前話も、前書き、後書きないままに更新してしまい、反省の所存…。
まずは本編をお読み頂けたら幸いです。
では、後ほどにて。
アルビナ達の船が出向してから2か月が経とうとしていた。
道中いろんなフィールドへ赴くも、沙耶の情報や離反者達の情報も進展がないままに過ぎようとしていた。
クエスト自体はこなしていくものの、なんの情報も得られないままに疲労感が船内の中に広まっていた。
「一体沙耶は何処に行っちまったんだ。」
「この間、墜落した場所をその近辺まで徹底的に探したけど見つからなかったし。」
「沙耶さま…………。」
3人共、それぞれ違う方向の空を眺めながら、途方にくれていた。何の手掛かりも見つけられない事に、肉体的には消費してないものの、精神的に参っていた。死んではいないと分かっていても、手掛かりすら出てこないと、嫌でも良くない方に捉えがちになる。
それでも見つかる迄はと気を引き締める。
「そういえば、二人共、猫嬢の所へ行かないか?」
不意に違う話題を切り出したアルビナ。
「え、なんで?」
「二人にもオトモが居ると凄く助かると思うし、メリットいいと思うんだ。それに意外と癒し系だが、どうだろう?」
二人も顔を見合わせる。突然の話に、ピンとこないでいた。
「どうする?」
「う~ん、そうだねぇ。アルビナのオトモ達が、私達にも気を使ってくれているのは分かってはいるけど、それぞれにも居るとそれだけ負担が少なくなるし、賑わってていいかもね。」
とウィンクする。
「じゃあ、俺も雇ってみるかな。何だかんだソロでクエストの時はきつい事もあるから、いいかもな。」
とリックスもグッドポーズで。
「じゃあ、決まりだな。2Fの猫嬢の所に行こうか。」
と3人は甲板を降り、2Fの商店街の階へ。クルー達も交代で船を動かしているので、休憩の者達はお店に集っていた。猫飯屋はモチロン大繁盛で船の全員の食事を賄っているため、3匹ほど手伝いのオトモと共に、右往左往していた。
「へ~、ハンターさんってやっぱ凄いっすね~。こういう装備や武器を持てるんすよね~。改めて感動っす。」
「そうだろう、俺たちもそのハンター達の負担を軽減するためにいい武具を作ろうと頑張っている訳よ。」
と武具屋ではそんな話が聞こえて来る。
アルビナ達は、周りのお店の声を聴きながら、猫嬢の元へ。
「あ、お三方ともいらっしゃい。進行状況はどうですか?」
「いえ、今のところはまだ何も。」
「そうですか…。でも諦めないでくださいね。必ず見つかりますよ。」
「そうですね、私も成果が上がらないうちは帰りませんよ。」
「ところで、ご用はなんでしょう?」
「かわいい…。」とぼそりと横で呟く者が…。
「え、やだ、恥ずかしい…。」と猫嬢が顔を赤くしてうつむいてしまう。
「あんたは!オトモを雇いに来たんだろうが!!」とリシェルがリックスの後頭部を平手打ち!
「ぐはっ。」と床に顔がめり込む。
「だ、だ、大丈夫ですか?」と猫嬢が慌てて駆け寄る。が、リックスはそのままの体勢でピクピクと痙攣していた。
「だ~いじょうぶ。この男はこのぐらいでへこんだりしないから。」
「お前のお陰で、床がへこんだがな。」と起き上がってリシェルをにらむ。それに負けじとリシェルも睨み返す。
ふうっ。とため息をついてアルビナが苦言する。
「二人共、そのくらいにしておかないか。オトモを紹介してもらおうじゃないか。その為に来たのだから。」
そう言われて渋々、猫嬢の方へと向き直る。
「で、オトモちゃん達を紹介してもらえますか?」
「あ、はい。リストはこちらに。中々いいオトモちゃん達が名乗りを上げてくれてます。きっと皆さんと共に、仲間の敵を討ちたいんだと思います。」
3人はリスト表を覗き込む。ランク開放には至っていないので、オトモも最高50LVまでとなってしまうが、40~50LVの間で、いろいろだった。
レペルやサポート等を確認しながら自分達に合いそうなオトモ達を選んでいく。
「あたしはこの2匹にしようかなぁ。」
とリシェルが選んだのは、アメショのピースト系オスと同じくアメショの回復系でメス、2匹とも47レベルだった。
「じゃあ、俺はこっちかな。」
とリックスが選んだのは白の回復系オス49レベルと、白のマルチ系のメス45レベルであった。
「「「「よろしくお願いしますニャ。」」」」と揃って挨拶する。
「よろしくね~。」
「こっちこそよろしくな。」
「よし、そのまま装備も備えようか。」
とオトモ武具屋へ移動し、4匹分の装備の品定めをして購入する。早速装備し、それぞれの雇い主の元へ。
「仲間がいっぱいですニャ!」と皆の所へオトモのアルビナとロキがやってきた。
オトモ達もお互いに名乗り合う。リシェルのオトモの名は、ビースト系がレギル、回復系がロアラ、リックスのオトモが回復系がマルクト、マルチ系がアマネラである。
「みんな主人の為に協力してあげてください。よろしくです。」とアルビナが代表して挨拶する。
「了解ですニャ。」
「任せてくださいニャ。」
「頑張りますニャ。」
「お腹が減りましたニャ~。」
レギルが床に座り込んでしまう。
「クスクス、それじゃ、皆でご飯を食べようか。私がご馳走しよう。仲間となったお祝いだ。」
「「「「やったニャ~~~」」」」
と急ぎ足で猫飯屋に行ってしまう。3人も顔を見合わせてにっこりと笑う。
「そんなに急がなくともご飯は逃げないよ。」と声を掛けながら、猫飯屋に移動するのだった。
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甲板の方では、変化が起こり始めていた。見張りの一人がキャプテンに走り寄っていく。
「キャプテン!大変です!あの空を見てください!!」
と指をさされた前方の方を見る。真っ黒に分厚い雲が渦を巻いて徐々に大きくなっている。中心部は時折、稲光が発生している。
「なんだあれは!?」
「このまま前進するのは危険かと!!」
「よし、リーダー達に連絡!非常警戒態勢をとり、注視しながら回避する!急げ!!」
「アイサー!!」
と、走って下の階へと降りていく。事態を聞いたアルビナ達も武具を装備し直し、甲板の方へ。
「な、なんだありゃ!?」
巨大な雲の渦は大きくなりつつも、更に移動をしながら船に向かってくる。ただ、アルビナだけは感づいたようだ。
「ま、まさか…。」
「アルビナ、まさかって??」
と応える間も与えてはくれない。
「渦に囲まれるぞ!みんな何かに捕まれ!!」
そう叫ぶのと同時に雲の渦が船ごと飲み込んでいく。辛うじて船から振り落とされはしなかったが、渦の中心にまで船を強制的に引っ張られる。キャプテンも船をずらして躱そうにも舵が固定されてしまい、回すことが出来ない!
「舵が利かない!!」
やがて、雲の一部を纏って巨大な何かが姿を現す。
「やはり…。」アルビナは完全に何者か分かったようで、前に進んで剣を抜いて構える。
その雲の一部がゆっくりと晴れていき、その姿が明らかになる。
「アマツマ…ガツチ…。」
古龍でも最強の部類に属するこの龍は上位ランクか、もしくはランク開放後のG級かで挑まないと、速攻で返り討ちに会い、離脱を余儀なくされる程の生物。全身に半透明のヒレを纏い、常に空中に浮いているので後ろ脚が退化している。前脚の部分も爪はなく、羽の代わりをしている様だった。常に嵐を纏い、厄災とまで言われている最強の一角が目の前に現れたのだった。
2人はまだ挑んだことがなく、話には聞いているものの、実物を見るのは初めての事だった。
「こいつが、アマツマガツチ…。」
リックスとリシェルはその威圧感に気圧されそうになる。アマツマガツチは首を左右に振って咆哮を上げた。
戦闘開始を高らかに宣言して向かってくる!
「二人共!回避して攻撃だ!いくぞ!はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
2人に動きを促して、アルビナもアマツマガツチの下に潜り込み、太刀を振り下ろす。尻尾で横に振り払ってくる。同時に水弾が後ろの二人に飛んでいく。二人も左右に回避して、改めて剣を構える。いきなりの乱入で、しかも最強種に出会うとは運がいいのか悪いのか。しかし、悠長なことを思ってはいられない。強制的に戦う事になっているため、拒否することも出来ない。二人はお互いに顔を見合わせ、頷いた。そして戦っているアルビナに参戦するべくアマツマガツチに向かって行く。
「おぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
二人の片手剣と双剣が古龍を攻撃していく。アルビナも二人が加わったことを確認すると、負けてはいられないとばかりに古龍に挑んでいく。オトモ達も甲板に出て相手の姿を見て驚愕する。
「ニャ、ニャんでこいつがこんなとこにいるニャ!!」
「分からニャいが、まずは、ご主人様をサポートするのが先ニャ!!」とアルビナとロキが走り出す。他の4匹も続けて走り出す。
「ニ゛ャァゴォォォ!!」と早速アルビナが先陣切ってビースト状態になり、古龍に攻撃を仕掛ける。
ロキはすぐさま主人の元に寄り、強化の術を。他のオトモ達もそれぞれの役割をこなしていく。更にもう一匹がビースト状態で攻撃に参加し、少なからず勝てるかもと言う甘い気持ちがよぎっていた。
しかし、攻撃は休めることなく続けている。だが、そうした気持ちの甘さがハッキリと裏目に現れる。アマツマガツチが尻尾を縦に横にと振り回し、オトモ2匹が船の後方へ突き飛ばされる。
「アルビナ!レギル!」
「ギャフッ!」
2匹ともかなりのダメージだったようだ。ピースト状態が解けてしまった。
そして船ごとと思ったのだろう、一旦船の外側へ飛び出し、船の周りを旋回しだした。
しかし、こちらにも武器はある。
「左右は大砲で迎撃!。バリスタは前後方を死守!大竜巻を起こされる前に何としても止めるぞ!!」
「「「「おぉ!!!」」」」
クルー達は連携で、アマツマガツチに大砲やバリスタの砲撃をかける。しかし、相手も動きが早く、風を纏っているために、中々当たるに至らない。キャプテンもこのままでは…。と、もう一つの一撃に賭ける。
「リックスさん!リシェルさん!左右のバリスタから捕縛弾で、正面に捕らえることができますか?」
2人は何故、正面じゃないといけないのか分からなかった。
「どうですか?お願いできますか?!!」
2人とも考えている余裕がないと悟り、すぐに弾を用意する。
「任せろ!!」
「やってみる!!」それぞれバリスタに駆け寄り、弾を装填していく。
「私もバリスタで応戦する!」アルビナも後方のバリスタで古龍を狙ってバリスタ弾で応戦する。
キャプテンもリックスとリシェルがバリスタに向かったことを確認するとクルー達に号令を出す。
「撃龍槍用意!!」
「「「「「アイサー!!」」」」」
クルー達が返事を返すと、すぐさま1Fの激龍槍の装填に入る。そして、正面の1F部分の外装が観音開きに開いていく。中には獲物を仕留めんとする撃龍槍の姿が…。
リックス達も撃龍槍を使うことを理解すると、バリスタを固定し、アマツマガツチが来るタイミングを狙う為、照準を注視する。
徐々に速度を上げて旋回を繰り返していく。そして次の旋回の瞬間を逃さずに掛け声を上げる。
「今だ!!!」
両サイドから放たれたバリスタの捕縛弾は見事!正面でアマツマガツチを捕らえる。
捕縛が成功したのを見てキャプテンが叫ぶ!
「撃龍槍は~!!」
「行けま~す!!」
「よ~し!撃て~~!!!」
ギザギザに刃のついた、槍が螺旋状に回転しながらアマツマガツチに向かって射出され突撃する。振り払って躱そうとするアマツマガツチに命中した。
「ギャアァァァァキ゜ィィィィィィィ………。」
捕縛されていたロープも切れ、そのまま地上に向かって落下していく。
リックスとリシェル、キャプテンが船から落下したアマツマガツチを見下ろす。アルビナはオトモ2匹の元へ走り寄り、秘薬を飲ませる。しばらくすると、秘薬の効果が現れて動けるようになる。
アマツマガツチは雲を突き抜け、地上まで落下する。鈍く重い音と共にアマツマガツチが咆哮を上げる。
それを聞いて、3人は笑みがこぼれる。
「倒したか?」
「倒したんだよな?」
「流石にあれだけ喰らえば無事ではすむまい。」
3人が3人とも勝利したと思い込んでしまう。撃龍槍まで使用したのだ、無傷では済まないと思うのは当然であった。
しかし、ただ一人、たった一人だけそう思っていない者が居た。何かの気配を感じたのだろう、走って三人の間に割って入り、睨みつけるように、地上の方を覗き込む。
「まだだ。」
「えっ、まだっ…て。」
「そうだぜ!倒したんだぜ俺たち。」2人とも気を緩めてしまっている。
「奴はまだいきている!」
「な、なんだって!!」
アルビナ以外の3人が驚く。それと同時に遥か地上より、古龍の咆哮が聞こえて来る。それを聞いて3人が絶句する。
「でも、なんでアルビナだけが生きてるって分かったんだ?」
「私は、ソロ時代に何度か戦ったことがある。上位種ではあったが…。」
「じゃ、今のは。」
「G級だ。」
冷や汗をかくアルビナを尻目に、凄い勢いで上昇してくる生物がいた。
「来るぞ!!キャプテン!撃龍槍の再準備を!!」
と言い放って、再び剣を構える。
「ちぃっ…。」
「なんて奴だ!!」
「くそっ!!総員!撃龍槍再装填!!」
リックスとリシェルはアルビナと共に再び戦闘スタイルをとる。
キャプテンも操舵の方へ駆け寄り、舵をとろうと試みる。物凄いスピードで雲を突き抜け上昇してくるアマツマガツチ…。船の前方に一気に現れる。
その表情は完全に怒りモードへと変わっていた。アルビナ達を見るや否や雄たけびを上げて、アギトの中に何かを含む!
「まずい!高水圧ブレスが来る!!二人共避けるんだ!!」
そう言って、横に飛んで回避する。二人も慌てて横に逸れる。そのすぐ横を半透明の刃と化した高水圧ブレスが突き抜けていく…。キャプテンも回避するものの、船に損傷が…。
「小型プロペラ2基被弾!!制御不能!!!」
「しまった!!」
「これでは撃龍槍が制御できん!!」
「くっ。ならば全力で倒すまで!!」
水弾を放ちながら3人に向かってくる!それぞれ違う方向から腹下へ潜り込み剣を振るう。だが、怒りモードで更に動きや強さが上がっているアマツマガツチにはひるむことは無かった。それどころか尻尾を更に振り回し、アルビナ、リックス、リシェルの順番に振り払う!剣で防御するも、それぞれ後方へ吹き飛ばされる!その時、リシェルが船外に出てしまった!!
「り、リシェルゥゥゥゥゥゥ………!!」
「アルビナ~!リックス~!!」
リシェルが下へと落ちていく。二人も急いで駆け寄り、手を差し伸べるも到底届くものではなかった…。
だが、次の瞬間二人は信じられないものを見る。大きな何かが船の下を通り過ぎると同時にリシェルの姿が消えたのだ。
「なっ!」
「なんだ、今のは!!」
そう驚いてその姿を追おうとしてアマツマガツチの方に向き直る。更に信じられない光景を見ることになった。
斬ッ!!!
上空からジャンピングで何者かが剣を降り下ろし、甲板に着地する。その衝撃と切れ味に耐えきれず、古龍が倒れのたうち回る。
ゆっくりと立ち上がって、のたうち回る古龍を見据え、剣を構える。その姿はベルダー装備ではあったが、かなりボロボロで、所々肌が見えている。顔はターバンの布で口、鼻を覆っているので、目元しか分からない。しかし、風貌から女性ハンターとだけは分かった。ただ、その風貌とは違い異彩を放っていたのは剣である。
突然で申し訳ないですが、ダブルクロスの中で、アニマメモリアという太刀をご存じだろうか。知っておられる方も多いだろうが、凄く風化した太刀から派生し、オヴィリオンという太刀をレベル上げして、最高にしたもので、幅広の刀身に長刀で、鞘はなく、刀身に裂目があり、中は赤く光っているという、龍属性攻撃値が高いという特性を持った太刀ですが、彼女が今構えている太刀は、それなりに違っていた。
全体の形と龍属性攻撃値が高いのはほぼ同等、違うのは、刀身が真っ白で、逆に刃の部分は銀色に光り、一点の曇りなき切れ味を醸し出していて、紫ゲージのもう1つ上をいっている。更に刀身側には、見たことがない古代文字が彫り込まれ、握り側も全体的に白基調で、凄く綺麗で誰もが魅入られてしまいそうな程であった。
そのハンターのすぐ後ろにオトモが一匹降り立つ。こちらは、猛灼炎のブレイニャーを持ち、黒の長ラン学生服に背中に応援番長!と白糸で刺繍されていた。
「ザック!先ずは二人に例の薬を。」
「分かったニャす、任せるニャ。」
そう言って、アルビナの元に、ポーチから見たことがない色の薬を取り出す。
「す、すまない。あの御方は…。」
「先ずは、この薬を飲むニャ。話しはそれからニャ。」
と半ば強引に飲ませる。すると疲れが取れ、気力が戻り、更に練気力もMaxに、全身の硬化力も高まった。
「す、凄い。なんという薬だ!この薬は一体…。」
「名前はまだ無いニャ。しかし、一日一本限定ニャ。」
それを聞いて更に驚く。確かにいにしえの秘薬の上を行く薬など、いくらハンターでも多用するのはまずいと理解した。
薬が効いたことを確認するとすぐにリックスの元へ走って行く。同じ薬がまだ有るようだ。
やがて、のたうち回っていたアマツマガツチが身体を起こし、怒りの矛先を目の前で剣を構えているハンターに向けて咆哮をあげた。
そして、水圧ブレスが、至近距離で放たれる!
「あ!危な……!」
最後まで言い終わる前に、驚愕する!ハンターは回避するどころか剣で真正面から受けてたつ!高水圧ブレスが見事に左右真っ二つに裂けて、船外へ消えていった。自分のブレスを止められたことに、驚愕し、信じられぬと言わんばかりに、咆哮をあげる。
「すまないけど、アンタの属性狩らせて貰うよ。」
剣を片手で真横に構える。
「神羅…解放…。」
そう言いながら、左手の手のひらを刀身にあて、切っ先の方へなぞっていく。すると刀身に彫り込まれていた文字が赤く浮かび上がり、光を増していく。やがて赤いオーラが剣全体に、更には所有するハンター全身にも包まれていく。
アマツマガツチも、そのハンターに一泡吹かせるべく突進していく。ハンターもそのタイミングを逃さなかった!
「属性狩り!!」
そう叫んで、刃を右斜め上から左斜め下へ降り下ろす!見事に胴体を切りつけ、再度古龍がのたうち回ることとなった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ぐっ…。い、痛たたたた…。あ、あたいは一体…。」
リシェルが目を覚ます。痛みをこらえながら起き上がって周りを見回して愕然とする。
「え…え…え~~~~~~~~!!!」
身体の痛みを忘れるほどに絶叫する。それもそのはず、古龍に助けられるとは1人と1匹以外は誰も想像がつかない事だった。
「おい、動けるか?」
突然の低い声に、素っ頓狂な声で返事をする。
「はいっ!?!?!?」
「驚かせて済まないが、動けるか?」
といたって冷静に声を掛け直す。リシェルはようやくその古龍に話しかけられていることに気付く。
「あ、あんた、人の言葉が喋れるの?」
「我らぐらいになるとな。長生きするのも善し悪しだとも思うが…。」
「凄いじゃん!!」
と痛みはどこへやら…。
「これから船の近くまで飛来する。飛び移ることはできるか?」
「はっそうだ、そうだね。そうだった。」とリシェルは現実を取り戻す。アルビナやリックス、オトモ達の所へ戻らなければならない。
「分かった、やってみる!」
「ならば行くぞ!」
古龍は急旋回しながら船後方の左側面へ飛来する。
「なっなんてこった!!よりによって古龍2匹はないだろ!!」
クシャルダオラが現れたことによって、リシェルが背に乗っていることに気付かない。
「ばか!!リックス!ロープか何か無いの?」
「なっえっな、なんでお前がそこにいるんだ!?」
「リ、リシェル!?」アルビナも古龍の背に乗っているリシェルを見て驚く。
「あ~もういい!飛び移るからそこどいて!」とジャンプモーションに移る。
「わっちょっと待て!待ってって!うわっ!」
リックスがリシェルの下敷きに…。またもや顔が床にめり込む。
そんなことはお構いなしにリシェルは助けてくれた古龍に手を振る。
「ありがとう!!」
「後は彼女に任せる。」と前方にいるハンターを見る。3人とも前方にいる1人で信じられない強さを見せているハンターを見入る。
「ではな。」とクシャルダオラは上昇して雲の渦の中に消えていった。
「な、何。どうしたの?何が起こっているの?」
と、その場から居なくなっていたリシェルが不思議そうな声を上げる。
「分からない。ただ、味方であることだけは確かだ。」
「そうニャ、助けに参戦したニャ。これを飲むニャ。」
とリシェルに薬を渡す。
「へ、あ、あんた誰?」
「事が終わったら分かるニャ。まずは、これを飲むニャ。」半ば強引に飲ませる。それを見てアルビナも助言する。
「強くなる薬だ。1日1回限定らしいが。」それを聞いてリシェルが飲み干す。すると、アルビナが言ったとおり気力も力も湧いてくる。
「な、ナニコレ…。」
「俺も凄いと思ってる。」リックスも回復力とパワーには驚いていた。
「まあ見ててニャ。ずっとミラルーツとクシャルダオラを相手にしてきたご主人様にとって、アマツマガツチの攻撃には遅れは取らないニャ。」
ハンターに付いてきた名も知らないオトモの話に驚愕し3人とも素っ頓狂な声を上げる。
「「「ミラルーツとクシャルダオラだって!?!?!?!?」」」
3人は前方のハンターをガン見する。そして警戒はするものの、その動きに見入っていた…。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
再び仁王立ちで剣を構えるハンターが居る。のたうち回っていたアマツマガツチが起き上がって目の前にいる余裕で身構えているハンターを見て、更に激しく咆哮を上げる。
そして再度高水圧ブレスを放とうと、アギトの中に水圧をかけようとしたその時、何かの異変に気付く。
首を振って再度水圧を溜めようとするも溜めることが出来ない。水弾に切り替えようとしても同じことだった。
しかも竜巻を起こそうとしてもそれすら作らせてはくれない。特殊攻撃が出来なくなっていることに、いら立ちの咆哮を上げる。
「ふっ。だから言ったでしょ。あんたの属性を狩るって。」マスクの上からでも分かるようなニヤリとした顔をする。
アマツマガツチは特殊攻撃が封じられた事を悟ると、接近戦に変更するべく、咆哮を上げる。
「ザック、いくよ!みんなも手伝って!!」ハンターは全員で接近戦へ参戦するように促す。
「はいニャ!待ってたニャ!!」と真っ先に走り出す。
「よ、よし。やるぞ、二人共!」とアルビナが続いて走り出す。
「うん!」
「分かった!」
二人も後に続く。アマツマガツチもハンター達を薙ぎ払おうと突っ込んでくる。お互いに勝つために激しくぶつかり合う!しかし、3人が狩技を出したことでアマツマガツチの体力をそぎ落とし、何とか古龍を討伐に追い込むことが出来た。甲板の上に横たわる古龍を見て全員安堵の表情を浮かべるのだった…。
読んで頂いてありがとうございます!!
光栄の行ったり来たり。あ、行っちゃった!戻ってこ~い!…。
失礼しました。大変遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。
更新頑張ります! では、次話にて。