〜「if」もしも、あの時あの選択をしていなかったら〜 作:クロノス@百合おじさん
「おはよう!八幡!」
教室に入ると、マイスイートエンジェル戸塚たんが挨拶をして来た。うむ、控えめに言って天使だ。
挨拶を返して席に向かった。すると、戸塚も付いてきて、
「今朝、一色さんと話してたよね?何話してたの?」
「また相談事をな。文化祭の準備を手伝うことになったんだ」
「そっかぁ。僕も手伝おうか?」
「まだ大丈夫だな。あいつも、できる範囲で自分の力でやっていきたいらしいからな」
「うん、わかったよ。でも、何かあったらすぐ言ってね。僕じゃなくても、川崎さんとか、奉仕部の皆に頼るんだよ」
「ああ、わかったよ」
「ゴラムゴラム!我もいるぞ八幡!」
この耳に響く無駄にかっこいい声。材木座だ。そういえば今年は材木座も同じクラスらしい。どうでもいいけど。
「八幡?ん?おーい。はちまーん??」
ーーーーーキーンコーンカーンコーンーーーーー
HRの予鈴が鳴り、平塚先生が教室に入って来た。
「じゃあ、八幡。また後でね」
と、言い、戸塚は自分の席に戻った。
「ほら、材木座。お前も席に戻れ」
「う、うむ…」
材木座も席に戻り、HRが始まった。
「担任の平塚静だ。見慣れた面子ばかりだから、改まって言うこともないが、今年も一年よろしく」
それから先生はクラス役員を決めたり、三年生としての意気込み等を話していたそうだ。
そうだ。と言うのは、実は爆睡してて、全く話を聞いていなかったのだ。
「あはは。ほんと八幡爆睡してたよね」
と、目の前の戸塚が苦笑している。俺が寝ている間に何があったのか、説明してもらっているところだ。
「そういえば、俺のクラス委員は何になってる?」
平塚先生のことだ。きっと俺が寝ている間に面倒な役を押し付けられてもおかしくない。
「八幡は国語の教科委員だよ」
ということは今年も先生が国語の教師なのか。
「ゴラムゴラム!我は世界史の委員だ!」
何か聞こえた気がするが、気のせいだな。今、俺は、マイスイートエンジェル戸塚たんと二人で楽しく話しているところだ。
「僕は保健委員だよ、八幡。怪我したら僕のところに来てね!」
なんと、戸塚が保健委員とか毎日怪我してもいいレベル。なんなら、一生俺の保健委員になってもらいたいまである。
「八幡よ…お主が今何を考えているかはわかってる上で言うが、今のお主、相当キモい顔してるぞ」
「バッカお前、戸塚だぞ戸塚。顔がキモくなるくらい安いもんだ」
「お主のその絶大な戸塚愛はなんなのだ…」
「ほんと、ヒッキーさいちゃん大好きだよね」
と、二人から言われる…ん?二人?さっきまで話してたのは俺と戸塚と材木座だ。
あ、材木座いるの認めちゃったよ。戸塚はなぜかさっきから黙っているし。と、思い顔を上げると、由比ヶ浜がいた。
「なんだ、由比ヶ浜か。どうした?」
「どうしたって何が?」
「いや、なんか用事あるから話しかけて来たんだろ?」
「あ、うん。ゆきのんが、今日は部活あるから、帰らない事。だってさ」
と、言って、由比ヶ浜は雪ノ下からのメールが映されたケータイの画面を見せた。
「ん、そうか。わかった」
「八幡、いってらしゃい」
「戸塚、もう一回言ってくれ」
「うん?八幡、いってらしゃい」
「あと3回」
すると、戸塚は頰を膨らませて、
「八幡!いってらしゃい!!もう言わないからね!」
ああ、怒っても可愛い。願わくば、これから毎日俺に言って欲しかった。
「けぷこんけぷこん!八幡!いってらしゃいなのだ!!」
悪寒が走った。
「お前には言われたくねえ」
「もう、ヒッキー!早く行くよ!」
と、痺れを切らした由比ヶ浜に腕を引っ張られた。
新しいクラスでの初日だからかわからんが、今日はやけに忙しないな。
そう思いながら、俺と由比ヶ浜は部室へ向かった。