おっす。神威だよ。
今日は準と冬馬に教えてたんだけど、二人とも用事があるらしく早目に終わった。
俺とユキはやる事も特に無いため梁山泊へとまったり戻った。
すると、
「キ...キサマ何者だ!?」
「自分はボリス・イワノフ。闇の弟子集団、YOMIが一人...そして...
一影九拳アレクサンドルの一番弟子だ!!」
兼一さんとボリス・イワノフと名乗る男が戦っていた。
おおう?闇の弟子...?秋雨さんすぐには来ないって言ってなかったけ?
俺は一番近くにいた逆鬼さんに聞く。
「逆鬼さん。これはどういう状況なんですか?」
「何故か手違いでここに来ちまったみたいで秋雨が場を収めようとした時に兼一の奴が帰ってきちまってな。
弟子同士でやりあい始めたら俺らは手を出せねぇ。まぁ、お前も見ときな。自分よりレベルの高い奴らの闘いは勉強になるだろ。」
「はい。分かりました。」
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
俺が逆鬼さんと会話していると兼一さんが叫んだ。
状況から考えると怒りからくるものだろう。
だけど、ここで怒ってしまったら間違いなく兼一さんは勝てない...
さぁ、どうする兼一さん。
「YOMIっていうのは悲しい人たちですね...武術をただの暴力としてしか使えないなんて...」
おぉ...怒りをしっかり飲み込み完璧に静の気を練れている。
俺にこれができるだろうか...正直自信はない。
兼一さんの雰囲気が変わったとほぼ同時にボリスが突っ込む。
「はっ!」
「がっ!?」
「しまった!やはりコマンド・サンボか!!」
「やば...いの?」
コマンド・サンボ...?聞いたことがないものだ。
「秋雨さん。コマンド・サンボとは何ですか...?」
「ロシアの組み技系格闘技、サンボをベースに軍用に造り替えた殺人武術だ!!
べレストロイカまでは極秘の格闘術とされ、KGBでも教えられていた。純粋に敵を破壊するためだけに造られている!!」
※KGBとは1954年からソ連崩壊(1991年)まで存在したソビエト社会主義共和国連邦の情報機関・秘密警察。
軍の監視や国境警備も担当していた組織である。Wikipediaより引用。
「マジいぞありゃ...」
「終わりだ...逝け、最強の弟子!!」
見る限りじゃかなりマズイ...だけど、手出しはできない...
どうする兼一さん...
「ん?ありゃあ空手の息吹じゃねえか?」
「内功の気も練っているね!」
「ムダなあがきだ!死ね!!」
「!!兼一さん!!!」
あれはヤバイ!!!
「ふー...やれやれ。白浜兼一...本当に才能の欠片もない男だったよ...君は。
なんせあれだけ行った巨大な基礎修行の成果が...今頃現れるのだからね!!」
「な!?」
「わー!!兼ちゃんすごーい!!」
俺は今普通じゃあり得ないことを目撃している。(ユキは単純に面白がっているが)
片手で、ボリスを乗っけたまま逆立ちの状態になっている。
兼一さんなんだかんだで人間やめてませんか!?
「ば、バカな...!!そんな細腕のどこにこれほどまでのパワーが!?」
「量ではなく質だよ。瞬発力と持久力、その両方を兼ね備えた良質の筋肉のみに彼の体を造りかえてきた。
細工は流々さ!」
あれは...誰でも驚くんじゃないかな。この人たち以外。俺も超びっくりしたし。
「まともな人間なら内臓が致命的なダメージを受け、気道は潰れているはず!!」
「内功ね。彼を弟子にとった時から、過酷な修行に耐えうるよう内臓を強靭に鍛え上げてたね。」
「空手の剛体法も叩き込んである!筋肉を一気に締め上げる法、内臓をアバラの中に隠す方法、一通りな!!」
「アパチャイも、脳ミソん中、敵をブッ飛ばすことだけにする方法、教えたよ!!」
これを...俺が出来るのか?っていうか修行に耐えれる気がしないんだけど!?
「ああああ!!!!」
兼一さんが叫び声と共にボリスを投げる。
「関節技主体のサンボに実践用突き、蹴りを加えたコマンド・サンボは最強だ!!
任務は遂行される。」
ボリスは柱を蹴りそのまま兼一さんに向かう。
ガンッ!
「制空圏!?」
しかし、兼一さんの制空圏により全てガードされる。
ボリスはタイミングをずらし下から攻める。
兼一さんは飛んでこの奇襲をかわす。
「僕はあまり怒らないほうだけど...美羽さんに乱暴するヤツだけは本気で許さない...!!
アッタマきてんだよ!!!」
兼一さんは大切な者を傷つけられる事を許さない。特に美羽さんならなお更だ。
ボリスは動きを止め兼一さんをじっと見つめる。
分析でもしているのか?
そしてよく分からない、という表情を作る。
「どうした?来い!!」
それにイライラしたのか兼一さんは手招きをして挑発する。
その行動にさらに困惑した表情を強めるボリス。
「秋雨さん、ボリスが困惑している理由って...」
「あぁ、何故兼一君が自分とここまで闘えるのかが理解できないのだろうね。
武人的に分析すれば彼はただの凡人だ。だが自分とここまでやりあっている。それが理解できないのだろう。」
「ですよね...」
普段の鍛錬を見ていればあれが出来るのはまだ理解は出来る。
だけど初見であの動きされちゃ...ねぇ。そりゃ困惑もするか。
「クッ!消えろ不思議動物!!」
ボリスが兼一に蹴りかかるが足をつかんで投げ飛ばす。
「この技はコマンド・サンボの技ではないか!!」
「コマンド・サンボんの原型、サンボが200以上の民族格闘技を結集して創設された時、
日本の柔術も多大な影響を与えているのさ。」
「ぐぐ...柔術か...!!」
サンボの存在は知ってたけど、そんな形で成り立っていたのか。
サンボの使い手とやるなら気をつけなきゃな。
「こっちからいくぞ!!」
今度は兼一さんから仕掛ける。あれ?何か変な動物が見える気が...気のせいか?
それに合わせてボリスが投げる。
「もらった!!」
投げられたが足を床につき反動でボリスの肩に膝蹴りを浴びせる。
柔軟性と脚力が異常だ。普段の鍛錬がどれだけ地獄なのかを物語っている...
それにいても、
「ボリスは今のをよくかわせましたね。」
「あぁ、決まったと思ったんだがな。」
「うむ...並の訓練ではああは動けぬ。闇の者の修行も、さぞ壮絶を極めるのであろう...」
「おおお...!!」
今度はボリスが果敢に攻めていく。兼一さんはそれを上手く防いでいく。
「へへっ、互角のようだな。」
「敵の弟子は最低でも10人...互角では話にならんよ。」
確かに。ボリスが一番強かったらまだいいが、その保障は全く無い。
その時後ろでアパチャイさんが何か喋ってる。
「はい。お前の子供はあずかったよ。え?アパチャイはアパチャイだよ。うん。本日はおひがらも良く...」
「アパチャイ、敵の無線で何を話しているね?」
「おーい、ボリス・イワノフ~~~~電話だよ。リーダーという人から。」
ボリスが気まずい顔で兼一さんを見る。
「...どうぞ。」
兼一さんは出るように促した。
こういうところはきっちりしてるよなぁ...
「あんまし長話はダメよ。」
「なにぃ~~撤退だと!!!」
『そうだ。撤退しろ、今すぐにだ。お前の部下から連絡がなけりゃ大変なことになってたぜ。』
「も...申し訳ありません...緊急事態かと思い...」
「目下、敵と交戦中だ。」
でもこれ撤退したほうが生存率高まるんじゃないか?
無事に
『テメェ...消されてーのか?今すぐ戻ってこい、これは命令だ!!』
「マスタークラスに包囲されて脱出は困難だ。」
「かまわんよ、帰りたまえ!」
『聞こえたぞ、帰ってこい!』
バキィ
ボリスが受話器を握りつぶす。
「くっ...ふん!」
「兼一!」
そしてボリスが兼一に何かを投げ渡し、逆鬼さんが兼一に注意するように言う。
何だ?飛び道具ではなさそうだし...
「まだ名を聞いてなかったな、最強の弟子よ。」
「僕は白浜...白浜兼一。」
「そうか...最強の弟子、兼一よ...貴様を殺してそのエンブレムを取り返す!それはYOMI流の決闘状だ!!」
ボリスがそういうと師匠方が気絶している隊員らしき人たちの意識を戻す。
「覚えておけ...貴様の命は私のものだ!」
「何を勝手なことを...」
「退くぞ!!」
『はっ!』
ボリスの掛け声と共に部下たちも撤退していく。
「まて、YOMI!!」
「行かせたまえ。」
「なぜ止めるんです!あいつは美羽さんにケガをさせたんですよ!!」
「わからないのかい?始まってしまったんだよ...闇と梁山泊の全面戦争がね!」
...あれ?これ俺巻き込まれるやつだよね?実力的にやばくね!?
もっと力をつけなきゃ...YOMIという人たちの周りの人たちが弱いとは限らない。じゃなければ...負けるだろう...
「秋雨さん...」
「なんだい?神威君。」
「鍛錬の量を増やしてください。」
一瞬秋雨さんが鋭い目になる、がすぐに戻る。
「理由を、聞いても?」
「もっと強くならないと巻き込まれたときに闇に勝てないと思うんです。だから...」
「ふむ...なら少し早めるが技の練習に入るかい?」
「え、いいんですか?」
「君が望むなら、ね。」
「...お願いします。」
「じゃあ明日から技の練習に入る!!!覚悟しておいてくれたまえ。」
「はい!!」
もっと...もっと強くなる...!!
何か...中々オリジナリティ出すの難しいっす。