なんにでも変身出来るヒーロー志望ですが何か 怪!   作:輝く羊モドキ

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彼は誰かの下に収まる器ではないのだ。


誰かの下に付く事を許容できますか!?

「化太郎、起きて、起きなさい。化太郎」

「むにゃむにゃ……あと5分と1000秒……」

「20分近く起きないつもりですか?朝ご飯冷めるじゃないですか。早く起きなさい」

「にゅ……むぅ……最近さとりんのオカン化が著しいなぁ」

「誰がオカンですか。私はまだ10代ですよ」

「オカンなさとりん……オカとりん……」

「薬みたいに言わないでください。それより、早く起きないとまた遅刻しますよ?」

「ん~……おきゆ……」

 

 私は朝に弱いのだ。さとりん目覚ましが無ければきっと昼まで寝ているだろう。

 

「……さとりん、ありがとね」

「な、何ですか急に」

「いや、いつも起こしてくれたり、朝食毎日作ってくれたりさ」

「……別に、好きでやっていることですから、これくらいで感謝される謂れはありませんよ」

「私が、感謝したいから感謝してるのさ。いつもありがとう」

「なんですかそれ、まるで死亡フラグみたいですよ」

 

 そう言ってクスリと笑うさとりん。嫁にしたい。

 

「……っ///何考えてるんですか!早く朝食にしますよ!」

 

 そう言ってさとりんはリビングに駆けていった。

 ……よく考えたらさとりんとは既に同棲してる訳だし、もうこれほぼ嫁と言っても過言ではないのでは?

 

「そこんとこどう思う?」

「キュー」

 

 私の脚に擦りついてくる狐狸達にそう聞けば、帰ってくる返事は『末永く爆発しろ』との事。ひでえや。

 

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

「急で悪いが、今日は君らに学級委員長を決めてもらう」

「「「 学校っぽいの来たー!! 」」」

「委員長やりたいです!!ソレ俺!!」

「リーダー!!やるやるー!」

「ボクの為にあるヤツ☆」

 唐突に始まる自己アピールの場。ハイハイ喧しいわ。こちとら外のマスコミに追われまくって朝から疲弊しとんのやぞ。まあいきなりマスコミの中でオールマイトに変身したのは悪手だったのかもしれんが。(自業自得)

 そう、何が喧しいって、クラスのほぼ全員がハイハイと声を上げて自分を主張している所が喧しいわ。声がデカい奴がイインチョに成れるんか?あ?ならわたしゃプレゼント・マイクになるぞ?お?

 

静粛にしたまえ!多を牽引する大事な仕事だぞ……!『やりたい者』がやれるモノじゃないだろう!」

 

 エエ事言うやんマジメガネ君。そういうとこ好きよ?

 

「民主主義に則り真のリーダーを決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案!!」

 

 ……手、そびえ立ってなければの話だけど。

 

「投票なんてまどろっこしい、強いヤツこそがリーダーに相応しいだろうが!」

「おうその蛮族思考やめーや融剛」

「そうだぞ遊戯君!ただ強い者が場を仕切るというのは民主主義に反する!」

「必要なのは即断即決、アレはどうするコレはどうするなんて一々話し合う時間は無駄!なら単純に人を纏められる能力なんて強さしかねえだろ?強いヤツの言葉ならそこには必ず一定のアグリーメントが生まれる。『アイツの言う事なら……』と無条件で納得させる”力”が出来る!それこそが『真のリーダー』に必要な要素じゃねえのか!?」

 

 融剛は机を叩きつつそう力説する。その姿と、周りのクラスメイトを見ると確かに融剛の言うアグリーメントってのが融剛自身にあるのか、『一理あるな』みたいな顔してる奴等ばかりだ。それでいいのかお前等……。

 

「つまり融剛は、『クラス一つえー俺以外に学級委員長はありえねー!』と言いたいんだねぇ!」

「もっとオブラートに包めやぁ!!」

「否定しねえのかよ!?」

「だが残念!その理論ならクラス委員長になるのは私なんだよねぇ!」

「あ”あ”ん!?」

「喧嘩なら他所でやれ」

 

 なんやかんやで投票になった。

 教壇の前に立ち、指を順番に立てながらルールを説明する。

 

「ルール1、投票用紙にゃ自分の名前と推薦する奴の名前を書く事」

「ルール2、自分と推薦する奴の名前は違う者の名前を書く事」

「ルール3、ルール2を破った者は教室の前でタイキックを受ける事」

「ルール4、一番多く推薦された者が学級委員長に、二番目に多く書かれていた者が副委員長になる」

 

「以上のルールで良いな?文句があるならアタイが受けるぞ?」

「ルール3の意味は!?」

「テメェが仕切んな仮面野郎!」

「お待ちください!このルールには重大な欠陥gmm」

 

 デデーン!瀬呂 爆豪 八百万 アウト!

 騒がしい奴等の口を塞ぎ、全員強制的に教壇の前に立たせる。そして手に持ったスポーツチャンバラ用のエアーソフト剣で各臀部をシバく。

 

スパァン!!「っ!?」

スパァン!!「ッソがっ!」

スパァン!!「ひんっ!?」

 

「……さて、まだ文句がある奴は居るかい?」

「ぼ、暴力で解決は良くないわ殺生石ちゃん」

 

 デデーン!蛙吹 アウト!

 

「ケロッ!?ちょ、ちょっと待って殺生石ちゃん!?」

「ばけたろにゃんと呼んで?梅雨ちゃん?」

「ば、ばけたろ」スパァン!!「ケロォォ!?」

 

「さ、最高かよ……ハァハァ」

 

 デデーン!峰田 タイキック!

 

「何でぇ!!?」

♪処刑用BGM

「待って!待ってぇ!?お、オイラ何も言ってねえよぉ!!?」

「いやぁ、なんか……存在が?」

「存在がアウトって言ってんのかテメェェェェ!!」

 

ドゴォッ!「オ”ッ……ゴッ……」

 

「……で、他に無ければ投票を始めたいんだけど、いいかな?」

「尻……尻が……」

((( ぼ、暴君……!! )))

「やれやれ、漸く投票に入れるよ。あ、先に行っておくけど私学級委員長になるつもりないから。もし私に投票するつもりなら他の人に投票してねぇん?」

「じゃあ何で今仕切ってんの!?」

「そりゃぁわちきが唯の仕切りたがりだからじゃけぇ。別に融剛が言った言葉を否定する訳じゃないけど、私は自分に皆を纏めて導く才能は無いと思ってる。言うなれば私は指揮官(コマンダー)タイプじゃなくて遊撃兵(ゲリラ)タイプなのさ。まぁ、一つ言えることは私を従えたかったらそれなりの才能(スペック)を披露してくれないと……内側から食い破っちゃうぞ♥って事ね」

 

 さあ、チャキチャキと投票用紙に名前を書きまくりなさい。じゃないといい加減後ろの不審者モドキの目がヤバいから!

 

「あっ、ちなみに投票の開示作業は私一人で行う上に、カウントするのは推薦される者だけだから匿名性については安心してね!」

「お前の時点で何も安心できねえんだが?」

 

 デデーン!遊戯 タイキック!

 

「アーッ!!」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

「さて、開示終了!気になる結果は~……コチラッ!!」

「僕、3票!!?」

 

 出久君3票、八百万ちゃん2票、融剛2票に後は1票がまばらに。

 

「ちなみに自分自身に投票した爆豪君はタイキックの刑です!」

「っ!クソっ!放せ!」ドゴォッ!!「ぐっ、ソがぁぁぁああ!!」

「お前、こうなるのは分かってただろ……」

 

 それでも誰かに票を入れるくらいならタイキックくらうカッチャン君マジプライドの化身。うーんしゅき♥

 そして投票数が同数だった融剛と八百万ちゃんは公正なる代理じゃんけんの結果八百万ちゃんが副委員長に決定。

 

「何負けてやがるブドウ頭!」

「ひええっ、じゃんけんなんだから仕方ねぇだろぉ!?」

「尾白さん、勝ってくださりありがとうございます!」

「あ、うん……どういたしまして?……ってかなんで代理じゃんけんなの?」

「そりゃおめー、融剛がじゃんけんクソ強いからじゃんじょん」

 

 エグい動体視力で相手の手を見てから超反応で出す手を決めることのできるリアルハンターハンター主人公(最近出番一切無い)みてーなことしやがりますしおすし。

 

「あ、そうそう。本来自分の名前を書く場所に自分以外の誰かの名前を書いて、推薦する者の名前に自分を書いたずる賢いお方が何名か居ます。勿論そういう事を想定してこんなルール作ったんだけど……心当たりある方!」

「えっ、ソレありなん!?」

 

 何人かは目を反らす。だが残念でしたねぇ!

 

「まあ1票しか入ってない人はほとんどがそんな方でしたがねぇ!!ねえどんな気持ち!?不正ギリギリの事してまで票もぎ取ったのにまるで全然、副委員長にすら手が届かないってどんな気持ぐべぁ!?」

「お前無意味に煽るのヤメロ」

 

 裏拳が私の顔面に突き刺さる。なんでや、私悪くないやろ。(煽り厨の意見)

 

「む、不正を容認するのか!?」

「NO!あくまでもルールの隙を突いた合法!むしろヒーローならそういう所に目が行かないでどうやって不正を取り締まると!?目の前のヴィランを倒すだけがヒーローのお仕事ではアリマセン!ねえ八百万さん!」

「え、ええ。そうですわね!」

「なるほど!確かにその通りだ!」

「ちなみにこれは全く関係ない情報なんですが、出久君は自分に投票せずに3票でした!なんて清いんでしょう!ねえ八百万さん!」

「ちょっと!?それは私が清くないとおっしゃってるんですか!?」

「別にそんな事は一言も言ってないじゃないですか!ねえ遊戯融剛改め八百万百さん!」

「っ!っ!っ!」

 

 遊戯融剛改め八百万百ちゃんにベシベシ平手で叩かれる。地味に痛いから止めなはれや。

 

「ま、まあ緑谷はなんだかんだアツいしな!」

「八百万は講評の時のがかっこよかったし!」

良かったじゃねえか緑谷テメェの様な自爆パワー野郎が委員長になれてよぉ……

「凄い怨嗟の声!?そこまで学級委員長になりたかったの遊戯君!?」

「あたりめえだろうが!!」

「何が貴様をそこまで駆り立てるのだ……」

「俺より弱い奴が仕切るのは我慢出来ねえからだ!」

「蛮族」

「蛮族だな」

「蛮族だわ遊戯」

「揃いも揃って喧しい!」

「バーミヤンだぜな!」

「それを言うならバーバリアンだろうが!……や、バーバリアンでもねえよ!!」

 

「お前らいいかげんにしとけよ……」

 

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 昼休み

 

「今日もメシが旨いなぁ!」

「見てるだけで胸焼けしそうなほどに油ものばかりね。化太郎ちゃん」

「お米が見当たらないですわ……」

「米より肉ですやん!」

「それはおかしい」

 

 今日も重箱弁当から肉肉肉。肉が三体……来るぞ!

 

「なんで唐揚げだけで一段埋まってるのよ……」

「カリカリタイプとジュワジュワタイプで飽きない!」

「結局同じ肉なんだよなぁ……」

「何でこんな食って太らないのよ……」

「全カロリー消費してるからー!」

「ウゼェ」

 

 シャババババ!

 と高速で唐揚げを消費してると耳郎ちゃんがじっとりした目で見てくる。

 

「?」なに?唐揚げが欲しければその卵焼きと交換ぞ?

「いや要らない……。なんでアンタは委員長に立候補しなかったの?」

「それ思った!なんでなの化太郎?」

「モグモグ」そりゃー誰かを従えるなんてアタシにゃ向いてにゃいと思ったからぞ?誰かに従う気もにゃいけど。

「従う気も無いって……プロになった時どうするおつもりですか?言うこと聞かないサイドキックなんて誰も欲しがりませんわ?」

「ゴクン」アタシゃプロでフリーランスに生きるつもりですわん。

「……さっきからその話し方何なの?頭に直接響いてくる感じでちょっと嫌なんだけど」

「ごめん」

 

 こいつ直接脳内に……!ごっこは不評だった。悲しいね。でもしょうがない、メシ食いながら話すにはこの方法が効率的なのだ。

 

ウウ~~~~~

 

「なっ、け、警報!?」

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください』

 

「何!?何!??セキュリティ3って何!!?」

「セキュリティ3……確か校舎内に誰か侵入したということですわ!」

 

 生徒手帳に書いてあったな、そんな事。まあ良くスグに思い出せるもんだ、流石副委員長。さすふく。

 

「校舎内に侵入って……ヤバくない!?ど、どうしよ化太郎!」

「…」モグモグモグモグ

「落ち着いて食っとる場合かー!!?」

「モグモグモグ」こう見えて落ち着いてないからセーフ!

「いや状況がアウトだから!」

「殺生石さん!葉隠さん!お二人ともふざけてないで避難しますわよ!さあ皆さん、一旦教室の前に集まってください!!人数を確認でき次第固まって避難を開始いたしますわ!」

「あ、私その侵入者ってのを確認してくるね」

「殺生石さん!?勝手な行動は慎んでくださいませ!」

「やだよ」

 

 重箱の中身を全て口の中に詰め込み、呑み干す。そうして身体を幽霊の如く透かして壁や床を通り抜ける。

 

「言ったでしょ?私は誰かを従える気も無ければ、誰かに従う気も無い。私を従えたかったら、相応の才能(スペック)を見せなさい」

「っ……!」

「じゃあね()()()()()()?オールマイトの様に全てを救いたかったら、一秒とて無駄に出来ないですわよ?」

 

 そう言い残して私は外に向かう。床も、壁も、逃げ惑う人すらも。私の脚を止める要因になり得ない。霞の様に薄い私を見てビビる者も居るが気にならない。こんな時代、壁や床をすり抜けるなんて珍しくも無い。だからこそイメージがし易くて助かる。

 そうして騒ぎの下に飛んで行くと、数多ものマスコミとそれに囲まれてるイレイザーヘッドとプレゼントマイク。

 

「オールマイト出してくださいよ!居るんでしょう!?」

「非番だっての!」

 

 オールマイトが居たら既にお前らマスゴミの前に出てきていると思うんですが(名推理)

 つまりこれは……マスコミの不法侵入だな!写メとって拡散しとこ(現代っ子感)

 ……マスコミが雄英に不法侵入なう……と。よし、大炎上不可避。さて、犯罪者は食っていいよね?(カニバリズム)

 と、イレイザーヘッドと目が合った。あらやだ明らかに不機嫌……面倒な奴が居るなとお思いですか?個性使われる(睨まれる)前に退散……すると思ったか!馬鹿め!

 

「HAHAHAHAHA!!」

「こ、この声は……オールマイト!!?」

「オールマイトだと!?」

「カメラ!カメラこっちだ!!」

 

 マスゴミがアリの様にワラワラと方向転換しながら私にカメラを向ける。だが残念だったね。私はオールマイトの様に優しくは無い!

 

「サービスだ。見とけ」

 

 瞬間、世界が凍った。ついでに生放送でもしてたのかお茶の間も凍った。

 

 うん。やっぱサービスマンはすごいなぁ。

 

 

「これにて一件落着!!」

「してねーよ。殺生石、お前後で反省文書け……!」

「なんで!?」

「放送事故もいいとこだな!」YEAHHHHHHH!!

 

 なんか知らないけどカメラが全部割れてたらしい。サービスマンは偉大だなぁ。

 

「悪ふざけも大概にしておけよ?」

「先生達の危機を救ったヒーローにその言葉はあんまりでは!?」

「何時、誰が、何処で危機に陥ったって?」

「先生その捕縛武器で縛り上げるのは反s痛い痛い痛い!クッソ逃げらんねぇ!?個性使うなってば!!」

「YEAH!オマエんとこのクレイジーガイはサイコーだな!」

「茶化すな山田」

「名前で呼ぶのヤメテ!!」

 

 そうこうしているうちに警察が到着。マスコミは撤退していった。一件落着である!!さて教室に戻りましょ。

 

「殺生石、反省文忘れんなよ」

「チクショウ大人はコレだから!」

 

 午後、何やかんやで委員長はマジメガネ君飯田になった。投票した意味ぃ……。

 

 

 

 

 

 

 

「私だ。……ああ。……そうか。オールマイトはお前等に任せる。そォだ、生徒共は()に任せなァ。ガキでもメスなら使えるだろォ?くはッ」

 

 何処かの地下通路。悪意はそこで息をひそめていた。

 

「アァ?テメェには関係ねェだろォ?ガキのお守風情が調子乗るなよ。センセイだかなんだか知らねえが、いずれテメェ等の親玉も喰ってやるからなァ?くはッ!」

 

 悪意は留まる事を知らない。

 

「あァ。よぉく伝えておきな。この僕、『旧鼠 公星』がその喉笛喰い千切ってやる。精々それまで悪人ごっこを楽しんでなってよォ!!」

 

 悪意は、納まる事を知らない。

 

 宵の口、火曜日の出来事。

 

 

 





漸くヴィランが動き出すぞ!やったね!
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