第18話『リスクを恐れるな、リスクは取り返せ』
続いては四天王のシバだった。
シバについてはあっさりと勝ったので省略する。
戦闘前にげんきのかたまりやピーピーエイドで回復し、万全の状態で臨んだグリーン。
結果は……『やめてよね。本気でケンカしたら、ゲンガーに格闘ポケがかなうはずないだろ』
と言うことである。察するべし。
身体が鋼にもなっていないイワークなど、初戦ニビジムで使われるポケモンに過ぎない。
勝負は見えていた。故の省略である。
続いてはキクコだった。
「ほう…。似ているねぇ。
あたしも若い頃は弟子を………いや、似すぎてるねぇ。
もしや…、そうか…。人生何があるか判らないものだ。
良いだろう。弟子の息子にも一稽古付けてやろう」
キクコはそう言うとゲンガーを繰り出した。
「先に言っておこう。私のポケモンは六匹。
全て、レベル60を越える――――――ゲンガーだよ」
弱点が全員同じという欠点こそあるものの、それは凄まじい脅威だった。
弱点を突かれようと突かれまいと、強いポケモンは強い。
ましてや普通トレーナーはタイプをまんべんなく分けている。
つまり、ゲンガーに有利なポケモンが倒されれば結局は後が無くなるということ。
だが、それには前提がある。
「…つまり、全てのポケモンでゲンガーに対策できるか、一匹のポケモンで対応できる余裕を持てば良い」
「吠えるね」
「いけ ケンタロス」
グリーンはケンタロスを繰り出した
選択は当然一つ。
「ケンタロス じしん」
タイプ不一致、しかしゲンガーの毒タイプへと刺さる地面タイプの一撃。
「ゲンガー さいみんじゅつ――――」
しかし ゲンガーの こうげきは はずれた
「――――くそっ、外れたねえ」
「ケンタロス じしん」
さいみんじゅつの命中率は60%。
ゲンガーに先制ができた場合、さいみんじゅつが外れる40%に入り込めば、育て方やレベル次第でゲンガーに先回れるケンタロスは2回のじしんでゲンガーを沈められる。
もし、さいみんじゅつでなくサイコキネシスを使われても急所に当たってさえ一撃では沈まない。
確実にケンタロスを止めるには三回のサイコキネシスが必要だった。
そして控えているフーディンにも似たような事が言える。すばやさではケンタロスに劣るが、サイコキネシスへの耐久は上回っている。
1匹目のゲンガーを倒した。
キクコは昔から熱しやすい。その事を
だが、それを直すつもりは無かった。それが自分だから、と。
キクコは2匹目のゲンガーを出した。
グリーンはケンタロスを戻してダグトリオを出した。
ダグトリオはチャンピオンロードで鍛えてレベル69を越えている。
不安事項はこうげきの種族値自体はケンタロスに劣る事、そして耐久が低いこと位だった。
「ゲンガー サイコキネシス」
グリーンは ダグトリオに ヨクアタールを つかった
ゲンガーのサイコキネシスにダグトリオは何とか耐えた。
キクコは当たらないさいみんじゅつに不安を持つべきでは無かった。
敢えてさいみんじゅつが当たらなければ1回の失敗でゲンガーが死ぬことをケンタロスで印象付けた上、
あからさまにケンタロスより打たれ弱くて素早いダグトリオを選んだグリーンの心理誘導に引っかかった結果だった。
キクコの熱くなり易い性格が裏目に出たのだ。
命中が極端に上がりすぎる仕様(初代・金銀のみ)のヨクアタール。
加えて相手とのすばやさの差が命中率に影響するとある技。
そしてキクコには飛行ポケモンもレベルでもすばやさでもダグトリオを越えるポケモンはいない。
勝敗は――――、既に決した。
「ダグトリオ じわれ」
ゲンガーは 倒れた
「ダグトリオ じわれ」
ゲンガーは 倒れた
「ダグトリオ じわれ」
ゲンガーは 倒れた
「ダグトリオ じわれ」
ゲンガーは 倒れた
「ダグトリオ じわれ」
ゲンガーは 倒れた
グリーンは キクコとの しょうぶに かった
このあんまりな戦い方は、かつてキクコは一度だけ見たことがあった。
馬鹿弟子が似たようなことを一度だけやっていた。
結局その時は『ヨクアタール』+『つのドリル』であったため、アーボックには成功したが、ゲンガーで簡単に止められていた。
そして確かこの『じわれ』は馬鹿弟子の友が開発した技だったと、キクコは今になって思いだした。
「ほっほう! たいしたもんだよ
あんたのかちだ あのおとこのむすこなだけはある
そっくりだった つぎのへやにすすみな」
キクコに礼をしてグリーンは進んだ。
次なる対戦相手は『竜王ワタル』。
グリーンが初めて戦ったトレーナーで世界で一番