どうやら百合百合しい世界に転生したらしい。   作:今日のぱんださん

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第二十三話︰部屋でだらだらしているだけという幸せ

 

 

「……あ……はいはいラグラグ」

 

『死んだらとりあえずラグのせいにするテンプレ』

 

『自分の反応の鈍さを受け入れよう』

 

「いやいや、無理だから。見てから避けるとか見てから昇竜とかどういう反射神経してたらできるんだよぉ」

 

はい、相変わらずゲーム配信をやっている僕です。今やっているのは通称L〇Lと言われるMOBA型とか言われるジャンルの対戦ゲームだけど、難しい。

ラストヒットだの、ミニマップを見ろだのワードさせガンク気をつけろピング鳴らせ気づけと、覚えること多すぎ。後キャラ多すぎ。

いやまあゾンビゲーとかのFPSなんかよりはグロくもなければ正確なAIMも求められない部分は精神的にも優しい部類なのかもしれないけど初心者から中級者までの壁が厚すぎる。

すぐに分かったね、これ格ゲーと一緒や。膨大な量の前知識やらシステム的なものをしっかり理解して初めて楽しめる。

でも、格ゲーと違ってチーム戦なので個が与える損害が仲間にまで被害を及ぼすから胃は痛いけど。

 

「なんか僕、どのゲームやってもクソザコな気がするなー」

 

『今更気づいたのか……』

 

『カヅのは芸風じゃなくてガチにやってこれだからな』

 

カヅとは僕のハンドルネームである。元々性別偽装して配信予定だったので男性っぽい名前にしているのと、変に馴染みのない名前にすると自分のことと気づかないのを、避けるためである。

 

「あーでも家でのんびりゲームはいいなー。心が安らぐ」

 

『昼間に配信が増えたということはカヅは学生なんだな』

 

『現役JD配信主ktkr?』

 

『学生の配信主増えてるもんなー』

 

「学生ってことは否定しないけど、JKかもよ?」

 

『はっ、カヅのようなJKがいるか』

 

『寝言は寝て言え』

 

こ、こいつら……

いや、まあ、勘違いしてくれている分にはいい。下手に詳細なことを言って身バレ! という事態だけは防がないといけない。

実際中身に若さなど微塵もないのだからこれでJKは確かに信じてもらえなくて当然か。

 

『顔出しキボンヌ』

 

『そうだ、いい加減顔出せ』

 

んー……最近こういうコメント増えてきたな。

やたらと顔出せ顔出せとうるさい。僕はただゲームをしてたわいない掛け合いをしたいだけなのに、彼らとしてはリアル女子がゲームをやっているという視覚情報が欲しいらしい。

まあ、僕が顔出せば一瞬で視聴者は増えるだろうがそれは僕のもとめるところではない。何よりリアルの知人にバレるリスクなど犯せるわけがない。

 

「残念ながら僕は顔出しはやりませーん。あ、でも僕のアイコンみたいな超美少女だから想像してブヒっていいよ!」

 

『声は超綺麗なのに何でこんなに残念なんだ』

 

『天は二物を与えず、と言うからな』

 

ところがどっこい。

点に二物も三物も与えられているのが僕である!

ゲームセンスとか運動神経を犠牲にしているけども!

 

「はん、お前らに僕だってやればできるってところを見せてやるよ! このSF5でな!」

 

『あっ……(察し)』

 

『俺より強いやつに会いに行く(死亡フラグ)』

 

 

うん、何で昇竜コマンド誤爆するんだろ? あとVトリガーってなに?

おじさんのやってた頃(SF2)はそんなのなかったよ?

 

 

❁❀✿✾

 

 

「今日は3Dのゲームは難しいから2Dのフリゲをやります」

 

『カヅに3Dは早すぎた』

 

『しかしフリゲは難易度が結構ハードでは?』

 

「その辺は抜かりない! 今回やるのは謎解き脱出ゲーム蒼鬼だ!」

 

『カヅが謎解き、だと?』

 

「お前らは僕を舐めてるけど、成績優秀だから! 冴え渡る頭脳を見せてやるよ!」

 

『ちなみにカヅはこれ初見?』

 

「結構前に流行ってたらしいけど見たこともやったこともない! でも、ようは謎といて鬼から逃げるゲームでしょ? 僕隠れるのと逃げ回るのは得意だから余裕余裕」

 

『フラグ立ちました』

 

『果たして何分生き残れるか』

 

「ふん、言っとくけど僕ホラーとか大丈夫な人だから絶叫とかしないから、そのへん期待すんなよ」

 

『お、おう』

 

『やればわかる』

 

とりあえずプレイしてみよう。よくある怪しい館に学生たちで探索にきたら閉じ込められて、何とか脱出するというストーリーだ。その中で館にいる化け物『蒼鬼』から逃げなければいけない。

まあよくある冒頭だ。ストーリーの説明が終わり探索開始。廊下、リビング、柵に囲まれた庭と順に進んでいく。庭には桜が咲いていて、その下に何かがいる。

 

「ん、新しい仲間?」

 

デフォルメされているが人間サイズの鎧をきた白髪の割とイケメンキャラ。お助けキャラ的な存在だろうか?

話しかけてみようと近づけばいきなり白髪のキャラが刀を構えて僕のキャラを斬る。

そして画面が暗転して、文字が流れてくる。

 

 

桜を見たら……俺を思い出してくれないか……

 

GAME OVER

 

 

「…………は?」

 

『はい、初見殺しいただきました』

 

『見事に殺されたな』

 

「いやいやいやいや、蒼鬼って……そっちの方かよ!」

 

武者の方かよ! 名作主人公キャラをこんな敵キャラにするなよ!

しかもあの蒼鬼さん、容赦の欠片もありゃしねえ!

 

『さあ、あのハイスペック主人公から逃げ切れるのか』

 

『いいツッコミいただきました』

 

うん、これあれだわ。

脱出系ゲームの徐々に難易度を上げていくという優しさを無くした高難易度ゲーム。

ようはクソゲーだわ。

 

 

ツッコミのオンパレードでいつも以上に疲れるは攻略できないわと散々な配信になったのは言うまでもない。

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