なんにでも変身出来るヒーロー志望ですが何か 怪! 作:輝く羊モドキ
雄英の一般入試から早一週間!今日も今日とて二度寝が捗るなぁ!
……スヤァ
「起きろやあにぇき」
ドスッ。
と身体から出すのはマズいような音が部屋に響く。今日も今日とて弟の家庭内暴力で起こされる。毎日寝起きドッキリ仕掛けられちゃう身にもなれ!
「毎日毎日あにぇき起こす不毛な作業を繰り返し繰り返し行い続ける俺の身にもなれ」
「はぁん?それはつまり愛しのブラズァァに熱烈なモーニングコールをお届けしろって要請かぁん?ええのかぁ~?寝起きのアレやコレや治める間も無くのしかかってやるぞおらぁん?」
「菩薩掌」
「アバァァァ!!?」
最近になって弟の格闘スキルがカンストしてる件。まあ毎日のように閃きレベルの高い相手に攻撃してればそうなるね。ほんとかなぁ?(ゴロリ感)
「雄英からなんか届いてたぞ。合格だってよ」
「せめてもうちょっと情緒のある知り方をしたかったって思うのは贅沢かい?」
「あにぇきが落ちる訳無いだろ。分かりきった事に一々期待してんじゃねえよ」
「なんでこの弟素直に褒めることも出来ないの?」
おっしゃる通り合格なんて分かりきっていた事だけど。筆記試験では自己採点では全問正解。実技だって私以上に動ける奴が同年代で居る訳が無い。融剛と安藤は例外。
ブラドゥアァが投げて渡してきたのは謎の円盤。くるくると回って私の頭の上に軟着陸した。
フライングゲット(言いたいだけ)
『私が投影された!!』
「お、オールマイト!?」
「うるせえ」
そう言って統狸は円盤を私の頭ごと叩き割った。
「オールマイトォ!?」
「だからうるせえ」
「おま、お前ェ!なんでオールマイトが映る円盤を持ってんだとか投げて渡すなとかいろいろ言いたいが一番言いたいのはなんで壊した貴様ぁ!」
「映像一つにごちゃごちゃうるせえんだよ。ソレが合格通知だ。良かったな合格してて」
「ならなおさらなんで合格通知にオールマイトが映るんだよ!?」
「雄英に就任するんだと」
「それオールマイトの口から直接聞きたかったってのは贅沢な悩みかなぁ!?」
「……さっきからオールマイトオールマイトって本当うるせえ。あんな老いた人間の何が良いんだ?強さか?実績の数か?馬鹿々々しい。あにぇき、お前は殺生石家の跡取りって自覚あんのか?」
「……」
「老いて、衰えていくだけの人間にいつまで無意味な憧れを抱いてやがる。最強?伝説?今はどうなんだよ。人間の世界じゃ未だに平和の象徴とか呼ばれてるが、だからなんだ?俺等とは
「その口閉じないと毛づくろいしてやらんぞ」
「ゴメン」
……確かに、統狸の言う通りだ。
シャレじゃないよ!?今のは咄嗟に出てきちゃっただけなんだからねっ!
そう、無意識に出てしまった駄洒落ほど処理に困るものはそうそうないよね。
今のは始めのそう、とすぐ・直後と言った意味のそうそうとかけた……黙りマース。
とりあえず、ご飯食べよ。
◇
「化太郎、本当に雄英高校に進学するのかしらー?」
「うん。私は本気だよ」
自分の食事を終え、家の皆の分の食事を分けて一息。今日は学校に行く必要が無いから家でのんびりしようとした矢先、マイマザーに呼び止められた。
今まで何度も、何度も確認した事と同じ。よっぽど雄英に……というか、
でも、こればっかりは変えられない。変えたくない。なんにでも変身出来るからこそ、変えてはならない芯がある。
私の存在は、
現に私の弟である統狸も私に倣って一時期小学校に通っていたが、『人』と『獣』の意識の差がどうしても埋まらなかったようだ。
……だからこそ私は分からない。何故決して交わらないと考えているのに、それでも『人の世界』に動物達は足を踏み入れたがるのかが。
話がだいぶ逸れた。
私が雄英に通いたい理由。それは、どうしようもなく恋い焦がれてしまったからだ。ヒーローの、その在り方に。
切っ掛けこそ、私の中に眠る誰ともわからない知識、記憶、経験だった。私が私として覚醒する前まではこの知識が私の身体を支配していたという理由もあるだろう。私が私として生きてきた時間よりまだ、誰とも知れぬ記憶の方が長く生きていたというのもあるだろう。
だが、結局は。
そう、結局は。
この私が、ヒーローに憧れちまったから、ヒーローになりたいだけだ。
切っ掛けこそ私じゃない他人だが、今日まで続いてきた原動力っつーのは私がそうしたいってだけだから。
母さんはいつもの間延びした口調で、それでいて目元は不安に揺れている。母さんは純人間だが、人間に捨てられ人外に育てられた過去を持つ……らしい。だからこそ同じ人間に対して不信感を抱いている。それなのに子供は人間の世界に旅立とうとしているから不安も不安なのだろう。
確かに人間の中には悪いヤツも居る。だけどそれ以上に良い人も居る。入試試験で出会ったあの二人の様に。
だからと言う訳ではないが、母さんにはせめて私の夢を応援してもらいたい。
「瑞久女、お前もいい加減納得しろ。言って聞かせるだけじゃコイツはテコでも動かないって分かってるだろう」
「……お父さん」
部屋の襖を開けながら、普段寡黙な父上が珍しく雄弁に語りながら現れる。
のしのしと歩き、そのまま指定席に座った。
「化太郎……。ここの所、俺等の世界が慌ただしくなっているのは理解しているな?恐らく近いうちに『北の奴等』と戦争になるだろう。それなのに『人間の世界』に行くということが、どういう事か分かっているのか?」
「うん」
「その結果、殺生石家から勘当されるとしてもか?」
「……うん。私は、ヒーローになりたい。統狸や、父さん母さんに会えなくなるのはすっごいつらいけど、それでも私はヒーローになる!」
「……そうか」
そう言って、父さんはもの凄い重圧を放ってくる。まるで山を相手にしてるかの様な、遥かな『格』の差。ただ其処に居るだけで身体を、精神を、魂を揺さぶる覇気を放つその姿は、島一つを動かした伝説が事実である事を理解させられる。
でも、逃げない。泣きたいほどに怖いけど、私が目指すヒーローは
「好きにしろ」
その一言を言い放つと同時に、身体を押さえつけていた重圧が霧散する。
……え、いいの?
「元々お前の人生に口を挟むつもりもない。この俺が生きてる限り、お前が抜けた
それはそれで酷いっすお父上様。
「……ただし、これだけは言わせてもらおう」
そう言って、その鋭い眼光を光らせて私の顔を見る。私はその気配に、無意識にごくりとつばを飲み込んだ。
「化太郎。お前は殺生石家の一員であり、家族だ。お前が家族の縁を切らない限り、俺達から家族の縁を切ることは絶対にない。お前が家族を守りたいと思い続ける限り、俺達もお前を守りたいと思い続ける。つらい事、苦しい事、困った事があったらいつでも戻ってこい。この場所が、この家が、お前の帰る場所なのだから」
「お父様ぁぁぁぁぁ!!!」
感激のあまりお父さんのもっふり尻尾に抱き着いてしまった。だが今ばかりは許してほしい。お父さんのその言葉で、私の中に残っていた僅かなわだかまりが無くなったのだ。
ありがとう、お父さん。
「……人間の世界に、本当に行っちゃうのね化太郎。お母さんすっごく、すっごく、すぅぅぅぅっごく寂しくなるわー……」
「……そんなに寂しくなるなら、俺が忘れさせてやるよ」
「あ、ちょっと、やん♥だめよアナタ♥まだ日も高いのに♥」
「ア、ジャアワタシアソビニイッテキマース」
「夜まで帰ってこなくていいぞ」
「はぁん♥ソコらめぇ♥♥♥」
最近は控えめだなと思った矢先の事だよこんちくしょう。おまえら子供の前でおっぱじめてんじゃねーぞバカップル夫婦め。
早いとこ雄英高校の近くで借りれる部屋探さないと(使命感)
「んひゃぁぁぁ♥♥♥」
こりゃ入学前に妹か弟デキるな。
* * * * *
そして、色々あって雄英高校の入学式の日ッッ!!
本当にあれから色々あった。色々あり過ぎてなんか思い出すのもつらみ。
まず中学の卒業式。雄英高校に合格した私と融剛と安藤はそりゃあもう盛大に祝われた。『学校創立以来の快挙じゃぁぁぁ!』と号泣してたハゲは誰だったんだ?
「それきっとその学校の校長ですよ」
なるほど、言われてみればそんなんだったような気もしないでもないかもしれないが本当の所はきっと誰にもわからないと思う。そう、シュレディンガーの猫のように!
「それ誤用ですよ」
ゴヨウ・ガーディアン?(突発性難聴)
いや、そんな事はどうでも良い。重要な事じゃないんだ。
そう、中学を卒業した私達は、一緒に童貞も卒業したのだった。
「へぇ……?その話、もっと詳しく聞かせてもらっても良いですか?」
殺気!?
あ、いや。この場合の童貞ってのはメディア露出的な童貞って意味で……。
「ああ、てっきり息苦しい学校から解放された勢いにのって衆道に走ったのかと思いましたよ」
「まってさとりん、さとりんの中の私像どーなってんの?そこまで性欲おさるさんじゃないよ?」
「いえ、貴方がというより貴方のオトモダチが貴方を掘ったのかと」
「私襲われる側なの!?怖いわーさとりんの妄想力怖いわー!」
しかもなぜ衆道なのか。別に私女の子でもよくねー?
と、とにかく春休みの間に偶々取材中のカメラの前で事件が起き、それを私達三人で見事に解決したらその後テレビ局でスーパー中学生と特集を組まれたのだ。どうしてこうなった!?
まあスーパーな中学生である事はもはや周知の事実なんですがねぇ!!
「貴方の私生活がテレビに映されれば羞恥の事実だと思うんですが」
「さとりん、私にも涙腺はあるんだ」
しまいには泣きますよ。
話がそれてますよ~それそれ。
……要するに僅か一週間に満たない間で超有名人になったのだ。そりゃあもう劇的に。なんせ会う人会う人皆が『お、スーパー中学生じゃん!』って言って来るからな。馴れ馴れしいぞ貴様等。もっと褒めよ。讃えよ。崇め奉れよ。
「神ですか貴方は」
「そう、私はKAWAIIの神、ばけたろにゃん!」
今日も絶対零度の眼差しが我が身を刺し貫く。いや、KAWAIIの神はネット上で呼ばれてる愛称やし……。許してにゃん!(デスボイス)
とまあ、諸々あって私は一人暮らしを始めたのだ。知名度って凄いね。部屋借りる時敷金礼金賃貸料利子担保ゼロだったし。あれ、もしかしてこの部屋、ヤバい?
「安心してください化太郎。大家さんには私がキッチリOHANASHIをしておきましたから」
あれ、もしかしなくてもさとりん、ヤバい。大家さん許してにゃん!(震え声)
「ってか今更だけどさ」
「なんでしょう?」
「なんでさとりんはこの部屋に居るの?」
「いてはいけませんか?」
「いや、そういう訳では……」
さとりんの目が昏く光った。
ああそうだった。正直な所独り暮らしなんて私なんかが出来る訳無いのでさとりんに一緒に暮らして貰うように頼んだったっけ。
そういう訳でさとりんに万が一が無いように家から護衛用の狸を数匹、大家さんにばれないように部屋の増築をするように狐数匹を一緒に新居に連れていったんだった。
ペット禁止と書かれているが、家族なのでセーフ。その結果、元々1Kだった部屋が4LDKの風呂トイレ別、冷暖房完備、完全防音、衝撃耐性、オール電化。ともはや原型留めて無いやん……な部屋になった。何が凄いってこれ外から見れば唯のマンションなんだぜ……。
足元でキューキュー鳴いてる我が家族達。まあ、常識何それ美味しいのと言わんばかりの個性の不正使用パーティな訳だが実際バレてないしいいよね。誰に迷惑かけてる訳でもなし。それに彼らのお陰で窮屈な思いもすることは一切無いわけだから実際感謝してるのだ。
ほーらお前達毛づくろいの時間だぞぅ。
「それよりいいのですか?もうこんな時間ですが」
「ふふ、私が何の為に雄英の近くで部屋を探したと思ってる?通学時間を出来るだけ短縮したいからさ!当然朝仕度の時間は悠々と「ですから」
「もう、こんな時間ですが」
そう言ってさとりんはKAWAII時計を私に見せる。その長針は数字の5を刺し貫いていた。
「幾ら近くとはいえ、5分前行動も出来ないようではヒーロー以前に人としてどうなのでしょうね」
……
サーッ!(血の気の引く音)
「さとりん行ってきます!家の事とかその他諸々お願いします!!」
「いってらっしゃい」
このオレに足りないもの、それは――情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!そしてェなによりもォーーー 時間感覚が足りない!!
「……あ、なんかさっきの新婚っぽかったですね。ふふっ」
◇
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか!?」
「思わねーよ。てめーどこ中だよ端役が!」
高校に登校したと思ったら、動物園だった。何を言ってるか分からねえと思うが正直俺も何を言ってるのかわからん。あー、こういうの完全に化太郎の役割だろ……長く一緒になり過ぎて伝染っちまったか?
それともう一つ俺の頭を悩ませてる現象が……。
「(なあ、あれってもしかして『スーパー中学生』か?)」
「(うお、マジか!あんなバケモンみてぇなヤツも来るとかやっぱ雄英スゲーな!)」
聞こえてんだよショウユ顔、イガグリ頭。俺は珍しい動物か何かか?
はぁ……鬱陶しい。いや、この程度ならまだいいんだよ。実際これくらいならテレビ出た後何百と経験したしな。それ以上に鬱陶しいのは……。
「……」チラッ
「……」チラッ
俺の前の席で長いポニーテール振り回しながらチラチラこっち見てる女だよ。何なんだよお前さっきから。その毛先で遊んでやろうか。見るんなら堂々と見ろよ。
……図らずも胸や股を男子にチラ見されるJKと同じ気持ちに浸りながら教室の前方にある時計を確認する。その時計の長針は数字の5を刺し貫いていた。
……化太郎は別のクラスだったっけか?いや、確かに電話じゃA組って言ってたが……まさか、また
「……あの!」
目の前のポニテ女が意を決してか小さく声を張るという器用なマネをしながら振り向く。
「お友達ごっこがしたいなら余所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」
が、教室入口にいる不審者の一言に出鼻を挫かれた。不憫だなお前。
そうして、不審者はモゾモゾと蠢きながら寝袋のまま教室の中に入ってきた。
「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね。……担任の相澤消太だ。よろしくね」
アレ担任かよ。中学といい高校といい、なんで担任は不審者なんだ……。中学は見た目はともかく中身が不審者だったが、今度は見た目からして不審者……バリエーションに富み過ぎだろ。担任ガチャの引き直しを要請する。だめかやっぱ。
「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」
……入学式は?
「「 個性把握……テストォ!? 」」
なにこのジャージ、超イカすじゃねえか。
言われた通りにジャージに着替え、グラウンドに出る。移動中に見えた他のクラスの教室には普通に教師と生徒が揃って何か言ってたみたいだけどなんで俺等だけ外に出てるんだよ。
雄英は”自由”な校風が売り。先生側も然りねぇ。話には聞いてたけど、まあ中々どうして……その自由って俺等に押し付けて良い自由なのか?
「……ん?……19、20、21……?おい、後一人は何処に行った」
相澤先生がそう言うと、クラスの奴等もキョロキョロしだす。
「……あー、相澤先生。その一人は多分遅刻です」
「なに?」
「そいつ俺の友達なんですが、まだ来てないみたいです」
「……そうか。まあ、今はいいよ。そうだな……爆豪、中学の時、ソフトボール投げ何mだった?」
「67m」
嘘やろ……キミ強肩とかそういうレベルやないやん……。
驚きすぎて口調狂ったわ。ぱっと見どう見ても異形型でもないのにその記録はおかしい。普通の男子高校生の平均が大体25m。トップクラスでも40mくらいだっつーのに中学生でソレは無いわ。室伏の生まれ変わりかよお前。
爆豪とかいう見た目不良少年の評価を上方に修正する。雄英ヒーロー科に合格するくらいだから相当な実力者だというのに、随分まあ甘く見てたもんだな俺。
「じゃあ個性を使ってやってみろ。円からでなきゃ何しても良い。はよ。思いっきりな」
爆豪は軽くストレッチをした後大きく振りかぶり、そして『死ねぇ!!』と叫んで投げる。
……死ね?……上がった評価がダダ下がりだよお前。
しばらくした後、相澤先生の持つ機械に705mと記録が示される。大した威力だ。
生徒達は楽しげな声を上げる。皆、個性を使用しても良い体力テストなど経験が無いのだろう。ま、俺はこんな事いつもやってたけどね。
個性を思いっきり使える事に『面白そう!』と声を上げた。その瞬間、相澤先生の纏う空気が変わった。
「面白そう……か。ヒーローになる三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?……よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう……生徒の如何は教師の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
まじかよ。これには他の生徒達も文句を言うが、先生は一切聞き入れはしない。自然災害、大事故、身勝手な敵、いつどこからくるか分からない厄災、日本は理不尽にまみれていると言う。
「そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。プルスウルトラさ。全力で乗り越えて来い。さあ、ここからが本番だ」
んー、いいね。そういうのはとても好ましい。足手纏いは不要、効率的にプロヒーローを育てていくっていう気概を感じる。素晴らしい。まあ、見た目は最悪だがな。どれ、まずは総合一位を取るか。
まずは、50m走か。
『世界は平凡か?』
……ん?今何か聞こえた?
「ねえ、今何か聞こえた?」
「ああ、ハッキリと世界は平凡か、と聞こえた」
『未来は退屈か?』
「……え、この台詞は!」
「な、なんだぁ!?」
『現実は適当か?』
「い、いやいやありえねえって!だって、アレはマンガのキャラクターだぞ!?」
「どこから聞こえるんだ!?」
「……あそこだ!屋上!」
こんなアホな事するのは俺の知り合いではアイツしか居ねえんだよなぁ……。
誰かが雄英の校舎の屋上から
「うわ!?落ちてる!落ちてる!!」
「ば、馬鹿じゃねえのアイツ!?」
「見ろ!アイツ落ちてるんじゃねえ……
変態に技術を与えないでください。
壁を
「そんな訳で本日から箱庭学園……じゃなかった、雄英高校ヒーロー科に入学した黒神めだ……でも無かった。殺生石化太郎だ!学業・恋愛・仕事・友人関係全てに渡ってなんでも相談を受け付けるわけでは無いが相談があるというのなら乗ってやろう!」
「馬鹿じゃねえのお前」
なんで遅刻しておいて堂々とあんなこと出来るんだよお前。ほれ見ろ。クラスの奴等全員アゴ外れるんじゃねえかってくらいビックリしてるぞ。
「う、嘘だろ……?あんな北半球丸出しのおっぱい……。揉まないと逆に失礼じゃねえのか?」
「駄目だぞ、お前」
な、なんだこの性欲丸出しのチビ助……。北半球って何だよと思ったが秒で理解したわ草。
「……さて、先生は何処だ?そこのメガネ君か?」
「ボッ……俺は先生では無いぞ!先生はそちらのお方だ!」
「……コレが?」
「化太郎、仮にも教師相手に『コレ』は駄目だろ」
「遊戯、教師相手に『仮にも』は駄目だろ」
「先生、教師がというか、良い大人が人前に出るならその不潔感満載の無精ひげと長髪は駄目だろ。そこの真面目そうなメガネ君の方がよっぽどマトモな大人だ」
「ちゃんと必要になったらその時に身だしなみは整えるよ。それより殺生石、ヒーローが事件現場に遅れましたじゃ済まされないのはキチンと理解しているのか?」
「遅刻したのは悪いと思っている。だが、教室から移動するならキチンと連絡するか、せめて書置きの一つでも残しておくのが筋ではないのか?ギリギリとは言え、私は本鈴前には教室に到着し、無人の教室から既に入学式に移動しているものだと考えたが違ったようだ。親切で小さなネズミさんに教えてもらわねば私は一人で体育館に駆けこんでいた所だったが?」
「そもそもお前がもっと早く来ていれば防げた結果だろ」
「それなら最低限の礼儀すら欠いても良いと?雄英にはなんて素晴らしい大人が居るんだろうか。これが
「おい、化太郎。今のその
「それもそうか。あっはっは」
「はっはっは」
化太郎。まあ、良い奴だったよ……。
「(う、嘘でしょ!?なんでいきなりあんなヤバそうな先生とバトってんのあの子!?)」
「(ま、マジで除籍されんじゃねえかアイツ!?)」
「……まあいいよ。ほら、お前達はさっさと個性把握テストの準備をしろ。殺生石、お前はすぐにジャージに着替えろ」
「もう既に着替えた」
「「( いつの間に!? )」」
「は、発育の暴力……!ジャージを押し上げる双丘ッ!揉まねば」
「駄目だぞ、お前」
性欲丸出しのチビを蹴り倒す。つい足が出てしまったが、丁度いい身長なのが悪い。
「……先生。私は別に『教師』というものを特別視している訳ではないけど、今の貴方の恰好は『教師と名乗る不審者』に過ぎない。そんな人相手に信頼関係を築けるほど私は寛容じゃないよ」
「……善処しよう」
「確約しろや。国会議員かオドリャぁ」
「化太郎、お前もういい加減にしとけよマジで。相手はお前より長く生きてる大人だぞ」
「善処しよう!」
「確約しろや。地方議員かお前は」
なんか先行き不安だなぁ。優秀なのに怒らせて除籍とか勘弁してくれよ……?
人に厳しいばけたろにゃん。
KAWAII神は生放送中に『いつもの』をやった所為。
Q.『いつもの』って?
A.ああ!
前作知らない人は気にしなくてよいですが、今作では化太郎及び殺生石家の立場について一つ明確化しました。これが今後の展開にどう繋がっていくかな。