転生したら平安時代だった件について   作:鬼怒藍落

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 さて短いですが京都編の初まりです4~6話で終わると思うので、どうぞお付き合いください。


空亡君京へ向かう

 

 さぁ!よっしゃ京へ行けるぞ!ヤッタ―外だー京だーいやっふぅー!あ―――何だこのテンション?

 なんか一瞬で冷静になった。外に出れるのは嬉しいけどさ、このテンションはやばいだろう。傍から見たら変人だ。俺の今までのキャラが崩れそうなので自重しよう。

 幸い、声には出してないと思うし何とかキャラは守られただろう。

 

「空亡、汝は変なこと考えていなかったか?」

 

「いや別に、何も考えてないぞ?」

 

 もはや絢は勘が良いというそういうレベルじゃない気がするんだけど……なんなんだ、絢は鬼と覚の半妖なのか?まぁそんなわけないか、絢は純粋な鬼だし。御伽草子や羅生門にはそんな逸話なかったから。

 

「そうだ朧、京まであとどのぐらい?」

 

「ふむ……そうだな徒歩であと二日ぐらいじゃ」

 

「なん……だと」

 

 思わずBLEACHネタで返してしまった。

 えーまじ?二日もかかるのか?父さんの百鬼の朧車とか借りられなかったのだろうか……などと考えてみたものの、借りたら父さん達にばれる事が確定しているので、徒歩の方が良いだろう。

 

「大丈夫じゃ、お主たちの体力であればなんてこともないぞ。それに空亡、お主の修行にもなるしな」

 

「なぁ朧、休憩はないのか?」

 

 今の朧の話し方だと二日間仏塔市で歩くような言い方だったんだが……気のせいだよな?そうであってほしいな切実に。

 しかし俺に向けて放たれたのは無情な一言であった。

 

「ないぞ。儂、京で見たいのあるし急ぐのじゃ」

 

「まさか……今日、俺達を連れていくのはそのついで?」

 

「そうじゃよく分かったのう」

 

「そうだったのか」

 

 でもいいか、京に行けるんだしな。よし頑張って歩くぞ!

 

 二十分後、俺は真っ白に燃え尽きていた。外が暑い。かなり暑い。俺ってそう言えば半分蛇神じゃん?それは暑さに弱いよねー。あははははは、あーうん。だめもう限界。ちょ倒れる。今ってさ現代でいう夏なんだ。昔は現代より涼しいって聞いてたんだけどそんなことはなかった。全然暑いじゃん。

 

 

「なぁ絢、俺の骨は拾ってくれ」

 

「なぬ空亡?どういうことだ?」

 

「今日……暑……す……ぎ」

 

 バターン!そんな音と共に俺はその場にギャグマンガみたいに倒れてしまった。

 ふははは笑える転び方だぁぁ!

 俺はそのまま倒れた拍子に山から何メートルも転げ落ち、山を一気に突破した。落ちる途中で何度も木にぶつかりなが岩を砕き、いろんなものを巻き込んで山の麓に力なく倒れた。

  

「痛いめっちゃ怪我した。お外怖い」

 

 俺が山の麓で目を回しながらそんなことをつぶやいていると目の前に絢が跳躍して飛んできた。FGOでも見たけど跳躍力半端ないなー五重塔くらい軽く飛び越せるんじゃないか?

 そんな事を考える俺に絢は歩み寄り呆れた顔で……

 

「空亡情けないぞ」

 

 こう言われたことは今生では初めてだけど……絢に言われるのが一番つらいな……あぁ、三回ほど死にたくなった。鬱だ。冬眠しよう夏だけど……なら夏眠か。

 

「空亡!良い転がりっぷりじゃな笑い転げそうになったぞ」

 

「酷いな朧」

 

「ここに酒があったら今のを見ながら飲んでいたところだぞ?誇れよ空亡」

 

「どうしよう全くと言っていいほど誇れない!なんでだろうな?」

 

 ここまで褒められてうれしくないのは初めてだな前世でも経験したことなかったぞ。今度朧の酒に唐辛子でも入れておこう。別に仕返しではない……多分恐らくきっとめいびー。

 

「空亡?儂の酒に悪戯したらわかってるな?」

 

 やめておこうか……なんか嫌な予感した。俺は朧の一言なんて聞こえてないぞ、決して、決して!怖い訳ではない。

 

「さて空亡これで時間が半日は縮まったのじゃ。あと一日休まず行くぞ」

 

「頼む……休ませて」

 

「駄目じゃ」

 

 こんなの酷いや理不尽だ。俺はそんな不条理を心の中で叫びながら諦めて歩くことにした。何刻歩いても絢と朧は息が切れる様子がない。何で汗一つかかないんだ……俺も同じ妖怪なのにおかしいな?家に帰ったら修行しよう。

 俺はそう軽く現実逃避しながら蛇に変化して地を這って行く。歩くよりこっちのほうが楽だ。

 

 この姿なんだが、一年ほど前に俺って半分蛇なことを思い出したので、変化できるんじゃないか?という思い付きで試してみたら四回ほどで出来るようになった。

 初めは視線がいきなり高くなったり足が消えて驚いたんだが……この姿、意外と便利だった。蜷局を巻けばなんか落ち着くし、この姿で雪花と寝るとひんやりして気持ちいいし木に巻き付いて寝ると面白いし。

 見た目を分かりやすく例えると、朱殷の色したダラアマドュラにいつもの角を生やしたそんな感じの姿だ。大きさは三メートルくらいか?

 

 更に四刻程たってから絢は歩くのが飽きたらしく、俺の上に乗って寝ている。真上から寝息が聞こえとても落ち着かないが……何とか平常心を保っている。そんな中、朧は相変わらず疲れた様子は無くて酒を飲みながら歩いているやっぱり朧は凄いよな。

 

「あとどのぐらいだろうな?そろそろ寝たい」

 

「そろそろじゃな空亡、夜明けまでには着くと思うぞ」

 

 夜明けまではあと三刻程だなここまで長かった。俺はこんなに歩いたというか這った?のは初めてだ。かなり疲れた、早く京に行って休みたいな。

 

「あ、なんか歌でも歌うのじゃ空亡、暇じゃ」

 

「唐突だな朧じゃあ、かごめ歌でも」

 

「何故それを選んだんだ?まあいい歌え」

 

「かーごめかごめ―――――」

 

 歌い終わった。結構自信あるぞなんせ前世では聞きまくったからな!

 あれ?なんか周りから気配を感じる一~八人程……というかそもそも人なのか?

 

「空亡、上手い歌だな目が覚めたぞ?」

 

 絢、起きたんだ。絢は俺の上から降りて褒めてきてくれた。歌が絢に褒められたは嬉しいな。でも嫌な予感がするんだ。

 

「妙にうまいんじゃな空亡。そういえばお主の歌を聴き霊が集まってきたぞ?かなりの数だな」

 

「朧?何言ってるんだ幽霊?ははは、マジ?」

 

「マジだな空亡、吾等の近くに沢山おるな」

 

「マジじゃお主に集まってきておる逃げるぞ」

 

「朧、絢、逃げなきゃどうなるんだ」

 

「そうだな……お主に一生憑き纏うなそれが嫌なら―――」

 

 俺は朧がそう言い終わる前に人間の姿に戻り全速力で駆けだした。そう……それも今まで出したことのない程の速度で。

 俺は半神半妖のとしての身体能力をすべて使いひたすら走る。全てを置き去りにして。音を超え神速に。

 絶対に逃げ切ってやる!憑かれてたまるかぁぁぁぁ!

 

「空亡、汝はどこに行くんだ!?」

 

「空亡迷うなよー」

 

 そんな声も聞こえずに俺は、目の前に見える都にまで入り、目的も分からないまま、ずっと走り続けた。

 どこまで走ったか分からずに立ち止まり、一度冷静になって考えてみてから俺は一言漏らした。

 

「ここは何処だ……迷った」

 

 俺の前にあったのは……廃神社だった。

 

 

 

 




ぎりぎり昨日間に合わなかった。
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