ヒーロー科の生徒といっても一介の高校生である彼らにとって放課後というのは普通の高校生達となんら変わりなく待ち遠しいものだ。
厳しい倍率を勝ち抜き、ヒーローになるために訓練に明け暮れ、それでいて国立教育機関の受難に晒される(主に数名)そんな時間から解放され、各々が自由に青春を謳歌できる時間は貴重なものだ。
そんな放課後に雄英高校1-Aの生徒達は視聴覚室に集められていた。
ざわざわ
「なんだぁ?」 「あんたがあまりにもバカだから公開説教じゃない?」 「ウェイ!?」「ケッ、かったりぃな・・・」
ガラッ
相澤「すまないな、お前らの貴重な時間を取らして」
視聴覚室に入ってきたのは担任の相澤とミッドナイト、プレゼントマイクの三人だった。
相澤「お前らには今からある映像を見てもらう・・・。
だが一つ約束しろ、
決して取り乱すな。」
「「「「!?」」」」
そういうとスクリーンが下がってきて映像が映し出されるそこには
「やあ、みんな''僕が来た''」
全員に緊張が走る。
爆豪「くそが・・・。」
元クラスメイトが悠然と話す姿があった。
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ミッドナイト「っ!?・・・あらあら、マークされている
ミッドナイトは動揺を即座に抑えプレゼントマイクにサインを送りつつ挑発的に話し始める。
緑谷「すぐに感情に流されず冷静に次の手を打ちつつ挑発でこちらの出方を探る、さすがプロヒーローですね。ですが残念、今回は僕がリーダーのグールズとして元クラスメイト達に僕らが開催するゲームの招待にお伺いしました。」
ミッドナイト「ゲームの招待ですって?」
「認められないな、」
緑谷「おや、相澤先生。」
相澤「なんで罠とわかるものに参加させる?こちらにメリットがない、あいつらは年に一回のチャンスに向けて頑張ってんだ、今日の所は見逃してやるから帰れ、それが合理的だ。」
いまだミイラ男の姿の相澤が毅然とした態度で言い放つ、
緑谷「雄英体育祭ですよね、もちろんそれも考慮しています、というより1-Aのみんなだけに特別賞品を用意しただけですから。」
相澤「・・・特別賞品?」
闇緑谷『ああ、ある一人の生徒の命、呪いを解く方法とかでどうよ?まさか呪いに心当たりがないとか言わないよな?ミッドナイト!』
突然の指名に驚くミッドナイトだったが・・・
ミッドナイト「まさか、爆豪君!?」
敵連合の去り際に起きた攻防を思い出した。
闇緑谷『ご名答。俺は無駄なカードは使わない主義なんだよ!
さぁどうする!かっちゃんも見殺しにして俺と同じで事実を隠すかい?ヒーローさんよぉ!』
相澤は歯噛みした。
緑谷の言う通り、現在雄英高校から敵に裏切りが出たとは公表はなく休学と報道されている。
それは決して雄英高校単独の判断ではないにしても事実後ろめたい尾を引く形になってしまっていた。
相澤(ったく、だからあの判断は合理的じゃないと言ったのに・・・。)「わかった、話をつけてくる。ミッドナイト、奴を引き続き見張っててくれ。」
緑谷「聡明な判断、ありがとうございます。」
緑谷は満面の笑みを浮かべた
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緑谷「この間は楽しんでくれましたか?さすがプロヒーローを目指すだけあってみんな強いね、そんな君達に僕から特別賞品を用意しました。」
ジッ
爆豪「っ!?」
画面越しに目があう
緑谷「かっちゃん、さすがだね。薄々気付いているはずなのに表情に出さない、ましてや誰にも教えてないなんて呆れる位意地っ張りだよ。」
切島「バクゴー!?どういうこった?」
飯田「何があったんだ!?爆豪君!?」
爆豪「うるせぇ!騒ぐな雑魚が!・・・ケッ、クソデク、教えてやるよ。このアザがあるってこたぁまたてめえの方から殺られに来てくれるって確信があったからだよ。雑魚らしい回りくどいやり口だな。」
周囲の心配を払いのけ緑谷にガンを飛ばし言い放つ。
闇緑谷『ギャハハ、それでこそかっちゃんだ!』
峰田「ま・・・またあいつだ・・・・・・」
蛙水「ケロォ・・・」
愉悦の表情に顔を歪ませる緑谷、元クラスメイトはその姿に恐ろしいなにかを感じ取っていた
闇緑谷『じゃあ改めて賞品の説明だぁ!俺は今、爆豪勝己にある呪いをかけている、それを解かなければ体育祭後にあの世行き!かっちゃん優勝したらそれを解いてあげるよ。』
爆豪「はっ、何かと思えば優勝すればいいだぁ?
なに当たり前のこといってんだ!俺が優勝するに決まってんだろ、そんなもん!!」
クラス全員の前で堂々と優勝宣言、しかし爆豪勝己という男の実力を考えればあながち無謀な宣言とも言えない。
闇緑谷『そうだろうねぇ、これじゃあ余りにも面白くない。けどそこを面白くするのがもう一つの賞品だ。』
そういうと緑谷はカメラの撮影している位置から外れた、次の瞬間カメラが動く、
そこに映されていたのは・・・
ガタッ
「ね・・・姉さん・・・!?」
後ろ手で縛られ椅子に眠らされた女性
闇緑谷『見てる?最高傑作君。
君の大切なお姉さん轟冬美さんだよ。』
轟「てめえ・・・姉さんに何しやがった!!」
相澤「落ち着け!轟、言ったはずだ決して取り乱すなと、この手のタイプに怒りや焦りを見せるのは愚行だ。」
ツゥー・・・ポタ・・・
八百万「轟さん・・・血が、」
相澤に諭されなんとか理性を取り戻した轟だったが行き場をなくした怒りによって噛み締めた唇から出血していた。
闇緑谷『慌てんなよ、眠ってもらってるだけだ。轟君、お姉さんを助けたいなら条件がある、
君が優勝することだ。』
上鳴「なっ・・・!」
常闇「ムッ・・・!」
葉隠「それって・・・だって爆豪君の助かる条件も優勝なのに・・・」
全員がその発言の真意を理解する。だがだからといって容易に受け止めきれるものではなかった。
闇緑谷『そう、未来のヒーロー候補最有力二人で好きなだけ殺り合ってもらうデスゲーム、どうだい面白そうだろう?』
八百万「なんて非道な・・・」
青山「趣味悪すぎ☆」
闇緑谷『安心しな、二人以外が優勝したらどっちがほしいか選ばせてやるよ、大丈夫だと思うが万が一他のクラスの奴が優勝したらどっちもなしだ!
あとそこで聞いてるプロヒーロー共、余計な手を加えるなよ。わかった瞬間ゲーム終了だ!』
プレゼントマイク「SHIT!」
ミッドナイト「くっ・・・!」
敵からの先手を受け悔しさを滲ませる教師陣
闇緑谷『じゃあこれで話は終わりだ、当日、皆の頑張り楽しみにしてるよ。じゃーねー』
プツンッ
悪意のメッセージは終わりを告げスクリーンにはなにも映されなくなった。
視聴覚室には淀んだ空気と凄惨な戦いの始まりを告げられ動けない生徒達が残されていた