天才絵師と若き頭領   作:ぶらじる丸

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えぇ....(困惑)

「…んぁぁあ~」

 

眠りから目が覚めていく。

 

「……よし」

 

携帯の画面で時刻を確認。いつもと同じ7時30分丁度に起きれて一安心した所で朝ごはんを食べに行く。

 

「「ましろはちゃんと起きてるかな…」」

 

少しそんなことを思いつつ1階へ。

 

「おはようごぜえやす」

 

そう言いながら食堂の扉を開けると

 

「おはよう!」

 

と先に居たメンバーの元気な挨拶が飛んできた。

 

「…あれ?ましろは?」

 

「来てないよ」

 

「あいつまだ寝てるのかよ…」

 

まぁその内来るだろうという勝手に思いつつ食パンを焼き始めた。

 

「寝坊とかしないだろうな…」

 

「まさかぁー」

 

「ハハハハッ」

 

フラグ満載なトークをしている内に食パンが焼きあがった。

 

「りんごのジャムある?」

 

「あるよー」

 

「よし」

 

グチョリとジャムを塗れば出来上がり。

 

「頂きまーす」

 

被りつけばカリカリ&ふんわりな食感がお出迎え。

 

「「ましろ…起こしに行った方がいいかな」」

 

だんだん心配になってきた。

 

「…シンシンどうした?難しい顔して」

 

「…いや、ましろ起きたかなーって」

 

「あれ?シンシンもうましろちゃんのこと好きになったの?」

 

「それはない!」

 

馬鹿に付き合っているヒマはない。さっさと食べて、顔を洗って、着替えてましろを起こしに行った。

 

「まーしーろー」

 

ドアの外から彼女を呼ぶ。

 

「起きてるのか?起きてないならいい加減起きろ!」

 

しかし反応はない。

 

「…ましろおおぉぉぉ!!まだ目を覚まさんつもりかぁぁぁぁぁー!!」

 

かなり大きな声で呼んだ。

 

…だが反応はない。

 

「…あぁぁ!!叩き起してやる!入るぞ!!」

 

いざ室内へ。

 

「ましろーって………なぁぁぁぁ!?」

 

ここでゴミ屋敷の内部をを想像して欲しい。足の踏み場もない散らかったあの内部を。それが想像出来たなら散らかっている物を脳内で綺麗な衣類に置き換えて欲しい。ほら、臭かったり汚そうなイメージが薄れてきたでしょ?……ってそうじゃない!

 

「な…なんなんだコレは!?ま…ましろ!?い…居るのか!?」

 

やはり反応はない。まさか先に学校に行ったのだろうか。

 

「……ん?」

 

容赦なく衣類が散らかったベッドの上に気配を感じた。

 

「…そこか」

 

衣類を掻き分けると

 

「…マジかよ」

 

可愛い寝顔がご来光。

 

「おい…ましろ。起きろ!」

 

まだ反応がない。

 

「ほら起きろ!」

 

「……んぅぅ」

 

ようやく目を覚ました。

 

「起きたな(確認)」

 

ゆっくり身体が起き上がってきた。しかしそこで俺は飛んでもないものを目にしてしまった。

 

「あ…あぁ……」

 

「…おはよう。真舞」

 

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

何故か「あ」しか言葉が出なかった。

 

「どうしたの?」

 

「どうしたのだと!?ふざけんじゃねえよお前!なんで服着てねえんだよ!」

 

「…なんで?」

 

「知るか!!後なんで部屋こんなきったねえんだよ!?」

 

記憶喪失でもしたとでも言うのか。それなら俺の名前すら覚えてない筈。

 

「お風呂に入って、お風呂から出て、服を出して、それから後はいいかなって」

 

「この散らかり具合はその…後はいいかな…が原因か!?なんでそうなる!?」

 

「なんで?」

 

「知るか!!はやく服を着ろ!」

 

…なに…この子。

 

「分かった」

 

裏を向いて見ないようにする。スーッとましろが服を着る音がいちいち気になって仕方ない。

 

「…いいわ」

 

「お前な…。冗談もいい加減にs……」

 

「…どうしたの?」

 

「お…お前な!下着とかスカートはどうした!?」

 

「真舞が出してくれなかった」

 

こいつ中身何歳児なんだ…。

 

「出してくれなかっただと!?ふざけんじゃねえよお前!自分で履くんダルォ!?」

 

「…真舞が出してk」

 

「分かった!ハイ!これとこれ履く!」

 

「…うん」

 

育メンパパになった時の良い練習だ。

 

「あと下着!これ!」

 

「うん」

 

「あー…あとこれ!靴下とブレザー!」

 

「うん」

 

なんて面倒な住民なんだ。こんな奴を入れた母を心底恨む。

 

「それが終わったら顔を洗う!あと髪直す!」

 

「うん」

 

当然こんな服を着せたりするのは人生で初めてだ。

 

「「……なんで俺がこんなことを…」」

 

ましろは洗面場へ行った。

 

「…ちょっと急げ!」

 

のんびりしている余裕はもうない。

 

「…うん」

 

分かってるのか分かってないのか…。

 

「…椎名ましろとは一体……」

 

「…終わったわ」

 

ましろが顔を洗って戻ってきた。

 

「よーしあとは荷物をおぉ!?」

 

「どうしたの?」

 

「お前…どんな洗い方したんだ…」

 

「思いつくままに」

 

思いつくままに洗った結果ましろのブレザーの胸の辺りがベタベタに濡れている。

 

「ベタベタじゃないか!…あぁもう今日はそれで行け!」

 

「…うん」

 

「はい!カバン!」

 

「うん」

 

「よし…出よう!」

 

大急ぎで1階へ降りた。

 

「靴ぐらい自分で履けるよな!?」

 

「…」

 

「「……こいつ…!」」

 

返事しない時点であっ…(察し)だ。

 

「靴これ!」

 

「うん…」

 

「い…急げ!あくしろよ!」

 

ゆっくり靴を履くましろにイライラさせられる。

 

「いいわ」

 

「よし…」

 

猛ダッシュで学校を目指す。

 

「強引ね」

 

「お前がチンタラしてるからだろ!?ほら走る!」

 

貨物列車の機関車の如くましろを引っ張って走った。

 

 

なんとか遅刻せずに学校に来れた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「真舞……興奮してるの?」

 

「なんで興奮するんだよ!?疲れたんだよ!」

 

ましろは平然と突っ立っている。

 

「まぁ…はぁ…取り…敢えず…はぁ…中入ろ…」

 

「うん」

 

息を荒らげながら校舎へ。

 

「…緊張してきた……」

 

「なんで?」

 

「今俺達の学年で一番話題になっているのは何だと思う!?」

 

「何?」

 

「お前じゃい!」

 

自分が一番の話題にされるってどんな気分なのだろう。

 

「私?」

 

「そうだ!」

 

「なんで?」

 

「転校生だし…それに…」

 

「それに?」

 

少々恥ずかしいが

 

「可愛いから!!」

 

と事実を申しあげた。

 

「私…可愛い?」

 

「ま…まぁな」

 

「…真舞って優しい」

 

「そう…かな。まぁ、ありがと」

 

「で、なんで緊張してるの?」

 

ましろが話題を線路に戻した。

 

「学年で一番の話題になってる可愛い転校生と一緒に学校に来た俺を見て皆がどんな反応するか怖いんだよ」

 

「私は怖くない」

 

「お前はな…」

 

そして遂に2年生ゾーンに来てしまった。

 

「…うぅ」

 

廊下に居る者達が送り付けてくる冷たい視線に見守られながら教室へ。

 

「…うわぁ」

 

教室で待ち受けていたのは更には強烈に冷たい男共の視線。

 

「…ほら言っただろ?こうなるんだって」

 

「真舞、注目の的ね」

 

「……まぁね…」

 

取り敢えず席に着いた。

 

「お前らもう付き合ってんの?」

 

早速クラスメイトの男子より質問が飛んできた。

 

「そうじゃない…。こいつが俺とこの荘に来たんだよ」

 

「え!?なんで?」

 

「よくは分からん。ただこいつがあの荘の住民となったのは確か」

 

「それって…実質同じ家で暮らすってことじゃないの?…」

 

「そうだよ(便乗)」

 

もう後には引けない。

 

「お前…ましろちゃんに変なことしてないだろうなぁ?」

 

「してないし、しないよ!大丈夫!」

 

そこまで俺は悪じゃない。

 

「…でも、ましろちゃんて真舞のチーム入ってないよな?」

 

「そう。なのに叔母さんが俺と同級生という理由だけで荘に入れたのさ」

 

「無茶苦茶じゃん…」

 

「そう。無茶苦茶だよ」

 

まぁそのおかげでこんなクソ可愛い子と同じ屋根の下暮らせる訳だが。

 

「相変わらず運がいいな。お前は」

 

「そりゃどうも」

 

そんな話をしていたら先生が入ってきた。

 

「授業やるよー」

 

そして1限目の授業が始まった。

 

 

昼休み。

 

「真舞」

 

隣の席の別嬪さん、ましろに呼ばれた。

 

「なに?」

 

「ご飯…頂戴」

 

「あぁ…そうか、お前寝坊したから持たすの忘れてた。サンドイッチやるからそれで我慢して」

 

「うん」

 

まぁこんなことが起きると当然…

 

「おい真舞!お前どうせわざと持たさなかったんだろ?」

 

とまた周りがヤジを飛ばしてくる。

 

「違う!こいつが寝坊して!持たす暇がー」

 

「真舞に服を着せてもらってた」

 

「ちょ…おま!」

 

「はぁぁああああああああ!?」

 

ましろは火に油を注いだ。

 

「ましろ!ふざけんじゃねぇよお前!なんで今それ言うんだよ!?」

 

「真舞ぁぁぁ!」

 

「だってこいつがチンタラしてるから…!手伝っただけ!!」

 

「手伝ったってことは着せたんだろ?」

 

「そ…それは…」

 

マスコミに叩かれる政治家ってこんな気分なのだろうか。

 

「まさかお前、ましろちゃんの裸とか見てないよなぁ?」

 

「そんな見る訳ー」

 

「真舞が私の裸を見て叫んでたわ」

 

「ちょ…!?勝手に作り話するな!…」

 

実際は作り話じゃないけれども…。

 

「なぁぁああああああああ!?」

 

「待て!嘘だ!こいつが話を盛ってるだけ!」

 

「真舞、嘘はよくないわよ」

 

「…なっ!?…お前は余計なことを言わんでいいんだよ…」

 

「見たんだな?」

 

もうこうなってはどうしようもない。

 

「あぁ…見たよ」

 

「お前…1回死んでこい」

 

「それは勘弁だ。まずわざとじゃないし」

 

「触ったりとかしてないだろな!?」

 

「してない!」

 

女子達の視線も凍てつく程に冷たい。

 

「まぁ…お幸せに」

 

「お…おう」

 

そしてようやく昼飯を食べることが出来たのであった。

 

 

放課後。

 

「さぁ、帰るよましろ」

 

「うん」

 

速やかに教室を後にする。

 

「全くお前は……余計なことは言わんでいいんだって」

 

「事実を言っただけよ」

 

「事実でもあれは余計だ」

 

こいつをなんとか口封じする方法を探さねば…。

 

足早に学校から抜け出した。

 

「…畜生!これからどう居ればいいんだよー!」

 

「どうして?」

 

「俺がお前の裸を見たことなんざ、一瞬にして学年中…いや、学校中に広まるに決まってる!…もうダメだ…おしまいだぁ…」

 

「恥ずかしいの?」

 

「そうだよ。当たり前だよなぁ?」

 

男に裸を見られたのに全く恥ずかしそうにもしないこの娘は異常だ。

 

「学校中に広まったら真舞はどうなるの?」

 

「どうなるって……へ…変態扱いされる!」

 

「変態扱いされたらどうなるの?」

 

だんだん鬱陶しくなってきた。

 

「…とにかく!色々まずい!だからこれからはお前もあんま余計なこと言うんじゃない!」

 

「うん」

 

ちゃんと理解したのかが怪しいが、取り敢えず今は信じることにしよう。

 

そんな話をしながら歩いていたら気づかぬ内に荘にたどり着いた。

 

「ただいまー」

 

と言ったところで一番に帰ってくるのが自分達のため、返答はない。

 

「あー疲れた…」

 

早速自分の部屋に行きベッドに飛び込む。今日はちゃんとましろも自分の部屋に行った。

 

「「…ましろめぇ…」」

 

ましろに対する怒りを抑えつつ天井を仰ぐ。すると

 

「真舞」

 

とドアの外から声が聞こえた。

 

「なに?」

 

その声はましろだった。

 

「入っていい?」

 

「あぁ。おいで」

 

ガチャっとドアを開けましろが入ってきた。

 

「寝るの?」

 

「あぁ」

 

「私も寝る」

 

「え…」

 

ただ寝るためだけに俺の部屋に来たというのか。

 

「だから抱いて」

 

「いや…は?」

 

しかも抱けってこいつ一体何が目的だ。

 

「なんで抱かなきゃいけないんだ…」

 

「抱いて」

 

「抱かん。これ以上俺を変態にするな…」

 

「私のこと…嫌い?」

 

急にそんな質問が飛んできた。

 

「え…えっと…」

 

「嫌いなの?」

 

「いや…嫌いではない。…だけど抱かん!恥ずかしい!」

 

「私は恥ずかしくない」

 

まず恥ずかしかったら抱いてなんて言えないだろう。

 

「俺が恥ずかしいんだよ!」

 

「……抱いて」

 

「……はい」

 

このトークの終点が見えないので降参。

 

「じゃあほら、おいで」

 

「うん」

 

ましろはベッドに上がって横になった。

 

「抱くぞ…いいな?」

 

「うん」

 

片方の手をましろの腰に回し、もう片方の手をましろの背中に回す。

 

「真舞、上手ね」

 

「そうかな…」

 

そして寄せる。

 

「どう?」

 

「…落ち着くわ」

 

「そう…」

 

顔が…ましろの顔が近い。改めて見るとやはりめちゃくちゃ可愛い。あと心拍数が半端なく上がってきた。

 

「こんな…女の子を抱くの初めてだよ」

 

「私も男の人に抱かれるの初めて」

 

「お互い初めてか…」

 

「真舞の初めては私ね」

 

「いきなり意味深なこと言うな…」

 

本当何考えてるのやら…。

 

「眠くなってきたわ…」

 

「…気が合うな。俺もだよ」

 

「このまま寝る?」

 

「お、そうだな」

 

多分初めて気が合った。

 

「おやすみ。真舞」

 

「おやすみ。ましろ」

 

俺とましろは夢の中へ誘われていった…。

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