こちら横須賀港・整備場   作:右肘に違和感

5 / 14

注・他作品の名称が大量に出てきます。
  今回の話はそれらを手にとって会話している天龍や叢雲を想像して楽しんで下さい。
  あなたの知っている名称はいくつあるでしょうか?



失敗作保管庫

 

 

「ふーむ……これも捨てがたいが……アレも良いよなぁ」

「連装砲ちゃん、この私に合う武器に心当たりは無いかしら?」

「ーーー」

 

46cm連装砲ちゃんが失敗作保管庫へ登場してから少しだけ停止はしたが

艦娘二名はすぐに本来の目的である武器の散策に戻る。

整備長も、下手な事をして失敗作を破壊されない様に二人に声を掛けられる位置に立っている。

 

失敗作といえど、やはり作ったものに愛着はあるのだ。

 

「お、なんか良さげな大剣見っけたぞッ! どうよ、似合うかお前等?」

「へぇ、結構サマになってるわよ天龍。それでもいいんじゃないかしら?」

「その武器の型番は……U-88、えーと……あったあった、『クロスクレイモア』だな。

 知り合いが言うには特殊な効果は何も無いらしいが……まあ見ての通り良さげなモノだな」

 

自分が探している剣のタイプは大体手を付けている天龍。

本決まりでこそないが、どうやらこの『クロスクレイモア』も大分気に入ったようである。

 

「……あら? これは……雷巡チ級の腕、かしら?」

「いや、違うぞー。それももちろん失敗作だ。

 一応それはガントレットアームの部類だな、それで相手を殴りつけるんだよ。

 知り合いは『+15メカタウのガンドレット』とかつけてるな……。

 なんなんだろう、+15とか、メカタウとかって単語は」

「私に聞かれても知らないわよ、むしろ教えて欲しいぐらいね」

 

剣だけでなく、奇妙な形状の武器もあり……どこに視線をやっても目移りしてしまう。

そんなワクワクフロアが、整備長の管理する失敗作保管庫だった。

軽く見渡せば46cm連装砲ちゃんが掃き掃除をしており、最早テーマパークに近い気もする。

 

「……お? 整備長、なんだこれ?」

「ん?」

 

そんな中、天龍が奇妙な何かを発見したらしく整備長に声をかける。

その手にはオレンジ色に近い輝きを持った球体が持たれていた。

 

「えーとそれは……知り合いの鑑定師に見てもらった事で貰った情報だが……

 報告書によると、『ナイツ・オブ・ラウンド』という、えーと……『まてりあ』? というものらしい」

「……なんかすっげー禍々しいっつーか、猛々しい気配がしてんぞこれ……。

 ここにあるっつーことはこれも整備長が作ったもんなんだよな?」

「結論から言えば片付けてた廃材の中に混ざってたってだけだがな。

 まあきれいな球体のフォルムってのもあって、俺もたまに磨いてるよ」

「ふーん、でもまあそれだけだなー、戻しとくわ」

 

整備長はフロアの入り口に設置されている失敗作鑑定図鑑から球体の説明をした。

その説明を聞いて興味を失ったのか、置かれていた手製の台座へと戻される「まてりあ」。

戻されてすぐに、今度は叢雲が何かを見つけたようだ。

 

「こ、こっちもなんか、すっごい禍々しいんだけど……?

 でも、なんか綺麗なのがわかる刀ねぇ。整備長、これの鑑定結果は?」

「K-73番か、えーと……『初代鬼徹』って付けられてるな……。

 禍々しい感じがするのは、妖刀って部類に入るからなんだそうだ」

「よ、妖刀……!? 確かになんか不気味ではあるんだけど……」

「あくまでも知り合いの予想なんだが……持ち主に非業の死を遂げさせるタイプらしいなぁ。

 あいつの脳内設定なんだろうけど……鬼徹一派が作り上げた刀は全て良質な業物だが

 同時に呪われているそうで、それが妖刀に括られる理由らしい」

「そんな物騒なモン管理してんじゃないわよッ!!」

 

たまらず叢雲は、やけに物騒な設定を持つその刀を地面に叩きつけようとする。

 

「あーコラ何しようとしてるんだ! それ一応既に持ち主決まってんだぞ!」

「はぁッ?! アンタこんなモン誰に渡すのよッ! 相手殺す気ッ!?」

「俺に言うな俺に! なんか知らんけどここに迷い込んだ雪風ちゃんがそれ気に入っちまったんだよ。

 たまにここに遊びに来て、その『初代鬼徹』と楽しそうに話してるの見かけたぞ」

「……雪風って、そんな痛い子だったっけ?」

「いや、なんかその刀……本当に意思があるっぽいんだよな。

 よーく見たら黒い怨念みたいなの出てるのわからん?」

「へ?」

 

言われて叢雲はじっくりと刀を見てみると……こちらに怒りの表情を向けた黒いモヤらしきものが見える。

 

「ひぃっ!?」

「わっととととと……! コラッ! 手放すなッ! 刀はデリケートなんだぞっ!」

「んなこといったって怖いわよバカッ!」

 

驚いて投げ捨ててしまった『初代鬼徹』を整備長が慌ててキャッチし、なんとか事なきを得る。

自分を大事に管理してくれている整備長の手に渡った為なのか、黒いモヤの表情も笑顔になっていた。

どうやら叢雲に不気味と言われた事が気に食わなかったようである。

 

なお、駆逐艦娘・雪風はこの『初代鬼徹』を部屋に飾って大切にする予定なんだそうな。

 

 

 

そのような一悶着もあったりしたが、あった場所に『初代鬼徹』が戻され

さらに失敗作の陳列を次々に閲覧していく叢雲と天龍、それに付随する整備長。

 

「……なんでこんなところに、バカでっかい筆が?」

「あぁ、それか? 一応知り合い曰く『ほうき』の分類らしいぞ」

「ほうきぃ? なんでそんなもんが開発出来……あぁ、だから失敗作なのね」

「名前は『悟りし者の落書き』って付けられてたよ、これで落書きでもするんかね」

「私が知った事じゃないわ、次行くわよ次……あぁ、でもこの毛触りはちょっと捨てがたいなぁ」

 

元の位置に戻そうとした所で毛先が手に触れ、思わずもにゅもにゅしてしまう叢雲。

さらに二人は無駄に広い失敗作保管庫の散策を続けていく。

 

「へぇ、結構渋い陸戦部隊の武器まで出来上がってんのか、ロゴまであるな……いーぜっと、ハチ?」

「えーとそれは……『180mmキャノン』って名前だな、まあ見たまんまだ……ロゴは知り合いがつけてたよ。

 俺らが扱うタイプのモンでもないし、俺も陸戦部隊に知り合いなんぞ居ないからここに置いてる」

「こまめに整備してるだけあって、状態がすっげーよさそうだなー。

 案外陸軍司令部に持って行ったら喜ばれるんじゃねーか?」

「でもヘタしたら俺のクビと引き換えだからなぁ」

「ま、そりゃそうか」

 

天龍が持った武器を置けば、次は叢雲が違う何かに興味を示す。

 

「あら、これなんて結構素敵ね、剣身が虹色になってるじゃない」

「ああ、それ綺麗だよなぁ。なんでそんなもん作れたんだろう俺。

 知り合いは『エターナルスフィア』って名前を付けてるな、軽く振ってみると星が出るぞ」

「え? あら、ホントね。んーでも実用的とは言い難いわねぇ」

「まーせいぜい大道芸で使い道があるかどうかってとこだな」

「お、こっちの腕輪もなんか虹色っぽいな」

「それは……『昂翼天使の腕輪』と書かれてるな……それを腕につけると同じく星が出るらしい」

「意味ねぇ~~~」

 

 

 

そんな流れを繰り返すうち……ついに、二人は、探し求めていたものに、辿り着いた。

 

「こ……これは……!」

 

「な、何、これ……」

 

 

 






めんなさい、まだ続きます。
なんか脳内で無駄に二人が大騒ぎしててまだまだ終わりが完成しません。
二人は何を選ぶのでしょうかね。

※tips※
・知り合い=おまいら

・駆逐艦娘・雪風
 史実の戦果と内容がやばい子。
 ゲームにおいてもワケの分からない性能を有している。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。