パーフェクトヒューマン(緑)   作:蕎麦饂飩

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番外編・他者からの評価

番外編『他者からの評価』

 

 ゲンガーはグリーンを楽しんでいる。

 トレーナーっておもしろ

 普段はそんなことをグリーンに感じている。

 ゴーストポケモンだからこそ解るのかも知れないが、グリーンの魂は違うのだ。

 この世界のどの人間とも違う。

 それでいて、確かにこの世界にあるものなのだ。

 素材は既知、されど構成は未知とでも言えばよいのかも知れない。

 それでいて、本人にもその様な自覚があるのだが、その本人の自覚すら間違っているような気がしてならない。

 何せ、この世界に生きる人間であるカンナと瞳が同じなのだ。

 瞳の色が、ではなく、瞳に宿る光が。

 まあ、そんなことだ。

 

 

 日頃から『だいばくはつ』ばかりさせられているが、その忠誠心に陰りは無い。

 

 

 

 

 

 キュウコンはグリーンに感謝をしている。

 両親に先立たれ、兄妹達をも喪ったロコンは、周りのロコン達の集団に身を寄せた。

 正しくは身を寄せようとした。

 しかし、文字通り毛色が違う。

 もしかしたら、後に珍しい程度で一般的になるのかも知れないが、この時代に色違いは存在しないと認識される程に珍しい存在だった。

 色違いである彼女には、生物の生理的本能としての拒絶が向けられた。

 生物は、異常の無い遺伝子と番い、正しい子孫を残すために、わかりやすい基準である見た目が異なるものを排除することは当然のことであり、そこに問題は無い。

 当然のように排除されるロコンであったが、彼女は幸か不幸か『HP』『こうげき』『ぼうぎょ』『すばやさ』『とくしゅ』の全ての数値が極めて高い、後に6Vと言われる個体であった。

 故に生き延びられたが、生き延びた彼女にエサを奪われることを危惧した同種達に、執拗な攻撃を受けた。

 そこで弱っていたところをグリーンに拾われた。

 

 グリーンは別に弱っていたロコンを助けたかった慈善家では無い。

 とにかくロコンを捕まえて、その中で優秀な個体を探していただけである。

 そして、グリーンはステータス以外では区別をしなかった。

 これによって、ボックスで予備扱いされている同種達とロコンの力関係は逆転した。

 

 ミュウツーとの戦いの時には、げんきのかたまりで壁として使われたが、その忠誠心に陰りは無い。

 

 

 

 

 

 

 フーディンはグリーンを恐れている。

 エスパータイプでテレパシーが使え、グリーンの思考をトレース出来ると言うこともある。

 だが、己のポケモンだけで無く、己自身さえ目的のための手段と割り切っている事が理解できない。

 それは知能指数がどれだけ高かろうと、生物として異端だった。

 全ての生き物は己や子孫の生存が目的である。手段と講じる命なんてこの世にはあり得ない。

 そこにポケモンも人間も例外は無い筈だった。

 だが、主人(グリーン)は何だ?

 アレは、人であって人で無い。

 何かの概念のような存在としか思えなかった。

 誰も救わない存在でありながら、全てを救う存在でもある。

 そして全てを破壊する。

 ポケモンにも伝説の存在というものはあるが、伝説の人間があるとしたら、それは主人(グリーン)だとグリーンは確信している。

 

 むやみやたらと酷使される傾向はあるが、その忠誠心に陰りは無い。

 

 

 

 

 ダグトリオが思うに、グリーンは天然である。

 それは自然体であるということであり、抗えない自然のような存在であるとも言えた。

 ダグトリオは耐久が低い故に、使い潰されることが多いが、しかし、その苦痛は必ず勝利へと繋がっていた。

 グリーンが負けたのを見たことが無いし、これからも無いのだと確信している。

 むしろ負けるイメージが付かないといって良い。

 逆らおうとする者が愚かにしか思えない。

 だから天然である。

 全てはグリーンの言うとおり、思うとおりにしていれば良い。

 結局の所はそれで全て流れていくのだから。

 

 だから、やたらと回復されることも無く瀕死に追い込まれるが、その忠誠心に陰りは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 ラプラスにとって、グリーンは彼の姉によく似ている。

 周囲の者が恐れて近づかないだけで、彼らは人間だとラプラスは思っている。

 カンナが人間なのだから、グリーンも人間であることは間違いない。

 よく見ていると、結構似たところがある。

 フーディンたちが言うような概念存在とは大分違うと思っている。

 正直なところ、計算や思考についてはフーディンに負ける自覚はあるが、全体として上手く物事を運ぶ事においては負けるつもりは無い。

 そもそもラプラス種が絶滅の危機に瀕したのも、人間を上手く()せて、繁栄に利用しようとしたからだ。

 その結果、危険種扱いされて滅ぼされた。

 とは言え、ラプラスが危険だと判断した団体は、根拠の無い密猟者の言い訳という形に追い込むことは出来た。

 カンナのラプラスからはその様に聞いている。

 カンナのラプラスと言えば、正直かなり好みである。他のラプラスは知らないが、あの目と言い、身体のラインと言い、正直堪りません。

 だから今後も姉弟仲良くして貰いたいものであると思っている。

 

 だから、色々腹黒いことを考えてはいるものの、その忠誠心に陰りは無い。

 

 

 

 

 

 サンダースにとって、グリーンは全てである。

 周囲の者が思っている以上の強さも、周囲の者が知らない弱さもサンダースは知っているつもりである。

 だから、余計な説明は必要無い。

 ――――その忠誠心に陰りは無い。

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