転生したら平安時代だった件について   作:鬼怒藍落

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ハピメア面白い好き(語彙力)

今回は京都の町の探索を開始するぞ
伏字いっぱい。


椿妃ちゃんは少し病んでる

 

 私は作られた妖怪だ。無数の死者と骸を合わせて出来た最悪の妖。生れた瞬間、私にあったのは、生者への恨み。憎悪、妬み、殺意、苦しみ、復讐心といった悪い感情だった。でも……生まれた私には心と感情が無かった。中にある感情も全てが他人、私を作った妖怪は感情のままに暴れろとか言っていたけど、全く分からずに何も出来ない。そんな私を見た妖怪は失敗作として百年近く閉じ込めた。

 

 何年も、何年も、暗い牢で一人で過ごす毎日。幸い心と感情がない私は寂しくはなかった。百年と少しが経ったある日、私の製作者が別の妖怪に殺された。その妖怪は私をいきなり仲間にすると言ってきた。私には”仲間”という物が分からなかった。だからそれが知りたくて、私はその妖怪に付いて行く事にした。

 

 そしてその妖怪は私に名前をくれた。”椿妃”という名前だった。その名前を付けた理由はこの時期は椿の花が綺麗だったから、適当だなと思った矢先にその妖怪の仲間? が「それでは安直すぎるぞ」と呆れていた。

 

 その妖怪が次に出した名前はなぜか、ポチだった。私はそれだけは嫌だったので椿妃を選んだ。私はその時始めて感情が覚えた嬉しいという感情だ。初めて他人からもらった名前それが堪らなく嬉しくて泣き出してしまった。

 その時妖怪は「え、ポチ駄目だった?」などと見当違いなことで戸惑っていたのを、今も覚えている。可愛かったな■■は、それから何年も私は■■の仲間と過ごした。その時間が楽しくて、愛おしくて、何よりも大切だった。

 

 そんなある時■■は一人の人間を連れて来た。綺麗な白髪の少女だった。■■はいきなりその少女と結婚するといった。少女も満更ではなさそうで、反対する妖怪もいたが大半の妖怪は賛成した。私のはその時、胸が痛んだ。初めて感じる痛みだった。ある妖怪に聞いてみるとそれは恋だと言っていた。「お主は■■が好きだと」そんなことを言われ私は、初めて自分の気持ちに気付いた。でも、もう遅かった。■■には好きな人が居る。私に出る幕はない。そう自分を押し殺し我慢した。

 

 ――――――その一か月後、■■は少女に殺された。その日は皆、宴会を開きお祝いをしていた、■■の為だ私は■■世少女が遅かったので部屋に見に行った。そしてみた光景は涙を流しながら弓を持ち放心する少女と矢に貫かれて死んでいる■■。私はその光景が信じられなくて気絶した。次に目を覚ました時には全てが狂っていた。鬼の少女は後を追いぬらりひょんは酒に逃げ狒々は人間と敵対した。私はその後千年以上■■を生き返らせる方法を探した。そして見つけたのが”聖杯”私はそれなら空亡を救う事が出来ると悟りそれを求めた。

 

 私は聖杯戦争の参加者とサーヴァントを殺し聖杯を満たし願いをいった。■■を助けたいと次の瞬間、私は過去に戻っていた。そして私の地獄が始まった。■■を助けるために何度も何度も繰り返す■■が死ぬと時間が戻る。そのたびに■■に出会い失敗する。何度繰り返しても■■は死んでしまう。何をしても■■は死んでしまう。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、■■が死ぬ姿を見せられて心が壊れそうだった。もう嫌だなどは言えない。聖杯に願った私は、願いから逃げられない。■■を救うまで私は繰り返す―――――でも、もういいよね? どうせ繰り返すんだ一回ぐらい■■を自分のものにしても許されるよね? 

 

 だから、今回は■■が子供に時に出会うことにした。いつもなら準備して大人の時で出会うんだけど。今回は子供の時に出会い、精神を壊して、心を奪って私だけを見るようにすればいい。ずっと犯して私に依存させればいい。

 

 そう考えたら楽だった。今までの重りが全て消えた。簡単だった。■■を手に入れればいいんだ。管理すればいいんだ、ずっと私が一緒に居ればいい。子供の■■は家から出る事が出来なかった。

 でも一度だけ会う事が出来た。■■が百鬼夜行と一緒に外に出た時に私は見つける事が出来た。一瞬で確信した。あれは空亡だと、私が愛する空亡だと、その後は私は神隠しを新しく作った。空亡が来たときにすぐに捕まえる事が出来るように。

 

 そして私は一度捕まえた……もう離さない逃がさない永遠に一緒。ねぇ空亡? 貴方もうれしいよね? だから私と一緒に暮らそう? そうすれば何も心配することはないんだよ?

 

 

 

 ◇◇◇

 

「…………ん、んん!? 怖い! 何だ嫌な予感がするんだけど!?」

 

 悪寒が止まらない何? 俺何されるの!? ひとまず落ち着こう。

 

「知らない天井だ」

 

 やったぜ人生で一度は言ってみたいセリフを言う事が出来た。

 

「……ここは」

 

 見たことない天井だ首を動かい周りを見るとここが知らない部屋だと分かる。

 

「何で……俺はここに?」

 

「汝が気絶したからだ空亡……起きたな? おはよう」

 

「……おはよう絢。何で俺はここに居るんだ?」 

 

「それは……えっと……すまぬ」

 

 絢は顔を赤くしてなにか言いずらそうな様子だ。

 どうしたんだ俺がここに居るのと絢は関係あるのか? あと腹が物理的に痛い。穴が開いたようなそんな感じかな?ちょっと腹を見てみよう。

 腹には包帯が巻かれていた。えっとなにがあったの? 絢は傷を確認する俺を見てだらだらと汗を流している。……あー思い出してきた俺は絢の上に落ちて……む……胸を……謝ろう。

 

 

「絢……すまん。お前の「それ以上は言うな」了解」

 

「吾も悪かった汝を殺しかけてしまった」

 

「別にいい生きてるし」

 

「だが!?……吾の気がすまん」

 

「なら今度俺と戦ってくれ、それで許す」

 

「そんなんでいいのか空亡?」

 

「ああ、だから気にするな」

 

 生きてるしね、このぐらいで好きな妖怪に傷ついて欲しくないし。

 

「ふぇあー……おあ~よじゃくうほぉぅ……」

 

 揶揄う雰囲気が無く別人みたいな緩い雰囲気で朧が現れた。なんか可愛い

 

「あ、うん朧ちゃろー」

 

「空亡? 何だそれは?」

 

「え?なに……伝染してた」

 

「どうしたんだ? なんか変だぞ?」

 

 あの女め……何時の間に俺にちゃろー☆をうつしていた? 自然と口から出たぞ?

 

「くうほぃぅ?……あっ…………」

 

「えっと朧さん?」

 

「フンッ!」

 

 朧はいきなり自分の頬を両手で気合を入れるために叩いた。痛そうだ。少し涙目になってる。

 

「くぅ………いひゃいのじゃ……しかし儂の今まで立てていた人物像を崩すさないようにするにはどうすれば」

 

「朧? いろいろ声に出てるぞ?」

 

「……まじか……儂……終わった……」

 

「朧……涙に目になってるぞ?」

 

「言う必要ないじゃろぉぉ……もうどうでもいいのじゃ……お酒飲みたい」

 

「何か朧が可愛い」

 

「そうだなあの朧が……」

 

 世界って不思議だ……あの朧が……。

 

「そうじゃ空亡昨日は何故空から落ちてきたのじゃ?」

 

 これ言ってもいいのかな? まぁいいか。俺は昨日の事を覚えている限り伝えた。それも言う必要のない少女の事まで。

 

「空亡それは神隠しじゃな……てか犯されかけるのは笑えるぞ? なーなーどこでその少女と出会ったのじゃ?」

 

 前言撤回、朧は可愛くない。やっぱりうざい。言うんじゃなかった。それより絢はなんで俺の方を睨んでいるんだ? その姿も可愛いが腑に落ちない……地味に俺の腕の皮引っ張る止めない?

 

「……絢、痛いって」

 

「……ぐぬぬ……汝がわるいぞ空亡」

 

「何で!?……理不尽だ……」

 

「……汝が悪い

 

 酷いや、俺は悪くないと思う。絶対に被害者だと思う。

 

「そうじゃ空亡なぜ京都に行きたかったんだ?」

 

「美味しい物が食べたい!」

 

「……毎日食ってるじゃろ」

 

 ジト目で睨まれた。いやな、俺は毎日母さんの手料理食べてるよ? でもね俺は外食がしたい。うどんとか食べたい。

 

「京のうどんが食べたい。天ぷら食べたい。削り氷が食べたい。むぎなわが食べたい!」

 

「そ、そうかなら都に行くか?」

 

「行く!」

 

「即答じゃな絢はどうする?」

 

「いくが……金はあるのか空亡?」

 

 金か……絢は難しい事を言うな……勿論……

 

「無いぜ☆」

 

 ぐさッ可哀想な物を見るような目で俺は睨まれた。

 

「吾もないどうするんだ朧?」

 

「儂が払うから大丈夫じゃ」

 

「朧が神か」

 

「儂は妖怪じゃ」

 

 そうだった朧は妖怪だでも今が女神に見える。いつかお酒を買ってあげよう。

 

「じゃあ行くぞ空亡、絢」

 

「了解したのだ朧」

 

「分かった朧、うっどん、うっどん、天ぷっら」

 

どんだけ食べたかったのだ空亡は

 

「何か言ったか?」

 

「何も言っておらぬ行くぞ」

 

「ひゃったー……かんだ」

 

可愛い

 

可愛いのじゃ

 

 なんか馬鹿にされてる気がするんだけど……気のせいだと信じたい。くそうこうなったら朧の金を全部使ってやる……やっぱやめよう可哀想だし。じゃあ京へ行こう。

 

 

 

 

 

 




次回は探索だぞ(デートともいう)

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信楽焼田貫さん、南宮 那月さん誤字報告ありがとうございました

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