転生したら平安時代だった件について   作:鬼怒藍落

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忠告、この小説は男女平等です。戦いに善悪なし。女も男も殺し合うとても平和な小説です。苦手な人は気を付けてね。


初めての殺意

「首飛ばしの呪風――蝿声」

 

 呪風は飛ぶ鬼蛇の一言により、この一撃に込める思いは対象の斬首。

 

 刎ねろ。

 

 殺せ。

 

 死ね。

 

 呪詛を纏いながら斬風は星熊の細い首へと一直線に飛んで行く。その斬風は神速を超え刹那の内に星熊の首まで迫る。

 

「危なっ、これ絶対まずいやつだ!?」

 

 星熊はその斬風を首に直撃する瞬間に何とか横に逸らす。斬風は逸らせらせたが勢いは消える事はなく全てを斬り裂き続けて空に消えた。

 

「おい、お前落ち着け!何でそんなに怒ってるんだ!?今の技はもう使うな、危ないから子供が放っていい技じゃないぞ!?」

 

「あーそうかーまずは狒々を治さないとなー『治れ』」

 

 空亡は不気味なくらい陽気な声で言霊を使い一瞬のうちに狒々の傷を完治させる。狒々の砕かれた骨は完全に再生して肉もすべて戻った。狒々の姿は朝空亡が見た完全な無傷な状態に。

 

「どういう力か分からないが猿妖怪も治ったし私も怪我がやばい。少年怒るの止めようぜ」

 

「確かになお前も死にそうだな……治してやるよ『治れ』これでいいだろ?」

 

「ああ、ありがとう。でも急に落ち着いたなお前どうしたんだ?」

 

「だってなぁ!直したって事はいくら攻撃してもいいんだろぉ!?」

 

 空亡は年相応の無邪気な弾むような声でそう言った。

 

「は?どういうこ――――――」

 

 星熊は空亡の言ったことが一瞬理解できずに空亡に聞こうとした瞬間、星熊の足が歪み捻じり切れた。

 

「おかしいな胴体を狙ったんだが?初めてだから分からないなもう一回やるか。『(まが)れ』」

 

 ―――――突然だが、歪曲の魔眼という物をご存じだろうか?

  

 空の境界という型月作品の浅上藤乃(あさがみふじの)というキャラの持つの能力だ。

 この魔眼の能力は、視界内の任意の場所に回転軸を作り、歪め、捻じり切る「歪曲」。この魔眼は複雑なことはできないが、物の大きさ物理的な強度に左右されず問答無用で曲げられる。

 簡単に説明するとこんな感じ能力。そして空亡はそれを言霊で再現した。

 

 空亡は記憶の中の浅上藤乃の力を模倣して再現する。しかし正気の空亡はそんなことはしない。元々、空亡は一般人。現代日本で根付いたその精神が無意識に命を奪うという行為を恐れ、枷をしていた……しかし今はその枷が外れている。目の前の存在を殺すためだけに普段セーブしていた力を全て開放するのだ。

 

 ――――――長々と色々語ったが、要するに空亡は今世で初めてガチギレしているのだ。怒りで我を忘れるやばい奴。それも力があるだけ尚更厄介だ。そしてその力は蛇神である夜刀神と鬼である骸童子の力。我を忘れ正気を失っている今の空亡はこの力を好きに使うだろう。何が良いたいかって?一言で済ませるとしたらやばい。

 

 普段使えない技も無意識に妖力を抑えて使えなかったが、この状態の空亡に抑えるという意志はもう残ってない。故に疑似的ではあるが普段できなかった技が使えるかもしれないということだ。

 

 空亡の目標は神咒神威神楽の天魔になる事という馬鹿な願望。

 この場で空亡が再現するのは天魔大獄(おおたけ)。戦友の為と戦った誇り高き男。その男の異能を今、空亡は敵の為に使う。

 

 

「――太・極――

 

随神相――神咒神威・無間黒肚処地獄(こくとしょじごく)

 

 しかしあくまで再現。死を願い続け追い求めたことなどない空亡には一撃必殺などという効果は使えなくて、せいぜい出来るとしたらを対象を粉砕させるぐらいだろう。

 言霊により空亡の腕に大獄の事と全く同じ籠手が形作られる。

 

 空亡はそのまま星熊に拳を握り振りかぶる。

 

 足が捻じ切られた星熊にはそれを避けるすべは無く。星熊の未来はここに確定した。

 

「死ね」

 

 星熊の目の前まで拳が迫り直撃する寸前、星熊は。

 

(あぁこれ駄目だ死――――)

 

「そこまでじゃ空亡。落ち着け」

 

 空亡の拳は星熊のほんの僅か数センチほどで朧に抑えられていた。

 

「朧、退けこいつを殺す」

 

 今だ殺気を放ちながら拳を動かそうとする空亡を朧は軽く叩いた。空亡は無防備な自分の頭をいきなり意味もなく叩いた朧に困惑して一瞬殺気を解く。

 

「朧、何するんだ!」

 

「だから空亡落ち着けと言ってるじゃろ。この戦いにお主の出番はない」

 

「狒々がやられたんだぞ!父さんの百鬼の仲間が!」

 

「空亡なぜこんなことになったか知っておるか?」

 

「知らないが、でも狒々が!」

 

「話を聞け空亡。まず今回の戦いは狒々の早とちりと勇儀の天然が原因じゃ」

 

「どういうことだ?」

 

 朧と話したこている内に落ち着いてきた空亡はその言葉を聞き疑問を浮かべる。

 

(え?どういうこと?狒々を俺の部屋まで飛ばしてきたのはこの鬼だし、この鬼は手が狒々の血らしきもので染まっていたし、狒々をここまで痛めつけた敵だと判断したんだけど、なんか違うの?)

 

「茨木が普通にこのバカを説得して戦いを終わらせたんじゃがな、狒々のやつが戦いを仕掛けてのう。まぁそれに乗ったこいつも悪いんだが、それで始まってなぜか殺し合いになり今に至るほら笑えるじゃろ?」

 

「わらえないよ……えぇじゃあ俺の勘違い?」

 

「そうじゃな。それに勇儀はお前を止めようとしてたぞ」

 

「………………すいませんでしたぁぁぁぁ!」

 

 空亡はその場で勇儀に向かい本気の土下座をする。頭まで地面に埋めて。勇儀はさっきまで自分を殺そうとしていた相手が。地面に頭を埋めながら土下座してくるという謎の状況に勇儀は混乱する。どうしたらいいだこれ?

 

「えっと少年頭を上げろ。もともと私がここに来たのが悪かったからそう謝るな。調子に乗ってやばい技まで使っちゃったし。少年はあの猿妖怪が大切だから怒ったんだろ?ならお前は謝らなくていいぞ。むしろ誇れあの星熊勇儀を殺しかけたんだぞってな!」

 

 勇儀はここまで痛めつけられながらも空亡の行いを許しそれだけだでは無く肯定した。そんな勇儀を見る空亡はこれが姐さんと呼ばれる存在か、器が大きすぎる。そんな考えが生まれ空亡の口が勝手に動いた。

 

「姐さん名はなんというのですか?」

 

「姐さん?まぁいい私の名は勇儀。星熊勇儀だ」

 

「勇儀姉さん。許していただきありがとうございます。この恩は一生忘れません」

 

「そんな気張らなくっていいって……なら私の傷を治せそれで終わりだ」

 

「その程度でよければ『治れ』」

 

「これでしまいだ。ちょっと疲れたから私は寝る。休ませてくれ」

 

「どうぞ休んでください」

 

「空亡なんかいつもと違うのじゃ」

 

 多分気のせいである。




終わり方が納得いかないからいつか変わるかも。


常識妖怪朧さんであった。次回空亡勉強するの巻。
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