骸鬼だ。突然だが俺には息子がいる。空亡という俺の嫁の夜刀との子だ。夜刀は男っぽい名前だがちゃんと女だ。初めて会った時の事も語ろうと思うが、今日は空亡の事を語ろう。
空亡は不思議の子だった。泣かないし他の感情を全く出さなかった。何か病気でも持っているのかと思って、百鬼夜行の仲間の一人であり薬剤師の
紙なんて何に使うんだ?とかは思ったが初めて空亡が物を欲しがったのが嬉しくて、何枚か紙を上げることにした。その日から空亡は日記を書くようになり、感情を出すようになっていった。
教えてないのに文字を書く空亡はもしかした天才じゃないかなど夜刀と笑ったのもいい思い出だ。
そして、俺も空亡の事を日記に書くことにした。我が子の成長日記だ。
□月■日 晴れ
日記を書くようになったその日から、空亡はいろんなことをやるようになった。庭に居ると思ったが「投影開始」などと、いきなり言いだしたのだ。その言葉には妖力が込められており、夜刀神の言霊が発動しそうになったが、空亡に生まれた直後にかけた封印術がうまく機能して、何も起こることはなかった。俺はそれを見て安心したんだが、何故か空亡は絶望したような顔して落ち込んでいたが何故だろう?
□月〇日 晴れ
次の日、空亡が家から出ようとした。空亡にかけている術が教えてくれたが危なかった。少しでも遅れていたら空亡は帰って来れなくなっていただろう。本当に危なかったこの家の外はある夜刀が作った術が発動しており、道を知るもの以外が迷い込むと、ほぼ確実に戻ってこれないのだ。これからは空亡に監視を付けようと思ったが、夜刀に止められた。流石に過保護だって言わてしまった。自分ではそんなつもりはないんだがそうなのか?
□月△日
そして次の日は、空亡の奇声で俺達は目を覚ました。庭の方からだった。俺と夜刀は人間の姿に変化するのを忘れてしまい。妖怪の姿のまま空亡の下に行ってしまった。空亡の額には三本の角が生えていた。
これはありえないはずだった。空亡にかけた封印は空亡が10歳になるまで効力がある筈なのに。空亡にかけた封印は妖力を完全に抑えて妖怪に変化しないようにするという物なのはずだ。
そして空亡は人間じゃない俺達の姿を見てさらに奇声を上げて倒れてしまった。
最初は何で倒れたか分からなかったが、今まで人間の姿で人間として空亡を育てていたのでいきなり異形の姿を見たら驚くだろう。自分で気絶されたことで夜刀はいじけていたが。
□月◇日 晴れ
そして次の日俺達は決心した。空亡に自分たちの事を話そうと、妖怪であることを包み隠さず空亡に伝えると。空亡が起きた後に俺達の部屋に呼び全てを空亡に話した。自分たちの種族や空亡が人間ではないことを空亡は心の底から困惑していたようで話を聞いた後整理したいと言って部屋に戻ってしまった。
やっぱり伝えるの早かったかと思ったが、今更隠しても意味がないと思うので丁度良かったかもしれない。
□月◇日 確か晴れ
空亡の部屋から血の匂いが漂ってきた。それもあり得ない量の血の匂い。何でそんなの匂いがするなどの思考すらできずに空亡の部屋に向かったら。そこには腕から大量の血を流し角が血まみれになってる。夜刀神の角は真剣と思うほど鋭利で頭突きでもすれば突きの代わりにもなる。それで自分を傷つけたのだろう。
空亡に俺達は何でこんな事をしたのか怒ったが空亡は俺達の姿を見て化物と言ってきた。今まで全く出さなかった感情を表に出して。そして自分の事を空亡は語った。前世の記憶を持つ俺がもしかしたら父さんの本当の子供の命を奪ってしまったのかもしれないと思い、罪悪感で潰れそうになっていたことを。
これを聞いた俺は後悔した。空亡がこんなに悩んでいたのに、何もしてあげられなかったことを。
そして俺達は同時に空亡を抱きしめた。
もうかける言葉は決まっている。
俺達は言った君以外の空亡は俺達の息子じゃないと、別の空亡が生まれても。君が過ごした時の様には過ごせない、だから気にしないでくれ、どんなものを抱えていても君は俺達の息子だよ。
それを聞いた空亡はまた泣いてしまったけど、さっきとは違う安堵の涙で、俺はそれを見て嬉しかった。空亡と本当の家族になれた気がして夜刀も同じ気持ちの様で心から喜んでいたと思う。
そしてこの日からだろうか?空亡が俺達に甘えるようになり感情をよく出し俺達と一緒に居るようになったのは。
☆月×日 晴れ
空亡は妖力の出し方を俺に聞いてきた。俺は感覚で出しているからうまく説明が出来ないので鍛錬だって言ったら、空亡は素直に鍛錬を開始した。よく観察していると空亡は剣の才能を持っていた。それを伝えると空亡は年相応に喜びその場で飛び跳ねた。それが自分の事のようにうれしくて自然と笑みがこぼれた。
☆月◇日
この日は驚いた。空亡にかけた封印が強制的に破壊されたのだ。今日も空亡達を守る力を手に入れるために鍛錬していると空亡の部屋から頭がおかしくなるような妖気を感じた。空亡の部屋からだ。俺は部屋に慌てて駆け込むと空亡が倒れていて封印が解けていた。無理やり空亡が妖力を放って。すべて使ってしまったんだろう。十秒後ぐらいに夜刀が息を切らしながら走ってきて。空亡の無事を確認した。無事なことを確認すると夜刀は泣き出してしまった。余程空亡の事が心配だったのだろう。俺も気が抜けた途端、腰が抜けてしまった。
その後は空亡を叱り一日は終わった。空亡は早く強くなって俺達に追いつきたいと言っていて、微笑ましかったな。そのせいであまり強く怒れなかったけど。俺は親ばかじゃないぞ……多分。
明日も書ければかく。今日かもね?
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