風邪の菌に襲われながら、少しずつ執筆し、何とかこぎつけた次第…。
今回は、仲間二人と出会い、4人体制となります。戦闘は次の次あたりになるかな?というところですが、本編にお付き合いください。
では、本編スタートです。
まぶしい朝~♪やわらかい風~♪大自然のかおり~♪
「んっ………。」
と沙耶が目を覚ます。(めずらしく…。)
「ほっといて…ん~~~。」
と背伸びして目を開ける。
「んん!?」
目をこすってもう一度周りを見回す。
明らかに、沙耶の部屋ではなくなっている。
が、沙耶には良く知った場所だ。
よく見るベッド、よく見るチェストボックス、よく見るボード、よく見る猫…………。
「え~~~~~~!!なんで!!どうして急に!!」
あまりの大声にアルビナとオトモ2匹が驚いて飛び起きる。
「さ、沙耶さま!どうしまし……………あ……。」
アルビナも何故このベッドに寝ていたのか理解出来ずにいた。
「ニャ!どうやって戻ったんだニャ!?」
しばし二人と2匹で、考えてみるものの、解らずじまいだった。
「ここ…ベルナ村の家だよね。?」
「そのようですね、どうやって戻ったのかは分かりませんが…。」
アルビナも戻る方法が別にあったので、急に戻ったのが信じられずにいた。
「ふーん、まぁ家族に挨拶出来なかったのもなんだけど、要は私も無事にこっちの世界に来られたってことよね。」
「そ、そうなりますね…。」
「じゃぁオッケー。早速村長さんに合わせてくれる?」
(そういうところは前向きだったか…)
「だから、ほっといて。」
「えっ、沙耶さま何か?」
「い、いやナンでもないよ~。ピュウ♪」
いきなり無関係な方を向いて口笛を吹いて誤魔化す。
アルビナも怪訝に思ったが、
「判りました。ご案内します。」
と話を切り替えた。
二人は外に出て村長のいる方へ歩いて行く。
その途中に受付嬢がいた。相変わらず、あくびをしたのを誰かに見られてないかとハラハラしている。で、急にこっちを見つけて、話しかけてくる。
「あ~。アルビナさんじゃないですか。戻って来られたんですね。」
「ありがとうございます。色々ありましたが、なんとか。」
「良かったです。今こちらは、クエストの数が増え続いています。一人でもハンターが多く欲しいところで…。」
「クエストが増えている?通常ではないのですか?」
「そこからは、私が話そう。」
と体格はよさそうな、しかし杖を持ち、白髪のヒゲを生やしている人物が話しかけてきた。
初めてハンターになった者なら、嫌でも話すことになる、偉大な人物。
ベルナ村村長である。皆の者、頭が高い!控えおろう!
「はじめまして。村長さん。」
(て、完全無視かい!!)
「おぉ、貴方は。アルビナ殿と一緒におられるということは、異世界より来られた方ですな。」
「どうしてそれを。」
「各村にいる村長達には通達が届いておりますでな。こうして待っておりましたのじゃ。」
村長はニコニコしながら答える。何が起こっても微動だにしないような余裕があった。
「まずは、あなたのお名前を聞かせてもらえますかの。」
「はい、沙耶といいます。よろしくお願いします。」
と丁寧に返事を返す。
「重大な事を押し付けるようで、申し訳ないと思っとる。だが、ハンターの数が足りない程にクエストが増え続けていることも事実。なので、一人でも加わって事件を解決して欲しいとも思っておる。
奴らを止められるのは、異界から来た者しか出来ないと、そう龍暦院も判断している。
なので、あなたは貴重な存在なのだ。できうる限り協力は惜しまんつもりだ。なんでも言っておくれ。」
村長は言葉を続ける。
「とりあえずは、所持金と装備を揃えるといいじゃろう。アルビナ殿よろしく頼む。」
「わかりました。では、武具屋の方へ参りましょう。」
「うん、わかった。村長さんありがとうございます。」
「武運を祈っておりますぞ。」
と村長さんに礼を言い、武具屋へ移動する。その際に猫めし屋の女主人や、カリスタ教官にも会う。
武具屋で沙耶は、武器に関してはアルビナから受け取った、鉄刀(いきなりマックスか…。)を持っているので、防具を揃えた。といっても初心者なので、代表的な基本装備の一つであるベルダー装備を一式購入。
少しでも防御力アップのために鎧玉等でレベル上げ。
そして一式揃えたベルダー装備の発動スキルは"精霊の加護"受けるダメージが4分の1で25%減少する(受け売りだが)というもの。
Ⅹのオープニングでも女の子のハンターが着ていたし、沙耶も個人的には気に入っていた。
「沙耶様。集会場へ行きましょう。紹介したい2人がいます。」
「えっ。仲間?」
「はい。ロキたちが居ない間、仲間を集めて狩に、事件調べに付き合ってくれている二人です。気さくで、すぐに
沙耶様も打ち解けるかと。」
「へぇ。いいね。凄く助かると思うし、アルビナが認めた人たちなら、大丈夫でしょ。紹介して。」
「ありがとうございます。早速、集会場へ行きましょう。」
二人と、2匹は集会場へ向かおうとした時に、眼鏡をかけた青年に引き留められる。
「アルビナさん。ご無沙汰ですね。」
「あ、龍暦院の。こんにちは。」
「そちらの方は初めましてですね。ハンター登録はお済ですか?」
優しい口調だが、チェックは厳しそうだ。沙耶も分かってはいた。話を通しておかないと、ギルドマスターに龍暦院ハンターの認定がもらえないことを。
「いえ、これからです。よろしくお願いします。」
「わかりました。ギルドマスターには話を通しておきますので、集会場で認定を受けてください。」
「ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします。」
と律義に挨拶を交わす。アルビナも小声でほう!と感心していた。
二人と2匹はこれからの事を話しながら、集会場へと足を運んだ。
集会場へとついた二人は中央にいる小柄で虫眼鏡を持った、おばあさん…。つまり、ギルドマスターの所に歩いて行った。
前に立った時、不意に下から上へ覗き込まれるかのように虫眼鏡で沙耶を見られる。
沙耶もびっくりして照れてしまう。
「ほうほうほうほう。お前さんじゃな。異界から来たのは。話は聞いておる。難儀な事を頼んで申し訳ないね。
あんたの世界と、こっちの世界と頼んだよ。ほれ、認定証バッジじゃ。今からもう龍暦院のハンターじゃよ。」
沙耶はバッジをもらい、防具に付ける。
「ありがとうございます。私なりに頑張ります。」
「うむ。精進するんだよ。」
「はい。」
沙耶は返事をして、そこを後にする。
集会場はハンターやオトモ達でにぎわっていた。狩に出る者、仲間を集う者、闘技場で鍛錬する者男女問わず、集っていた。
すると道具屋から歩いて来るハンターが二人。
「オーイ!アルビナ~。!」
「おぉ、リックス!それにシェリルも!」
そう呼ばれた二人は、歩きながら、それぞれ片手を挙げて返事をする。
沙耶も二人を見いった。一人は男性ハンターで、体格も他の男性ハンターよりも、一回り大きく、ムキムキの筋肉をしている。そしてアルビナを含め、3人ともG級入りしているので、男性ハンターはラオシャンロンの素材から作られる、武将のような装備の暁丸一式を揃えていた。
発動スキルは回避距離UP、火事場力+1、心剣一体の効力がある。
もう一人の女性ハンターは二つ名、岩穿テツカブラの装備一式を揃えていた。
発動スキルは、ガード性能+2、弱点特効、岩穿の魂である。真・岩穿の魂は防具LV14~15で発動するので、まだそのLVではない。
沙耶も本物の二人の装備を前に見惚れていた。ゲーム上ではなく、肉眼で見られることに幸せを感じていた。
モンハン中毒様様である。
「無事に戻ったか。異界に行くと言った時は正直焦ったぞ。」
「そうだね、急に言い出して、即行っちゃうんだから困ったもんさ。」
「済まない。ああするほかなかったのだ。お陰で沙耶様を守ることができた。」
「おぉ、嬢ちゃんか。アルビナと一緒に来た、異界のハンターってのは。」
リックスは思い出したように沙耶の方を見る。
「はい。沙耶です。よろしくです。リックスさん。」
「沙耶ちゃんか…、よろしくな。」
「手~~出すんじゃないよ~~。」
と茶化すようにシェリルが突っ込みを入れる。
「ば…バカ!!なんちゅう事を言うんだ。ったく。」
「こんな武者バカはほっといて、あたしとは仲良くしようね~~~。」
「こら、シェリル!」
「あたしはシェリル。実は、あたしもリックスもアルビナに拾ってもらったんだ…。そのおかげで、今こうしてG級ハンターをしていられるんだ~。だからアルビナが大事と思う人はあたしも同じ。手伝うからさ、一緒にがんばろう!」
と沙耶の左腕に抱き着きながら、話しかける。
「こちらこそ、いっぱい色んな事を教えてね。シェリルさん。」
沙耶もニコッと頷く。
「ん~~、なんか○○さんは慣れないなあ。ねえ、呼び捨てでいい?あたしもそれでいいからさ。」
「ん~~、分かった。そうする。よろしくね、シェリル。」
「ん、やっぱそれがいい。よろしくね、沙耶!!」
と握手を交わす。
「俺も、リックスでいいぞ。よろしくな、沙耶。」
と握手を求めてくる。
「いや、あんたは別でしょう。」
とすかさずシェリルが突っ込む。
「ええ。マジか。」
とちょっとしょげるリックスに
「よろしく、リックス。」
とクスクスしながら沙耶も握手を交わす。
「よろしく、沙耶。」
リックスも良かったとばかりにニコニコで握手する。
その光景を傍で見ていたアルビナがニコニコしながら、良かったと安心していた。内心、相性が悪いのではないかと心配していた。
その心配をよそに仲良くしてくれている、リックスとシェリルにも感謝していた。
良い仲間を持った、と嬉しく思うのだった。
4人はまず、狩に出る前に親交を深めようと、まあ、シェリルが言い出した事だが、酒場で飲もうということになり、アルビナの制止も聞かず、沙耶を引っ張って、強引に酒場へ行ってしまう。
アルビナも止めないのかと、リックスの方を見るが、両手と肩を上げて、無言でついて行ってしまった。
アルビナもあきれ果てて、仕方なく、後をついていく。
「私はミルク!!」
「げ、マジで!!」
「まだ、健気な17歳だ。」とアルビナが制す。
「あ、あはははははは。了解。あたいは酒で。」
「俺も。」
「とりあえず、私もだ。」
と4人でジョッキを片手に乾杯する。
「ぷはー!イヤー!やっと4人揃ったね。酒がうまいわ~~~。」
とリシェルが意味深な発言を飲んだ勢いで喋る。
「へ、どゆこと?」
沙耶が聞き直す。シェリルがニンマリしながら、アルビナの方を見て話す。
「ん~、今まで3人だったでしょ。4人目を見つけようってずっと提案してたんだけど、アルビナが断然拒否してさ。」
「え、アルビナが?。2人をスカウトしてるのに???」
「そ、理由はね、沙耶が加わるからだって。内心ヤキモチ焼いちゃったよ。それだけ信頼してるなんてね。」
「それには、俺も同感。」
リックスも首を縦に大きく振って、納得感を促す。
「な、何よ、二人とも。」
とアルビナが二人を珍しく頬をぷくっと膨らませて睨む。
慌ててリックスはそっぽを向き、シェリルは沙耶の腕に抱き着く。
「きゃ~~~~、アルビナこ~わ~~い。」
とニヤニヤしながら沙耶に隠れる。完全に茶化している。
そんな光景を、沙耶はクスクスと笑い出す。
「沙耶様まで…。もう!」
とプイっと横を向いてしまう。何気にその仕草が可愛かった。
沙耶はアルビナの手の甲の上に自分の手を重ね、
「ありがとうね。」と優しく囁いた。
「はい。」アルビナも驚いたが、すぐに優しい顔になって沙耶を見る。
「いいなあ、あたいもそんな風に手を握って欲しいなあ…。」
とシェリルが人差し指を咥えながら、懇願する。
「おお。俺でいいならいくらでも。」とリックスが手を差し伸べてくる。
だが、シェリルのパンチの方が早かった。左のストレートがリックスの左頬にヒット!!
吹っ飛んで悶絶する。
沙耶とアルビナは顔を見合わせて笑い出す。
シェリルもつられて笑い出す。しばらく起き上がれないでいる、リックスであった…。
次の日の朝、沙耶達は装備や持ち物を確認し、猫めし屋で食事をして、受付のカウンターへ。
「おはようございます。いよいよ4人勢ぞろいですね。」
と受付嬢も事情は分かっているらしく、そう話しかけてきた。
「今後もよろしくお願いします。」と沙耶が挨拶する。
「はい、こちらこそお願いします。ではクエストはどれになさいますか?」
「はい、アオアシラのクエストがあれば…。」
即答で沙耶が答えたのに、3人は驚き、全員沙耶の方を見る。
「さ、沙耶様大丈夫なんですか?いきなり過ぎませんか?」
「そうだね。いくらあたしらがいるといっても、急すぎないかい?」
「うん、分かってる。でも、強くなるには少しでも強いやつと戦って経験値を上げないと。」
沙耶の真剣な顔にアルビナも頷くしかなかった。
「分かりました。沙耶様の負けん気もよくわかっているのでそのクエストにしましょう。」
とクエストを受注する。
「珍しいね、アルビナが折れるなんて。今までなかったことだよ。どういう風の吹き回しだろうね。」
シェリルが腕を組んで悩んでいる素振りをするので、
「シェリル…。」
アルビナが片方の眉毛をぴくっと動かす。シェリルが慌ててまた、沙耶の後ろに。
「ずるいわね。どうして、沙耶様の後ろばっかりに隠れるの。」
「いいんだも~ン、あたしも沙耶の事が大好きなんだも~ン。」
と沙耶から離れようとしない。沙耶もさすがにクスクスと笑い出す。
「ね、シェリルもアルビナも行きましょ。ほら、リックスも出発場所に先に行っちゃった。」
確かに既に出発場所でスタンバイしている。
「お~い、行くぞ~。」
と半ば、呆れ顔で3人に声を掛ける。それに習うように3人も出発地点へ。
「じゃあ、出発しましょうか。船頭さんお願いします。」
と気球船に乗り込む。
「お気をつけてニャ。」
とアルビナとロキが見送りに来ていた。
「大丈夫、頑張ってくるね。」
沙耶が心配そうなオトモ達に笑顔で答える。それを見てちょこっと安心したのか
「行ってらっしゃいニャ!!」
と両手?いや、前足か?を振って、送り出すのだった。
気球船も徐々に高度を上げ雲よりも上に出る。目的地は渓流に向かっていた。
「うわー!いい眺め~~~!!!」
「でしょう。あたいも好きなんだ~~。」
綺麗な青空が広がっている。全体がパノラマ状態なので、旅客機に乗ってる時よりも眺めがよく、新鮮だった。
で、気になったのか沙耶がリシェルに話しかける。
「ね、それって、対剣ヴォルトトスでしょ。」
シェリルも名称を言われて驚く。
「知ってるの?」
ゲーム中に作ったことがあるとは言わずに少し逸らす。
「うん。アルビナも持ってなかったっけ?」
とアルビナの方を向くが、アルビナは苦笑いをして、シェリルの方を見る。
沙耶も怪訝に思いながらもリシェルを見直す。
シェリルもペロッと舌を出しながら恥ずかしそうに話しだす。
「実はね、アルビナにおねだりして、もらっちゃった…。」
「へ、もらったって。素材でも受け渡しが止められているのに、武器なんて…。」
とは言ったものの、沙耶ももらっている事に気付く。
「ま、私も人の事は言えないか。」
と苦笑い。
「やた!!ありがとね沙耶!!」
とシェリルが飛び付く。だが気球船の上なので、驚いて慌ててしまう。
「ちょ。ちょっと危ないから!!」
シェリルはそんなことはおかまいなしに、話を進める。
「最初はこれと言って気に入ってた双剣がなかったんだ~。作っても中々LVも上げられなかったし。で、アルビナと出会って作り直そうとしたときに、参考になるかどうか?って持っていた双剣を一通り見せてくれたのさ。
その時にヴォルトトスと出会っちゃってさ~。作るも何もこれ欲しいな~。って懇願してたのさ。」
「へえ。でも、すんなりもらえないでしょ。」
「そうさ~。もう、毎日通い詰めて、土下座してお願いしたのさ~。」
「毎日土下座!?!?」そっちの執念の方に感心する沙耶。
「やっとアルビナも折れてくれてさ、絶対大事にするって約束で引き継いだのさ。いや~、あの時はうれしかったな~~~。」
よほど気に入ったんだろう。話をしていても凄く嬉しそうだ。
沙耶もその気持ちはわかる気がしていた。ゲームの時でも、武器を作り、必死に素材を集め、LVを上げて強くなれば愛着も湧いてくる。
まあ、今回の場合は貰ったものではあるが…。
シェリルの武器が分かると、今度はリックスの武器が気になった。
「リックスはユクモ護山刀(神舞)なんだね。防具からすると太刀を装備してそうな気がしたけど。」
リックスも(お、俺にも少しは気が向いてくれたな)と嬉しそうに話し出す。
「実は、俺はユクモ村出身でさ、挫折しかかっていた時にアルビナに誘われて、もう一度やる気になって村長に話したんだ。それならその記念にって作ってくれたのがこの片手剣だった…。
だから、俺にとっては大事な剣でお気に入りさ。」
沙耶はそれぞれに思いがあるんだなと改めて感じた。ここまでになるのも並大抵のことではないと。
だが、この時4人は知る由もなかった…。沙耶に本当の試練が迫っていることを……………。
お読みいただきありがとうございます。
次話は、初めから大変でございます。本当に試練!!生き残る事が出来るのか???
と言って主人公が死んでしまったら、身も蓋もないですが…。
次話も、お付き合いいただけることを…。 では。