やっぱシュピーネさんは凄いやどんどん書ける。そして今回主人公マジでキャラ崩壊。イキりまくった。
真上から這うような音が聞こえる。その音を放つ主は、別の木に移動したようだ。
未だ舌が痛む。それはそうだ、噛み切ったのだから……俺は縄に拘束されていて木に磔にされている。血が回らなくて視界が不安定だが、無理やりにでも息を集中させてm出来る限り眼球を動かす。もはや別の生物が暴れるほど動かし視界を何とか回復させようと試してみる。
十秒ほどで、少し、本当にぼんやり程度だが見れるようになっていた。そして、俺の目に移り込んだ光景は、耐性がある俺だから見れるが、それはとても悲惨で残虐な物だった。もしも、まともな人間が見たとしたら、自分で失明させる程に。
俺の目の前には、異形の蜘蛛が居た。顔は人間、体も人間だが……異常に発達した、蜘蛛の様な足に四本の紅い腕、肌の色も所々紅く、誰が見てもこいつは化け物だと思えるだろう。蜘蛛は木から木へ糸を張り巡らせて、此処一面全てを埋める程の巣を作っていた……何で気付かなかった? そう考えたが、こいつの能力だろうと答えを出して、すぐに思考を止める。
そんな無駄なことを考えている暇があっるのなら、こいつの隙を見つけて抜け出す方法を探した出した方が良い。
蜘蛛は俺を見て気味の悪い顔で嗤っている。現実味のない悪夢のような光景だが……屋敷にはいろんな姿をした妖怪も居るので、逆に落ち着いた。そのおかげか、なんのか分からないがこの息ができない状況に、少し適応したこれなら二分程度は死なないだろう……そう、呑気に考えている暇なんてないんだが。
蜘蛛の巣には、こいつの餌となった妖怪達が縄に包まれ死んでいる。この光景をると、命なんてものは紙と同じくらいに軽い命に思えて来る。
蜘蛛の巣にかかる姿は蝶みたいだ。
そして俺は、一つの死体の顔を見てしまう。
顔は半分がぐじゅぐじゅに腐敗して、残った部分は恐怖に歪み、涙を流したまま死んでいる。俺もこいつにやられたら仲間入りするだろう。
しかし、ふざけるな―――この男は何をやっている? この妖怪達が何をしたんだ? 予想だが、何も知らずにここに迷い込んだんだろう。そしてこいつの餌になった。
良い妖怪だったかもしれないのに、この妖怪達は殺されているんだ?
「殺――――」
”殺す”そう言おうとしたが。縄がさらに強く締まりだす。声が出せないので言霊は使えない。腕が拘束されているので骨は造りだせない。
今すぐこいつを殺したい……だが、それが出来ないのが許せなくて、俺は、心の中で恨みを吐く自分の事を、何よりも先に殺したい。
「うーん、どうやら、私の人形はお気に召さないようですねぇ。残虐がうりの鬼にしては……どうやら随分と、まともな心をお持ちのようだ」
煽るように俺に言う蜘蛛に、更なる殺意を覚える。今すぐに殺させろ。そう怒るが、縄は丈夫で、破る事が出来ない。
「さてと、こんな格好でいささか失礼ではありますが……改めて、私の自己紹介でも致しましょう。私は紅蜘蛛。この森は根城にする。所詮m快楽殺妖怪でございます。以後お見知りおきを、名も知らぬ鬼よ」
「糞が―――黙―――殺―――す」
白々しく、無駄に丁寧な口調に……もはや俺の中には、殺意しか存在しなかった。脳が、本能が、”こいつを殺せ”と体を動かす。
しかし、抜け出せるどころか、力を込めもがくたびに、俺の体に縄が食い込み、肉を抉る。
「無駄ですね、怒りに任せている。今のあなたではそれは切れない」
その一言で、縄はより強く俺の体に圧力をかける。
俺の怒りと殺意の感情に合わせるように、この縄の強度や動きはあがっていく。
まさか……こいつの能力は…………
「よくわかりましたね。そう、それが私の能力! 赤蜘蛛の死縄。相手の感情に合わせてより硬く、より自在に動くという代物です。ついでに不可視にもなる。この縄で殺してきた弱者の数は、もはや数えるのを飽きました。試したことがありませんが……あの、狒々ですら、これに捕らえられたら最後、脱出できずに殺せる逸品だと……自負するぐらいですよ」
あ? コイツイマナンテイッタ? 狒々をバカにした?
「そして、貴方も鬼でしょう? なら知っている筈ですあの鬼、骸鬼を……あの鬼のせいで妖怪という物が壊れてしまう!妖怪とは!誰にも縛られず、命令されず、自由に生を謳歌する!殺したいときに殺し、喰らいたいときに喰らい、犯したいときに犯し、奪いたいときは奪う……これこそが妖怪、欲に生きる者! なにが秩序だ! 何が仁義だ! 人間らしく、群れをつくるなど恥辱の極み! そんな物……くだらなすぎて御免被る!!」
それどころか? 父さんの夢や歩んできた道、その全てをくだらないだと?
「だからこそ名も知らぬ鬼よ……私と手を組みませんか?」
そう紅蜘蛛が言うと縄が少し緩む。そのおかげで空気を急に吸う事が出来て噎せ返ってしまう。
「手を組む? だと?」
もう、なんだろうな……怒りがもはやわかない。こいつが哀れに見えてきた。あの鬼というたびに、此奴の顔には恐怖や様々な府の感情が浮かんでいた。
余程、父さんが怖いのか……もうさ、答えなんて考えなくてもいいだろう? そんなの、一つしかないから……
紅蜘蛛は俺ゆっくりと、舞台役者の様に近づいてきて…………
「良い案でしょう? 貴方にも不利益はないと思いますが? 一緒にあの鬼を殺して、妖怪の力を人間に知らしめてやろうではありませんか! 私が捕まえ貴方が殺す。それを分ければ十分でしょう? もう、私は嫌なんだ。あんな妖怪を超えた”何か”に怯えるしかないなんて……そんなことを考えるだけで狂いそうになる! 周りのぬらりひょんなどは怖くない、私の縄があれば! 貴方は見た限りかなりの力を持っている。その力を振るいたくありませんか? 私の手を取ってください、共に骸鬼達を制圧しましょう」
「なぁ紅蜘蛛?」
その時の俺は……今までの妖生で、一番穏やかな顔をしていたそうだ。静水久が言うにはだけど、でもわかる気がする。俺はこいつを、憐れんでいたのだ。それは心から純粋に……こいつはな、自分より圧倒的上の存在を心から恐怖して、忌避し、弱者を狩ることでしか悦に浸れない臆病者。こんなのさ、憐れむしかないだろう?
「ん? 何ですか?」
「おまえさ、つまんないな」
「―――――――――」
まぁ、ここまで俺がやられたのも慢心したのが原因だ。それは俺の悪い癖、こいつのおかげでもう慢心しないよ。
「
こいつは? 俺の目の前で力を見せれば? 俺が、大人しく従うとでも? 残虐さを見せて? 自分に従った方が良いと思わせたかっと? あはははははは! 本当に……ふざけたやつだな?
ああぁくそが、ちくしょうマジで笑わせてくれるなこいつ……
なんかクソイキっている俺だけど。今だけはこのテンションでやらせてくれ。
「おいおい? ほら早く俺を殺してみろよ? え? できないのー? 紅蜘蛛さん? ウけるんだけど……それとさ、さっきからな、顔が近いんだよ糞雑魚がぁ!」
拘束が緩んで、足がある程度動かせるようなった途端に、俺は紅蜘蛛の腹に、蹴りを思いっきり叩き込んだ。凄くスカッとした。
「づォッ――――ガァ――――」
凄く簡単い紅蜘蛛はボールの様に吹っ飛んで行く。この程度の俺の蹴りなんて、狒々に放っても逆に骨が折れるだけだ。それに比べて……何だこれ?
「……やっぱり、雑魚じゃないか、紅蜘蛛?」
軽口叩いて、挑発して、ただただ煽りまくる。なんか思いつく限り言葉にしようストレス発散だ。
そして俺は徐々に切れて来た。こんな奴になめきられて? 父さん達をバカにされたことと……なによりこんな奴に慢心して捕まった事――――
「この! 鬼がァッ」
その瞬間、緩くだが、俺のことを拘束していた縄が一気に動き出す。それは俺を確実に輪切りにするように……
言霊なんて使わない。骸童子の能力なんて使わない。ただ使うのは。勇儀姐さんから教わったステゴロのみ……
おらぁ! 野郎マジブッコス!
少し距離を取り相手を観察する……その必要ないな……殴って、抉って、捥いで、折って殺す。そうすれば死にぬだろ? コイツ。
紅蜘蛛………そういえば……この紅蜘蛛とシュピーネさんは顔が同じだ……きっとシュピーネさんのfate版なんだなこいつは。戦闘の型も同じだし。そんな時だった。
「私を忘れるな……なの」
「なッ―――」
完全に視覚外からの静水久の水の槍、それが紅蜘蛛の腹を抉る。そのまま紅蜘蛛は抉られた部分を押さて、苦悶の声を上げ始めた。
「――――ぐがぁァッ」
えー? えー? え? え? まじ?
まぁいいか……
俺は悶える紅蜘蛛の前に近づいて、にこりと笑い腹に腕を突き刺すした。紅蜘蛛は泡を吹き、白目をむいて全身から血を噴出し始めた。
どういう原理これ?
「あっくぅ――――ギャガアァァア!」
「『燃えろ』」
「まっ待ちなさい、私は貴方と――――」
「もういいんだ……」
負けキャラの喚き声を聞くなんて、時間の無駄だ。この状態のまま、どんな醜態を晒したいのかしらないけど、そんなものを見たって、俺はまったく楽しくない。
そう、だから殺す。違うな、これは慈悲だ。これ以上、シュピーネさんというかっこいいキャラを汚させない為に、さっさと退場させてあげよう。
「どうした貴方は私を殺す!?」
「逆に聞くぞ? 虫を殺すのに情がいるか?」
「――――――」
恐怖と驚愕と怒りが混ざった。紅蜘蛛の表情を見下ろしつつ、俺は腕を一気に引き抜いた。その瞬間に紅蜘蛛の体の中身がぶちまけられる。
あばよ、紅蜘蛛……シュピーネさんと仲良くやるんだぜ……
今回もありがとうございました。あと4キャラほどリクエストを募集します。コノ話が面白かったら評価やお気に入り登録、感想お願いします。