東方戦愛録   作:島夢

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87話 晴夢さんの努力?

 高天原に帰って、暇だった俺は…イザナギやイザナミ、正太郎、龍哉、というか…みんな勢ぞろいしているときに呟いた…。

 

 「俺、修行してみようかな…」

 

 それを聞き逃さなかったイザナギは「そうかそうか…ならば、ここにいる全員でお前が修行するためだけの空間を作ってやろう!」と言った。

 

 作っている途中はみんな秘密にしていて、初めの方こそ楽しみだったのだが…。しばらくすると段々不安になってくる。

 嫌な予感がする…。とまあ、色々考えてしまうわけだ。

 

 んで、今そのあいつらが作った世界の放り込まれてようやく5日…。

 

 

 どんな感じかって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「暑い…」

 

 

 思わず吐いたその言葉…この空間の地表は…その温度、約1600万度。情報を捕食することによって知った知らなければよかった情報だ。

 どうやらアマテラスの力を使ったらしい…。1600万度は太陽の中心温度と同じ温度…アマテラスのおよそ全力である。

 その温度を常に浴びせられるわけだ。

 普段なら身体能力の強化をせずに受けて消し炭になるが、常に1600万度があるのなら話は別だ…。

 このままじゃマジで焼け死ぬので全力で力を防御に回す。

 

 そして清羅の能力かはわからんが、能力の使用はできない…。俺の能力を封じれるのは、清羅だけなので、清羅の力なんだろうなぁと思いながら立つ。

 

 この、立つということすらもつらい…だが倒れれば足だけでなく全身が一瞬でじゅっと焼ける…。さらに一瞬でも気をぬいて、身体能力の強化…というか、熱に対する耐性をミスるとじゅってなる。

 まあ、こんな近くに1600万度があれば変わらんかもしれんがな…。

 

 そして明らかに俺の膝を折るためだけにありえない重力が働いている。

 俺の身体能力ですら立っているのがやっとというか、足がプルプルする…。

 これはおそらく正太郎の能力で重力の何かを逆にしたのだろう。

 

 俺の持てるすべての力で身体能力の強化…それも防御に徹しているのにこのダメージ…。

 

 そして定期的に訪れる世界の終り…。すべてを無にする概念そのものによる世界の崩壊…『闇』の時間。

 これはルーミアの力だな。

 

 この終わりに巻き込まれないように耐えなければならない…というか、耐えるとかもうそういう問題じゃない…。

 逃げるといった方が正しい…。

 

 そして『終わり』が終わった『結果』訪れる世界の再構築…。

 これは龍哉の能力だな…。

 

 何回この神秘的な光景を味わったかわからん…ああ…素晴らしいものだぜ…。綺麗だけど死にそう…。

 

 

 どれだけ耐えればいいのだろうか俺…。

 あと何年?いや、イザナギのことだ…どうせこちらの世界での時間の経過を加速させてるはずだ…。

 冗談じゃねぇ…生きて帰ったら絶対あいつをぶっ飛ばす、ついでに龍哉と正太郎もだ!

 

 恋人たちには赤面させてやる!

 というか、一度も死なずに帰ったらご褒美くらい貰ってもいいはずだ!

 

 よし、絶対生き残りたくなってきた!行くぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideイザナギ

 

「あ~…向こうでどれくらいたったかなぁ…」

 

 

 正太郎が呟く…俺はそれに本を読みながら答える…。

 

 

「あ~こっちじゃ1秒でも向こうじゃ10年だからなぁ」

 

 

 俺がそう呟くと、正太郎や龍哉は「それ…死ぬんじゃね?」という顔をしているが、あいつがその程度で死ぬわけがない。

 あいつなら、普通に帰ってくるだろう…。多分…。

 

 ちなみに12時間たった瞬間、あいつはこの世界に戻される。

 

 まあ、死なんだろう…おそらくだけど…。

 

 一時間くらいたってるし…向こうでも結構たったかなぁ…。

 あの世界は晴夢の力でも能力を使わない限り壊すのは難しいからな!あいつは12時間たつまで出られん!

 流石にやりすぎたと思っている…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side晴夢

 

 

「うぉぁぁあああああああああああああ!!」

 

 

 拳を全力で振るう!一瞬熱気が消し飛び、空間が軋みを上げる…。

 何をしようとしているか?ここをぶっ壊して出ようとしている…。

 もうすでにここに来て、何千年とかたってる…馬鹿じゃねぇの?流石に何千年もたてば、慣れてくる…。

 

 元の世界と同じとは言わないまでも、そこそこ動けるようにはなった。

 

 だが修行のためとか言ってたが、確かにここは鍛えられる…。ここをぶち壊すために、十数億年ぶりに努力というものをし始めている…。

 

 もうなぜか1600万度の炎は身体強化(温度に対する防御力だけに特化させて)でなんとか防げる…今は、普通の感覚で言うと、気温39度、湿度がそこそこある状態の暑さだな。

 普通ならそんな気温で動けば死ぬが、力を色々応用して生き残ってる…。

 

 というか、これのせいで力のコントロールが上手くなったわ!嬉しいけどなんか違う!

 あと身体能力が無理やり底上げされたりしたけどなんか違う!俺が求めてた強くなり方じゃない!

 

 

「こんな空間ぶち壊してやるぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 全力で拳を振るい、足を振るい、空間をぶち壊すために全身を使って暴れる。

 イザナギが俺を入れるために作ったということで予測はしていたが、めちゃくちゃ硬い…。

 というか、イザナギだけじゃなくて碧緒の力も加わっている…。

 ここを壊すためだけに拳を振るう。能力使えれば世界ごと喰らい尽くすのにな!!畜生め!

 

 

「おっと、世界の終りの時間か」

 

 

 圧倒的闇が世界を覆う…。

 どうせ闇はどうしようもないので、崩壊に巻き込まれないように闇に対する耐性を得られるように力をコントロールする。

 

 もうこの世界いや…。さっさと出たい…。

 

 世界の終りが終わり、結果としてまた再構築される…。

 

 そしてまた世界を壊そうと全力を振るう…。

 

 それが延々と繰り返される…いつになったら出られるんだ…。

 

 

「これはもうあれだな…修行じゃなくて処刑だな…」

 

 

 そう呟きながら力を操りながら拳を振るう、ぶち壊すために…。

 あいつらにお仕置きをするために…!

 

 拳を握り、腕を振り上げ、足で思いっきり踏み込み、灼熱というには生温い温度の大地に拳をぶつける…。

 

 

「しゃらお"らぁ"ぁ"ぁぁぁあああ!!!」

 

 

 拳が大地に触れた瞬間…気づいたら、元の世界にいた。

 

 俺の目の前にはのんきに本を読んだり、雑談したりしている男3人、イザナギ、龍哉、正太郎…。

 

 

「ハハハッ…久しぶりぃ…イザナギ、龍哉、正太郎」

 

「「「!?」」」

 

 

 まず手前にいた正太郎と龍哉の頭を両手で掴み、アイアンクローで掴む…。メキメキと音がする…。

 そこそこ力入れてるからなぁ…!

 そして全力で西の方角へ龍哉をぶん投げ、東の方角へ正太郎をぶん投げる…。

 

 逃げようとしているイザナギにそこら辺の石をぶん投げて頭に当てる…。

 

 

「ぐっ…ふっ!」

 

 

 イザナギが少し怯んだ瞬間、距離を詰め、腹部をぶん殴って北の方角へぶっ飛ばす…。

 いきなりのことで反応できなかった3人はあっさりと空の彼方へ飛んでいった。

 

 まあ、正直、俺が修行したいっていうから用意してくれただけなんだけどな…。正直あれはやりすぎだと思う…。

 

 

「さて…次だ」

 

 

 俺は陽炎のようにゆらゆらと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「龍桜、買い物行こうよ」

 

「うむ、そうだな…晴夢もいなくて暇だし行こうか」

 

 

 龍桜と買い物の行こうと言い合っていた清羅を見つけて気配を全力で消して、忍び寄る…。

 そして肩をとんとんっと叩く。

 すると、清羅はびっくりして俺の方を振り向き、そして驚く…。

 

 

「あ、あれ?まだ出てこられないはずじゃ…」

 

 

 そこまで言った瞬間、キスをして口を塞ぐ…。

 驚きに目を見開く清羅の顔がよく見える…。

 

 唇に俺のより幾分か暖かい柔らかい感触が伝わり、お互いの吐息を交換しているような錯覚を覚える。

 

 

 うん、隣にいるキスを見て真っ赤になってる龍桜ともども清羅も可愛いな…!

 

 そして俺は離れて、言う。

 

 

「お仕置きだ、ちゃんと反省しろよ?あれは流石にやりすぎだ。あと、生き残った自分へのご褒美も含まれてるけどな」

 

「え…?あ…う…」

 

 

 俺はそう言ったあと、とても動揺していて、声が出ていない清羅をと真っ赤になってぷしゅーっていっている龍桜を置いて、足に力をこめ、地面を思いっきり蹴る…。

 こんな勢いで蹴れば、本当なら地面にはクレーターができるだろうが、衝撃を捕食したので大丈夫だ。

 

 そしてついでに能力が使用できることを確認し…。

 

(能力が使用できるって素晴らしい)

 

 と実感する。

 ルーミア、あとは…碧緒か…そういえば、アマテラスは今は仕事中か…。まあ、また今度ゆっくりとからかってやるとしよう。協力した奴らはこいつらだ。

 

 問題がある…碧緒にキスしてもご褒美にしかならない…!

 じゃあ、どうする?

 

 まあ、いいや…お仕置きだけでなく、俺自身へのご褒美の意味も含まれてるし…。

 

 

 高天原をこんな上空から見つめるのははじめてだな…。風が気持ちいいし、下に広がる高天原が綺麗だ…。

 とか考えていると俺の体は重力に従って下に落ち始める。

 

 どんどん地面が近くなっていくし、滞空時間につれてどんどん落ちていく速度も上がっていく…。

 

 体に受ける風が気持ちいが、もうすぐ地面なので体制を建て直し、地面の方向に足を向け、衝撃を捕食してふわりと着地する。

 

 長年使ってなかったせいで、能力を多用してしまうな…。

 まあ、長年って思ったのは俺だけで、外にいた奴らにはそんなに立ってなかったと思うがな…。

 

 まあいい、というか、普通の重力が軽すぎて困る…戻ってきたときは力加減が下手になっちまうかと思った。

 

 まあ、力加減ミスるなんてヘマしないがな。

 

 

「取り合えず…見つけたぞ~ルーミア」

 

 

 俺は前を見てそう呟く…。

 断崖絶壁ともいえるようなところに平然と腰かけ、景色を見下ろしている金髪の少女…というか、イメチャンか何かわからんが、最近髪を伸ばし始めて、神がセミロングくらいになったルーミアだ。

 

 俺はルーミアの後ろに音もなく着地したので、気づれていない。

 

 

「ルーミア、これくらいのご褒美は貰ってもいいよな?」

 

 

 そうルーミアに声をかけながら後ろから抱き付く…。

 

 

「!?…せ、晴夢!?な、なにを…」

 

 

 俺は目を細め、微笑を浮かべながら耳元で囁くように言う…。

 

 

「俺あの世界から出るのに結構頑張ったんだぜ?少しくらいご褒美をもらっても罰は当たらんだろう?」

 

「あ…ぅ…」

 

「はっはっはっ!赤くなって可愛いなぁ」

 

 

 ルーミアの体は暖かくて、柔らかくて、ずっと抱きしめていたいくらいだが、そろそろやめておかないと、大変なことになりそうだ。

 可愛いねぇ…写真を撮って保存しておきたいくらいだよ。

 

 真っ赤になって俯いたままのルーミアから離れる…。

 

 

「あ………」

 

 

 離れた瞬間に少し残念そうな声をルーミアが言う…。

 俺はその声をはっきりと耳で聞き、優しい笑みを浮かべて言う。

 

 

「もっと抱き付いて欲しかったか?」

 

「………(コクっ」

 

 

 ルーミアは顔を赤くして頷く…とっても可愛い!

 まったく、からかいがいのある子だよ…。

 

 

「じゃあ、もう一回だ」

 

 

 俺はそう言ってぎゅっとルーミアを抱きしめる…。

 抱きしめられたルーミアはなぜか驚いていたが、おずおずといった感じで俺の腰に手を回して抱きしめる。

 

 ふむ…ルーミアのいい匂いがする。この時代はシャンプーとかないだろうに…なぜこんないい匂いがするのか…。

 まあ、いいか…。

 

 ああ…とても暖かくて、とても…とても華奢な体だ。

 この体に恐ろしいほど莫大な力があるとは思えないほどに…。

 

 

「今日はここまで、な?抱き付きたかったらいつでも抱き付いていいんだぞ?」

 

 

 俺はルーミアから離れながらそういう。

 ルーミアは顔を真っ赤にして、俯いていて、聞いているのかわからないが…まあ、取り合えずご褒美にはなった。

 

 アマテラスは今は仕事中だから…。

 

 最後に碧緒だな。俺はそう考えながら歩き出す。ルーミアは真っ赤になったまま固まっている。

 

 碧緒はどこにいるのかな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 高天原、なんだろうけど…長い間住んでたのにこんなところは知らなかったな…。

 そう思いながら歩く…。

 

 上を見れば蒼がある…当たり前のことだ、そうさ…。そこが空ならな。

 ここは洞窟の中だ。

 なんとなく、こちらに碧緒がいる気がしてこんなところまで来てしまった。

 

 ここにははじめて来たので、わくわくしたりもしている。

 この洞窟の壁は透き通るような蒼の水晶のようなものでできている…。おそらく、神力の結晶だろう。

 

 高天原ができてからずっと、神が放出し続けてきた莫大な神力を膨大な時間をかけて結晶化されたものだろう…。

 

 自然にできたものだからこそここまで美しいのだろうな…。そう考えながら歩く。

 

 自然にできる…というのは地球の意思が作り出したと考えられるだろう…。

 

 そして…地球の意思そのものだという、俺の愛しい人が目の前にいる。

 俺に背中を向け、ぼーっとしている。

 その背中に声をかける。

 

 

「碧緒。探したぜ」

 

「! 見つかっちゃった? まあ、隠れてたわけじゃないんだけどね」

 

 

 碧緒は微笑みながら俺を見る。

 碧緒は、洞窟の中の少し広間のようになっている空間の中心にいた。碧緒のいるところだけ、上から蒼い結晶がすけて光が差し込んでいて、とても幻想的だ。

 

 俺は歩いて碧緒のところまで行く。

 

 

「なんで探してたの?」

 

「そうだなぁ…あの殺す気満々の世界から生きて帰っていたことに対して、自分へのご褒美を与えるために…かな」

 

「そうだね、少しやりすぎちゃったかもね」

 

 

 あははっと笑いながら言った。その笑顔はとても可愛い。

 すぐ手の届く距離で、碧緒の目の前で俺は止まり、微笑んでから碧緒の耳元でそっとささやく。

 

 

「ご褒美をもらいに来たぜ?」

 

「! んっ……」

 

 

 そして、碧緒に優しく、だが少し強引にキスをする。

 突然キスされたからなのか、はじめは驚いたが、すぐに目を閉じてキスに応じてくれた。

 

 目の前には目を閉じた夢幻的といってもいいくらい綺麗な碧緒の顔が間近にある。

 

 柔らかく、女性的な柔らかさの感触が唇に伝わり、碧緒の香りが鼻の奥に潜り込んで来る…。

 

 少しの間、甘くとろけるようなキスをして、俺は碧緒から唇を離した。

 

 

 

 

 

 碧緒は嬉しそうに顔を綻ばせている。

 

 予想通り喜んでいる、まあ、自分へのご褒美だからな、碧緒へのお仕置きができないが…まあ、何をやっても喜ばれそうだから考えるだけ無駄だろう。

 

 

「それにしても、高天原にこんなところがあるとは思わなかった。長い間住んでたのにまだ見つかってない場所があるなんてな」

 

「そうだね、美しい場所だね…」

 

「お前の方が綺麗だぜ?意思がある分、比べようもないほどな」

 

「ははっ、ありがとう。僕も、晴夢に言ってもらってすごく嬉しいよ」

 

 

 俺と碧緒はそのまましばらく二人で洞窟の景色を眺めて過ごしていた。

 とても有意義で、楽しい時間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 晴夢さんご褒美とか言っといて好き勝手しただけじゃん!

 そしてみなさん!珍しく晴夢さんが努力しましたよ!暑いから出たいという欲望から努力しとんなりましたよ!

 これで晴夢さんも努力系主人公だね!(なわけねぇ
 

 というか晴夢さんが努力する話だったはずなのにほぼイチャイチャしてただけじゃねぇか!?

 どういうことだ!

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!

 次回はかなり時間を飛ばします、現在原作開始2500万年前ですが、原作開始5000年前まで飛ばしますぜ!
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