黒子のバスケ ifストーリー 「もし、黒子が桃井の事を好きだったら」 作:和泉春
第一話を読み直してみて、
何だか黒子が乙女チックだったことに気づきました(笑)
練習後、僕はロッカールームで着替えをしていた。
隣では黄瀬くんが、携帯を片手に着替えをしている。
後ろでは緑間くんが、着替え終えて眼鏡を拭いていた。
するとそこに、練習で汗だくの青峰くんが入って来た。
着替えるつもりはなさそうだ。
青峰くんはタオルと飲み物を持って、
入って来た扉に手をかける。
ふとその手に見慣れないないものを見つけた。
「青峰くん。それは…?」
僕の突然の質問に、
ビクッと体を震わせた後に返事をする。
「テッ、テツ!?…ビックリさせんなよ。
あぁ?それって…?」
「その腕の…。」
僕は青峰くんの腕のミサンガを指差した。
青と白と黒の三色の斜めのストライプ模様で、
あまり綺麗とは言い難い代物だ。
「あぁ、これか?
これはさつきがさっき渡して来たんだよ。
なーんか、腕の御守りだとか言ってたけど、
付ける意味あんのかぁ?」
「そう言う割にはしっかり付けてるんですね。」
「うるせーよっ。
あいつが無理やり付けてきたから
取れなくなったんだよっ。」
青峰くんは半分照れ隠しの様に言葉を尖らせた。
それを聞き逃さなかったのは黄瀬くんだ。
「え〜!!
青峰っち、桃っちにミサンガ貰ったんスか!?
いいな〜、オレでも女の子達から貰った事ないのに。」
「黄瀬くん、サラッと自慢するの、やめて下さい。」
僕の鋭いツッコミに黄瀬くんは
「あんまりッス!!」と反論した。
しかし、僕の意識はミサンガに戻され、
黄瀬くんの声はあまり聞こえなかった。
「どうした?テツ。」
ミサンガを見つめてぼうっとする僕を覗き込むようにして見つめる。
「いえ…桃井さんらしいなと思って。
大事にしてあげて下さい。」
「お、おう…?」
僕の笑顔に疑問を抱きながら、
青峰くんはロッカールームを出て行った。
僕は着替え終えて、
バックを持って帰ろうとすると
「黒子っち!!今帰りッスか?
一緒に帰ろ?」
「いえ、今日はちょっと…。
桃井さんと約束がありますので。」
「桃っちと?」
一瞬キョトンとした黄瀬くんは、
少し黙り込んだ後、
ニヤリと顔の頬を緩ませた。
「了解ッス〜‼
じゃあ緑間っち‼一緒に帰ろ!!」
バックも持って
帰ろうとする緑間くんに矛先を向けた黄瀬くんは、
強引に肩を掴んで逃がそうとしない。
「何だ黄瀬、離せ‼」
「早く行くッスよ、緑間っち!!」
言い争いながらも、二人はロッカールームを一緒に出て行った。
一息ついたあと、
僕はロッカールームの中央にあるベンチに
腰を下ろす。
ぼうっと、
青峰くんの言葉を思い出しながら
天井を仰ぐ。
桃井さんが、青峰くんに、
ミサンガの御守り…。
前日の練習試合で、
青峰くんは相手チームの選手に
右腕を故意に殴られると言う事があった。
試合に負けた腹癒せに、
と言うくだらない理由で。
挑発的な事を言った
青峰くんも青峰くんだが、
殴る事はないと思う。
大した怪我には至らなかったが、
今日の青峰くんは
少々右腕を庇いながら
プレイしているように見えた。
僕は上を向いたまま目を閉じる。
相棒の僕でさえ、
プレイでしか相手の調子を
知ることが出来ないのに、
桃井さんはもっと早くに、
昨日のうちから気づいていた。
恋愛感情でも、友情でもない何かが
あの二人にはある気がした。
幼馴染みって、なんなのだろう。
あの二人の間には、入りこめない。
するとその時、
ロッカールームの扉が開かれた。
「テツくん。練習お疲れ様。」
「桃井さん、お疲れ様です。」
第二話を読んで頂いてありがとうございました。
次話もお楽しみに^ ^