こちら横須賀港・整備場   作:右肘に違和感

14 / 14

次で一連の流れが終わるといったな。
すまん、ありゃ嘘だ。
嘘のつもりはなかったんだが、下手に留めておくより書いてる最中でも載せた方がいいかもしれんという判断をしたので、もう掲載します。


鉄底の足音

 

 

『───!!!』

『───……ッ!!』

『──ーーー!!』

『ッーーーー!!』

 

こちらを砲撃しながら急進してくる深海棲艦達と、なんとか避けながら逃げ続ける艦娘達。

 

「くそッ……振りきれねぇかッ!」

「あと、あと少しなんだ……! なんとか出来ない、ものか……!」

 

まだ絶望が続くことを告げる天龍に、僅かな希望を絶対に離さんとするため、それが口に出てしまう出長門。

包囲網をなんとか抜け切り、そのまま全速力で海を進み続ける艦娘達だが

如何せん、装備や走行を破損させすぎており……尚且つ、曳航しながらというハンデ付きである。

 

どうしても、ほぼ無傷である大量の深海棲艦達とは速度に差が出てしまう。

 

最初こそ、それなりの距離を保ちつつ逃げていたが……その距離は徐々に縮まり──

 

 

───ヒュルルルル

 

ガァンッッ!!

 

「ぎっ……ぐ、うぅ……!」

『な、長門さんッ!?』

「長門殿ッ!?」

「長門……!? 大丈夫っ!?」

「……な、なんとか、なっ……! 長門型の装甲は、伊達では無い……!

 し、しかし……これで逃げ、切れ、というのも……少々酷な気がするがな……ッ!」

 

走りながら逃げている最中に、長門が被弾してしまった。

ここまできて、大破している艦娘と比べればまだ動ける長門まで大破に至ってしまい。

轟沈だけは根性でしなかったものの、その様子は艦娘達に一層の焦りを生んでしまう。

 

「ちくしょう、ちくしょう……! なんとかなんねぇのか、天龍……!」

「───…………」

「……? おい、天龍、いきなり黙って……おい、おいッ?!」

 

切羽詰まった自分達の後ろも気にせず、天龍は何故か喋らなくなる。

それと同時なのか、叢雲も叢雲で、後ろに顔を向けながら思案顔であった。

 

そして───フッ、と、唇の端を釣り上げた。

 

「……叢雲、わりぃ。あいつらの中に忘れ物しちまったわ。少し、付き合ってくれねぇか?」

「なっ……!? 天龍、おまっ」

「───あら、奇遇ね天龍……私もちょっとだけ、あいつらに用事があるのを忘れていたわ」

 

走りながら叢雲に話しかけ、真横で絶句する摩耶を余所に叢雲も同じく天龍の提案を承諾した。

 

「つーわけだ摩耶。お前と山城さんはまだ中破だ……なんとか全員曳航出来んだろ?

 二人で全員引き連れてとっとと帰ってくれ」

「馬鹿野郎ッ!! ふっざけるなッ!! 死にに行くつもりかッ!?」

「……え? ま、摩耶さん……ど、どうしたのですか……??」

 

急に怒鳴り出した摩耶を訝しみ、元々海域に居た艦娘達が全員そちらに視線を向ける。

もちろん後ろからは怒涛の勢いで深海棲艦と、そこから発射される砲弾が降り注いでいるため

走りながら、一体何事かと二人に着目した。

 

そんな中、天龍・摩耶と同じく艦娘達を護るように走っている叢雲が(おもむ)ろに話し出した。

 

「何言ってるのよ摩耶、私達に自殺願望なんかあるわけないでしょ?

 いいからとっとと行きなさいな、アンタ達のその状態じゃ、邪魔なだけだから」

「うるせぇっ! あたしはそんな屁理屈聞きたいんじゃねぇんだッ!!

 お前等見捨てて、あたし達はアイツ等になんて言えばいいんだよッッ!!」

「───死ぬつもりなんか、俺等にもねぇよ」

 

摩耶の怒鳴り声に、静かに天龍は呟いた。

 

そして───まるで事前に打ち合わせていたかの如く急に反転し

 

天龍と叢雲は、迫り来る深海棲艦の壁へと突撃を始める。

 

「ばっ……! 戻れッ! 頼むから……戻りやがれぇッッ!!」

「て、天龍さんッ!?」

「叢雲殿ッ……!?」

 

あまりにも予想していない事態に、艦娘達よりも深海棲艦の方が戸惑いを隠せなかった。

先頭を走っていたフラッグシップ戦艦・ル級に天龍が一撃をぶち当て

同じく、先頭の方に居たエリート雷巡・チ級の腕に叢雲が正宗を突き刺して兵装を無効化する。

 

突然止まった進撃に、後ろの深海棲艦達も対処が遅れ

完全壊滅とは行かないまでも、まるでドミノ倒しの様な要領で次々と周りの同類へ激突し始めた。

 

そうして見えない防衛ラインが構築された後、天龍は声を張り上げて叫んだ。

 

「摩耶ぁぁぁーーーーーッッ!! もうそこら辺まで他の奴等が来てるはずだぁぁーーーーッッ!!

 なんとかしてそいつらの所まで辿り着けぇぇーーーーーーーーッッ!!」

「───……ッッ!!」

 

天龍は叫びながら、手当たり次第に深海棲艦を斬り飛ばす。

叢雲もそれに合わせて、深海棲艦の混乱をさらに助長する様に援護へ動いた。

最早、中破・大破の艦娘達の声が届かない位置だった。

 

「……行きましょう、摩耶さん!」

「ンなっ!? 扶桑ッ、あんた、他港の艦娘だからって……!!」

「此処で私達に出来る事はありませんッ……彼女達の想いを無駄にしないためにッ……!

 私達は、一秒でも早く此処に向かっている艦隊にこの状況を伝えなきゃ行けないんですッ……!」

「……そ、そう、よ……摩耶……! 二人の、話が、本当なら……!

 私達の港の、皆が……、整備長も……きっと、近くに、居る……!」

「陸奥…………ぐっ、くっ……そぉぉぉおぉぉぉーーーーーーーーーーッッ!!」

 

艦娘全員に説かれ、摩耶は声を張り上げながら二人に対して背を向けて走り出す。

他の艦娘も全員、罪悪感と共に摩耶の後ろに付いて海域から離れ始めたのだった。

 

 

後ろでは、深海棲艦達の憎悪の声と悲鳴が木霊していた。

 

 

 

 

「……よしッ、次、足柄!」

「わかったわ、整備長、お願い!」

「ありがとう整備長、五十鈴、再出撃しますッ!」

 

とある海域で地獄が展開されている同時刻、整備長と仮・補給戦艦金剛と榛名は

最初に予定した通り、地獄の海域より幾分手前に常駐し

その辺りに留まって燃料の補給を待っていた艦娘達に次々と燃料を継ぎ足し

行軍の最前線へ復帰させる作業を行っていた。

 

「……よし、次ッ! 那……珂……ッ?!」

「ッ!! 整備長さんっ!?」

「プ、プロデューサーッ!?」

「整備長ッ! 平気!?」

 

足柄への補給を完了し、次の艦娘を手前に迎え入れようとした所で

榛名のユニット上部で作業していた整備長の体が突如ふらつく。

 

「整備長サン、無理はノンノンネー……整備長サンの身体は、艦娘の身体じゃないノヨー?」

「……っく、大丈夫だ、次、早く、来い……!」

「は、はいっ! プロデューサー!」

「……足柄、出撃するわッ!! 整備長、あまり無茶しちゃ駄目よ!」

「ハァ、ハァ、……そんなもん……知るか……ッ!

 フー、あいつらと比べりゃ……俺の現状なんぞ、比較にならん……!」

「整備長さん……」

 

補給を終えた足柄が、整備長に言い残して再出撃していったが

その労りの言葉を振り払う様に、那珂2号の艦装備から燃料の補給を開始する。

 

「あいつらは、まだ……まだ戦ってるはずだ……間に合うはずなんだ……!!

 あいつらを死地に向かわせた俺が……行進疲労程度で、倒れて良い訳ねぇだろうがッッ!!」

「……わかりました……せめて、港に帰ってから、ご自愛くださいね」

「……全員で、な」

 

整備長は、金剛と榛名の極端な高速前進により、身体に疲労が蓄積している。

もとより強化された艦娘と違い、彼は生身の人間であり

そしてなおかつ、海とて常に平穏平面な海面というわけではない。

ところどころに波が立ち、揺らぎ、渦巻き、うねっているのである。

 

それらに合わせる事もなく突き進む二人に乗っていた整備長は

必然体力を奪われ続ける結果となったが……持ち前の職人根性で身体を動かし続けていた。

 

「つ、次……!」

「整備長ッ……! もう……」

「そ、そうだよプロデューサー……次の公演だって……」

「……早くしろぉおおおーーーーーーーーーッッ!!!」

『『『は、はいっ!?』』』

 

善意から彼の体を労る他の艦娘達の発言を一声で黙らせ、整備長は補給を続ける。

 

疲れ果てた身体に鞭打ちながら、沈んでいく太陽に……整備長は祈る。

どうか、間に合ってくれ、と。

 

そんな時、ふと後ろの方から、整備長は「ある駆逐艦」に声を掛けられた。

 

「せいびちょうー!」

「なんだ! 補給が終わったなら早く──って、え?!

 な、なんでお前がここに……って、あれ!?」

「うふふふ~、さぁ、はやく出発しましょぉ?」

「お、お前達……守りは……?」 

 

 

───そんな寸劇の中、太陽は西の地平線へと沈んでいった。

 

 

 

 

 

ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ!

ボシュン、ボシュン、ギン、ドゴォン、ボシュン

 

「………………」

「………………」

 

二人が残った海域、地獄。

 

天龍・叢雲、共に既に満身創痍である。

 

『…………!?』

『───………!?』

 

しかし───時間が経つに連れ、満身創痍になっていくのは……深海棲艦の方だった。

 

深海棲艦は、撃つ。目の前に存在する艦娘二人を捻り潰す為に。

 

ドンッ

 

「…………。」

『ッ!?』

 

ドゴォン

 

そして、先程まで9名居た艦娘達を追い詰めていた現象と似たような事が再び起こり始めた。

しかも今の現時点で、『夜になったこの状況』は『先程よりも悪化している』。

いくら撃っても、どれだけ撃っても、艦娘二人に当たらないのである。

 

『……──!!』

『──────』

 

そして考えなしに撃とうモノなら、交わされた上で別の仲間に直撃。

いくらやっても、一定時期を越えてから触れることさえままならない。

 

「────……!」

 

ガォンッ!

 

『────ッッ?!』

 

しかも、油断しようモノなら気配も何もなく大剣を用いて瞬時に攻撃をしてくる。

今の一撃で、深海棲艦の中ではトップクラスの耐久性と砲撃性能を誇る無傷のフラッグシップ戦艦・ル級が

ただの剣しか持っていない艦娘のただ一太刀で、海の藻屑と戻っている。

 

つまりは、触れてしまえば一撃必殺。

フラッグシップ戦艦・ル級が耐え切れない攻撃を、他の深海棲艦が受け止めきれる訳も無い。

 

『『『────ッッッ!!』』』

 

そして、数に任せて押し潰そうと雷巡チ級が三人、二人に一気に群がるが

 

「── ── ──ッ!」

 

金属で金属を裂く、嫌な音が響き渡る。

その音が過ぎ去った後には、身体の各可動部に際し重要な部分が叢雲の刀で切り裂かれ

 

「……………………ッッ!!」

 

ガガガガガッ!!!

 

その斬撃の効果、または痛みにより一瞬動きを停止した雷巡チ級が

三人同時に天龍の一太刀で吹き飛ばされ、少し遠方へ吹っ飛んだ後に轟沈していく。

 

先程からこれの繰り返しばかりで、あれだけ数で優位に立っていた深海棲艦達は

この連携を前にして、徐々に徐々にその数を減らして行ってるのだ。

 

こうなってくると、深海棲艦達も迂闊に動けなくなる。

何をやっても、どれだけ撃っても、艦娘は攻撃を受け付けないのだ。

あの破壊力からして、全員で接近してはそのまま全員が塵と帰る可能性すら否定出来ないからである。

 

……だが、それらはあくまで深海棲艦達の視点から見た状況であり

天龍と叢雲は、一撃カスれば即大破と言うぐらいに追い詰められていた。

 

圧倒しているように見えるこの状況でも、見方を変えれば二人はその立ち位置から殆ど動いていない。

艦娘達は燃料が全く無くても、一定の速度で動く事は可能である。

そして今の現状、二人は一定の速度までしか出せない燃料しか既に無いのだ。

 

深海棲艦から見れば、たった2枚しかない───しかし、装甲空母よりも分厚い鋼鉄の壁。

しかし、天龍と叢雲から見れば、自分達の耐久度は障子の張り紙にすら劣る張子の虎。

 

矛盾が矛盾を見抜けなくするその状況は───やはり、ここまでが限界だった。

 

 

 

『─────ーーーーーッ!!』

 

『1匹』の深海棲艦が、無謀にも突撃を仕掛けてくる。

天龍は、自分の正面に存在している深海棲艦から放たれた砲撃を避ける事に集中している。

叢雲はそれにすぐ気付き、対応するために正宗を振り抜こうとして

 

 

「──……ッ?!」

 

 

まるで感電してしまったかの様に、その動作をピタリと止めてしまった。

 

もちろんその隙を───『駆逐艦・イ級』が見逃す筈もなく。

 

ガガァンッッ!!

 

「あぁああああああああぁぁーーーーーーッッ!!」

「ッ!? 叢雲ッ!?」

 

駆逐艦・イ級の放つ一撃は……皮肉にも『夜戦効果』によって上がっていた二人の能力と同様に

『夜戦効果』はイ級にも適用されており、イ級の何にも縛られない強烈な一撃をまともに喰らい

ここにきてついに叢雲は、戦闘が難しい状態になった。

 

背後で撃ち貫かれた叢雲をすぐにでもフォローしたい天龍だったが

この状況で攻撃姿勢を解く事がどれだけの自殺行為であるかも認識しているため、それも出来ない。

 

「クソッ、叢雲ッ! 耐えろッ! 耐えてくれ……ッ!!」

「……い、言われ……なくても、沈む、わけが……ないでしょうがッッ!!」

 

ガギョッ!!

 

『───!?!?!?』

「叢雲ッッ?! ……せいっ!!」

 

ギャリッ!!

 

目の前に居る敵を睨み付けながら、拙い願望をつい口に出してしまった天龍だが

一体その小さな身にどれほどの精神力が詰まっているのか───

なんと叢雲は大破したその装甲から想像も出来ない様な、力任せの一撃を正宗で駆逐艦・イ級へとぶち込み

そのぶち込んだ衝撃で天龍の視界の端へとすっ飛ばされ、反応した天龍に斬り飛ばされ……轟沈した。

 

 

が、その代償は───大きかった。

 

───ピシッ、ボキン

 

 

とても長い刀である正宗には向かない、剛の力で放たれた一撃に

所詮素人がいつの間にか作っていた刀でしかない正宗は、耐え切る事は出来なかった。

 

「あ────」

「───…………ッッッ!!」

 

そして当の本人の叢雲も、いつもの動きに慣れていた身体とは掛け離れた破損状況となり

叢雲は大きくバランスを崩し、そして天龍は叢雲を本能的に支えてしまい、戦闘態勢を解いてしまう。

 

『───……』

『───……!!』

『───ーーーーーーーーー!!』

 

 

 

それを好機と見た深海棲艦達が一斉に砲撃を───

 

 

 

 

 

「───……第一艦隊ッ、砲雷撃戦開始ィーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

撃つ前に天龍と叢雲が「聞いたことのない」男の声が響き渡った。

 

 

ッガガガガガガガガガガァァァァンッッッ!!!

 

 

『ーーーーーーーーーっ!?』

『ーーーーー!? ーーーーーっっ!?』

『ーーーー────』

 

 

ドガァンッ! ズガァンッ!! ガガガガガガァンッッ!!

 

 

「……なッ!?」

「……な、何……!? 何、が……!?」

「撃てぇーーーーーーーー!! なんとしてでも道をこじ開けろぉーーーーーーーーー!!」

 

二人は一瞬整備長かと思ったが、吼えるその声はどう聞いても知っているあの声ではなかった。

 

そして彼がこの戦場で吼える度に、爆撃の音が鳴り響き──それと同時に深海棲艦が数を減らしていく。

 

 

「ふふん、その艦、もらったぁッッ!!」

 

そこに響く、利根型一番艦・利根の声。

 

「兵装実験の軽巡だからって、なめないでねッッ!!」

 

軽巡と思えないぐらいに兵装を満載した軽巡、夕張の声。

 

「この熊野も、行きますわよ? とぉぉぉぉおおおおおぅッッ!!」

 

戦場と考えると少し緊張感が足りない声を張り上げる、最上型重巡洋艦・熊野。

 

 

彼女達3人による奇襲に対応しきれず、深海棲艦達は混乱気味である。

そして砲撃の直線上が波を割るように開き、天龍と叢雲の目の前に道が出来た。

 

「お前達ッ! 早くこっちに来るんだッ!! 少しでも近づけぇっ!!」

「ッ! 叢雲、動けるか!?」

「き、厳しい、わ……ごめん、肩、貸して……!」

 

道が出来た意味を把握し、即座に動こうとする二人ではあったが

どうしても蓄積し続けたダメージが足かせとなり、速度は全然出なかった。

 

『─────!!!』

 

当然のこと、その行軍は深海棲艦にとって狙い目でしかない。

 

ヒュルルルルル    ガァンッ!!

 

『ーーーーー?!!?』

「やらせるわけがなかろうッ!!」

 

そこに放たれる所属不明の利根の砲撃は、大破二人に向けられた照準を鈍らせる。

 

「ほら、こっちや! 早く!」

「す、すまねぇ……あんた達、一体何者だ……!?」

「我々は横須賀鎮守府からの報告を受けて君達を救助しに来たんだ!

 しかし……本当に、なんなんだ、この光景は……!!」

 

上手い具合に救助部隊と合流を果たし、一緒に逃げ始める艦娘達。

龍驤に載っている、別の鎮守府の提督は彼女達が戦っていた「黒い群れ」を再確認して絶句している。

 

「うちは軽空母やから、夜戦になると無力や……けど、二人の航行を助ける位は出来るで!

 早く帰って、みんなに元気な顔見せてあげるんやで!」

「今、ここら辺を回っている他の鎮守府の提督や遠征艦隊も

 余裕がある者達はこちらに援護へ向かっているはずだ」

「はは、そ、そう、か……、これなら、生き残れそうだぜ……」

 

ここに至り、初めて自分側の味方の動きを知る事となった叢雲と天龍。

 

「今回のこの数は、恐らく海軍全軍を用いた総力戦となるだろう。

 本格的な決戦になる前に、削れれば少しでも有利になるが……今はその時ではなさそうだ。

 第一遠征艦隊、我々の目的は達成した。全軍退却するぞッ!!」

「うむ、了解だ!」

「帰還したら、全身マッサージをお願いしたいですわぁ……」

「あ、ちょ、ま、みんな、ちょっと、待ってぇーーーーー!!」

「さぁさぁ、こっからが軽空母の強みやで! 高速運用の見せ所や!」

 

後ろからはまだ猛然と『黒い群れ』と、それによる攻撃の波が押し寄せてきているが

しかしそれらを巧みに交わしつつ、他の鎮守府の遠征艦隊と一緒に天龍と叢雲は脱出する。

 

 

太陽は、未だ登らない。

 




最近艦これ熱が冷めてきたのか、演習と遠征しかしてません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。