東方戦愛録   作:島夢

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 晴夢さんのリハビリ!戦いの勘を取り戻そう!

 サブタイの技、誰が使うんでしょうね?楽しみに見てください。予想が当たってたら自慢してください(笑)

 晴夢さんと鬼姫さんの愛死合です!とても愛に満ち溢れていて微笑ましいですね…。

 感想。ありがとうございました!

 ゆっくりしていってね!










90話 「三歩必殺!!!」

「最近、運動不足でいかんよなぁ…」

 

 

 ほとんど戦闘してなかったから、かなり鈍っているだろう、俺の強さ…。

 リハビリしなくちゃな…。

 

 ということで…。

 

 俺の目の前には着物姿の黒髪巨乳美人がいる。

 黒い着物は動きやすいように少し乱れていて、なのに美しいと感じる。そんな女性。

 

 

「晴夢!殺死愛(殺し合い)するのは久しぶりじゃのぅ」

 

 

 その女性…鬼姫は古風なしゃべり方で楽しそうに笑っている。

 

 

「ああ、そうだな、俺のリハビリに付き合わせちまって悪いな」

 

「いいのじゃ!晴夢と殺り合えるなど久しぶりじゃし、楽しみにしておったのじゃ!」

 

 

 俺は鬼姫の歓喜に満たされた、そんな言葉を聞きながら『霊力』で身体能力を強化する。

 鬼姫も妖力を開放し、俺と相対する。

 

 鬼姫の身が押しつぶされるような感覚を覚える妖力を感じていると、自然と口が吊り上がり、笑ってしまう。

 

 鬼姫も楽しそうな、子供のような無邪気な笑みを浮かべている。

 

 

「さぁ、存分に愛死合おうぜ(愛し合おうぜ)!」

 

「行くのじゃぁ!!」

 

 

 一気に距離を詰めた鬼姫はそのまま右ストレートを俺の顔面に打ってくる。

 顔を体ごと左に反らしつつ左足で蹴りを入れるが、手ごたえが全然ない。

 

 鬼姫の能力、柔と剛を司る程度の能力を使ったのだろう、衝撃がすべて外に逃がされ、手応えが感じられなかった。

 

 俺の蹴りが全然効いていないようで、そのまま左手を振るう、その拳は一切の躊躇なく、俺の顔面を捉えそのまま振り抜かれる。

 

 

「ガっ!?」

 

 

 顔を中心に円を書くようにクルクルと回りながら重さを感じさせない飛ばされかたでぶっ飛ぶ。

 飛んでいきながら鬼姫を確認すると、鬼姫は飛んでいく俺に地面を蹴って跳び、追いついて…。

 

 

「ふっ!!」

 

 

 腕を掴んで地面に叩きつける。

 おかしなほど大きな衝撃が背中に伝わり、喉の奥から生暖かい液体が押し寄せてくる…。

 こらえきれずに赤い液体を口から吐く。

 さらに、俺の背中が打ち付けられた地面はクレーターができる。

 

 

「そりゃぁぁぁああああああああああああ!!」

 

 

 鬼姫は地面のクレーターの中心に倒れている俺に上から踵落とししてくる。

 

 

「ッ!?」

 

 

 急いでガードしたが、ガードなんて関係ねぇと言わんばかりの圧倒的な力で両腕を粉砕され、そのまま顔に踵落としが炸裂した。

 

顔面はなんの抵抗もなくぶっつぶれた。

 

 

「…………」

 

 

 鬼姫は無言のまま距離を開ける。

 俺は両腕と顔を再生させながら立ち上がる。

 

 もう、本当に痛いなぁ…。というか、いくらなんでもこんだけ一方的にやられっぱなしってのもなぁ…。

 鬼姫の力が理不尽すぎるってことを忘れてたよ…。

 

 

「なんじゃ、晴夢。弱くなったのぅ」

 

「まあ…な」

 

「わしの惚れた男の強さじゃないのぅ…ちょっぴり、失望したぞ?」

 

 

 鬼姫はちょっとしょんぼりしている。可愛い…。

 だけど…惚れた女に失望されちまったか…。

 そうだな、そろそろ肩慣らしは終わりでいいかぁ…。

 

 今まで『霊力だけ』で身体強化していたのを『妖力』もまぜる。

 

 霊力の量が異世界から来た少年、『蒼翼 龍』に渡したせいで、かなり減っているから、身体強化もそんなにしっかりできていなかった。

 けれど、妖力による身体強化もプラスしたから、今なら…戦える。

 

 妖力の量が多すぎて少し漏れているが、別にこれくらいなら許容範囲内だろう、うん。

 

 放出される妖力を感じ取ったのか、鬼姫は嬉しそうに体をぶるっと震わせ、しょんぼりした顔の表情を一変させ、満面の笑みになる。

 

 

「惚れた女に失望なんてされたくないからな」

 

 

 話しかけながら意識を集中させる、鬼姫との戦いに必要なもののみに意識を限定させていく…。

 

 

「なんじゃ、手加減しておったのか? いや、そんなことはどうでもいいのじゃ!行くぞ?晴夢!」

 

 

 よし、準備は整った。妖力と霊力のみの身体強化で…全力で行く!!

 

 

「来いよ鬼姫!俺とお前の愛を確かめあおうぜ!」

 

「喜んでなのじゃ!」

 

 

 俺は拳を握り、鬼姫の攻撃を受ける準備をし、鬼姫は笑いながら距離を詰め、殴りかかってくる。

 

 

「アッハハハハハ!!」

 

 

 鬼姫は笑いながら握った拳を俺の顔めがけて力任せに振り抜く…。その拳をしゃがんで丁寧に避ける、避けた先には蹴りが待っていた。

 しゃがむ体制のまま上体を右にそらし、なんとか回避する。

 

 俺はその体制を利用して、下から突き上げるように掌底を腹部に放つ。

 直撃するが、やはり手応えがない。

 

 笑えない強さだぜ…。

 

 鬼姫は掌底を腹に受けながら拳を握り、俺の向かって振り下ろす。

 それを回避しつつ、反撃する。

 

 やはり効かない。

 

 また攻撃される、回避する、反撃する、効かない。

 

 それを繰り返し、どんどんどんどん早くしていく…。

 

 ドッ!! ヒュッ!! ゴッ!! パシッ!

 

 拳を振った時に空気が潰される音、速すぎて空気の影響を受けなかった拳の音、ガードなんて関係ないと言わんばかりの拳を振るった音、当たったのに衝撃が受け流された音…。

 

 そんな音が響くがその間にも拳はどんどん行きかっている、音が遅すぎて遅れている。

 

 

「ああ、鬼姫強いなぁ…強いなぁ!ああ!強い!!」

 

「晴夢もつよいのぅ!馬鹿馬鹿しいまでに強いのぅ!存外に強いのう!!」

 

 

 ギリギリのところをなんとか鬼姫の理不尽な力をなんとかし、拳の軌道を変えつつ反撃する。

 そんなのを何回も何回もする…一撃でも当たれば全身は粉々に爆発四散するだろう…。

 だがそれがいい!その極限状態が!その心身が研がれていくようなこの感覚がいい!

 

 そう思うと笑いがこらえ切れない…楽しすぎて笑ってしまう…!

 

 

「ク、クク、クッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

「楽しいのぅ!やはりこうでなくてはのぅ!戦いは!わしらの愛はこうでなくてはのぅ!!」

 

 

 鬼姫も楽しそうに笑いながらしゃべりながら攻撃してくる。

 

 鬼姫は右手の左肩狙いの掌底をそのまま何もせずに受け、柔の力で受け流しつつ剛の力を使った理不尽な力を持った拳を振るう。

 

 その攻撃を左手の掌底で横から力を加え、力の向きを曲げながら鬼姫の右肩にあてている右手でそのまま鬼姫の着物の肩の端を掴み、上にグッ!と上げつつ左手で鬼姫の振り切られた腕を掴み、背負い投げをする。

 

 だが、鬼姫の体が地面についた瞬間、力で体をねじ伏せられ、地面に転がる。

 

 って…これはやばい!

 

 

「これならば避けれんじゃろう?」

 

 

 マウントポジションをとられた…。

 

 俺のマウントを取ったのは鬼姫で二人目だな、一人目は碧緒だけどさ。

 なんて考えている場合じゃねぇ!

 

 どうだ?美女に馬乗りになられてるぞ?羨ましいか?

 

 とか調子に乗ることもできねぇわ!

 鬼姫にマウント取られるのがどれだけ絶望的か!わかるか!?

 

 

「そりゃあ!なのじゃ!!」

 

 

 可愛い掛け声でえげつない攻撃力の拳をマウントを取られてまともに動けない俺に連続で浴びせてくる鬼姫…。

 とても愛おしいがこういうときは「ああ、やっぱり鬼子母神だな」と思う。

 

 なんとか拳で受け、次の拳が来るまでに再生させつつ次の攻撃も受ける。

 

 

「ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!晴夢!すごいのぅ!この状況でも防げるのか!?流石じゃのぅ!」

 

 

 だが、だんだん再生が追いつかなくなってきて…腕がどんどんボロボロになっていく。

 しかも、この状態での俺は、避けているのではなく、受けているのだ。鬼姫は今、遊んでいるからそこまでの攻撃力ではないが、一撃でも本気で打ち込まれたら不味い…!

 

 だが、マウントを覆す方法は思いつかない…!

 

 

「まだまだ行くのじゃあ!!」

 

「できれば遠慮してほしいぜ!」

 

「駄目なのじゃ!本気で愛死合っているからこそじゃからな!」

 

 

 鬼姫の愛らしい、そんな残酷で無慈悲な声を聞きながら俺は咆哮する。

 

 

「お、おおぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 俺は鬼姫の攻撃を防いでいた右手の裏拳で思いっきり地面を殴る。

 その瞬間、一気地形が変わり、マウントをとっていた鬼姫ととられていた俺は一瞬だけ空中に投げ出される。

 

 マウントは地面に面していなけりゃ簡単に抜け出せる!!

 

 

「そう簡単には抜け出せると思わんことじゃ!」

 

 

 と思っていた瞬間が俺にもありました。

 空中で俺の右手の関節を極めた鬼姫はそのまま地面に落ちることで俺の腕をポキッ!と綺麗に折った。

 俺が折られたと認識した瞬間、背中に鬼姫の全力の拳が撃ち込まれる。

 

 その衝撃は完璧なまでに体内の内蔵どころか体そのものを破壊しつくす暴力そのものだった。

 

 

「ガッハ!?」

 

 

 血反吐を吐くどころか体にポッカリと穴が開いてしまった。

 めちゃくちゃ痛いし、体に穴が開いたのは久しぶりだからなんだか変な感じがするが…問題ない。

 むしろ懐かしい感覚のおかげで微笑が浮かぶ。

 

 体を再生させながら立ち上がる…。

 

 次は…そろそろ能力も使おうかねぇ…。

 

 

「さ~てと、鬼姫、その綺麗な姿にあんまり傷なんてつけたくないからさ…一撃で終わらすぜ?」

 

「やってみるがよい!それくらいできる男じゃからわしも惚れたのじゃ!」

 

「んじゃあ…防げたら鬼姫の勝ちでいいぜ」

 

「大した自信じゃのぅ!」

 

「自信じゃねぇよ、覚悟だ」

 

 

 男は女より強くなくちゃいけない、なんて考えはさらさらねぇ…。男は女を守らなきゃいけないとは思っているがな。で、女は男を支える、素敵な関係だと思わないか?

 

 まあ、それは置いといて…。でもまあ、やっぱり負けるのは悔しいからさ…。

 

 くだらねぇ誇りってもんを賭けてみようかなぁ…と思ってな。

 

 わけがわからない?そうかい、それでいいのさ。

 

 とりあえず、男としては自分の女に負けるのは悔しいし、正々堂々と戦って勝ちたい、でも自分は命が何個もあってずるいから、一撃で倒せば正々堂々になるんじゃないかなぁと思った。だから誇りを賭けるって意味さ。

 

 

「そうか、覚悟か…やはり面白い男じゃのぅ!晴夢!」

 

「行くぜ? 」

 

 

 意識を集中させ、右手に力を集中させる。

 

 

「一歩目で崩し、二歩目で撃ち、三歩目で必殺」

 

 

 俺は呟くようにそう自分に言い聞かせる。

 まずは…!

 

 

「一歩目!」

 

 

 崩す! 鬼姫との距離を詰めながら思いっきり踏み込む…!

 俺の能力で柔の力で受け流される力を捕食し、受け流すことができないようにする。

 

 もちろん、上に逃れることはできるが、空間がきしんでいるのはどこにいうようと関係はない、この崩すっていうのは空間ごと崩すって意味だからな。

 

 そして踏み込んだ衝撃で鬼姫の体制を崩す。

 

 崩す、成功!

 

 

「二歩目!!」

 

 

 撃つ!! 二歩目を思いっきり踏み込みつつ体制を崩した鬼姫の腹部に右拳を撃つ。

 

 能力で防御することを不可能にし、更に体制を崩された状態で放たれる攻撃。

 

 

「三歩必殺!!!」

 

 

 必殺!!! ここでさらにもう一歩踏み込み、深く右拳をえぐりこませるように放ちながら、相手の体の中に霊力、妖力、神力、そしてあとは不思議な力と捕食の力を送り込む。

 

 その膨大な量の力の激流で体の中で力による爆発が起こる…更に爆発で死んだ部分をすべて捕食で喰い荒らされ、再生もできなくなる…。

 というのが三歩目だが、これをやれば流石に鬼姫も危ないのでそこまでやらず、力を送り込むことはしない。

 

 腹部に拳を受けた鬼姫は力なくふわっと倒れそうになる…。

 俺はそれをしっかりと抱き留める。

 この体のどこからあんな馬鹿げた力が出るのか、不思議でたまらない。

 

 

「晴夢…やはりわしは晴夢に惚れて、よかったのじゃ…」

 

「そうかい、俺はそう思ってもらえる男になれたのか?」

 

「ふふふ…当たり前じゃろう? 晴夢は…わしのではなく、わし『ら』の惚れた男なのじゃから…」

 

 

 わし『ら』…ね。

 そうだな、こんないい女に惚れられたんだ、それが俺の自信の源…。

 本当に…、嬉しいことだぜ。

 

 鬼姫を抱きしめる手に少し力がこもる。

 鬼姫が ふっ と微笑を浮かべた。

 

 

「晴夢、久しぶりに暴れて、少し疲れた…少し寝るのじゃ…お休み…じゃ………すー…すー…」

 

 

 鬼姫はそのまま穏やかな寝息をたてはじめた。

 

 俺は鬼姫の耳元で穏やかにささやいた。

 

 

「お休み、鬼姫。いい夢見ろよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ということで、晴夢さん、初の名前ありの技です!

 三歩必殺…。のちに鬼姫に伝わり、そこから更に勇儀姐さんに伝わる伝統のある技になります(笑)

 一歩目で崩し、二歩目で撃ち、三歩目で必殺。

 特に三歩目がえげつない…。本編にも書いたように
 
 その膨大な量の力の激流で体の中で力による爆発が起こる、更に爆発で死んだ部分をすべて捕食で喰い荒らされ、再生もできなくなる。

 という技、実は耐久力とかそういう問題じゃない技ですね。
 内部で爆発が起こり、少しでも傷が出来ればその部分の死んだ細胞を食い荒らされ、まだ内部で続いている爆発でさらに傷を負わされ、そして細胞を喰われ…これが凄まじい速度で一瞬のうちに数え切れぬほど繰り返される。

 生きていても内部から完璧に一撃で喰らい尽くされる、耐えたとしても大ダメージは逃れられない。

 だけど晴夢さん、大概の場合は三歩目の『必殺』は危ないので踏み込むだけです。


 技の説明はここまでにしておいて鬼姫さんと晴夢さんの愛の確かめあいの仕方が独特ですね。
 でもとても仲がいいのだぁ…!

 次回はgblihtさんの作品、『二人の吸血鬼に恋した転生者』より、とある人?人たちかな?を招いてのコラボです!
 
 感想待ってます!

 次回も頑張って編みます!
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