響き渡るのは三色の恋音   作:しゅ〜

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久々すぎて書けるか不安だけどやってみよう!
と、勢いで始めてみました。

よろしくお願いしま~す!


#1 松原花音

 

 

 

 

 

とある放課後の路地。

いつもこの時間帯はあまり人が通らないのだが、そこに制服姿で走る少女の姿が。

 

「ふぇぇ、アルバイト遅れちゃうよ~!」

 

水色のサイドテールを揺らしながら走る少女の名前は松原花音(まつばら かのん)

花咲川学園高校の2年生で、ガールズバンドである「ハロー、ハッピーワールド!」のドラム担当。

 

そんな花音は今、アルバイト先であるファーストフード店に向かっている途中であった。

今日は放課後のバンド練習もあり、時間が押してしまいアルバイトに間に合うかギリギリだった。

 

少し走ると店が見えてくる。花音はすぐに裏口の従業員用出入り口から中に入る。

 

「お、おはようございますっ!」

「ん、花音か。おはよ」

 

扉を開けると休憩中なのか事務所の椅子に座って携帯をいじっている一人の少年が口を開いた。

彼の名前は九重 響(ここのえ ひびき)

花音と同じアルバイトだが、響はバイトリーダーをも任されていた。

学校は花咲川学園高校の3年生。

ひょろっとした細身でぼーっとしているがごく普通の男子である。

 

「息上がってるみたいだけど・・・急いで来た?時間帯的に店は混まないから多少遅れても良いのに。」

「そういうわけにはいきませんよ。あ、私着替えてきますね」

 

そういうと花音はバイトの制服を持って更衣室の方へと消えた。

 

「俺もそろそろ戻ろうかな」

 

携帯をポケットにしまい、事務所を出てレジへ向かう。

店には客があまりいなく、他の従業員も各々雑談したりしている。

 

とりあえずレジに立ち、付近の整理などをして時間を潰す。

すると着替えを終えた花音が戻ってきた。

 

「ただいま戻りました~、今日も頑張りましょう!」

「やる気満々だね。頑張ってくれよ~」

「響君も頑張るんだよ?」

「ま、それなりにね」

 

響はそう言い返すと再び整理作業に入る。

一方の花音はその様子を見てやることがないと察したのか、厨房のテーブル拭きを始めた。

 

「そういえば店長が言ってたけど俺に連絡してくれれば少しくらい遅れてきてもいいからね?」

「うーん・・・そうなのかなぁ・・・。じゃあ遅れるときは連絡するね!あ、そういえば今日は彩ちゃんとひまりちゃんはシフト入ってないの?」

 

花音が言う彩ちゃんとひまりちゃんというのは花音以外の女子高生アルバイトである。

花音を含めた女子高生アルバイト三人はこの店でとても人気があり、それ目当てで来店する客も少なくはない。無論、他の従業員もその笑顔に癒やされている。それは勿論、響も同じであった。

 

「あの二人なら今日は休みだよ。彩はアイドルの仕事でひまりは最近結構シフト入って貰ってたからね。ちなみに今日は俺と最後まで通しだ」

「そっかぁ・・・。でも響君とならいいかなぁ・・・なんて」

「・・・楽だから?」

「どうでしょう♪」

 

悪戯っぽい微笑みを見せる花音。

普段の彼女は内気で少し引っ込み思案なのだがアルバイトでは接客や人付き合いに慣れ始めたのか普通に話したりするようにはなった。

 

「まぁ楽はして良いけど働いては欲しいな」

「ふふっ、冗談ですよ♪」

 

なんて話をしていると店の来客用チャイムが鳴った。

 

「いらっしゃいませ。じゃあ花音、レジは任せて良いか?」

「はいっ!」

 

そういうと響はレジを花音に任せ厨房の方へ向かう。

基本的にレジは花音、彩、ひまりに任せるようにしている。理由は単純でその方が売り上げが上がるからだ。

三人は客にとってもこの店のアイドル的存在・・・まぁ彩は本物のアイドルなんだが、花音とひまりもガールズバンドでなかなか顔も知られていて人気が出ている。

響がレジに並ぶのとでは明らかに客の入りが違う。

 

「はぁ~、もうあの三人だけで経営できるんじゃないか・・・」

 

響は小言を口にするがその言葉を聞いている者は居なく、虚しく空気に散っていく。

そして響はぼちぼち仕事を始めた。

 

 

 

 

■ ■ ■

 

 

 

 

「はぁ~、疲れたぁ~・・・」

 

夕食時のピークを終え、時計を見ると20時を指していて二人は退勤の時間。業務を終え、響は事務所で休んでいた。

するとそこに着替えを終えた花音が戻ってくる。

 

「お、お待たせ~!」

「ん、来たか。じゃあ上がろっか」

 

他の従業員に挨拶を済ませ花音と響は店を後にする。

二人は家の方向が一緒のため、シフトが重なるときは大体一緒に帰っている。

 

「今日も疲れたなぁ~・・・。売り上げも悪くはないだろうし、花音のおかげかもね」

「そんなことないよ~、それに私より彩ちゃんやひまりちゃんの時の方がお客さんも喜んでくれてるし・・・。」

「おいおい、今日だって花音目当ての客いたろ?それが答えだろ」

「腑に落ちない・・・」

 

そんな雑談をしながら路地を歩いて行く。帰り道はこうして花音と話しながら家に向かっている。

その後もバイトのことや学校のことを話ながら歩く。するといつの間にか花音の家に近くまで来ていた。

 

「あ、着いちゃった・・・。響君と話してるとやっぱりすぐ着いちゃうね」

 

えへへ、と笑う花音。実際響も同じことを感じていた。

 

「だな。んじゃ、ゆっくりやすめよ~。また明日な」

「うんっ!おやすみ!」

 

花音はそういうと玄関に向かう。ガチャンという音を聞き、花音が家に入ったのを確認すると響は自宅に向けて再び歩き出す。

響の家は花音の家とはそう遠くなく、歩いて15分ほどだ。

先ほどと違い一人になった響は黙々と自宅を目指し歩き出した。

 

 

 

 




ありがとうございました。

指摘などあればよろしくお願いします。
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