黒子のバスケ ifストーリー 「もし、黒子が桃井の事を好きだったら」 作:和泉春
気に入って貰えたら嬉しいです^ ^
ありますよ、多少は
帝光中学校時代、
僕が一軍に上がってしばらくたったある日。
桃井さんに告白された。
「私、テツくんの事が…好き‼」
素直に嬉しかった。
でも、彼女の感情と僕の感情は少し違っていた。
彼女は勘違いしているんだ。
僕はもう、その事に気づいていた。
「ありがとうございます。僕も、好きですよ。」
「…テツくん‼」
だから…。
「でも、僕の『好き』と桃井さんの『好き』は、
少し違います。
だから、早く気づいて下さい。
その時、僕からまた言いますから。」
そしたら、今度は僕が振られるのだろう。
「え?待ってよ、テツくん…?
テツくん!!!」
居た堪れなくて、その場から逃げてしまった。
それでも翌日、彼女は今までどうりに接してくれた。
ホッとした半面、ガッカリした。
自分から言っておいて狡いと思うかもしれないが、
やはり彼女にとって
僕はそのぐらいの存在でしかなかったと言う事を
思い知らされた気がした。
休憩中、僕が小さくため息をはくと、
それに気づいた黄瀬くんが声をかけて来た。
「どうしたんスか?黒子っち。
ため息なんかついて。」
「いえ、何でもありません。
練習を再開しましょう。」
納得しない様な顔をしながらも、
黄瀬くんは「はいッス。」と答えた。
僕が立ち上がろうとした時不意に、
青峰くんと桃井さんが話しているところが見えた。
ボールを片手に持った青峰くんが、
桃井さんに笑って技を見せると、
桃井もそれにつられて楽しそうに笑った。
とても眩しかった。
とてもお似合いだったから。
二人に気づいた黄瀬くんが、正直な感想を口にした。
「本当、他所から見たらカップルッスよね。
青峰っちと桃っち。
あのお似合いさには、
オレが桃っちと並んでも勝てる気しないッスわ。」
二人を眺めながらそうつぶやくと、
黄瀬くんは背伸びをして僕に言った。
「あ〜…。オレも彼女欲し〜‼っなんて。
黒子っちも、思ったりするんスか?」
悪気のない様子の問いかけに、少し戸惑ってしまった。
「ありますよ、多少は。」
「マジッスか‼以外ッス!!!」
「笑うの、やめて下さい。」
吹き出して笑う黄瀬くんに少し腹が立ったが、
今はそれどころでは無かった。
腹が立つ事よりも、
落ち込んでいる事の方が大きかったから。
「黄瀬、黒子。何をしているのだよ。
さっさと練習に入れ。」
「はい。」
「はいッス。」
緑間くんに注意された僕達は、急いでコートへ向かう。
その時。
「テツくん!!!」
予想外の声が僕の名前を呼んだ。
その声の方へ振り返ると、
桃井さんが小さく微笑んでいた。
「練習の後…ちょっといいかな?
話したい事があるんだ。」
僕はその時、覚悟を決めた。
このままではいけない。
自分も、桃井さんも、このままでは前に進めない。
「はい。分かりました。」
第一話を読んで頂いてありがとうございます。
次話もお楽しみに^ ^