Fate/Grand Order ~巻き込まれた特異と少女たち~ 作:コーラテートク
「はあっ、はあっ…。宝具投影に魔力を使いすぎたか、休まないと、少し厳しいな…。」
───バ──ノ!─やく離─ろ、そい─は!
魔力を多用したためか、アーチャーの声が聞こえにくい。
「なんだって?まあいいか…。
藤丸たちが見つかっていたら間違いなくやられていた、それほどの強敵だったのだ。
「さて、早いこと離れないとな。」
重い体を引きずって離れようと踵を返した瞬間、背後が爆ぜた。
「なんだ!?」
咄嗟に体を捻り、飛んできた破片を回避するが、視界に映ったものに言葉を失う。
「おいおい、嘘、だろ?」
───だから待てと言っただろう!あれは簡単に殺せる相手ではない、今すぐに撤退しろ!
「■■■■──!!!」
「っ!?
凄まじい力で投げつけられた斧剣を、咄嗟に
「ま、りょくが…。」
魔力の大幅な消耗により、視界が歪む。
───馬鹿者!意識を保て、ここで意識を飛ばせば死ぬぞ!
「わ、かって…。ぐぁぁっ!?」
そして、その隙を見逃す狂戦士ではなかった。
斧剣の一撃をもろに喰らい、瓦礫に叩きつけられる。
───誠!?
「なんとか、生きてる…。」
───ちなみに、先程の防御で魔力がほぼ空になっているぞ。英霊化も保てない、解除する。
その言葉を最後に、反応が返ってこなくなった。
「………え。」
「■■■───?」
敵にも心配される始末である。
《カルデアside》
誠がヘラクレスと戦い始めて少しした頃───
「聞こえたかマシュ!?」
「はい、聞こえました!」
「きっと衛宮が戦ってるんだ。急がないと!」
藤丸たちは───走っていた。
「ちょっと、どこにいくつもりよ!?」
途中で合流したキャスターが話し出す。
「おいおいおい、俺はオススメしないぜ?なんせそいつが戦っている相手はバーサーカーだろうしな。」
「バーサーカー?確かに狂化してステータスは上昇している筈だけど、そこまで驚異になる存在では…。」
「奴の真名はヘラクレス、大英雄ヘラクレスだ。」
「ヘラクレスですって!?(誠視点で記載済みなので以下略)」
「ああそうだ。奴と戦ったことのあるやつしか知らんだろうがな、奴はとてつもなく厄介な宝具を持ってやがんだ。」
「宝具?」
「
「走りながらも説明していただき、ありがとうございます!ですが、それはつまり、倒す手段が無いと言うことなのでは!?」
「おう、普通なら殺すことなんざ出来ねえよ。だから行くのはオススメ出来ねぇ。…んで、どうすんだ」
「「早く行かないと(行きましょう)!」」
「…全く、甘いマスターだぜ。なら急ぐぞ!」
「「了解(です)!」」
「…どうしてこうなったのかしら。」
《カルデアsideout》
今頃失態に気付く(´・ω・`)