今回は練習風景のみ。
何か突っ込みがあれば遠慮なくお願いします、台詞とか。
★天龍の修行風景★
「ふむ、射出材を……N-78、TN-5X230……射出角2.8、と。
燃料エコのドライブモードでDL33にYのYで……よし、一旦はこんなものか」
「おう、じゃあ早速取り付けてみてくれよ!」
整備長がパソコンに繋がる機械に『ミノフスキードライブ』を組み込み
数字的に出力調整を施し終わり、軽巡洋艦娘・天龍につける準備が整った。
◇
「よし、それじゃあまずは狙い通りのモノを攻撃出来るようにするぞ。
あそこに置いている固めた廃材をなるべく綺麗に、一瞬で切り落とせ」
「おうッ! ま、さすがに最初だしな。
完璧にゃ行かねぇだろうけど、形にはしてみせるぜ……行くぞッッ!!」
艦娘としての本能でわかる、増設されたパーツの使い道を瞬時に理解し
『ミノフスキードライブ』の初動を動きに組み込み、天龍は吼えた。
「うおぉぉぉおおーーーーーーーーーーーー!!!」
瞬間。
バォンッッッ!!
「うおッッッ!?」
天龍が吼え終わったと同時に部屋が輝かしく光り、そしてとても大きい音が響き渡った。
おそらく光は『ミノフスキードライブ』から発せられた余波的な何かであろう。
音はきっと、狙い通りに天龍が固めた廃材を叩き斬り───
「……あれ?」
光が収まり、目が慣れた整備長が練習台として置いた廃材は少し震えているだけで
特に新しい傷は何も確認出来なかった、その上よく見てみると……天龍が見渡す限りどこにも居ない。
「───あらー? おーい天龍、どこ行っ……あ」
キョロキョロと顔を動かして天龍を探した結果、整備長は意外な所で彼女を発見する。
その場所は、なかなかに広い調整修練場の、廃材の遥か向こうにある壁の天井際。
要するに、彼女は加速に大成功しすぎて、廃材を追い越し壁に激突後、壁に張り付いたまま気絶していた。
Ω中破
「う、ぐ、うぅぅう……なんっつーじゃじゃ馬だ、このミノなんたらってのは……」
「す、すまん。一応数字上じゃかなり小さく設定したはずなんだけどな」
「なに、しゃあねえだろ。即使いこなせない俺が悪ぃんだからよ……いででで……!」
気絶している天龍をなんとか天井際の壁から引き剥がし
鼻から燃料が漏れているのも秘密にしてやりながら、後始末。
気絶から復帰する前に『ミノフスキードライブ』の再調整も終わらせており
出力係数を1/2程度に抑えて、中破している天龍に再び取り付けた。
なお、アロンダイトについていた『ミノフスキードライブ』も元気が有り余っていたようで
天龍とはまた違う場所にめり込んでおり、整備長はバールのようなものを用いて壁から撤去していた。
「よっし、気を取り直して……と。整備長! 次は平気だな?」
「ああ、大丈夫のはずだ、調整はさっきの係数を1/2にまでしたからな」
「っしゃぁ! 天龍……行くぜッッ! うおぉぉぉぉおーーーーーーーッッ!!」
「あ、いたいた整備長───」
天龍は再び吼える、その吼え声によって調整修練場に入ってきた誰かの声をかき消し
天龍に組み込んだ『ミノフスキードライブ』が全稼働、部屋が───
バォンッッッ!!
「うわぁっっ!」
さっきと同じような現象が起こった。
空間が光り輝き、それと同時に叩き付けるような音。
そして例の如く、設置された標的廃材はまた揺れているだけだった。
「───あーあ」
これは先程と同じなんだろうなと思い、天龍の姿を壁に限定して探すと
案の定、出入口の扉の横の壁に漫画のような形で叩き付けられた天龍と
それに巻き込まれる形で壁にめり込んでいるアロンダイトと、別の艦娘の姿があった。
「……前途多難だなぁ」
Ω轟沈
Ω大破 ←深雪
〆小破 ← 剣
なお、天龍が自爆して負ったダメージは完全に轟沈なのだが
別に海の上で轟沈したわけではないので、そのまま整備長の準備した台車に乗せられて
ふたりとも普通にドック入りしている事を記載しておく。
@叢雲の修行風景@
「叢雲ちゃんの場合はとにかく基本に忠実に、だな。
特別な効果も重量もあるわけじゃないし、ただひたすらに長いだけだ」
「そうね、わかるわ」
「だからこそ、その長さを最大限に生かせるように……ってコンセプトでいいだろう」
「わかった、で? 具体的には?」
長い正宗を調整修練場に持ち出し、刀の扱いに慣れるための修行という事で
整備長は駆逐艦娘・叢雲に付き合っていた。
肝心の方法を叢雲に問われ、「むー……」と芳しくない声を上げる整備長。
「まあこればっかりは近道もないだろうしな……地道に行こうか」
「まぁそれもそうね、私もいきなり使えるとは思ってないわ」
「だから、まずは素振りを軽くした上で……自分で満足に扱える手応えがあればいいんじゃないか?」
「そんなところかしら、まぁやってみるわ」
「せいっ! っわったたたたたッッ!」
「……ふーむ」
「まだまだ! ……やぁっ! っとととと」
長さ故に掛かる負荷に振り回され、満足に長刀・正宗を扱うことが出来ない。
10分後……少し振り疲れたのか、一度手を止め悔しがっている叢雲が居た。
「く、悔しいッ……こんな綺麗な刀なのに、肝心の私が満足に使えないなんてッ……」
「んー……」
「整備長ッ! アンタ横から見てたんならアドバイスかなんかないのッ!?」
「ある」
「うー……使い物にならないわねっ……って、ある、の?」
「おいちょっと待て、その前にお前今俺の事なんつったオイ」
「素敵で逞しいって言ったのよ、早くアドバイスなさい」
「……ガキ」
「…………ッッ~~~! 早くしなさいっ!」
仲がいいのか悪いのかわからないような関係の幼なじみの如く夫婦漫才を披露する整備長と叢雲だが
残念な事に、ココには観客が居ないので特に盛り上がることもなかった。
「まずあれだな、どうせなら刀の扱いづらさに振り回される事を前提で動いてみたらどうだ?
振り回される後にいちいちそれを止めようとするから、型が崩れるんだろう」
「なるほど、ちょっとやってみるわ」
整備長からの助言を受け入れ、力に逆らわず流す様にして刀を振る。
そして刀の流動性がなくなった後、そこから再度力を入れて振ってみる。
「うん、これはなんかいい感じね、少なくともさっきよりは手応えを感じるわ」
「んー……次は回転しながら振り続けてみたらどうだ?
こう、ゴルフスイングを回りながら繰り返すみたいな……」
「えーと、こう、かしら?」
言われた通りに、一定リズムを持って軽く回りながらシュッシュッシュッと振ってみる。
思いの外綺麗に刀が振れているらしく、叢雲の顔はどんどん笑顔になっていく。
「いいわ、これだわ! これよ! この感じ! やっ! はッ! えいっ!」
「…………」
「私にッ! ぴったりじゃないッ! 華麗に! 舞いながらッ!
綺麗なッ! 斬撃をッ くり、だし、う、つづ、う、お、お、お、おぉぉぉ、おヴぇぇぇ…………」
「……だよねー」
クルン、クルンと回る度に斬撃を繰り出していた叢雲だったが
楽しいのか……納得したのか、それとも嬉しいのか……または全部か。
完全に型に嵌めて一定リズムで斬撃を放っていたところで
回転していた事による三半規管へのダメージがどんどん追加されていってしまい
終いには呪われた雄叫びを上げ始めた。
「大丈夫か、叢雲ちゃん」
「あ、アンタ……@@ さ、さて、は、わかってた、わね……@@?」
「いや、なんかそこまで気に入ると思ってなかった、俺基本的に深く考えてないし。
さっきも『地道に行こう』って言ったばっかりなのに此処まで型に嵌ると思わなくて」
「ふ、フフフ、こ、こんな@@ ことで……へこたれる叢雲様じゃない、わよ……@@
漸く、上手く、刀を扱う、コツを……みちゅけ、け、け@@」
「……とりあえず横になっときな、叢雲ちゃん」
「そ、そうす、りゅ……@@」
艦娘という聖なる領域が成せる業なのか、一応「吐いては居ない」。
しかしその様子は明らかにもうなんというか見ていられない状態になってしまっており
床にへたばった叢雲は、さらにその苦しみを味わう事となる。
「おぉぉぉ……せ、世界が、回ってる、じゃないの……@@! ぎぼちゎるい……@@」
「基礎をすっとばすからそうなるんだぞ……やれやれ、少しのんびりしときな。
じっくり、ゆっくりと扱う腕を磨くんだ。修行に近道なんて無いぞ」
「そ、そうする、わ……オロロロロロ@@」
整備長の諭しに、目を回しながらもきちんと反応する叢雲。
まだ大回転によって与えられた世界回転は収まる気配が無い様だ。
・
・※NEW!※
・叢雲が目を回してしまったので、全能力値が一時的に8下がります。
・上記の内容は今回の話に特に影響しません。
・
※模造tip※
序盤の数値は完全に適当なモノです。
SFっぽい数字ならなんでもいーやと。
ミノの出力に関しては、意志があるモノに取り付けたのは今回が初めてであり
室内でもまあ大丈夫だろ、的な意識でやってあの大惨事になってます。
設定上、今回の場は一応縦250m、横70mぐらいの体育館的な脳内構成です。