「────愛そうか、殺そうか……そ、その前に服はきちんと着ろ!」   作:佐折

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早速お気に入りをしてくださった方、ありがとうございます。
嬉しくて、舞い上がってます。

そして、念の為もう一度言っておきますが、この作品はFGO2部2章の鯖ネタバレがあります。苦手な方はUターンしてください。


英霊様は強い

スカサハ=スカディとは。北欧における女神スカディと、ケルト神話における影の国の女王スカサハが混じり合った特異な存在である。

 

混じり合った、と言っても比率的にはスカディの存在が優位であり、スカディの「神々の花嫁」という性質が多数ある。

 

 

 

スカディは、どよめきの国スリュムヘイムの古い館に父と住んでいたが、後に北欧の神々のもとへ嫁いだ為「神々の麗しい花嫁」と呼ばれる。

 

1度目の夫である海神ニョルズと離婚し、オーディンと再婚したと言われている。

 

しかし、それは“本来ならば”の話であり、スカサハ=スカディの存在としては未婚のままである。

 

本来の歴史から離れたIFの物語───異聞帯────では、神々に取り残された哀切の女神である。神々に愛され求婚され続けていたスカサハ=スカディだが、歴史に歪みが生じた際、全ての神々が姿を消した為「北欧世界最後の女神」として君臨したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

____と、スカサハ=スカディについての記憶を改めて認識してみると「哀切の女神」とは中々なものである。

 

最後まで未婚のままで国を治め、存在する全てを愛した女神。

敵と判断したならば容赦なく刃を向ける氷雪の女神。

 

そんな慈愛と冷徹を絶妙に使い分ける彼女だが、ところがどっこい。

 

実は意外とうっかりである。

実は意外とぽやんとしている。

実は意外とあたたかみがある。

 

などと、親しみやすさも持っていたのである。

 

 

 

……うん。記憶を見ると、本当にそのまま過ぎて何も言えない。ゲームのプロフィールと何ら変わりなくて逆に吃驚。

 

 

「……私、これから生きてゆけるのだろうか?」

 

口調は早くもスカサハ様。けれど心の中は大学生。む、難しい…!これが見た目と中身のギャップ…じゃないな。うん。

 

 

あ、獣の氷像は壊しました。凍らせたはいいものの、溶かし方がイマイチ分からないし、放置は放置で危ないかなっと思って。

 

けど、そこは流石なスカサハ様。

 

「お前は愛するものにはならぬ。よって…殺そう」

 

と、女王様全開で氷像を破壊しました。精神も女王様過ぎて多少の流血では動じない。平和な国日本で育ったのに、かなりタフになった気がする。

 

 

 

 

 

「────さて」

 

氷像も壊して再びの一面草原。周りが海だろうから、ここは何処かの島だと思う。生物の気配がかなり薄くだけど感じるから、探せば何かいるはず。

 

「…いや、探さずとも良いな」

 

スカサハ=スカディとは北欧の女王にして女神。近くに生体反応が無いならば好都合、此処に城を築けばいい。

 

 

改めて近くに気配が無いことを確認し、30cm程ある自身の杖───記憶が流れてきた後、何故か地面に落ちてた───を握る。

 

「オーディン____私に力を」

 

空中にルーン文字を描き、氷の城をイメージする。スカサハ=スカディの能力があれば息を吐くように出来るあたり、さすが女神様。

 

 

「築き上げるは氷の城。臣下もおらず、兵士もいない。されど城とは美しくあるべきもの。見上げるべきもの。よって私は……」

 

「兵装無き純白の城を望もう」

 

 

華美でもなく質素でもなく。ただそこに在るだけで感嘆する。私だけの城。

 

 

「此処が…私の(北欧)だ」


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