足、蛇の尻尾を持っている架空上の怪物によく似た魔物。

 

  その頭部の上半分は弾け飛んでおり、ビクビクと痙攣する胴体の上では御堂さんが髪をかきあげている。

 

「………速い」

 

  いつ動いたのかすら分からなかった。気がつけば魔物が死んでいて、御堂さんがその上に立っていた。

 

  これが、最強の暗殺者だったシューの弟子の力。帝国の皇帝様の時は、あれでもかなり加減していたのだと今更に悟る。

 

「へえ……ハベルを一撃とは。強いねあんた。そこの勇者よりよっぽど欲しくなったよ」

「あいにく、このような下賎な獣を使うものの下につく気はありませんわ」

「そう、それは残念……」

「テメェエエェッ!!」

 

  突然、龍太郎が吠えた。

 

  驚いてそちらを見ると、今にも血管が切れそうなほど、凄まじい憤怒の表情で魔人族を睨みつけていた。

 

  ギリギリとここからでも聞こえそうなほど歯を食いしばっており、手の中にあるスクラッシュゼリーは今にも潰れて中身がでそうだ。

 

「よくも、よくも……谷口に怪我させやがったな!」

「へ?」

 

  キメラの追撃をいなしていたのに、思わず間の抜けた声を出してしまう。あの龍太郎が、鈴のことでキレた?

 

  あまりに予想外な反応に、思わず鈴の方を見る。石動さんに治癒してもらっていたらしい鈴は、不意をつかれたのか真っ赤な顔をしていた。

 

「……へえ?ひょっとしてあんたの女だったのかい?」

「うるせえ!テメェは、テメェだけは許さねえ!」

《ロボット・ゼリー!》

 

  怒りの雄叫びとともに、龍太郎はゼリーをドライバーに叩きつけるように装填。荒々しくレンチを下ろすと魔人族に向かって走り出した。

 

《ロボットイィイングリスゥ!ブゥウウラァッ!》

『そこを動くなぁああッ!』

 

  変身しグリスになった龍太郎は、まっすぐ魔人族の女に突撃していく。まずい、怒りで我を忘れてる!

 

  そう危惧したが時すでに遅し、凄まじい速度で肉薄したグリスは、固く握り締めた拳を魔人族の女に向かって放ち……

 

「アァアア!」

『何っ!?』

 

  しかし、直前に割り込んだ何者かによってその一撃は防がれた。

 

  その何者かは反撃を加えようとし、とっさにグリスは飛び退く。何者かはゆっくりと大きな腕を下ろし、グリスを見た。

 

「アァア……」

『スマッシュ!?しかも強化体かよ!』

 

  まるでテレビ番組の怪人のような人型の怪物……以前スタークと一緒に現れたものと酷似したスマッシュにグリスが叫ぶ。

 

  グリスが強化体と言ったスマッシュは、以前と違い漆黒に染まっていた。あれは御堂さんの言っていた、新しいスマッシュ?

 

「ほう、やっぱりこれも知ってるんだね。そう、こいつは上が懇意にしてるお得意様から借りた助っ人さ。さらに……」

「ウゥウウ……」

「オォォ……」

 

  暗がりの中から、新たなスマッシュが姿をあらわす。ゴーレムのようなゴツゴツとしたやつと、タコのような頭のやつ。

 

『嘘だろオイ!?』

「ライダーは強いって聞いてるからね。あんたにはこいつらの相手をしてもらうよ」

「まずい、いくら今の龍太郎でも流石に三体同時は……」

「ガァア!!」

「くっ、この!」

 

  しつこく攻撃してくるキメラに刀を一閃する。グリスの方を加勢をしようにも、まずはこいつをなんとかしなくては。

 

  光輝たちはもう一体のキメラに加え、新たに現れた筋肉質なブルタールや六足亀の相手で手一杯だし、御堂さんは動く気配がない。

 

  幸い香織の機転でキメラの姿は見えているが、その香織がいるあちらが崩れれば終わりだ。早急に倒す必要がある。

 

「上等よ、やってやろうじゃないの!」

「ガァアアァアア!!」

 

  雄叫びをあげるキメラの一撃を避けて、一旦〝無拍子〟で距離を取る。

 

  私と同時にキメラは着地すると、こちらを向いて再度攻撃の姿勢をとった。それを見ながら、刀を鞘に収める。

 

「ふぅ………」

 

  深く息を吐いて、姿勢を下げる。目を閉じて意識を極限まで研ぎ澄ませ、無我の境地へと己を高めていく。

 

  止まった私をキメラは隙があると見たか、唸り声をあげて突撃してくるのを感じた。私は微動だにせず、ただその時を待つ。

 

  そしてキメラが、刀の間合いに入るか入らないかの場所に来た瞬間ーー

 

「シッ!」

 

  開眼。同時に〝無拍子〟を用いて一瞬でキメラの懐に飛び込み、逆手に握った刀を抜刀し一閃。

 

  私が刀を振り切る頃には、キメラは背後に着地しており……そして、ズルッという音とともに二つ物が落ちた音がした。

 

  振り返ると、そこには真っ二つに分かたれたキメラの死体。臓物がこぼれ落ち、血生臭い匂いが漂っている。

 

「ーー八重樫流〝亜流〟奥義、《音断(オトタチ) 》。実戦では初成功ね」

 

  シューとの鍛錬の最中編み出した、斬撃に斬撃波を重ねることで超絶的な切れ味を獲得する抜刀術。八重樫流にはない、私の技だ。

 

  自分の技の完成度に満足しつつ、周りを見る。龍太郎は何とか持ちこたえているが、光輝は香織たち回復組がやられた途端一気に崩れそうだ。

 

「エクセレント。やはり貴方には期待して正解でしたわ」

 

  動きに慣れてきた魔物たちを前に劣勢になりつつある光輝たちの元へ向かおうとすると、拍手の音が聞こえた。

 

  そちらを見れば、キメラを魔法で椅子にして座っている御堂さん。口元には普段と違う淡い笑みを浮かべている。

 

「シューと肩を並べるには、これくらいはね」

「その意気ですわ。今はまだその一撃のみでしょうが、いずれ私たちと同じ場所にたどり着くでしょう」

「それはどうも」

 

  別に奢るつもりはないが、シューのお弟子さんにそう言われるとなんだか嬉しくなる。いや、そんな状況じゃないけど。

 

「おい、御堂さん!君も見てないで手伝ってくれ!」

「え、嫌ですわ」

 

  そんな風に話していると、光輝が苛立たしげに叫ぶのが聞こえた。対する御堂さんは即座に拒否。

 

「はぁ!?」

「別にあなた方が死のうと私にはどうでもいいですし。そもそもこの程度の窮地を脱せないようでは、とても戦争で生き残るなんて無理ですしね……あ、でも隠れ蓑がなくなるのは困るかも」

 

  隠れ蓑という言葉に苦笑しつつ、確かに一部は正論だと思う。

 

  彼女が魔人族の中でどのくらいの立ち位置なのか知らないけど、少なくとも魔人族の中にはこんな強力な魔物を使役できる相手がいるということ。

 

  それがどれくらいの人数かわからないが、間違いなく本格的な戦争ではこの何倍、何十倍という数を相手にしなくてはいけないのだから。

 

「おい、御堂お前!わかってんのか!?戦わなきゃお前も死ぬんだぞ!?」

 

  今度はクラスメイトの一人の野村くんが言った。御堂さんを見れば、ああ、そんなこととでもいうような顔をしている。

 

「私、転移魔法が使えますの。いざとなれば八重樫さんと他何名かを連れて地上に帰りますわ」

「ハァ!?ふざけんなよおい!そんなことができんなら今すぐ全員ここから逃がせよ!」

「そういうことは助ける価値があると思わせてから言ってくださいます?というか、こんな獣畜生どもの相手をするのなんてお断りですわ。獣臭さが移るので」

 

  ……もはや反応するのにも飽きてるわよね、あれ。髪の毛いじってるし、超興味なさそうな顔だし、絶っ対飽きてるわよね?

 

 

 

 

 

 

 

 ーーゾッ

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!?」

 

  あまりに無関心な姿勢にそんなことを思っていると、不意に凄まじい悪寒を感じた。とっさに転がってその場から退避する。

 

  その行動は正しかったようで、一瞬前まで私がいた場所を通過してオーラのようなものが御堂さんに直撃した。

 

「御堂さん!?」

「……平気ですわ」

 

  爆発したオーラから生じた煙の中から、平然と座る御堂さんが現れる。無傷なことにほっと胸をなでおろした。

 

  安心もそこそこに、オーラの飛んできた方向……魔人族の女の方に警戒を向ける。だが、すぐにおかしいことに気づいた。

 

  魔人族の女が、驚いた様子で自分の背後を見ているのだ。もしかして、今のはあの魔人族の女がやったんじゃない?

 

 

 

「ーーだったら俺と遊んでくれよ、お嬢さぁん?」

 

 

 

  魔人族の女の反応に疑問を抱いていると、ねっとりとした声が聞こえてきた。その瞬間全身に寒気が走る。

 

 

 

 コツ、コツ、コツ……

 

 

 

  音を立てて、暗闇の中から〝そいつ〟は現れた。

 

  〝そいつ〟は、一見して人間のようだった。艶のある黒い髪、この世界には似つかわしくない真っ赤な衣装に、整った顔に浮かぶ不敵な笑み。

 

  〝そいつ〟を見た瞬間、カタカタと体が震え始める。本能が、〝そいつ〟を直視することを拒絶していた。

 

「なによ、あれ……」

 

 

 

 勝てない。

 

 

 

  一目見ただけでそう思った。あれは、あんな化け物には、人間ごときがどう逆立ちしたって敵うわけがない。

 

  だというのに、御堂さんは〝そいつ〟を見て眉をひそめるだけ。なんで、どうして彼女は平気でいられるの?

 

「……あなたは?」

「俺が誰か?ハッハァ!知らないのか!いや、知っているはずがないよなァ!」

 

  何が楽しいのか、大仰な身振り手振りで笑う〝そいつ〟。ああ、やめてちょうだい。私の前で、そんなおぞましい笑いを浮かべないで。

 

「まァいい、どうせ後で知る。そんなことより……俺と遊ぼうぜ?目覚めたばっかで、訛ってるんだ」

「遊ぶ?あなたのような下品な輩と?冗談はやめてくださいまし。それに今謝るなら、先ほどの不躾な攻撃は不問にしてよ?」

「ハハハハハ!いいねェ!強気な女は嫌いじゃアない!だが……どうするのか決めるのは俺だ」

 

  そう言って、〝そいつ〟はどこからともなくそれを取り出した。黒いボディに赤いレバーのついた物体……龍太郎のものとはまた違った、ドライバー。

 

  まさか。そう思う私の前で〝そいつ〟はドライバーを装着し、再びどこからか赤い蜘蛛のような機械を取り出す。

 

  そしてもう一方の手に赤いボトルを持ち、何回か振ると機械のスロットに装填。機械にマークが浮かび、〝そいつ〟は機械の足を折りたたむ。

 

 そうすると両手で持ち、頭上に掲げて……

 

「フン!」

 

 

《KILL BA SPIDER!》

 

 

  機械が、ドライバーのスロットにはまった。〝そいつ〟はレバーに手をかけて、ゆっくりと回していく。

 

  軽快な音とともにドライバーから赤い蜘蛛の巣が〝そいつ〟の体の周りに展開されていき、そして音が止まった時。

 

 

《ARE YOU READY!?》

 

 

変、身(ヘェン シィン)

 

 〝そいつ〟は、最悪の言葉をつぶやいた。

 

 

《スパイダー! スパイダー!! キルバススパイダー!!!》

 

 

  エボルトによく似た声とともに、蜘蛛の巣が閉じる。まるで渦のように〝そいつ〟を取り込み、蜘蛛の巣は形を変えていった。

 

  やがて、渦が消えて〝そいつ〟が姿をあらわす。〝そいつ〟は龍太郎と似て非なる、世にも恐ろしい姿に変貌していた。

 

  赤と黒で彩られた、毒々しい姿。蜘蛛を模したその鎧はどこまでも恐怖を覚えさせ、私の体を石のように動かなくさせる。

 

 

 

 

 

 

 

『俺はキルバス!かつてブラッド族を滅ぼした者!さあ女、存分に殺し合おうぜ!』

 

 

 

 

 

 

 

「はあ……また、面倒な輩が現れましたわね」

 

  聞いているだけで心がすくむ声で言う〝そいつ〟に……御堂さんは心底面倒臭そうにそう呟いたのだった。




うーん、全然うまくまとまらない。
こんな稚拙な文章でもよろしければ、感想をお願いします。
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