モンスターハンター外異伝   作:麗紫 水晶

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またまた日にちが掛かってしまい、申し訳ありません。年末で仕事に忙しく…。と言い訳がましいので、日々更新できるよう頑張ります。
 今回はそれぞれがそれぞれのスタートになります。どういう行動をとるのか…。
 本編をどうぞ。 では後ほどにて。



ーそれぞれの決意ー

 太陽の光を受けてキラキラと光り輝くマリンブルーの海を越えて、目的地と言っても、はっきりとした場所は分からないが、古龍の背に乗って移動中の沙耶の姿があった。

 成り行きとはいえ、ドラゴンライダーでもない限り、いや、古龍の背に乗る事はめったにないことだ。

 

 「ふむ。見えてきたぞ。」

 

 3km先に見えてきたのは遥かにそびえ立つ山。遺群嶺とも違うその山は雲を2、3突き抜けて更に高くそびえ立っていた。

人に発見されている訳でもなく、遺跡が残っている訳でもない。

ただただ遺群嶺と違い、あれだけの高さを誇りながら、人には見つかっていないのだ。

クシャルダオラは、ゆっくりと羽ばたきながら、その頂上へと向かって行く。

沙耶は落とされまいと、必死にしがみついていた。

やがて頂上に差し掛かった時、強烈な圧倒的力を感じ、戦慄する。

その姿を見た沙耶は一瞬にして絶句し、あっさりと死を覚悟する。

その姿は古龍であり、全身が白い毛や鱗に覆われ、目だけが赤色に染まっていた。

そう、古龍種の中でも最強であり、龍の始祖とも言われている古龍の中の古龍、ミラ・ルーツである。

クシャルダオラは緊張したままの沙耶を乗せたまま、白き古龍の前に進む。

 

 「連れて参りました。ガルーク様。」

 

 「ご苦労だった、ゼシム。」

 

 「はっ。」

 

 ゼシムと呼ばれたクシャルダオラはしゃがんで首を下げて、沙耶を降ろす。

 喉と口の中が乾くほどに緊張しながら、沙耶は白き古龍の前に立つ。

 

 「すまんのう。びっくりさせたようじゃな。ワシはガルーク。見てのとうりの老いぼれじゃ。」

 

 (え、お、老いぼれって…。その割には、凄い圧倒的な気迫が伝わってくるんですけど。)

 

 「こっちにいる、ワシに仕えてくれているのが、ゼシムじゃ。」

 

 「よろしくな。ハンター殿。」

 

 ペコリと頭を下げるクシャルダオラに驚きと、愛くるしさで思わずクスクスと笑ってしまう。

 

 「なんだ、どうかしたか?」

 

 「いえ、何でも。」

 

 沙耶は改めて白き古龍の方を向く。年齢がたつほどに力が強いと聞いたことがあるだけに、この気迫も納得できた。

ミラ・ルーツであるガルークは、沙耶に意外なことを話してきた。

 

「オヌシに頼みがある。ある者達を倒して欲しいのじゃ。」

 

沙耶は、その言葉に驚く。生物最強が、その様なことを口にするとは、思ってもみなかった。

 

「え、え、どうして貴方程の古龍が、私に?第一こんな新米で、弱っちぃハンターに、そんな大事なことを、任せてもいいの?」

 

「なに、オヌシは異界から来たのじゃろう?

おおよその事は分かっておる。オヌシとも因縁がある者達じゃ。

どうじゃ、引き受けてはくれんかの。」

 

沙耶は半ば強引に連れて来られたため、半諦めモードで、聞いてみる。

 

「断ったらどうなるの?」

 

「ふぉっほっほ、そうなればワシとゼシムの腹の中に収まるだけじゃがの。どうする?」

 

 「やっぱり…。」

 

 とうなだれてしまう。

仕方ないことではあるが、繋がりがあるとまで言われては、無視する訳にもいかない。

沙耶は決めた。

 

「分かりました。引き受けます。」

 

「おぉ、引き受けてくれるか。ならば、いま一つ、引き受けてもらおう。」

 

「えぇ、まだあるの。マジで。」

 

「ふぉっほっほ。今度はオヌシにとって、益のあることじゃ。」

 

沙耶は自分に得になると聞き、少し食いつく。

 

「オヌシは強くなりたいんじゃろ。ワシらで協力してやろうと思うての。どうじゃ、強くなりたくないか?」

 

「でもどうやって?」

 

沙耶も古龍達の協力の意味がいまいち?だった。

 

「ふぉっほっほっほ、毎日時間がある限り、ワシらと闘うんじゃよ。最初はゼシムと。

その次はワシと。最後はワシとゼシムじゃ。

どうじゃ、やりがいがあると思わんか?」

 

と軽く言ってのける。

(余裕だね~。随分あっさりと言ってくれるね。

まぁ、確かに今のあたしじゃ勝つどころか、傷すらつけられるかどうか…。

でも、物凄くキツそうだけど最短で強くなる為には挑むしかないか~…。)

としばらく悩んで、腹をくくる。

 

「よし!よろしくお願いします!でも、あたしからも一つお願いしてもいいですか?」

 

「ふぉっほっほ。逆にお願いとは、オヌシなかなかじゃの。なんじゃ言うてみよ。」

 

「はい。強くなれたらご褒美に、お二人の素材をいただきたく…。一部で構いません。駄目でしょうか?」

 

申し訳なさそうに、でも懇願するように古龍達を見る。

 

「………、よし!分かった。約束しよう。しかし、それで何を作る気じゃ?」

 

表情は変わらないが、不思議そうなのは口調で分かる。沙耶は照れながら、答える。

 

「はい。私専用の太刀を造りたいと。」

 

「ほう、そうか…。恐いことを考えおる。しかし、その負けん気、気に入った!オヌシ名は?」

 

とそこで初めて名前を聞かれた。

 

「はい、沙耶と言います。」

 

「ならば、早速といきたいが、まずここでの生活の話しをしておこう。ゼシム、頼む。」

 

「はっ。では私から話そう。」

 

と沙耶もクシャルダオラの方を向く。

 

「先ず食料だが、肉に関しては、私が調達してくる。ガルーク様の分があるのでな。他は自力で調達するように。あと寝床もな。」

 

それを聞いて、思い出したかのように、愕然となる。

 

「え゛…マジで。それは考えてなかった…。」

 

確かに古龍2匹の前で、周りの状態を考える余裕がなかったので、改めて言われて慌てて周辺を見渡す。

確かに広さはそこそこに大きい。例えれば、霊峰ぐらいだろうか。

と言って、古龍が2匹もいたら結構狭いが。

こんな高所な場所であるのに、草木が生えている。なぜか都合のいいことに、キノコ等々。高山植物というか…。なんというか。

肉に関しては、ゼシムが用意してくれると聞いたので、寝床?部屋?をまず確保しなくてはと、家造りから始める。

太刀が、ノコギリ代わりになる。(ナイフもあるが)木を切ったり、草木を集め、囲ったりと、石器時代の建物風に少しは建物?の形にはなる。

あとは、中にベッドを作る。草藁を集めて、縛り、並べてベッドのサイズにする。

まるでアルプスの少女ハイジが寝ていた藁のベッドのようだった。

取り敢えずは、チェストBOX???のような箱を作り、住み処ゲット。(マ○ンク○フトか?)

それだけで、すでに夕方になっていて、ゼシムが肉の調達をしてきていた。

 分けてもらった肉をこんがり焼き、美味しく?頂いて満足する。

 さすがにスタミナは回復しても体力が持たない。初めての事を一気にしたために、疲れてしまった。

 

 「修行は明日からじゃ。覚悟せいよ。」

 

 「は~い、よろしくお願いしま~す。」

 

 と部屋に入り、ベッドに横たわる。そのまま寝息を立てていた…。これから超過酷になることも忘れて…。

 

 

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 コンコン…。ドアをノックする者がいた。アルビナ達の家である。

 

 「は~い、ど~ぞ~。」と女性の声。

 

 扉を開けて一歩中に入ってくる男性が1人。

 

 「お邪魔するよ。」と入ってきたのはベルナ村の村長さん。

 

 迎えてくれたのはシェリルだった。中の様子を見ると、ベッドに座って放心状態になっているアルビナが。

 そのそばで椅子に座り、心配そうに見ているリックスが。シェリルも同じであった。

 二人はアルビナに恩があり、絶対に一緒に動いていくと誓っている。ソロで狩に行くこともあるが、最終的には沙耶を含めた4人で行動を共にすることであった。

 だが、すぐに1人が居なくなり、アルビナもショックで立ち直れず、二人もどうしていいか分からず、狩には交代で行くものの、途方に暮れていた…。

 

 「アルビナ殿の具合はどうかね。」

 

 「相変わらず、ぼ~っとしたままで。気力を失っています。村長さん、あたし達はどうしたらいいですか?このままアルビナを見ていると切なくて。」

 

 「ふむ。そうじゃな。それで、悪い話といい話を持ってきた。」

 

 「え゛いい話だけじゃないんですか?」とリックスも食いつく。

 

 「アルビナ殿に確認したいが、話を聞いてくれるかの?」

 

 と村長はアルビナを見る。アルビナも半ばぼ~っとしたままだったが、頭を下げて返事をする。

 

 「まずは、悪い話からしようかの。沙耶どのを探す為に組織されたハンターの捜索隊が、何者かによって全滅したそうじゃ。捜索隊の中には数人G級ハンターも居たらしいが、たちうち出来なかったらしい。沙耶どのも未だ見つからずじまいじゃ。」

 

リックスもシェリルも、ショックが大きかったようだ。

うなだれたまま、村長の方を向く事も出来ない。

だが、村長は話しを続けた。

 

「じゃが、いい話も持って来たとも話したはずじゃ。君たちにとっては重要だと思っとる。どうする?話しを続けても良いかね?」

 

今度は3人に向けて話し掛ける。無論3人共頷く。

村長も分かったとばかりに、話し出す。

 

「実はじゃな、古龍やモンスターの観測や討伐するために龍識船が動いているのは知っておるじゃろ。

じゃが、捜索隊を全滅させた者達を討伐すべく、もう一隻の船を極秘に建造中なのじゃ。

そこで君達に危険な者達を討伐と、沙耶どのの探索の任務を非公式ではあるが、受けて欲しいのじゃ。」

 

そこで、急に話しに食いついた者がいた。

 

「で、その船はいつ完成するのですか?」

 

そう声に出したのは、アルビナだった。シェリルとリックスが驚いてアルビナを見る。

眼に輝きを取り戻していた。

リックスは飛び上がって喜び、シェリルは涙を浮かべていた。

 

「済まない。シェリル、リックス。私もどうしていいのか、分からなくなっていた。しかし、村長さんが希望を持って来て下さった。こんな良いチャンスは二度と無いだろう。だから私はこの話しに乗る。

沙耶さまを探し、ハンター達を危険な目に逢わせる者達を討伐する。

こんな良いクエストはないと思わないか二人共。」

 

「当然だ!断る理由がない!」

 

「そうさ、あたし達はいつでもアルビナと一緒だよ。絶対沙耶を見つけて、危険な奴等を叩くんだ。やっといつものアルビナが戻って来てくれた~!村長さん、サンキュー!」

 

と言って、村長の頬にキスをする。

 

「ほっほっほっほっほ。キスをされたのは何年ぶりかのぅ。良いことはあるものじゃ」

 

と、なかなかご満悦な村長。そして話しを続ける。

 

「船はあと二日で完成じゃ。乗るのはクルーと船長。他には道具屋や武具屋、あとオトモ武具屋に受け付け嬢も一人極秘に乗るらしい。何でもココット村で先輩の傍で修行をしていた子らしい。先輩のワガママには着いていけないと、船に乗ることを承諾したらしい。なので、普通のクエストもすることが出来るそうじゃ。どうじゃ、凄いじゃろう。

あとは猫飯屋となんと、猫嬢も行きたいと言い出してな。龍識船の方は妹の方に兼用してもらって、こちらでオトモの斡旋をしたいと申し出てくれてな。危険な旅路になるやもしれんが、守ってやってほしいのじゃ。」

 

 「分かりました。必ず、お守りします。私にはアルビナとロキが居ますが、それぞれでとなった時には助かります。」

 

 「うむ。ならばその旨伝えよう。では、出発は2日後船の完成とともに。それまでに、準備をよろしく頼みますぞ。」

 

 「了解です。」

 

 「では、帰るとしようかの。」と玄関へ。

 

 「ありがとうございます。御恩は忘れません。」

 

 「いやいや、かまわんよ。村やハンターのこれからの為に。出来ることをしているだけじゃて。ではな。」

 

 「ありがとうございました。」

 

 アルビナが深々と頭を下げる。リックスとシェリルもそれに習う。村長も片手を挙げつつ、帰って行った。

 アルビナ達は、改めて椅子に座りテーブルを囲う。オトモも2匹傍に寄ってきた。

 

 「シェリル、リックス、本当にいいのか。非公式ということはこの先の保証は出来ないと言っていることと同じだぞ。

私にとって、二人も沙耶さまと同じように大事な二人だ。やめるなら今のうちだが、どうする?」

 

珍しく弱気なアルビナに、二人は驚く。

 

「どうしたんだよ、らしくもないな。さっきも言ったろ、一緒に行くって。なぁ、シェリル。」

 

「もちろんさ、あんたを見捨てるぐらいなら、ハンター稼業をやめてるよ。あたいはね、あんたが大好きなのさ。だから嫌われても、あんたについてくよ。」

 

「私達もですニャ。アルビナ様が大好きですニャ。だから、絶対についていきますニャ。淋しいことを言わないでくださいニャ。」

 

傍でロキも、うんうん頷く。

アルビナが涙を浮かべて礼を言う。

 

「あ、ありがとう。良い仲間を持った。私は果報者だ。私も皆が大好きだ。」

 

 みんなで笑いあう。これで、沙耶もいたら…。とそれぞれが思いながら…。

 

 

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 「明日美様。」

 

 村人の格好をしたままの女性が、黒いマントに黒いフードを被った者に近ずく。

真っ暗な場所で、黒ずくめの者の側にだけ、大きめのローソクが2本、火が灯っていた。

 

 「何事か。」

 

 「はっ。」と言って、黒ずくめに耳打ちする。

 

 「ふ~ん。沙耶がね。あの子もつくづく不運だね。」

 

 黒ずくめの者は被っていたフードを脱ぐ。綺麗なストレートの髪が背中までさがる。美貌と言うにふさわしいほどの顔立ちだ。

 

 「わかったわ、ありがとう。計画の続きをよろしく。」

 

 「はっ。」

 

 そう返事を返すと、その場から消えるように姿を消す。

すぐに別の名を呼ぶ。

 

 「ガザックはいるかしら?」

 

 明日美と呼ばれていた、その女性は一人のハンターの名を呼ぶ。

 

 「珍しいな。あんたが直接俺を呼ぶとは。てっきり嫌われているもんだと思ってたが?」

 

 明日美はその男に一瞥をくれて、話を続ける。

 

 「あなたに仕事を頼みたいの。探し出してほしい者がいるんだけど。」

 

 ガザックは少しがっかりした。

 

 「なんだ、人探しかよ。見つけたらどうするんだ。」

 

 「そうね、死んでいるなら良し、生きているなら討伐して頂戴。」

 

 恐ろしいことをサラッと言ってのける。

 

 「クックックックッ。なんだそりゃ。生きてちゃいけねえみたいな言い方だな。」

 

 「そうゆうことよ。」

 

 「ふ~ん。まあいいや。で、そいつは今何処にいるんだ。」

 

 深追いするほどに興味が持てなかったのか、話を先に進める。

 

 「渓流へ向かっている途中に、バルファルクのあおりを受けてね。その子だけ落ちたらしいの。そこからは生死が分からないそうよ。」

 

 それを聞いてさらにガザックが不機嫌そうになる。

 

 「なんだ、場所が特定できないのかよ。そんな広範囲を探せってか。勘弁してくれよ。」

 

 「でも、その下空の方で、珍しいものが通りすぎて行ったとの情報もあるわ。」

 

 「なんだ、その珍しい物って。」

 

 「クシャルダオラよ。」

 

 さすがにガザックも驚く。

 

 「おいおい、人探しプラス古龍の討伐までしろってか?犬死は御免だぜ。もう一人連れていくからな。いいな。それに、古龍とは戦わねえぞ。無駄死にしたくねえ。」

 

 「クスクス…。いいわ、元々古龍までとは言ってないわ。ハンターの生死が最優先よ。」

 

 「じゃあ、準備して向かわせて貰おうか。」

 

 とその場から居なくなる。

 

 「本当に、あの者でいいのですか?」

 

 不意に男性の声がする。それを分かっていたかのように答える。

 

 「いいのよ。死んでいれば間違いはないし、仮に生きていたとしても彼に討伐されるような弱いハンターなら、それまでの事。それにあなたには別に動いてほしいの。」

 

 そういわれた男性は少し驚いて明日美を見る。

 

 「別の用事とは、なんでしょう?」

 

「沙耶と一緒にいた者たちを探し出して討伐して頂戴。メンバーは任せるわ。計画を邪魔されたくないから、確実に頼むわね、キリューク。」

 

 「はっ。では早速にも。」

 

 その男性はハンターで、明日美には付き従っていた。

 そして、キリュークと呼ばれたハンターは、他メンバー3人と共にアルビナ達の討伐へと向かう。

 沙耶もアルビナ達もモチロン、狙われていることは誰も知る由もない事だった…。

 

 




読んで頂き、ありがとうございます。
 それぞれが動き出しました。次話もそれぞれの動きを物語っていこうと思っています。
 エンカウントすることも大かと。
 次話も読んで頂けることを願って…。    では。
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