真剣で私に恋しなさい!~もう一人の武神~   作:Ragal

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今回は川神院にフォーカスを当てた幕間の話です。
活動報告に今後の書き方を書いてあるので良ければ見てください。


幕間1

「うがああああああ!!!!」

 

あのバカ何年も帰ってこないなんてお姉ちゃん許さないぞ!!!

戻ってきたらボコボコに出来るように圧倒的に強くなってやる!!

 

「おーおー、荒れてるねぇ。ちったぁ門下生たちの事も考えてやれよな。」

「釈迦堂さん!!!あのバカの様子どうでしたか!?」

「だいぶ良いところで鍛えてもらってたわ。俺も何か掴めたしな。」

「ふぉっふぉっふぉ。無敵超人と闘ったみたいじゃのぉ。」

「おー、爺さん。ありゃ無理だ。何しても勝てるビジョンが1ミリも見えやしねえ。」

 

なに…?

釈迦堂さんにそこまで言わせる奴がいるのか…

私もそこに行けば…!

 

「モモは行ってはならんぞ。」

「なんでだジジイ!!!!」

「あちらの達人たちに毎日闘いを挑むのが目に見えてるからじゃ。」

「当たり前だろ!!強い奴と闘って何が悪い!!!!」

 

私は誰よりも強くなるんだ!!その為なら…!!

・

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「喝!!!!!その考えがいかんのじゃ!!強さだけを求めてばかりで心が未熟のままなら一瞬で狂気に落ちる!!」

「心を鍛えろ心を鍛えろってうるさいぞ!!!1番強ければ問題ないじゃないか!!!」

「ええいこのわがままな孫め!!!」

 

あっという間に口喧嘩が始まり、先ほどよりヒートアップしてしまっている。

 

「あーあー、爺さんもすーぐ熱くなっちまって。孫娘が変な方向に行かないように必死だなありゃ。」

「当たり前だヨ!百代は才能に溢れているけど心がまだまだ未熟すぎるヨ。」

「お、ルーじゃねえか。…ん?何かお前の声さっきも聞いた気がするな。なんだこりゃ。」

「どうしたんダ釈迦堂。」

「いや、なんでもねえ。気にすんな。」

 

アパチャイと声が同じなんてことは無い。無いのである。

 

「あ、おいルー。後で手合せしようや。」

「ン?最近は声かけてこなかったのにどうしたんダ。」

「いいからやろうぜ。久々に一泡吹かせてやるよ。」

「言うじゃないカ!!こっちは鍛錬を欠かさずやってるから負けないヨ!」

「二人とも!!!!!あの二人止めてくださいよ!!!」

「おっと、先にこっちをどうにかしねえとな。行くぞリー。」

「そうだネ。おーーい!!二人とももうやめなさイ!!」

 

師範代二人で爺孫喧嘩を収めに向かう。

だが、それにより余計に被害が増えたのは余談である。

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・

川神院内の掃除が終わり、お互いをライバルと認め合う男二人が向かい合っている。

 

「さぁてリー。久々にやり合おうじゃねえか。」

「いつでもかかってくるといいヨ釈迦堂。」

 

才能を持ち、それに甘えながらも師範代になった男と才能は無いが、努力により師範代になった男。

今までは釈迦堂が才能の上に胡坐をかいていたが、今はその姿勢は1ミリたりともない。

それを感じているリーは今までのライバルとは違う、と気を引き締めて挑んでいる。

 

「いい顔になったネ釈迦堂。」

「へへっ…もう一回努力ってのをしてやろうかと思ってな。」

「私もウカウカしてられないってことだネ。」

「ハッ!!今は自分の方が先にいるってか?随分と偉くなったもんじゃねえかルーさん、よぉ!!!」

 

言葉尻を強めるとともにルーに突撃する釈迦堂。

リーは以前よりも速い釈迦堂に一瞬対応が遅れる。

 

「グッ?!やるじゃないカ釈迦堂!!!」

「なんだァ?お前の力はこんなもんかよぉ!!!」

「これからだヨ!!!」

 

腹部にまともに攻撃を受けたルーだが負けじと顔面を殴り距離を離す。

 

「へっ、キレは上がったがパワーは落ちたんじゃねえか?」

「減らず口ヲ!!!」

 

お互い接近し時に避け、時に被弾しながら打ち合いを続ける。

拮抗していた打ち合いの中で一瞬の隙を突き、釈迦堂が離れ、

 

「お前に見せたことない技をつかってやるよ!行きやがれ!!リング!!」

「ッ!?」

 

釈迦堂が腕から輪状の気弾を放つ。

ルーは初見という事もあり、大きな隙を作られてしまう。

 

「隙有りだぜ!!川神流!無双正拳突きィ!!!」

「ぐぅぅ!!?」

 

強力な正拳突きをくらい吹き飛ぶルー。

だが…

 

「くっ!あの瞬間で反撃するたぁ、腕上げたじゃねえか、ルー。」

「伊達に師範代をやっている訳じゃないヨ…!」

 

釈迦堂の拳が当たる瞬間にリーの足が釈迦堂の顎を掠っていた。

ダメージとしてはリーの方が多いが、釈迦堂も脳を揺らされた為追撃が出来ない。

 

「流石は俺のライバルだ…そうこなくっちゃよぉ!!!」

「今回モ!これからモ!私は負けることはないゾ!!!」

 

お互いダメージはあるが気にせず突っ込んでいく。

だがしかし…

 

「そこまでじゃ二人とも!!」

 

鉄心に止められてしまう。

 

「あ"ぁ!?ジジイ!!!!何で止めやがる!!!良いとこじゃねえか!!!」

「総代!!!どうしてですカ!?!」

「お主ら周りをよく見るんじゃ…釈迦堂の放ったリングとやらでまた荒れとるわい…」

 

先ほどの自分を棚に上げ周りの被害を訴える鉄心。

 

「ケッ!あんたはさっき百代との喧嘩で顕現までさせてたのによぉ。」

「うるさいわい!!また機会は設けてやるから今日は終わりにするんじゃ。」

「わかりましタ…釈迦堂。今日の決着はまた今度ダ。」

「おう…そん時は圧倒的に勝ってやるから覚悟しとけよ。」

「それはこちらのセリフだヨ。」

 

お互い軽口を叩きあうが、笑顔であった。

互いをライバルと認め合う男達はこうして成長していくのであった。

・

・

・

「釈迦堂さん…あんなに強かったっけ…?」

 

先ほどの闘いを見ていた百代は釈迦堂の強さに違和感を覚える。

梁山泊に向かう前から強かったが、リーと互角以上で闘えるほどでは無かったように思える。

 

「やっぱり私も行くしかないな…今度釈迦堂さんが行く時にこっそり着いて行くか…」

「なーにブツブツ言ってんだ百代。もう飯だぞ。」

「わっ?!釈迦堂さん!!」

「何驚いてんだ?ずっと後ろにいたんだぜ?」

「考えすぎて気づかなかった…あ、釈迦堂さん!今度りょうざんぱ…く?とかに行くとき私も連れて行ってくれ!!」

 

百代の言葉にとてつもなくめんどくさそうな顔をする釈迦堂。

はぁ…とため息をつき、

 

「あのなぁ…お前が行ったら爺さんにどやされるの俺なんだぞ?」

「ジジイが文句言ったら私が全部罰は受ける!!だから連れて行ってくれ!お願いだ!!」

「仕方ねえなぁ…当分は行かねえけどそれでもいいか?」

「うん!!!ありがとう!!釈迦堂さん!!」

 

わーい!!と言いながら夕飯を食べに向かう百代。

 

「ったく、ああいうところは年相応のガキだなおい。」

「全くだネ。」

「うぉ!?…んだよリーかよ…脅かすんじゃねえよアホ。」

「これだけ近くにいるのに気付かないお前が悪イ。」

「はぁ…まぁいい。俺らも飯食い行くぞ。」

 

自分も長老・リーとの闘いで疲れているのが分かったので釈迦堂は身体を休める為にまず食事へ向かう。

ゆったり歩き出す釈迦堂の隣を何も言わず歩くリー。

 

「釈迦堂さん!リーさん!遅いぞ!!空腹で死にそうだ!!!」

「わりいわりい。今もう座るから静かにしてろ。」

「ごめんネ百代。さぁ、食べようカ。」

 

・

・

・

川神の外れにて、老人二人が月を見つつ酒を飲みながら話している。

 

「すまんのぉ隼人さん。釈迦堂の相手をしてもらって。」

「構わんぞ鉄心よ。中々筋がいい若いのがいてワシも安心じゃわい。」

 

川神鉄心と風林寺隼人である。

 

「釈迦堂は心に闇を持っている節があったのでな…隼人さんに相手をしてもらえれば変わると思ったが成功して良かったわい。」

「ホッホッホ。なあに、おがちゃんと比べれば小さな闇じゃったから苦じゃなかったのぉ。」

「おがちゃんというと…緒方一神斎のことかのぉ?あれは中々に歪んだ心の持ち主じゃったわ…」

「それに比べて今の弟子のケンちゃんは良い子過ぎてびっくりじゃ。」

 

愛弟子の事を思い、自然と笑みが零れる隼人。

彼なら活人拳の象徴にもなれるであろう信念を持っている。

ただし…

 

「まぁ才能はこれっぽっちもないんじゃがのぉ…」

「それであの者たちの鍛錬に耐えているのはある意味才能だと思うがの…」

・

・

・

その頃の梁山泊

「ヘクシュン!!!」

「ケンイチさん風邪ですか?」

「いや…これは長老あたりに何か言われてる感じだ。」

「なんで分かるんですか…」

「あの人たちと過ごしているとね…」

「ちょっと分かるんで嫌ですね…」

・

・

・

「さて、ワシはそろそろ帰るぞい。」

「神威をよろしく頼んだぞ、隼人さん。」

「任せなさい。あの子はワシらが身も心も大事に育てて立派な武人にするわい。」

 

老人二人が笑顔で別れを告げ帰路に着く。




ふと思ったんですけど、パワーバランス的にケンイチの達人サイドの方がめっちゃ強いですよね…
その辺も考えながら書いていきます。
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