何話かは、1話ずつそれぞれの話になるかと思います。今回は沙耶視点になってます。
どうか見捨てずに本編をお読みくださいまし。(短めではありますが。)
それでは後ほどにて。
「はぁァァァァ!」
ジャンピングからの真上から太刀である鉄刀を振り下ろす!しかし、作られた人工の竜巻2つに阻まれ、さらには吹き飛ばされる。
「いった~、ゼシム!手加減てものを知らないの?」
「それはまだ、お前が本気でない証拠だ。悔しければ、かかって来るといい。」
ゼシムはそう言いつつも、沙耶に向かって突進してくる。
沙耶もそれに反応して回避する。そして、ダッシュで回り込み、ゼシムの横腹に剣を叩き込む。
「ぐっ、やるな。」
ゼシムは尻尾を横に振り、沙耶を払い除ける。
「うぐっ!」太刀でガードするものの、威力は強力で、8~10メートル程後方に飛ばされる。
なんとか堪えるものの、躱せなかったことに悔しがる。
「くそぅ!やってやる!」
そう叫んで、突進して行く。
「来るがいい!受けてたつ!」
お互いの攻撃が火花を散らす!すこーしずつではあるが、鍛えられているようだった。
「ふぉっほっほ。まだまだじゃの。」
その闘いを傍で見ていて、突っ込みを入れていくガルーク。
「そのうちにそんな余裕無くなるからね!」
「ほほ、そりゃ楽しみじゃの。」
あくまでも、余裕たっぷりな白龍。まだまだ闘い慣れていない沙耶は、未だ必死の状態。
それでも、構わず鋼龍であるゼシムは4、5メートルの高さに飛びながら、凍てつくブレスを吐きながら沙耶の方向へ向かってくる。
沙耶はそれを走りながら躱し、降りてくるのを待つ。閃光玉でもあれば落としようもあるのだろうが、あいにくと持ち合わせてはいない。剣圧でどうこうとかというレベルでもないので、躱しまくる…。ではかっこよすぎで、逃げ回るの方が正しいだろう。
と、逃げ回っているうちに岩や木に雪だるまが出来上がって………。
「ん?」さすがに沙耶にも疑問が浮かぶ。
「んんんんんんん?」
ゼシムの攻撃を忘れて(マジか…。)一つのだるまさんの前に止まる。よーく見ると、そのだるまさんは小刻みに震えていた。
ゼシムもブレス攻撃を辞め、地上に降りる。そして風玉のようなブレスをアギトから発射しようとしたとき、沙耶の叫び声が響いた。
「ちょっとタンマ!!!」
「なんだ、闘いの最中だぞ!」
さすがに中途半端に止められたので、ゼシムが怒る。
そこを無視して(度胸あるな)雪だるまを軽くポンポンと叩くと雪が崩れ落ち、中から一匹の猫…いや、アイルーが出てきた。
だが、一方向を向いたまま、ガタガタと震えている。
沙耶もその方向を見ると、ゼシムとガルークの姿が。震える理由がようやく分かって、そのアイルーに話しかける。
「大丈夫だよ。食べられたりしないから。」
震えながらもようやく沙耶の方を向いて返事をする。
「ほ、ほんとでニャすか?」
「大丈夫。私がいるし、私も食べられてないし。」
「た、確かにそうでニャすね。」と胸をなでおろす。
「でも、あなた、よくここまでたどり着いたね。どうやってここに?」
確かに沙耶はゼシムの背中にしがみついて来たので、標高は相当なものだとは理解していたので、アイルーが一匹でここまで辿り着いたのは関心だった。断崖絶壁を登れないことはないのだろうが、それでもこの頂上まで来るには覚悟がいる。そのアイルーは猛灼炎のブレイニャーと荷物を降ろし、話始める。
「あっしは食材を求めて旅をしていますニャ。たまたま珍しい植物やキノコに気を取られて断崖絶壁をあっちにこっちにと行ったり来たりしているうちに、頂上に着いてしまったのですニャ。気づいたら古龍はいるわ、ハンターさんは戦っているわ、威圧感たっぷりで、怖くなってここから動けなくなってしまいましたニャ。」
確かに、古龍2匹にハンター一人、異様な光景ではある。
誰が見ても、あり得ないと思うだろう。
しかし、そのあり得ない事が起こっているわけだが…。
沙耶が急に眼を光らせて、そのアイルーを見つめる。
「ね、食材を探してってことは、料理できるの?」
「ニャ。出来ますニャよ。」
それを聞いて、飛び上がって喜ぶ。
「ね、ね、ね、あなたにお願いがあるの。
あたしに雇われてくれない?」
「ニャ!?あっしがですニャか?」
アイルーも驚く。てっきり料理を作って欲しいと言われると思ったので、想定外な事に困惑する。
「お金はこれしかないけど、ダメかなぁ。」
と、有り金を全部差し出す。
しかし、アイルーも悩んでしまった。食材を探し求めているのに、ここで雇われてしまうと、それを続けられなくなってしまう。しかし一緒に旅が出来れば、これほどありがたい事はない。そこで、考えて条件を出す。
「あっしが探したい食材がある時は、必ず手伝ってくれると、約束してくれますニャか?」
「分かった!約束する!モンスターを狩ったあとの剥ぎ取り肉も提供する!がんばるよ!」
と沙耶は懇願する。ここで晩飯にありつけられるかどうか死活問題であった。今この場で必要なのはお金!ではなく、飯!これなくして強さは語れない。
しばらく腕を組んで、眼を閉じて考え込んでいたが、腹を決めたようだった。
「分かりましたニャ。あんたに雇ってもらうニャ。あっしはザックニャ、よろしくニャす。」
「あたしは沙耶。あっちはガルークで、こっちはゼシム、よろしくね♪ちなみにお肉はゼシムが用意してくれるし、野菜は、周りに色々生えているから使って。これは私達の部屋になるからね。自慢出来る建物じゃないけど。」
確かに、石器時代風で、中も有る物で作っているのでオシャレでも贅沢でもない。屋根等があるだけマシというもの。
それを見てザックがにっこり答える。
「大丈夫でニャすよ。あっしは、旅に出てからずっと野宿でニャす。部屋で寝させてもらえるニャンて、嬉しすぎますニャ。」
「良かった。何かあれば言ってね。出来ることはするから。」
「了解ですニャ。」
と早速荷物は部屋に入れ、ブレイニャーを装備して周りの食材集めを始める。
沙耶はそれを確認して修行を再開する。
「ふぉっほっほ。どれワシが少し相手をしようかの。ゼシムは食料調達を頼む。」
「御意。」
「げ、ガルークが相手って…。すぐに乙りそうなんですけど。」
「大丈夫じゃ。全力で戦えばそう簡単には乙らん。」
「ぜ、全力ってあのね。」
額に手を当てて悩んでしまう沙耶が。
「ほれ、ゼシムが戻ってくるまで、やるぞ。用意は良いか?」
白龍の方はやる気満々のようだ。沙耶は避ける事が出来そうにないことを悟ると、気持ちを切り替えて太刀を構え直す。
「じゃあ、よろしく!!」と、思い切り地面を蹴って、全開で向かって行く。
「いいじゃろう。かかっておいで。」白龍は、咆哮をあげて迎え撃つ。修業とはいえ、激しい闘いの火ぶたは切られたのである。
「おお。ここにも珍しい食材が、ニャンとこっちにも。新しい食材の宝庫ニャ!!」
余裕があるのか天然なのか…。ニャンとも言えないオトモのザックであった…。
お読みいただきありがとうございます。
次回はお正月明けになろうかと思います。
今年は初めから読んで頂き、重ね重ねありがとうございます。
来年ももっと作品を良くしていけるよう、励んでいきますので、どうぞ!よろしくお願い申し上げます!!
次回はアルビナ達の視点になるかと思います。 では。