倒壊エリア
爆豪「クソ、どきやがれ一つ目」
爆豪は歯噛みしていた。
今すぐにでも突如敵として現れた幼馴染に飛びかかり問いただしたいところであったが
切島「ぐあっ!」ガキンッ
目の前に立ち塞がるモンスターの前に苦戦を強いられていた。
切島「クソ、あいつの鉤爪めちゃくちゃ鋭いぞ、俺の硬化でもギリギリだ、気を付けろバクゴー!」
爆豪「見りゃわかるわ、そんなもん!」
見るからに殺傷能力の高い武器を目の前に近接攻撃を主とする二人は攻め手を欠いていた
少しでも踏み込みを誤れば致命傷は免れない、しかしこのまま消耗戦に持ち込んだところでモンスターにスタミナと言う概念があるかどうかは不明である以上得策とは言えない。
緑谷「フフフ、さあいつまでもつかな?」
切島「クソッこのままじゃジリ貧だ!」
爆豪「クソが!舐めんじゃねえ!!」
爆豪は個性で一気に距離を詰める
緑谷「相変わらず短気で、無計画に突っ込んできて・・・っ!」
マキュラは距離を詰めて来た爆豪に対し鉤爪で捕らえようと繰り出すが、
爆豪「おらっ!」BOOM!
爆豪はさらに爆破を行い勢いで急速に方向転換し、鉤爪を避けカウンターの蹴りを見舞う
マキュラ「!?」
蹴りを食らいぐらつくマキュラ、爆豪はそれを見ながら着地と同時に戦闘服の手に付いているピンに手をかけた
爆豪「人じゃねえし死んでも大丈夫だよなぁ!」
ドオォォォォオン
爆豪の現段階の最高火力による爆破攻撃
グオオオオオオォォォォ
断末魔を上げ朽ちていくマキュラ
すると崩れたマキュラの体から黒い球が現れた、それは即座に緑谷の中に吸い込まれていった、そして
緑谷「ウグッ・・・流石だね、かっちゃん。」
胸を抑え苦痛を漏らす。
切島「なんだ?急に苦しみだしたぞ?」
爆豪「どうやらあの化け物たちとあいつは完全に別れている訳ではなくやられればダメージが帰ってくるようだな」
緑谷「相変わらず、ただ暴れまわるだけじゃなく勘も鋭いから嫌になっちゃうよ。」
再び向かい合い二人、 しかし
ヒュンーーーー
緑谷「ガハッ!」
どこからか先ほどと同じ黒い球が緑谷の中に吸い込まれた
爆・切「「!?」」
パキッパキッパキッ
緑谷「ッ!?」
そして瞬く間に緑谷の下半身が凍りつき身動きが出来なくなる
切島「これは・・・・・・」
轟「悪く思うなよ墓守、いや緑谷?だっけか、」
そこには轟達、土砂エリアのメンバー達が集まってきていた。
砂糖「やっぱり轟の言う通り、墓守のところに通じていたな。」
峰田「よし、あの化け物達もいない!轟やっちまぇ!」
蛙水「まずは話を聞き出すのが先よ、峰田ちゃん。」
口田「・・・・・・・・・」
切島「お前ら、無事だったか!」
仲間の無事を喜ぶ切島、状況は完全に雄英生組に傾いたが
緑谷「あらら、ギル・ガースやられちゃったか、強いね轟君」
緑谷はなお余裕な表情をしていた
轟「そんな話はどうでもいい、聞きたいことは山ほどあるがまず優先するのはオールマイトを倒す算段とやらを聞かせてもらおうか」
爆豪「待てや半分野郎、俺の質問が先だ!おいクソデク!お前、なんで生きてる?そんでなんで敵側にいんだよ!しかも個性まで持ちやがって、てめぇは無個性だろ!?俺を騙してたってのか!?」
闇緑谷『ギャハハハハ、かっちゃんは昔から強引だね、いいよ幼馴染のよしみでおまえの質問から答えてやるよ。』
「「「「「「!!」」」」」」
爆豪と切島以外のメンバーも明らかな雰囲気の変わりように驚愕する、
爆豪「てめぇか、てめぇがデクをたぶらかしたのか!?」
闇緑谷『たぶらかすなんて人聞きの悪いこと言わないでくれよ。君が俺のある意味産みの親みたいなもんなんだから。』
雰囲気の変わった緑谷は尚も嬉々として語る
闇緑谷『一つ昔話をしてやるよ』
昔々、あるところに一人の少年がいました
少年はとても心優しく、誰かの苦しみや悲しみをまるで自分のことのように共感し手助けせずにはいられない性格をしていました。
そして少年はとても仲の良い幼馴染と共にある夢を抱きました。
"ヒーローになりたい"
しかし現実は残酷でした。
彼は4歳の時に無個性と診断されてしまいました。
それから彼を待ち受けていたのは地獄のような日々でした
あんなに仲の良かったはずの幼馴染は邪魔者とばかりに少年を貶し、辱しめ、いたぶり弱者の象徴として扱いました。
そして少年の両親は罪悪感でいっぱいになった心を隠して出来る限りの愛情を少年に注ぎました。
少年は両親の心づかいに気づきながらも持ち前の優しさでそれを感じつつも見てみぬ振りを続けました
しかし、日増しに減ることのない暴力と憐れみの気遣いに心はやがて限界を迎えたとき彼の個性が生まれたのです。
それが「二重人格」
彼の優しさを汚さぬよう彼の中に産み出されたもう一人の自分
そして10歳の誕生日、少年は誕生日に金の杖を授かりました。
その杖は人の心を正直にする力がありその力により、彼の隠していた思いが受け持ってくれていた人格が表に出てきてしまいました。
そして彼は気付きました、何故この気持ちを隠さなければならないのか、何故自分だけこんな思いをしなければならないのか!
気づいた少年は枷を壊し、檻を焼き捨て闇に消えていきました。
その後闇のなかで少年は自分の信念、目標の為には他の犠牲は厭わず、他人の死を、不幸を糧としていきる食人鬼≪グール≫として名を上げていくのでした。