こちら横須賀港・整備場   作:右肘に違和感

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どうやら本文に前話の部分までコピペっていたらしく
一度削除して、再度投稿させて頂いてます。
今話から一連の終わりまで大量のご都合主義と厨二病が出てくると思われますので
黒歴史をお持ちの方は十二分にご注意して閲覧してくださいませ。


嵐の予感

 

 

2ヶ月程経った、横須賀に存在する「とある港」の近海にて。

 

「どりゃぁぁああああーーーーーーーーッッ!!」

 

ギャリンッッ!!

 

けたたましい雄叫びと共に、天龍が目にも留まらぬ速さを持って海上を疾走し

海面に浮くブイの上に設置された廃材の塊に突撃、擦れ違い様に廃材を一撃で切り捨てる。

 

「──ほっ!」

 

そして切り捨てた後の勢いをそのままに、一度『ミノフスキードライブ』の駆動を停止させ

慣性の法則に従って少し山なりに放物線を描き──

 

「───だぁぁぁあああーーーーーーーッッ!!」

 

ガォンッッ!!

 

放物線の最中でベストな角度を探し出し、『ミノフスキードライブ』を再点火させて

次の目標へ剛速で瞬時に接近、先程と同じく擦れ違いと同時に切り捨てる。

 

「っしゃぁッ! これで10連斬りだな、どうだ整備長ッ! 相棒ッ!」

「きゃ~♪ 天龍ちゃんすご~い♪」

「おう、すげぇすげぇ。お前等艦娘って本当に頑丈だよなぁ」

「へっ、あったりめぇだろ。

 フラッグ戦艦やらフラッグ空母やらの砲撃爆撃が直撃なんざしょっちゅうだからな!」

 

廃材を切り捨てた後に水面へ着水し、自前のスクリューを用いて港へと戻る天龍。

港ではその様子をずっと伺っていた天龍の姉妹艦・龍田と整備長がビットに腰掛けていた。

 

この2ヶ月、軽巡洋艦娘・天龍は自分と新しく出来た相棒に付けられている

『ミノフスキードライブ』が出す加速によるGを克服し、なおかつその速度が出ている間でも

かなり正確に目標にアロンダイトに当てる事が出来るようになっていた。

 

『ミノフスキードライブ』が生み出す、人間ではまず耐えられない様なGを

何の保護膜が無くても慣れれば受け止めきれるのは、流石の艦娘といったところか。

 

しかし、まだ整備長から実戦使用の許可は出ておらず

定期的に来る出撃要請をこなして帰港した後、大体の時間を鍛錬に回している。

 

そして天龍が訓練している少し左を向けば───

 

「あっちも、結構型が出来上がってきた感じだな」

「────。」

 

叢雲が水面で、自分の身長を遥かに凌ぐ長刀を構え、静かに佇んでいる。

目の前を動き回る目標をその場から動かず眼で追いながら、精神を集中させていた。

 

「──……ふっ! はっ! たぁっ! せいっ! ……やぁーーーーーーっ!」

 

カンッ! カンッ! カンッ! カンッ! カィィンッ!

 

気合の一声を挙げると共に、海面を不定期に動き回るブイの上に設置された小さい廃材を

テンポよく踊りながら長刀・正宗を振り回し、廃材に斬り当てて行く駆逐艦娘・叢雲の姿があった。

 

「ふぅ、こんなところかしらね」

「●ー」

「えぇ、アンタもいつもご苦労様。結構助かってるわよ、イ級」

 

海面に浮くいくつものブイに紐を繋げて、それらを牽引している黒子は駆逐イ級である。

整備長の提案によって、切り捨てる方面より撫で斬る方向に特化させた動きを身に付けさせるため

海上訓練の相棒として整備長から紹介されたのが、この港の近所に居る駆逐イ級だった。

 

普通に敵を紹介され、叢雲も最初こそビビってしまっていたものの

敵ではないと分かれば、一見すれば黒くてツヤがあり撫でやすい形状のイ級は結構可愛く見えるらしく

今も自分の修行を手伝ってくれていたイ級を労い、そして側に寄ってきたイ級を撫でている所だ。

 

「叢雲ちゃんも凄いねぇ~」

「ふむ、もうそろそろ実戦で使わせても周りに迷惑は掛からんかな?

 どう思うかね、我等の提督さんよ……」

「…………」

 

実は二人の真横にこの港の提督が一緒におり、彼らと同じく提督はビットに腰をおろしている。

整備長の声にもさして反応を示さず、ただじっと座って二人が頑張っている海上を見つめ続けている。

整備長の話が聞こえていないのか、または聞き流しているのか……質問に対して反応は見当たらない。

 

「ハハハ、相変わらずうちの提督さんはツレない事で。

 さってと……俺もそろそろ昼休憩の終わり───」

「───びちょうーーーー!! 整備長ーーーーーッッ!!」

「……ん!?」

 

港の施設の中枢部が固まっている区域から、大声を張り上げつつ自分達を呼ぶ声が聞こえた。

声の方向へと振り向いてみれば、現在の提督秘書艦である軽空母艦娘・千歳が大慌てで走ってきている。

この港の提督も、走り寄る秘書艦・千歳の方へついっと顔を向けていた。

 

「よ、よかった……! 提督もこちらでしたか……!」

「お、おう……どうしたんだ千歳殿、そんなに慌てて……何かあったのか?」

「せ、整備長、これから、緊急対策会議が始まります。

 整備長にもその会議にご同席願いたいのです……一緒に来て下さいッ!」

「……はぁっ!? いや、ちょっと待ってくれよ、俺は整備の専門職だぞ。

 海戦や戦略なんぞ何も知らんのに、なんでそんな会議に俺が呼び出されるんだ!?」

 

完全に日頃の冷静な態度が消え去っている千歳の口から出た出席命令に驚愕する整備長。

それもそのはず、ここに着任して責任者となってからかなりの期間になるのだが

その間にも会議への出席命令は一度も無く、今回言われた内容はどう考えても有り得ない人事だった。

 

「と、とにかく、一緒に来てください! 緊急事態なんですッ!」

「あ、あぁ……わかった!」

「───」

 

どうやら、細かい事を気にしていられない程の緊急事態が発生しているらしい。

とりあえず整備長は、現在の自分達の位置から一番近い場所にいる龍田に

一旦現場から抜ける旨を現場の作業員に伝えてもらう事を頼み

千歳と一緒に、港全体の中枢区───横須賀鎮守府へと走り出す。

 

提督も、千歳の後ろをテテテッと付き添って走り出した。

 

 





※模造tips※

ミノドラを一旦切った後の放物線は「しんげきのきょじん」の「りったいきどう」を構想してます。
さすがにブースト中まで、「りったいきどう」の四肢仰け反り状態ではありませんが。

提督に悪印象を持ちかねないような文章はわざとです。
多分一連の流れが終わったら全部ひっくり返る、はず。
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