真剣で私に恋しなさい!~もう一人の武神~   作:Ragal

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敵サイドですが、黒虎白龍門会を抜けずに、性格も改変しています。


14話

こんにちは。神威です。

俺たちの対戦相手は黒虎白龍門会。

恐らく中国拳法の使い手が相手になると思う。

 

「見る限り相手も三人ですわね。」

「各個撃破で、なるべく2対1、3対1にしていきたいところですけど…」

「相手も中々の力量だと思うので、簡単には行かなそうですね…」

 

気を引き締めて行かないと…!!

 

 

「さぁ!!次のカードは、黒虎白龍門会vs梁山泊だァ!!!」

 

ケンイチ、美羽、神威が静かに武舞台に向かう。

黒虎白龍門会の三人、郭 誠天、帳 射林、楊 鉄魁は既に武舞台に上がっており、三人を待っている。

 

「貴様が白浜兼一か…!!!」

「そ、そうだけど…」

「貴様のような奴があの方の弟子とは…!!!」

「許せぬ…!!!」

 

三人とも何故だかケンイチに向かって敵意剥き出しである。

チーム梁山泊の三人は困惑している。

 

「我々はあの方の弟子になるに相応しい実力を持つまで、必死にこれまで耐えてきたのだ…!」

「どんな事にも挫けず、あの方に助けられた恩を忘れず…!」

「それなのに!!何故貴様のような弱者があの方の弟子なのだ!教えてください!剣星殿!!!」

 

全員の目が剣星に向けられる。

 

「どういうことですか!師父!」

「いやぁ…ちょっと昔においちゃんがその三人を助けたら、やけに懐かれてしまったのね…」

「剣星殿!!我々は確かに黒虎白龍門会に残り、どんな仕事でもこなしてきました!」

「ですが、それはあなたに認めてもらうため!!」

「弟子にしていただけるのであれば、今すぐにでも黒虎白龍門会を抜ける覚悟です!」

 

三人の熱量に若干押され気味の剣星。

置いてけぼりにされているチーム梁山泊の三人。

すると、剣星が何かを思いついたような顔になった。

 

「…よし!分かったね!この闘いに勝ったら考えてあげるね!」

「本当ですか!?…帳、楊。この闘い…負けるわけにはいかない!!!」

「「応!!!」」

 

やる気と闘志に満ち溢れるチーム黒虎白龍門会。

着いて行けずに微妙な空気が流れるチーム梁山泊。

 

「ハッハッハ!!中々に面白い試合になりそうじゃないか!!!私が直々に合図をしてやろう!!!」

 

ディエゴが楽しそうにマイクを奪う。

 

「黒虎白龍門会vs梁山泊!!!!始めェ!!!!!!!」

 

大きく銅鑼が鳴り、黒虎白龍門会の三人が突撃してくる。

全員ケンイチのみに向かってきている。

 

「そうはさせませんわ!!!」

「ぐっ!」

「俺も忘れないでもらえないかな!」

「ガキはすっこんでな…!!」

 

美羽は帳に、神威は楊に当たり分散させる。

ケンイチは必然的にリーダー格の郭と闘う事になる。

 

「ふっ、あんなガキに楊の相手をさせるのか。潰れてしまうぞ?」

「神威君を見た目通りだって侮ると痛い目見るぞ!!」

 

 

美羽vs帳

 

「先に教えてあげとくわ。私は八卦掌の使い手よ。」

「あら、自分の手の内を明かすだなんて、随分と余裕ですわね?」

「余裕などないさ…ただ、剣星様の前では正々堂々と戦いたいだけだ!!」

 

叫ぶと同時に美羽に突っ込む帳。

相手を見極める為に様子を伺おうとするが、思いのほか動きが早く対応が一瞬遅れる。

 

「隙があるねぇ!八卦七十二暗腿!!!」

「なっ!?いきなりですわね!!」

 

最初から全開で来る帳。

身体のギアを上げる前に来られてしまった美羽は防戦一方となる。

 

「くっ、中々やりますわね…!」

「こんなものか!梁山泊!!!!」

 

だが、一瞬の余裕が帳に生まれた瞬間に出来た隙を美羽は見逃さなかった。

 

「はぁっ!!!」

「なっ!?」

 

蹴りの嵐とも取れる連撃の中で腹に蹴りを入れられ、動揺する帳。

立て直すために一瞬下がろうとするが、それを許す美羽ではない。

 

「形成、逆転ですわね!!」

「くぅっ…!!嘗めるなぁ!!」

 

美羽の追撃を反撃しながら守る帳。

これでパワーバランスは五分五分となった。

 

(くっ、流石に強いな…!だが、負けるわけには…!)

(恐らくこの方は私と同等ですわ…ケンイチさんの為にも負けられませんわ!!)

 

片や慕っている人の下で信頼する仲間と武術をする為に、片や大切な仲間の為に。

それぞれの想いを乗せながら彼女たちは打ち合う。

 

「ふっ、貴様はあのケンイチとやらの為に闘うのか?」

「あなたには関係ありませんわ。」

「なんだ?想い人か?」

「えっ!?そ、そんなことないですわ!!!ケンイチさんはなんというか、その、出来の悪い弟って感じですわ!!」

 

美羽の慌て振りと貶し振りに面食らってしまう帳。

だがすぐニヤっと笑い、

 

「くっくっく。面白い奴だ。ならその出来の悪い弟を恨むんだな!私に負けるのだから!」

「っ!!私は絶対に負けませんわ!お二方の努力を無駄にできませんもの!!」

 

そう言って二人は己の想いを砕かせない為に再度打ち合うのであった。

 

 

神威vs楊

 

「おい小さいの。やめるなら今のうちだぞ。」

「小さいからって嘗めないでもらえますかね?こっちはこんな所で負けてる暇はないんで。」

「こんな所だと…?いいだろう、一瞬で終わらせてやる…!!!」

 

挑発された楊は、巨体に似合わない速さで神威に迫る。

それに対し神威は軽く飛びカウンター気味に当て身をする。

楊の体が少し揺らぐが大したダメージは無い。

 

「なるほど…小さな体とは裏腹に相当なパワーを持っているようだな…」

「これでも梁山泊の鍛錬着いて行ってますからね。行きますよ?」

 

神威は実践において全力を出すことはあまりなかった。

ケンイチやケンイチの仲間たちで事足りていたからである。

だが、今は一対一。全力を出さない理由は無いのである。

 

「ぐっ!ちょこまかと!!」

「どうしました?攻撃が当たってませんよ?」

 

スピードにおいては神威に分がある。それを活かして、楊を翻弄する。

だが、人は慣れるものである。

5分ほどすると楊の攻撃が神威に掠り始める。

 

「大したスピードだ。だがそろそろ掴み始めたぞ。覚悟しろ…!」

「はぁ…最初からトップスピードで行くと思いますか?」

「ふんっ、負け惜しみを…!行くぞ!!!」

 

このスピードなら行けると踏んだ楊が再び突進する。

だがしかし、『川神神威』はそんなに甘くはない。

才能の面においては姉と比べると大きく劣るが、それを補う為の努力を欠かしたことは無い。

偉大な姉を超える為に、ひたすらその為に磨いてきた『武』が、楊に牙を向く。

 

「がぁ!!?」

 

先ほどとは比べ物にならないスピードで、楊を蹂躙する神威。

このスピードに梁山泊の師匠達も驚愕する。

 

「神威君…ここまでのスピードを身に着けているとは…」

「俺らの組手の時にもこんな動きしてなかったぞ。隠してやがったなあいつ。」

「しかも、我らが教えた動きを忠実に取り入れて、相手にリズムを読ませないようにしてるね。」

「アパー!!!神威ー!そのままブッコロスよー!!!」

「殺しちゃだ…め。」

「ほっほっほ。流石じゃわい。血は繋がっていないと言うのに、若いころの鉄心を見ているようじゃ。」

 

神威は楽しんでいた。

自分が必死に磨き、精錬してきた武が、このレベルの相手に通用するどころか、圧倒しようとしているのだ。

 

「だが神威君…君はまだ小さい。だからこその欠点もあるんだよ。」

「くっ、オラァ!!!」

「なっ!?」

 

いきなり足を掴まれ投げ飛ばされてしまった。

神威は一度引き体制を整える。

 

「不思議そうな顔をしているな…簡単だ。お前の攻撃は歳の割にはだいぶ重い。だが、まだまだ軽いんだ。」

「やはりパワー不足ですか…」

 

神威の歳でケンイチ程パワーをつけようとすると、成長に大きく影響する可能性が高い。

その為、ケンイチに比べて、筋力強化はあまり行っていなかったのである。

 

「だが、効いたぞ。嘗めてかかってしまってすまない。一人の武人として、尊敬に値する。」

「あ、ありがとうございます。」

「しかし!!勝つのは俺たちだ!!!」

「俺たちも負けませんよ!!」

 

再びパワーとスピードがぶつかり合う。

 

 

郭vsケンイチ

 

「白浜兼一…お前の攻撃は俺に通る事は無い。」

「何?まだやってもいないんだ。そんなことは分からないだろう!」

「分かるさ。俺の太極拳の前にお前はひれ伏すのさ!」

 

それぞれのチームで一番意地っ張りな二人の闘い。

様子見など一切せず最初から全力でぶつかり合う。

 

「提腿栽捶!!!」

「何の!!…ぐっ!?」

 

防御できたと思ったケンイチに前蹴りが突き刺さる。

 

「くっ、山突きみたいな技だな。」

「ふんっ、この程度も見切れないとはな。やはりお前はあの方の弟子に相応しくない!!」

 

先制され防戦一方となるケンイチ。

それを見て梁山泊の師匠達はケンイチの鍛錬の強化を決める。

 

「ケンちゃん最初から全力出すの相変わらず下手くそね…帰ったらもっと厳しくしないとね。」

「彼はスロースターターだからねぇ…もっとレベルの高い闘いだと命取りになるから直さなきゃいけないところだね。」

「ただあいつは根が優しすぎるからなぁ…相手が不遇な人生だったりするとそれだけで感情移入しすぎちまう。」

「そこは良い所でもあり悪い所でもあるのぉ…」

 

そんなことを言われてるとは露知らず、攻められている中で徐々に身体が温まっていくケンイチ。

それにより、微妙にだが押し返していく。

 

「ようやく身体が温まってきたか?中々に遅いな。」

「う、うるさい!!」

 

煽られながらも何とか五分五分程度まで戻すケンイチ。

するとそこで

 

「キャア!!」

「美羽さん!?」

「よそ見するとは余裕だなぁ!!」

「ぐっ!!!」

 

美羽の声に意識が向き、郭の攻撃がクリーンヒットしてしまう。

 

「そこで仲間がやられるのを見とくんだ、な!!」

「ガァ!?」

 

追撃を受けダウンしてしまうケンイチ。

 

「ま、待て…!!お前の相手は僕だ…!」

「ふん、立てもしない奴が何言ってんだ?おとなしく寝てるんだな。」

 

郭が美羽の所へ向かうのを見ながらダメージが残り、中々立つことが出来ずに居た。

 

 

 

「よぉ!これで2対1だぜ!!」

「まさか、ケンイチさん…!」

「あのグズならあそこで寝てるよ!このままお前も同じようにしてやるぜ!!」

 

苦戦している美羽に突っ込む郭。

だがそこへ…

 

「お前の相手は僕だっつってんだろ!!!!!」

「なっ!?お前、さっきまで向こうで倒れてたはずじゃ…!」

 

突然のケンイチの復活に驚く郭。

 

「美羽さんの事が絡むと相変わらず謎のパワーを発揮しますね。」

「神威君!すまない。大丈夫かい?」

「俺は大丈夫です。ある程度削れたとは思います。」

 

ケンイチと美羽に神威も合流する。

 

「すまねえ郭。仕留めきれてない。」

「なに、3人で倒してしまえばいいことだ。」

「そうね。このまま畳み掛けましょう。」

 

それぞれが集まり、この闘いも佳境を迎える。

 




長くなり過ぎそうだったので一旦ここで区切ります。
次回でこの闘いを終わらせて我流Xとの闘いに入りたいなって思ってます。
我流Xの他の闘いは割愛させていただきます。
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