死柄木からの情報により保須市へとやって来た緑谷。
緑谷(さて、どうしたもんかね・・・。)
本来ステインは神出鬼没であり、最後に黒霧が転送したのが保須市であって彼がまだここに留まっているかの確証はない。
更に・・・
緑谷(雄英はそろそろ職場体験か・・・。)
雄英高校のヒーロー科は先の体育祭での結果を元にそれぞれがプロヒーロー事務所に職場体験に来ている。
この保須市にもいくつかヒーロー事務所があり、更に近隣地区にもそれなりに名の知れたヒーロー事務所がある。
緑谷(誰とも会わなけりゃいいけどね・・・)
そろそろ自分の情報が一部のプロヒーロー達に知らされている可能性がある以上慎重な調査を強いられるだろう。
しかし次の日
【ヒーロー殺し現る!!】
闇緑谷『新聞の見出しにでかでかと載ったもんだなぁ・・・。』
しかし、これでヒーロー殺しがまだこの町に潜んでいることは確定した。後はどうするか?
緑谷は深く思考を走らせる
緑谷(ん・・・?襲撃されたヒーローはインゲニウム!?)
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ピッピッピッ
機械音しか聞こえない病室のベットにプロヒーロー・インゲニウムはいた
飯田「兄さん・・・。」
職場体験で兄の事務所に来て、顔馴染みのサイドック達に引率されパトロール中に入ってきた一報
あんなに憧れた兄が凶刃の前に倒れた。
なんとか一命は取り留めたが・・・
「残念ですが・・・下半身に麻痺が残ってしまうでしょう。」
医師から告げられた残酷な宣告
飯田(ヒーロー・インゲニウムは速さが信条なのに・・・その足が動かないなんて!)
飯田は拳を握りしめた
飯田(許さない!許さないぞ!ヒーロー殺し!)
その瞳にはどす黒いエネルギーが満ち溢れていた。
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ヒーロー・インゲニウムが倒された事により危機感の高まりを感じたプロヒーロー達は先の雄英高校を襲撃した敵連合との関係も視野に入れ合同で捜索を決行すべく保須市に集まっていた。
そしてその中には飯田の姿があった。
本来まだ仮免すら取得していない学生を参加させるなどあり得ない話だが、彼の熱意と被害者が彼の兄という事で心情を察したヒーロー達が大人から絶対離れない事を条件に参加が認められたのだ。
「君の心中を我々が知ることはできない、しかし君もヒーローを目指すなら邪な思いを捨てて参加してほしい。君の私利私欲を満たすために参加させたわけではないのだからね。」
飯田「はい・・・。」
ヒーロー達が釘を刺すが飯田の心から復讐の火が消えることはなかった。
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緑谷(ヒーロー達が集まっているな。)
闇緑谷「ははっ、丁度良いな。これだけ役立たずが集まったんだ。盛大なパーティーを催さなくちゃ損ってもんだぜ。」
緑谷は携帯を取り出す。
闇緑谷「もしもし黒霧、ちょっと協力してほしいんだが・・・。」
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とある山奥
轟「ハアッ・・・ハアッ・・・。」
グラントリノ「よく頑張ったな、小僧。」
既に引退したヒーロー・グラントリノ
彼の元に職場体験に来ていた彼は初日から超スパルタ特訓を受け今ようやくその過程を終了したところだった。
轟「まだだ!俺は・・・俺はもっと強くならなくちゃいけないんだ!」
グラントリノ「ふん、そんなヘロヘロで何が出きる?そんな焦らんでも明日から次のステップへ連れていってやるわい。
職場体験らしく・・・敵退治にな!」
緑谷に借りを返さんと息巻く轟を制し告げるグラントリノ
しかし、そこには新たなる戦いの足音が迫っていた。
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捜索作戦決行当日
保須市は今、大混乱に陥っていた
「大変です!町を正体不明の怪物が暴れまわってます。その数三体!」
この一報により作戦は頓挫、そして
飯田「あれは・・・脳無!」
プロヒーロー達はオールマイトと互角に渡り合った敵連合の生物兵器[脳無]との戦闘を余儀なくされた。
飯田「なぜ奴がここに?やはりヒーロー殺しと敵連合は繋がっているのか!?」
ヒーロー達と共に一般市民を避難させていた飯田だかこの混乱によりはぐれて一人になってしまった。
そしてそこで出会ってしまった。
圧倒的な死の匂いを振り撒く存在に、
己の兄の未来を切り刻んだ元凶に、
飯田「ヒーロー殺し!!」
ステイン「ハアッ・・・全く今日は騒がしいな。」
その目は再び復讐という思念に囚われた。
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緑谷「始まったね。」
闇緑谷『ああ、これで倒してくれれば恩の字だし少しでもダメージ与えてくれればもうけもんだ。』
ビルの上で飯田とステインの戦いを見つめる緑谷
プロヒーロー達では逮捕されてしまい始末することができない。
そこで復讐に狂った飯田に目を付けた緑谷は黒霧に脳無を要請
プロヒーロー達と脳無を戦わせ敵連合との関係を見せつけ、また混乱に乗じて飯田とステインを鉢合わせにさせたのだ。
飯田が勢い余って始末すればそれでよし、ダメでも飯田に止めを刺した後の一息ついたところを不意打ちすれば良い。
更に
ダークジェロイド 星4 闇属性 悪魔族
攻撃力1200
守備力1500
効果
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、フィールド上の表側表示モンスター1体を選択する。そのモンスターはフィールドに表側表示で存在する限り、攻撃力は800ポイントダウンする。
かざしたカードから飛び出した6足の不気味な怪物の瞳がステインを捕捉していた
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ステイン(ハアッ・・・なぜだ?なぜこんなにも脱力感を感じるのだ?)
飯田(よし行ける!俺の力が通じているぞ!待っててくれ兄さん必ず敵はとって見せる!!)
一瞬見えた希望、実際は影で観ている緑谷の力によりステインが弱体化しているのだが・・・
互角のように錯覚してしまう攻防、しかし
飯田「ぐあっ!」
ステイン「ハアッ・・・少し時間が掛かったが、所詮はガキだ。」
錯覚してしまったからこそ、深追いして無闇に攻め急ぎ過ぎた飯田、対して海千山千のステインは自身の体の違和感を感じるや攻めかたをカウンター狙いに変更
まんまと術中にはまり切りつけられてしまった飯田
飯田「グウゥ、まだまだ、この程度の傷で俺は止まらんぞ!」
ステイン「いや終わりだ。」ペロッ
ガクンッ
飯田「なっ!」
ドサッ
どういうわけか飯田の体は完全に麻痺して動かなくなってしまった。
ステイン「ハアッ・・・お前のようなガキまでもが汚れた正義に毒されている。由々しき事態だ。」
飯田「なん・・・だと・・・!」
ステイン「この前の奴もそうだ。効率?チームプレイ?ヒーローが弱者を助けることに全神経を使わずしてどうする?弱者が群れた所で救えるものなどなにもない!」
飯田「黙れ!インゲニウムを・・・兄さんを侮辱するな!!」
ステインの言葉に激高した飯田は必死にもがくも・・・
ステイン「ハアッ・・・そうか、お前はあの偽物の弟か。しかし今のお前はその兄以下だ、只の復讐に囚われた獣だ。せめてもの慈悲だ、一思いに救済を授けよう。」
ステインは刃を取り出し止めを刺さんと歩み寄る。
飯田(くそ、動け!このままなにも成さずに死ぬわけには・・・。兄さんの仇をとるまでは!)
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ドガンッ! バゴン!
街中で暴れまわる脳無を確保する為にやって来たプロヒーロー達だか、オールマイトが苦戦しただけあり数の力でもギリギリの攻防を強いられていた。
「グハッ!?」
そんな中一人、また一人と傷つき倒れていくヒーロー達なんとか戦いながら回収出来て死者こそいないがそれも時間の問題のように思われた。
「うわああああ!?」
そして今まさに傷つき倒れたプロヒーローに止めを刺そうと拳を振り上げた脳無
そこに
シュイイイン ドガッ!
グラントリノ「ほれ!若いの!しっかりせんかい!」
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パキパキパキッ!
飯田を庇うように氷の壁が出現する
ステイン「ムッ!」
ボウッ!
そして氷の壁で出来た死角から炎撃が飛んできた
轟「やらせねぇ、俺は・・・皆を守るって決めたんだ。もう迷わねえ!」
飯田「轟君 !?」
ステイン「ほう・・・。」
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緑谷「轟君まで来たか、これはまだまだ見届ける価値がありそうだね。」
嬉々とした表情の緑谷
戦いは加速する。
己の意志を貫き明日を手に入れるのは誰か・・・。