Fate/Grand Order ~巻き込まれた特異と少女たち~ 作:コーラテートク
今回はいつもより長めですー
そして主人公(誠)たちが出てきません。
黒い風が周囲を凪ぎ払う。
圧倒的な力が振るわれる度、周囲は更地になっていく。
堕ちた騎士王───アルトリアオルタと呼ぶことにする───の剣線は藤丸たちを確実に追い詰めていた。
「おいおい、洒落にならねえぞ…!」
戦況はかなり悪い。
以前対峙した時以上の力を、アルトリアオルタが発揮していたためだ。
クーフーリンとしても、以前が全力だったとは思っていなかった。
だが、それを踏まえてこちらも勝てると判断した戦力を揃えていたのだ。
───にも関わらず、実際に戦ってみればこの様だ。
一方的に攻められ、防戦一方の状態が続いていた。
「くっ、うぁっ!?」
盾で剣を防ぎ続けるマシュも限界が近い。
何度も地面に叩きつけられ、その度に立ち上がり耐え続けている。
クーフーリンは考える。
(どうする、一か八かで宝具を使うか?だが、あの嬢ちゃんだけじゃ魔力が溜まるまで持たねえ。くそっ、手が足りねぇ!)
クーフーリンもただ眺めていた訳ではなく、キャスターとして召喚される大きな理由であったルーン魔術で援護していたのだが、アルトリアオルタが有する対魔力と全身を包む魔力により決定打を与えることが出来ないでいた。
(せめてランサーのクラスで召喚されてりゃあ、もうちょいやりようもあったんだが…。)
「あっ!?」
再度マシュが吹き飛ばされ、藤丸の足元まで転がってきた。
「マシュっ!?」
「う…。」
それでも、盾を支えにして立ち上がろうとする。
「貴様らは弱い、弱すぎる。それではこの先…。」
終始無言だったアルトリアオルタが口を開く。
「へぇ、あんた喋れたのか。ずっと無言だったからただの人形かと思ってたぜ。」
「話す必要がなかっただけのことだ。そして、もう遊びは終わりだ。」
「っ!?」
アルトリアオルタが話し終えた瞬間、とてつもない魔力の高まりを
漆黒の魔力がアルトリアオルタの構える聖剣に集まっていく。
「そんな、宝具ですって!?」
オルガマリーの驚愕の声が響く。
「宝具!?そんなの、あれしか…!」
この場で宝具を防ぐ手段は一つしかなかった。
クーフーリンとの訓練で身に着け、マシュが己自身を確立させるにいたった宝具。
「…やれるか、嬢ちゃん。」
「───やれます!」
「よし分かった。なら、あいつは何とかしてやる。」
それだけ言うと、クーフーリンは魔力を高めることに専念する。
「作戦会議は終わったか?ならば死をくれてやろう。」
聖剣に集まっていた魔力が解放される。
「『卑王鉄槌』極光は反転する。光を呑め…!『
「マシュ・キリエライト…。行きます!───仮想宝具『
放たれた極光と展開された大盾が鬩ぎ合う。
「やああああああああああ!!!」
マシュに叫びに応え、拮抗し耐えていた大盾だったが、
「…はぁぁ!」
アルトリアオルタから放たれていた極光が威力を増したことにより、一気に押し込まれる。
「そ、んな…!?」
盾ごと押し込まれて、今にも倒れてしまいそうになっている。
圧倒的な実力差を見せつけられ、マシュの体も心も、既に限界を迎えていた。
「マシュっ!」
堪え切れずマシュの元へ駆け寄ろうとした藤丸だったが、オルガマリーの言葉に足が止まる。
「待ちなさい藤丸、貴方が行ってどうするの!?」
「で、でも!」
「貴方はマシュを、自分のサーヴァントを信じられないの!?」
その言葉を聞き思い出したのは誠に言われた言葉だ。
『───ほう、つまりお前は自分のサーヴァントを信用していない、と?』
あの時見たマシュの表情は、深い悲しみに染まっていた。
───それでも、今は自分のような不甲斐ないマスターの力になりたい、と宝具まで解放してくれた。
(そんなマシュを信じられない訳ないじゃないか!)
間違いなく、藤丸の中で何かが変わった。
「マシュ、頑張れ!君なら、きっとやれるって信じてる!」
「───はい!マシュ・キリエライト、センパイの信頼に応えて見せます!」
仮想宝具
その元になった宝具は、使用者の
マシュの想いは、アルトリアオルタにも打ち勝った。
極光は弾け飛ぶ。
「…ほう?」
「「今だ(です)!」」
そしてその隙を見逃すほど、クーフーリンは甘くなかった。
「我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社───
倒壊するはウィッカー・マン! オラ、善悪問わず土に還りな───!
焼き尽くせ木々の巨人 『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』! 」
最大までチャージした宝具が、アルトリアオルタに炸裂した。
やはり小説は難しい(´-ω-`)