暇がある時に更新していく予定です。
短い上に亀更新の予定。
基本的に小説ではなく文字による戯画と扱って頂けると幸いです。
カーン ガシャーン
ガシャコン ドン ガコン
ズドォーン キャー クレーンタオレター キャー
そんな音が響き渡る、とある横須賀の港に存在する施設。
重苦しい程の鉄の響きに加え、作業員達が全力で頑張り……
艦にまつわる建造、修理、補修、解体、装備の開発、廃棄、そのほかetc、etc。
それらがひとまとめに扱われるここを、人はなんと呼ぶのか。
そんな作業場の入り口に程近い場所に設置された休憩所に、一人の成人男性が存在している。
ツナギの服を身に纏い、そのツナギも油汚れやらよくわからない汚れがこびりついており
ミニマムな女性(?)が多い中で、一際目立っている男性だ。
「へぇぁ~、やっぱり昼休みに飲むブラックは……効くねぇ~」
わざわざ港の責任者に掛け合い、秘書艦から許可を貰って設置したコーヒーサーバー。
作業員達の中でも(砂糖とシロップどっぷりで)これを使い飲んでいる者は結構多い。
男性は漢らしく、強烈に苦いブラックを飲んで満足しているようだ。
「……そんなモノ、飲み物じゃないデース」
「んんん、イギリス子女のお
そんな休憩所の中に、何故か場違いにも砲身を背負って長椅子に鎮座する女性が一名。
この港における戦力のうちのトップエース、戦艦娘・金剛である。
「ココにもティーセットを置けば良いネ! みんなも沢山集まるヨー!」
「なーにを言ってんだ金剛殿よ、俺らの聖域中の聖域まであんたらに占拠されちゃかなわんよ。
てかここ『作業員』の休憩所なんですけどね? 俺、昼飯含めた45分休憩なんですけどね?」
「ノーノー! 堅いこといいっこ無しデース!
整備長サンも、こーんな可愛い私と一緒に居るんだから、嬉しいでショー?」
今の今まで、長期修理としてドックに入渠していた彼女なのだが
つい先程修理が終わり、作業場から出ようとした際に入り口横の休憩所で整備長を見つけ
修理における労いと感謝、ついでに暇つぶしとからかいを混ぜて、ここに滞在していた。
そして整備長は、一部の人間であれば大歓迎しそうな真理を問われ
大喜びしたのか、整備長は懐に忍ばせていたスマホを取り出し操作を始めた。
「あーもしもし比叡殿?
比叡殿って今、島ちゃん&クマちゃんと一緒に森林浴の最中だっけ? あ、違うのね?
ちょっとおたくんトコの姉さんが作業場の休憩室で戯言喋ってるから連れ出してくんね?」
「え、ちょ、整備長サン、スマホでシスター呼ばないデー!」
「お姉さまッッッ! 修理が終わったのですねッッ!?」
『はやっ!?』
こちらの会話終了から8秒も経っていない筈なのだが
休憩所の入り口には息すら切らせていない戦艦娘・比叡が引き戸をバシーンと開け放っていた。
二人がギョッとするのも確認せず、比叡は真っ先に我が姉へとダイブして押し倒していた。
「あぁんお姉さまお姉さま~~~!」
「ノーーーーッ! 整備長サンたーすけてー! ヘルプミーぷりーづー!」
「~~♪ ~~~♪」
そして妹に頭をグリグリ押し付けられた金剛は、整備長に助けを求めるが
一緒に叫んで驚愕していたはずなのに既にソコから立ち直り
自分が食べた弁当の容器を、休憩所備え付けの台所で鼻歌交じりに水洗いをしている最中だった。
「は、はくじょうものーーー! ……あれ? 比叡、今の場合ってはくじょうものでよかったデス?」
「問題ありませんッ! お姉さまの仰る事は全部正義ですから!
さぁ演習行きましょう演習! 皆さんお姉さまの復帰を心待ちにしていたんですよっ!
司令もずっと「ニャー」って仰ってましたからッ!」
「ちょ、分かりましタ! 分かりましタから、降ろし、アァァア~~~~…………」
そんなこんなで、整備長に呼び出された比叡は満面の笑みで金剛を攫っていった。
その光景を、弁当の容器を洗いながらなんとも言い難い顔で見送る整備長だった。
しかし、視界から二人が消えそうなその最後に───
「────整備長サーーーン! ───いつも、アリガトウデーーーーーース!」
本来の目的を果たすべく叫んだ金剛の声を辛うじて聞き取り
「やれやれ」といった感じに苦笑しつつも、内心では御礼を言われる事を喜んでいた。
昼休憩が終わったところで、彼には仕事がたんまり残っている。
新しい装備の開発から始まり、新規の艦娘建造案、及びその居住性の拡張。
未だにドックに入渠している、他の修理中の艦娘のケアに作業員達のケア。
整備長室に置かれた関連書類の整理と提出に、作業管理と枚挙に
色々な意味で、休みもあまり与えてもらえない仕事場だが セイビチョー
これまた同じく、色々な意味で充実しているココが、彼は嫌いではなかった。 クレーンタオレチャッター
ゴメンナサーイ
今日も今日とて、彼の戦いは既に始まっている。 ナニシテンダオマエラー
初めましての人は初めまして。
二度目以降の人は二度目まして。
また、よろしくお願いします。