真剣で私に恋しなさい!~もう一人の武神~   作:Ragal

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九鬼をなんとなく絡ませました!!
前回ヒュームの名前も出したので、良いかな、と思ってます!!
では、どうぞ!!


11話

こんちゃっす!

神威だよ!!

 

この前釈迦堂さんが来てからホントに鍛錬の量が増えて地獄絵図だよ!!!

最早空元気だよ!!!!ハハッ!!

そして…

 

「おい神威!!何ボーっとしてやがる!!!」

「いやー…現実逃避ってやつですかね…」

「神威君…もう諦めよう…」

 

『裏社会科見学』

とやらに連れてこられている。

凄い嫌な予感しかしない。

 

「これ…どこ向かってるんですか…」

「それは着いてからのお楽しみ、ってやつだ!!!」

 

まだ俺小学生だよ??

1日休める日が最近ホントに無い…

「よーし着いたぞ!今日は前みたいに俺クラスの達人がいるわけじゃねえが、神威もいるし丁度いいだろ!」

「前はいたんですか!?」

「うん…逆鬼師匠の元仕事仲間が…」

「ええ…前回俺いなくて良かったです…」

 

多分速攻死んでたでしょ…怖い…

 

「とは言え達人はいるみてえだからな。引き締めていけよ!!!」

「はい…ケンイチさん頼りにしてますよ…」

「ええ!?僕も達人相手は全く歯が立たないよ!?」

「おら!二人ともグダグダ言ってねえで行くぞ!出来るか出来ねえかじゃねえ!やるかやらねえかだ!!」

「「!!はい!!やります!!」」

「よし!!いい返事だ!!」

 

こうして俺たちは『裏社会科見学』を始めていった。

 

 

「ねえ逆鬼師匠ー!?師匠並の達人いないんじゃなかったんですかー?!」

「うるせぇ!!!俺もこんなのがいるなんて聞いてなかったんだよ!!!」

 

今回は護衛の依頼であり、対象の周りを探りながら移動していたのだが、

逆鬼が『ヤバイ』気配を感じそこに向かって気当たりをした所、

逆鬼に勝るとも劣らない達人が出てきたのである。

 

「ちっ!しかもこいつ全然名が通ってねえ!何者だ!!!」

「ふっ、九鬼と親しい者を狙っている不届き者を成敗しに来てみたら…中々歯ごたえの有る奴がいるじゃないか。」

「九鬼…?あ!?もしかして鉄爺がたまに話してくれた…」

「ん?何だ赤子…あぁ、鉄心のとこの赤子の片割れか。道理で見たことがある筈だ。」

 

逆鬼と打ち合っている達人は、九鬼従者部隊No.0に立つ老執事で九鬼が抱える戦闘者の中でも最強の実力者。

ヒューム・ヘルシングである。

 

「何だか知らねえが、仕事の邪魔する奴は容赦しねえぞジジイ!!!」

「かかってこい。俺と対等に闘える猛者よ!!」

「ひぃ~!??か、神威君!!!一旦避難しよう!!」

「ケンイチ!神威!!!ここは俺に任せて護衛対象を追え!!!後から追いつくからよ!!」

「俺を倒すつもりか?舐められたものだ!!」

 

ヒュームの言葉を皮切りに、打ち合いが激化していく。

周りの物は壊れ、吹き飛び、打撃音だと思えない轟音が辺りに響き渡る。

 

「ケンイチさん!急ぎましょう!」

「う、うん!師匠ー!!負けないでくださいねー!!」

 

ケンイチの言葉に一瞬親指を立てる逆鬼。

まだ余裕はあるようだ。

二人は急いで護衛対象へと向かう。

 

 

「おりゃぁ!!!」

「ふっ!!!!」

 

護衛対象が敵に囲まれていたので二人で撃破していく。

元々の敵は逆鬼の言う通り、そこまで強くはないようだ。

 

「神威君!僕が合わせるから、自由に動いてもらって構わないよ!」

「ありがとうございます!はぁっ!!!」

 

ケンイチが神威に合わせて敵の数をどんどん減らしていく。

ここ最近激しくなった鍛錬の成果が出ており、ケンイチは追いつかれたらどうしよう…と内心不安になっていた。

空手・中国拳法・柔術・ムエタイを駆使し、倍以上歳の離れた敵を撃破していく。

そこに…

 

「おぉ、お若いのに中々にやりますねお二人とも。」

「ッ!!誰だ!!!」

「警戒しないでもよろしいですよ。私は九鬼従者部隊のクラウディオと申します。」

 

先ほどのヒュームと同じような恰好をした老人が現れた。

 

「ヒュームは非常に好戦的なので、そちらの方と闘っているようですが、私はお話をしにきましたので。」

「話ですか…?」

「はい。こちらのお方は我らが仕える九鬼財閥が懇意にしている方でしてね。

 狙われていると言う情報を耳にして、出向いた次第でございます。」

「なるほど…じゃあ、お互い護衛対象は同じなんですね?」

「左様でございます。恐らくヒュームが殺気を当て、それに返されて闘いが始まってしまったのだと思うのですが…

 大変申し訳ございません。」

 

クラウディオは事情を説明し頭を深々と下げる。

 

「い、いえ!!こちらも喧嘩っ早い師匠なので…申し訳ありません。」

「お若いのに礼儀がしっかりしていらっしゃる。あの二人の闘いが終わるまで、4人でティータイムでも取りましょう。」

 

そう言うと一瞬でテーブルと椅子を用意するクラウディオ。

護衛対象と一緒にティータイムを取るという謎の空間が出来上がってしまった。

 

「いやぁ、ヒュームは強さに関しては申し分ないのですが、闘争本能が人一倍強くてですねぇ…いつも困っているんです。」

「逆鬼師匠も同じですね…闘争本能と言いますか喧嘩っ早さと言いますか…」

 

お互い苦労しますね、と紅茶を飲みながら苦笑し合うクラウディオとケンイチ。

すると神威が、

 

「あの、ヒュームさんがいるならどうしてクラウディオさんまで…?」

「ヒュームはやりすぎてしまう傾向があるので、そうなった時の為の抑え役でございます。」

「と、いう事はクラウディオさんも抑えられるほど強いってことですよね…?」

「とんでもございません。ヒュームと真っ向で闘ったら全く歯が立たないでしょう。ですので、これを使って抑えております。」

 

そういうと糸のようなもので周りの物を浮かせるクラウディオ。

あぁ、この人も達人なんだな、と神威とケンイチは遠い目をする。

 

「私の話はこのくらいにして、そろそろ二人ともこちらに来る頃でしょう。」

 

クラウディオが言い終わるとすぐに二人が歩いてきた。

 

「いやぁー!アンタ中々にやるじゃねえか!久々にいい運動になったぜ!」

「貴様こそ、本気ではないとはいえ俺に張り合うとはな。まだまだ楽しみな逸材だ。九鬼財閥に来ないか?」

 

笑って話をしながら何事も無かったかのような雰囲気である。

 

「ヒューム…話もせずに闘いを仕掛けるのはいただけないですよ?」

「何、そう怒るなクラウディオ。たまには強者と闘いがしたいだけだ。」

「ふ、二人とも本気じゃなかったんですか…?」

「当たり前だ。本気でやってたらこの辺一帯更地になっちまうぜ。」

「逆鬼様の言うとおりですよケンイチ様。先ほどの闘いははある程度流した組手のようなものでしょう。」

 

ええ…と神威とケンイチは若干引く。

巻き込まれたら死ぬのではないかと思うレベルであったからだ。

 

「さて、依頼も済んだことだし梁山泊に帰るぞお前ら。」

「なに?梁山泊だと?」

「ヒューム…あなた知らずに喧嘩を吹っかけたのですか?」

 

クラウディオがやれやれ、と軽く頭を振りながらヒュームに呆れたように問いかける。

 

「何だ、アンタうちの事知ってんのか?」

「無敵超人とは友人に近しい間柄だ。元気にやってるか?」

「元気も何も、未だに俺らが挑んでも勝てやしねえよ。」

「ふっ、相変わらず化け物のようだな。」

「だーれが化け物じゃって??」

「「「「!?」」」」

 

建物の上に長老が座っており、全員が驚愕した。

神威やケンイチはともかく、他三人の達人が気付かなかったのである。

 

「ジジイ!気配くらいだしやがれ!!」

「ホッホッホ。まだまだじゃのぉ逆鬼君。」

「いつ以来だ無敵超人。更に進化しているな。」

「ワシも若い者には負けられんからのぉ!」

 

達人4人が集まり、異様な状況になっている。

護衛対象となった社長は全く話に着いて行けず、ひたすら紅茶をボーっと飲んでいた。

 

「おっと、あのオッサンのこと忘れてたぜ。目的地まで送らねえとな。

 あ、おい。せっかくジジイが来たんだ、アンタらうちに少し寄って行けよ。」

「どうしますかヒューム?」

「ふむ…多少時間の余裕はあるようだな。少し寄らせてもらおう。」

「よし!じゃあちゃっちゃと送っちまうか!」

 

こうして神威の初めての『裏社会見学』は幕を閉じた。

 

 

「ほぉ…ここまで良質な戦士が集まっているとはな…我ら総出でも倒せるかわからなんな。」

「そんな物騒な事を言うんじゃありません。敵対することはまずないでしょう。」

 

梁山泊に着くや否や他の達人たちを見て好戦的な目を向けるヒュームを叱るクラウディオ。

 

「誰ねこの人たちは?」

「九鬼財閥の従者部隊だとよ。そのヒュームって言う金髪のジジイとやったんだが、中々にやりやがるぜ。」

「ほう?あの名高い九鬼財閥の方々か。武術以外でお世話になっているねぇ。」

「あ、芸術品ですか?秋雨師匠の作品はレベルが高すぎますからね…」

「秋雨…岬越寺秋雨様ですか?」

「ええ。そうですよ。」

 

クラウディオが珍しく目を見開き驚く。

 

「まさかお会いできるとは…あなたの作品は九鬼の本部にも何点か飾らせていただいております。

 こんなにお若い方の作品だとは思いもしませんでした。」

「年齢公開はしていませんからねぇ…お褒め頂きありがたい限りです。」

 

クラウディオが秋雨に握手を求め、とても嬉しそうに作品を褒める。

秋雨も面と向かって褒められ多少照れくさそうだ。

 

「アパー!!!強そうな人がいるよー!!!」

「こらアパチャイ!!やめんか!!」

「これはまた面白い奴がいるな…!!!」

 

そんな二人をよそにアパチャイがヒュームに突っかかる。

今にも闘いが始まりそうになるが…

 

「そんなに闘いたいならワシが相手をしてやるぞ…?」

「アパァ…」

「ふん、また今度にしてやる。」

 

長老が一瞬本気の圧を出すと二人ともおとなしく引き下がった。

 

「ヒュームも風林寺様に言われると弱いですね。」

「黙れクラウディオ。お前は闘ったことが無いからそう言えるのだ。本気でやったら命を賭けねばなるまい。」

 

茶化すクラウディオに至って真剣な表情で告げるヒューム。

 

「やっぱり長老が一番規格外なんですね…」

「ケンイチさん良くマンツーマンでやって生きてましたね…」

「うん…思い出すと辛くなるよ…」

 

過去の鍛錬を思い出し今にも泣きだしそうな顔になるケンイチ。

鍛錬の凄まじさがこれだけで分かってしまう。

 

「そういえばどうして護衛の仕事に二人がいたんじゃ?普段であればあの位の仕事に出ることはないじゃろうに。」

「俺の勘が行けと告げたのでな。案の定刺激を貰う事が出来たぞ。」

「揚羽様もそれを伝えると快諾してくださいました。」

「ホッホッホ。相変わらず九鬼は破天荒じゃのぉ。」

 

その後、10分ほど話すと時間が来たとのことで二人は帰還した。

 

 

「ケンイチ、神威。今回かなり予定外の事になっちまってすまねえな。」

「いえ!神威君と連携も取れたので、大丈夫でした!!」

「そうですね。ケンイチさんとだとだいぶ闘いやすいので、助かりました。」

「それなら良かったぜ!!俺は次あのジジイと会ったらぶっ飛ばしてやりてえぜ!!!」

 

闘志があふれ出る逆鬼を見て二人は元気だなー、と苦笑いをする。

 

「とりあえず今日は飯食ってしっかり休め!明日からまた厳しくいくからな!」

「「はい!!」」

 

こうしてちょっといつもと違う1日は終えた。

 

 

「ヒューム。神威様はどうでしたか?」

「まだまだ赤子の域を出ないが、姉より努力家で心も鍛えられている。もしかしたら姉を超えるやもしれんな。」

「ほう?ヒュームにそこまで言わせますか。将来が楽しみですな。」

 

梁山泊からの帰路、達人二人が話をしながら神威に高い評価を下した。

各方面の達人から期待を持たれている神威はなんとなく嫌な汗を掻きながらそれを気のせいだと自分に言い聞かせ、体を休めるのであった。

 




基本的にマジ恋軸なので、ケンイチを軸に話を作るか迷ってます…
オリジナルストーリーメインでいっていいんですかね、、、
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