黒子のバスケ ifストーリー 「もし、黒子が桃井の事を好きだったら」   作:和泉春

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二十二話です!

ゆっくりじっくり。

書いてますよ。


大好きでした

「僕は、桃井さんが好きです。」

 

真っ直ぐ目を見て、それはもう真剣に、

桃井さんに気持ちを伝えた。

 

一瞬驚いたように目を見開いた桃井さんは、

優しい目をして、言葉を返してくれた。

 

 

「うん…ありがとう、テツくん。

…ありがとう。」

 

 

「貴女のその目が、好きでした。

貴女の笑顔が好きでした。

強くて、優しくて、僕を支えてくれる、

そんな素敵な貴女が、大好きでした。」

 

本当に、心から、君の幸せを願うことが出来る。

 

「だから、幸せでいてください。

僕は、心から、貴女の幸せを願っています。」

 

「うん…うん……っ。ありがとう、テツくん。」

 

桃井さんの目からは、涙が溢れていた。

 

泣くまいとしている彼女が愛おしくて、

恋しくて…でも、不思議と苦しくはなかった。

 

僕のために、彼女は涙を流してくれているのだ。

 

僕の代わりに、僕の気持ちを洗い流してくれている。

 

それは、僕の気持ちを大事にしてくれている証拠だ。

 

 

「あはは、泣かないでくださいよ、桃井さん。」

 

 

僕の心は穏やかだった。

 

僕はハンカチを取り出し、彼女の涙を拭った。

 

「テツくん…ありがとう…。」

 

まるで子供のように泣きじゃくる桃井さんを、

僕はひたすら慰めていた。

 

全く、おかしな話だ。

 

さっきまでとは、まるで立場が逆じゃあないか。

 

きっとこれも、僕達らしくていいのかもしれない。

 

「これからは、そうですね。

桃井さんの父親替わりにでもなりましょうかね。」

 

「ち、父親!?」

 

「冗談ですよ。」

 

「もう!テツくんったら…。」

 

そんなやり取りをした後、僕達は笑い合った。

 

失恋したというのに、僕の心は軽かった。

 

何だか開放された気分になっていた。

 

以前は、桃井さんの隣に立っているのが

僕だったらいいのにと思っていたのが、

今では誰かの隣に立つ桃井さんを、

後から眺めていたいという気持ちになった。

 

彼女の歩く先を、恋人ではないけど近い距離で、

見守っていけたらいいなと、思うようになっていた。

 

可愛くて、愛しくて、大切な人。

 

余計な恋愛感情は一切無く、

ただただ愛でていたいという素直な気持ち。

 

過去の初恋の相手。

 

その存在を大切にすることは、いけないことだろうか。

 

 

僕は桃井さんに手を差し伸べた。

 

 

「戻りましょうか、桃井さん。」

 

「そうだね、テツくん。」

 

 

桃井さんは僕の手をそっと取って、

いつものあの笑顔を向けてくれた。

 

いつも真っ直ぐに向き合ってくれる彼女となら、

僕は今後も付き合っていけるだろう。

 

それは恋人ではなく、友人でもなく、

大切な人として。

 

また甘えてしまうかもしれない。

 

傷つくかもしれない。

 

でも、それでも、

僕は桃井さんと一緒にいたい。

 

彼女を大切に思う者として、彼女の幸せを守れる男になりたい。

 

 




黒子くんは紳士だと思うんですよね。うん。

ここまでお付き合いくださりありがとうございます。

またじわじわ進んでいきますので
じわじわお付き合い下さると嬉しいです。

次話もおたのしみに!
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