Fate/Grand Order ~巻き込まれた特異と少女たち~ 作:コーラテートク
申し訳ない(;・∀・)
凄まじい爆炎が周囲を包んだ。
「うっしゃ、決まったぜ!」
完璧な手応えだった。
なにしろ全力の宝具だ、仕留めるまではいかなくてもかなりのダメージを負わせることが出来た筈である。
「はぁ、はぁ…。ど、どうですか…?」
マシュも全力を使い果たしたようで、立つのもやっとという状態である。
「ははは、流石にこれで仕留め切れてなかったらキツイなぁ!」
「さ、流石に、終わったよな?」
「大丈夫だとは思うけど…。油断だけはしちゃだめよ?」
警戒を促すオルガマリーもこれなら流石に、と思っていた。
だが、現実は非情である。
「…『卑王鉄槌』極光は反転する。」
和やかになりかけていた空気が凍った。
「光を呑め…!」
「そん、な…。」
「嘘、よね?」
「避けろマスター!!!」
「
再び、極光が放たれた。
〈藤丸視点〉
世界がスローに見える。
こちらへ必死に手を伸ばすマシュ。
絶望したように座りこむオルガマリー。
先程まで見せていた飄々とした雰囲気など一切なく、焦った様子のクーフーリン。
そして、目前に迫る極光。
(ここまで頑張ったっていうのに、これはあんまりじゃないかな…。)
悔しいという思いと、ここまで一緒に戦ってくれた仲間たちに対し、申し訳ないという気持ちが浮かんでくる。
(多分、あれだけの威力だし痛みを感じる前に消えちゃうかな…。)
と諦めたように目を閉じかけた。
だが───
「「
藤丸が死ぬことはない。
七枚の花が咲き誇り、極光を押しとどめたからだ。
「………ああ。」
(きれいだなぁ。)
こんな状況で何を考えているんだ、と思う者もいるだろう。
しかし、確かに美しい、きれいだと感じたのだ。
逃げることすら一瞬忘れてしまうほどに。
花を咲かせた
「今の内だ!早く藤丸拾って退避しろ!」
「おう、助かったぜ!」
その言葉と同時に、クーフーリンが藤丸を回収して後退する。
「よし、後はこっちでなんとか…。」
「ちょっ、おにいちゃん!?予想以上に厳しいんだけどこれ、完璧に出力負けしてる!」
もう一人、誠の隣で
「嘘だろ!?二人で展開した、完全な
───誠、すまないが次で限界だろう、後は任せた。
「なに!?どういうことだアーチャー!?」
───話している余裕はないが、これだけは伝えておく。まだ敵は残っている、油断するな。
「お、おいアーチャー、どういうことだ…!?」
そう話している間にも、花弁は一枚、二枚と砕かれていく。
「くそっ…、意味が分からないし予想以上に速いけど、仕方ないか…!」
花弁の六枚目が砕かれた。
「イリヤ、美遊、今だ!」
合図を送ると同時に、クロを抱えてその場から飛び退く。
飛び退いた場所を極光が突き抜けていく。
その瞬間、
「「
アルトリアオルタの左右を挟み込むように魔力弾が放たれる。
「く…!」
アルトリアオルタも
「そのまま抑え込んでてくれ!クロ、やるぞ!」
「了解、おにいちゃん!その代わり後であれ、お願いね!」
「分かってるよ…。」
二人同時に矢を番え、放つ。
「
「
「しまっ!?」
アルトリアオルタが気付いた時には遅く、今度こそその体を地面に沈めることになった。
ストーリー沿いとか言っておきながら、既にストーリーから少しずれている件について(´-ω-`)