響き渡るのは三色の恋音   作:しゅ〜

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ひまりちゃんの回です、ちゃんと可愛く書けてるだろうか…


#4 上原ひまりは構って欲しい

ファーストフード店 休憩室

 

「聞いてくださいよ響先輩〜、モカったら〜…」

「ひまり、その話なら一昨日聞いたよ」

 

休憩室の椅子に向かい合っているひまりと響。

ひまりはちょうど休憩時間でたまたま事務作業をしていた響と駄弁っていた。

 

「あれ、そうでしたっけ?…にしてもこれ、来月の…シフト表?響先輩が作ってるんですか?」

「まぁねー。今日から1週間店長が他県に出張だから任されたんだよ」

「へー、じゃあお店も少しバタバタしますね」

「かもね。一応俺も付くから大丈夫だと思うけど…」

 

店長不在となると現場の指揮を執るのは響になる。それは今に始まった事じゃなく、今までも何度かあった。

 

「響先輩も休まなきゃダメですよ〜?ただでさえ沢山働いてるのに…」

「俺は大丈夫だよ。少し業務が増えるだけだし」

「そうじゃなくて…」

 

ひまりが肩を落とすが響は「?」といった表情でひまりを見ていた。

そしてまたシフト表と睨めっこをする。

そして数分考えた結果

 

「よし、完成。とりあえずこんなもんかな。出れない日あったら今のうちに訂正しとくけど」

「全然だいじょーぶです!…あ、それじゃ私休憩終わりなので戻りますね〜」

 

そう言うとひまりは制服を着て表に戻って行った。

 

 

 

■ ■ ■

 

その後、店は何事もなく閉店時間を迎えた。

閉店業務を終え響とひまりは帰路に着く。

 

「そうえいば響先輩、明日は出勤ですか?」

「勿論。ただでさえ人少ないから」

「さっきも言いましたけどホントに休んだ方が良いですよ?アルバイトリーダーといっても高校生なんですし。」

「大丈夫だって。それに明日はひまりも出勤でしょ?ほら、家着いた」

「むぅ…まぁしっかり休んでくださいねっ!お疲れ様です!」

「そうするよ、お疲れ様。」

 

ひまりを家まで送った響は一人暗い夜道を歩き始めた。

 

 

〜翌日〜

 

 

「おっはよーございまーす!」

 

夕方、スタッフルームにいつもの元気な声が響く。

ひまりがドアを開けるとそこには作業をしている響の姿があった。

 

「おはよ、着替えたらレジよろしくな」

「はーい!」

 

出勤したひまりは更衣室で着替えながらほんの少し違和感を感じたがそれはほんの些細なもの。気にしない事にして着替えをする。

そして着替えが終わると更衣室を出た。

 

「よーし!響先輩、今日も頑張りましょ〜!えい、えい、おー!」

「響君ならさっき厨房に出てったよー」

「え〜っ!?」

 

他の従業員に言われ厨房に目をやると響が既に働いていた。

見られた小っ恥ずかしさとモヤモヤがひまりの心の中に残った。

 

 

結局その後も特に話すことなくひまりの退勤時間。

仕事のことで少しは話したものの雑談らしい雑談はしていなかった。

だからこそ響は今のひまりのテンションが下がっていることに気づいていなかった

 

「・・・あっ、響先輩、もう上がりですか?」

「ん、これやったら終わりだ。もう少し待っててくれ」

 

ひまりは着替えるためにスタッフルームに入ったのだがそこには何かの書類を書いてる響の姿があった。

スタッフルームには響とひまりのふたりきり。

 

ひまりは無意識に響の隣の椅子に座って響の肩に頭を乗せていた。

 

「ひまり?・・・あー、ごめんな」

「わかってるならもう少し構ってくださいよ~・・・」

「ひまりって意外と寂しがり?」

「響先輩の前でだけです、今日結構テンション下がってたんですからね〜?」

「ひまりってそういう所あるよな。それもまた可愛いところだけど」

「かわっ…!なんでそういう事平気で言えるんですか!?」

 

顔を真っ赤に染めたひまりはそれを隠そうと手で顔を覆う。

 

「そんな真っ赤にならなくても」

「うるさいです、こっち見ないでください!」

「……えぇ〜…」

 

気の利いた事を言ったつもりがこっち見ないでとまで言われた響は苦笑いをするしかなかった。

 

「よし、終わり〜。帰ろうか」

「はい!」

 

さっきまで真っ赤になっていたがひまりはいつもの様に元気な笑顔を響に見せた。そしてそのままひまりは更衣室で着替え始めた。

着替えてる最中、響から「先に外いる」と言われいつも通りが戻ってきたような感覚で嬉しくなったひまりはルンルンな気分で店を出た。

 

 

「お待たせしましたっ!」

「ん、行こっか。どっか寄ってく?」

「ファミレス!勿論、響先輩の奢りで!」

「…拒否したいのは山々だけど今日は仕方ないな。俺が悪いから」

「やったー!」

 

元気にガッツポーズをするひまりをやれやれといった表情で見つめる響。だが響もどこか心の中で「ひまりを構えなかった罪悪感」は少しだけだったようで。

 

「この事は花音さんと彩さんには内緒ですよ?」

「ん?いつもの事だから別に良いだろ?」

「女の子には女の子の事情があるんです!」

「ファミレスを内緒にしたいってどんな事情だよ…」

 

女心はわからないと肩を落とす響に対してスキップで先に進むひまり。

 

「ほらほら先輩!早くー!」

 

自分に妹が居たらこんな感じなのだろうか。と響は思った。

ひまりはバンドではリーダーを務めているが一個人としては妹みたいな存在。だからこそ響の心の癒しになっている部分がある。

 

「急ぐと危ないぞー。ファミレスは逃げない」

「ラストオーダーっいうのがあるんですー!」

 

余程ファミレスに行きたいのだろうか、響も急ぎ足でついて行く。

後にファミレスでたくさんのパフェを奢らされた話は響の財布の中に閉まっておこう。




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