真剣で私に恋しなさい!~もう一人の武神~   作:Ragal

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ちょっと長めです。


2話

やぁ、神威だよ!

 

今日は6年生グループと戦うことになってるんだけど、肝心の百姉は...

 

「zzz...zzz...」

「まだ寝てやがるよ...」

 

ぐっすりと眠っていやがりますね。

何でこうアラームとかつけないn...目覚まし時計4個壊れてる...これはもうダメ人間なんじゃないか?

しょうがない姉だ...

 

「ほら、百姉!起きて!!懲らしめにいくんでしょ!」

「んー...あと80分...」

「そんな寝てたら遅れるわ!早く起きろ!」

 

グリグリ!

 

「!?痛い痛い痛い!?神威!!この超絶美少女の頭をグリグリするとはいい度胸じゃないか!!」

「うるせぇ!百姉がさっさと起きないから悪いんだろ!」

「問答無用!!!」

「え、ちょ!戦うのは俺じゃいかrギャアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

「反省してるかのぉ?」

「...はい...すいませんでした...」

 

あの後、俺の叫び声によって来た鉄爺に百姉はお説教を受けていた。

俺はルー師範代によって治療を受けていた。

これ下手したら百姉からのダメージの方がこれからやる戦いより多いんじゃないか...?

 

「鉄爺、そろそろ時間だからもうお説教終了してくれない?」

「む、もうそんな時間かのぉ。モモ、これからは気をつけるのじゃぞ?」

「...ハーイ...」

 

鉄爺に30分ほどお説教を受けた百姉はすっかり生気がなくなっていた。

 

「あー...百姉、元気出して?」

「...お前はじじいのお説教受けて元気出せるのか?」

「無理」

 

これは断言できる。あれはホントにやる気と元気を吸われてるよ絶対。

でもこの状態で戦いに行くのもちょっとなぁ...しょうがない。

 

「今日上手くいったら料理作ってあげるから元気だして?」

「!!!ホントか!?よし!それなら早く行こう!!善は急げだ!!」

 

おお、見事に成功したよ。

百姉は何故か俺の料理が大好物らしく、いつも作れ作れとうるさい。

知識の中にあったから作ってるだけなんだけどね。

 

「かーむーいー!!早くしろよー!!」

「はいはい。今行きますよー。」

 

急かす姉のもとへ俺は小走りで向かっていった。

 

 

「美少女参上!!」

 

そんな感じで登場したもんだから直江君の仲良しグループの人たちがぽかーんとしてる。

 

「バカな姉は放っておいて。川神神威だ。今日はよろしくな。」

「おい!バカとはなんだ!」

 

喚いているおバカさんは無視しておきましょう。それが賢明な判断です。

 

改めて彼らを見る。

...風貌でも目立つ人たちばかりですな。

 

グループのリーダーで元気で破天荒な風間翔一

 

軍師という役割についているらしい交渉に来た直江大和

 

同年代にしてはだいぶ体が大きくパワー型であろう島津岳人

 

紅一点で小柄で可愛らしい女の子岡本一子

 

色白でひょろひょろ、という言葉が似合う師岡卓也

 

ふむ、島津君なら1対1で6年生には負けないだろうな。

だが、相手は多人数で来るらしい。気を引き締めていこう。

 

「百姉、今日は俺に半分やらせてくれないか?」

「ん?別にいいが神威がそんなこと言うなんて珍しいな。」

「多人数で少人数を襲うってところが気に食わなくてね。」

 

俺は卑怯なことや人としていけないことをする輩がとにかく嫌いだ。

だから、今日は怒り気味だ。

 

 

10分ほどすると6年生たちが10人ほどやってきた。

うわー...10人とかこいつらプライドとかないのかね。年上としての。

さて、どう来るかn...って突っ込んできたし。

 

「おうふ、特攻かよ。」

「あんなやつらにやられるなよ?弟よ。」

「もちろん。」

 

百姉は異常な速さで突っ込み二人ほどKOする。

いや、早すぎだろ!?

 

「俺も行きますか、ね!」

「ぐぇ!?」

 

百姉に気を取られているやつらの一人の腹を全力で殴る。

なんか、すごい気持ち悪い声だしてるよ...どっから出てんだあれ。

 

俺はまだ技などは教わってはいないが日ごろあの地獄のような鍛錬をしている。

全力の突きでこの程度のやつらならいけるだろう。

 

そう考えていると、百姉がさらに2人KO。

まさに早業。

 

「うわぁ!?あ、あいつを先に全員で倒しちまえ!!」

 

リーダーであろうやつが残った全員を俺の方に向かわせる。まぁ、妥当な判断だろう。

 

「てめぇ!!」

「このやろう!」

 

複数で殴りかかってくるが普段百姉と(強制的に)組み手をやっている俺にとっては遅すぎるパンチだった。

 

「遅い!!」

「「うぐぅ!?」」

 

キッチリ避けて二人の顔面に蹴りをいれる。

気づくともう相手は全員倒れていた。

 

「...ねぇ、半分って言ったよね?」

「お前が遅いのが悪い。」

 

百姉をジト目で見る。

百姉は目を逸らして俺が悪いと言っている。

まぁ、いっか。

 

「よし、これで終了か。で、人質とってお前の耳に穴を開けたやつはどれだ?」

 

百姉は風間君の方を向き問いかけた。

 

「こいつだぜ。」

 

ビクッ!!

 

風間君が指を刺したのは先ほど命令を出していたリーダーらしきやつだった。

 

「む、こいつか。お前にはさらに痛みを与えて二度とこういうことをできなくさせてやる。」

「や、やめろ!お、俺は釜中の三宅君の友達なんだぞ!」

「よし、ならば今度そいつも連れて来い。」

 

誰だか全く見当もつかないが一部で有名な人らしい。

 

「お、俺は怒ると怖い本物のワルだぞ! こ、この前だって子猫を平気でイジメ殺してやったんだ! お、お前も殺すぞ!」

 

あ、こいつ言っちゃいけないことを...

 

「そうか、ワルかぁ...カッコイイな先輩。ちょっとデートしてくれよ。」

「は?」

「あそこまで付き合ってくれよ。」

 

物凄い恐い笑顔で百姉は6年生の男を引き摺っていった。

これは...ギリギリでとめるか。

 

俺が百姉の後をついていくと、後ろにいたグループの皆も一緒について来た。

百姉が入っていったのは2階建ての廃屋だった。

そのまま上に上がっていき、屋上に出る。高さは建物の3階ぐらいの高さだ。

 

「こ、こんなところまで連れてきて、ど、どうするつもりだよ。」

 

もはや六年生に最初の勢いは無かった。これから何が起こるのか分からない恐怖に全身を震わせていた。

 

「喜べ。これからお前は空を飛ぶことが出来るぞ。一瞬だけだがな。」

「へ?」

 

!!まずい!!

俺は落とした瞬間に6年生の手をつかんだ。

 

「な!?神威!!何をしているんだ!?」

 

百姉が驚愕した表情で俺に叫ぶ。

 

「こっから落ちたら大怪我をするだろ!だから助けるんだ!」

 

そう言いながら俺は6年生を引き上げる。

 

「あ、ありがt」

「失せろ。二度とこいつらに関わらないと誓え」

「は、はい!!!」

 

そういって6年生は走って逃げ帰っていった。

 

「どういうつもりだ。神威」

「百姉のしようとしたことは負の連鎖しか生まない。何も解決しない。」

「だが!あいつのやったことは!」

「百姉もあいつに似たようなことをしようとしただろ!?」

「ッ!!」

 

そういって睨みつけると百姉はバツの悪そうな顔をしてこちらを睨み返してきた。

 

「だからあいつを助けたのか?あんなクズを。」

「そうだよ。あいつを許したわけじゃない。だけど同じことをしたら百姉もあいつと同類だろ?」

 

俺はそうはなって欲しくなかった。

だからあいつを助けた。それだけだ。

 

「...ふん!私はお前のやってることが理解できないな。」

「百姉...」

 

胸がひどく痛む。こんな顔をさせるためにしたわけじゃないのに...

他の皆もあまり良くない顔をしている。

 

「...俺は先に帰るよ。お礼は百姉に言っておいてくれればいいから。じゃあ。」

 

俺はそういって止める皆の手を振り払って走って家まで帰った。

 

 

「はぁ、あんな感じになる予定じゃなかったんだけどなぁ...」

 

予想外の結果に物凄い落ち込んでるなうです...

自分の信念を貫くのも難しいなぁ...

 

「どうしたんじゃ、神威。」

「あ、鉄爺。」

 

鉄爺が来たので事の顛末を話す。

 

「なるほどのぉ...どちらも間違ってはいないのぉ。」

「両方...合ってるの?」

「合ってるわけではない。ただ間違ってはいない、ということじゃ。」

 

俺はよく理解できず黙っていた。

すると、

 

「神威は少し優しすぎるのかもしれんのぉ。」

「俺が、優しすぎる...?」

「そうじゃ、今回の件で『悪』なのは確実に相手側じゃ。それを助けたことがモモは気に入らないんじゃろ。

 じゃが、神威も助けなかったら後悔しておったじゃろ?」

「うん...多分。」

「それが優しすぎるじゃよ。普通は助けないもんじゃなからな。」

 

普通は助けない。

それはそうだろう。誰に聞いても悪いのは6年生側だ。

だけど、自分の信念に背くのは何よりも許せなかった。

 

「むぅ...現時点ではモモが今回のようなことを理解するのは難しいじゃろう...」

 

鉄爺が呟いたあと思考する。

 

「そうじゃ、神威。お主ワシの知り合いの所で修行せんか?」

「知り合い?」

「そうじゃ。お主にきっと合っておるじゃろう。」

 

俺に、合ってる...

 

「俺、そこで修行してみるよ。」

「む、そんな早く決めてよいのか?」

「うん。鉄爺が合ってるって言うならきっと大丈夫だから。」

「ほっほっほ。それなら今すぐ連絡するかのぉ。」

「え?今すぐ!?」

 

え、ちょっと早すぎやしませんかね!?」

 

「善は急げじゃからのぉ。えっと...確か...」

 

鉄爺が家の電話でどこかにかけている。

 

「ワシじゃ。ちょっと頼みごとがあるのじゃが...そうじゃ。ほぉ、それはぐっとたいみんぐじゃな。」

 

鉄爺の横文字のイントネーションがおかしい...じゃなくて俺今から行くの!?

 

「神威。今から迎えに来るそうじゃから、着替えだけ持ちなさい。」

「え!?ホントに今から行くの!?」

 

まさか今から行くとは思っていなかった。

しょ、しょうがない...用意するか。

 

 

5分ほど経つと、大きな音とともに地面が揺れた。

 

「おお!?なんだ!?」

 

急いで外に出ると、そこには金髪で、緑の服を着た巨人が立っていた。

 

「でかっ!?」

「おぉ、お主が神威君かね?鉄心から話は聞いておるよ。では早速行こうかね。」

「え?」

 

そういうと巨人は俺を持って凄い速度で空を飛び始めた。

 

「ええええええええええええぇぇぇ!?!?!?」

 

俺の叫びが川神に響いた。

 

 

-百代side-

 

「んー...神威には悪いことをしたかな...」

 

とりあえず風間ファミリーに入った私は急いで家まで帰ってきた。

だけど、どういう顔で神威に会ってイイか分からず門の前で立ち尽くしていた。

すると、

 

「おぉ、モモや。お帰り。」

「!?じじい!!気配をなくして後ろに立つな!!」

「ほっほっほ。なにやら落ち込んでるようじゃったからな。驚かしてやろうかと思ってな。」

 

このじじいは一回ボコボコにしてやりたくなる。

 

「神威のことかのぉ?」

「!...そうだ。」

「残念ながら神威は当分ここには戻ってないんじゃのぉ。」

「!?なんだと!?どういうことだ!」

 

私は思わず叫んでしまった。

 

「ワシの知り合いの所で修行することになっての。5年ほど帰ってこない予定じゃ。」

「5年...!?そんなに長いのか...」

 

それまで、私は...神威に謝ることはできないのか...

 

「上辺だけで謝っても何にもならないぞい?」

「!!」

「話は神威から全部聞いた。本当に解決したかったらお互いが理解するしかないからの?」

「・・・」

 

私は何も言えなかった。

今神威のやったことを理解しろ、と言われても多分できないからだ。

 

「後、5年その間にお互いが理解できるように日々鍛錬することが大切じゃからな?」

「...わかった。」

 

絶対に神威の気持ちを理解してみせる。絶対にだ!!

 

 

こうして神威と百代のそれぞれの目標に向けての努力が開始される。




急展開!!次回謎の巨人の正体が明らかに!!!
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