Fate/Grand Order ~巻き込まれた特異と少女たち~ 作:コーラテートク
許してください何でもしますんで!(何でもするとは言ってない)
振り抜いた双剣が槍ごとランサーを切り裂く。
その一撃で霊基に致命的な傷を負ったのか、俯いたまま消えていくランサーだったが───
完全に消滅する寸前、その口元が見えた。
ランサーは───
嗤っていた。
ゾクリ、と背後に悪寒が走る。
直感に従い、即座に離脱しようと動き出したのだが、遅かった。
その直後、背後に現れたサーヴァントに背中を切り裂かれる。
否、いきなり現れたのではなく、元から近くに潜んでいたのだろう。
気付けなかった。簡単に言ってしまえば油断していただけだ。
「が、ァ…!?」
元々狙われていたであろう首に当たらなかったのは幸運だった。
だが、どれだけ強かろうと、誠は人間だ。
それだけに、今の一撃は致命的だった。
「ア、アサ、シン…!」
「甘イ、甘イゾ。イツカラ敵ガ一人ダト思ッテイタ?」
「ぐ、くそぉ…!」
悔しさが込み上げてくるが、そんなことを考える暇すらなく追撃が来る。
咄嗟に干将・莫邪を盾にして防ごうとするが、力なく添えられただけの剣で防げるほどサーヴァントの攻撃は甘くなかった。
剣は弾き飛ばされて消滅し、誠自身も直撃は免れたものの、大きく吹き飛ばされ壁に激突する。
「が、ぁ…。」
肺の中の空気が吐き出され目の前が真っ暗になる。
苦しい、呼吸が出来ない。
激しい痛みに視界が歪み、意識が飛びそうになる。
ふと、脳裏に褐色の白い髪の男の姿が映る。
その男は皮肉気な表情を浮かべ口を開く。
───諦めるのか?ここで倒れたら、誰がこのアサシンと戦う?
その言葉を聞きふと蘇るのは、最後に別れた藤丸たちの姿である。
まだだ、まだ力は入る。
「ム?」
「俺、は…!」
魔力も問題なく使える。
───ならば貴様はどうする?
「俺は…!負けられないんだ!!!」
己の心からの叫びとともに、力を振り絞って立ち上がる。
───フッ、そうか。なら少しだけ、力を貸してやろう。
師匠からもらったお守りが光を放つ。
「ソノ光ハ…!?」
中に入っていたのは───
「これは…?何かの欠片と、カード?」
黄金に輝く欠片と、弓を射る人が描かれたカードの二つ。
手に取った途端、先程の男の声とは違う、どこか機械的な声が聞こえてくる。
───貴様は、何を望む?
「戦う力を。」
───何のために戦う?
「守るため、救うために。」
───その願い、聞き届けた。
最後にその言葉が聞こえた瞬間、黄金の欠片から凄まじい光が迸る。
光が収まる。欠片は消え、代わりにカードケースのようなものが腕に装着されているのが確認できた。
何故かは知らないが、使い方は理解できている。
「さて、反撃開始だ。覚悟しろよ?」
何書いてるか分かんなくなりそう…。
小説初心者なんで多めに見てください(´・ω・`)
あと感想とかいただけると嬉しいです。