ステイン「ハアッ・・・今日は来客が多いな。」
轟「飯田、大丈夫か?」
一旦距離をとるステイン、そしてその隙にクラスメイトを守るように前に立つ轟、しかし・・・
飯田「轟君・・・邪魔をしないでくれ・・・!」
轟「なに?」
倒れている飯田は唸るように拒絶の意思を示す
飯田「これは僕の戦いだ!僕が・・・インゲニウムの名を守る為の戦いなんだ!君は関係ない!」
ステイン「それこそが偽物の証・・・!」
轟が顔を向けるとゆらりと構えるステインの姿があった
轟「くっ!」
ステイン「名を守る?英雄が守るべきはまずは弱者でなくてはならん!己の保身を第一に掲げるなど愚かなり!」
ガガガガッ
轟が氷撃を放つも
ステイン「甘い!」
刃で切りつけられ破壊されていく
が・・・
ステイン(むぅ・・・やはりいつもより動きが鈍い。)
轟の炎と氷のコンビネーション攻撃を前に思考的には難なく避け続けてるはずがやはり謎の違和感によりギリギリになり上手く反撃に転じれずにいた
飯田「轟君! もうやめてくれ!君が危険に晒される必要はない、これは僕の戦「ふざけたこというんじゃねえ!」ッ!?」
轟「飯田、お前はこの前迄の俺と同じだ。自分に巣食う闇に囚われ大切なもんを見落としている。」
互いに決定打を撃てずにたまらず距離をとるステイン
轟「俺もまだまだ未熟者だ、決して胸を張って人様に言えるもんでもねぇ、でも俺は覚悟を決めたぞ。」
ステインが再び凶刃を手に飛びかかる
ステイン「シッ!」
轟「お前は何になりたいんだ!なりてぇもんちゃんと見ろ!目を逸らすな!!」
轟が氷撃を繰り出すも
轟「なに!?」
ステインはビルの壁を使い立体的動きで轟に迫る
ステイン「確かにお前の個性は強力だ・・・ハアッ、だが動きが大雑把すぎる。」
どれだけ強力な一撃を放とうとも初動でどこに撃つかわかれば脅威はない
ここに来ても戦いの経験値が立ち塞がった
轟「ッ!?」
轟も迎撃に炎を撃ち出そうとするも
ステイン(遅いッ!)
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ビルの上で高みの見物を決め込んでいた緑谷だが
緑谷「頑張るね。さすが最高傑作君!そんな君にボーナスチャンスだ。」
緑谷が二枚のカードをかざす
天使のサイコロ 速攻魔法
サイコロを一回振る。自分フィールド上のモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで出た目の数×100アップする
悪魔のサイコロ 通常罠
サイコロを一回振る。相手フィールド上のモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで出た目の数×100ダウンする
ボウン
エーイ ポイッ
ケケケ ポイッ
コロコロ ピタッ
かわいらしい天使と悪魔が手に持っているサイコロを振る
そして指し示した運命は
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ターボヒーロー・インゲニウム
僕の兄であり憧れだ。
自らの個性をフルに活用し、市民からの評判もよく、また余り陽の目を浴びない個性の人間を採用し場面に応じて最大限の効果を発揮させた。
柔軟な思考、分け隔てない態度、人望を集める人柄
オールマイトやエンデヴァー等のヒーローと比べると格下と思われるかもしれないが間違いないく僕の中でNo.1ヒーローだった
そんな兄はこんな顔をして人を救っていただろうか?
轟君は言っていた
覚悟を決めた、と
姉を囚われ戦いを強要され、今度は父が行方不明、
それでも立ち向かっている。
ヒーローとして、
助けを求める人の為に、
ッ!
そうだ、助けを求めている人が今目の前にいるじゃないか!
こんな時憧れの人はどうしていた?
そんなことは、
とっくの昔に理解している・・・!
DRRRRRRRRR!
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ステインが壁を蹴り轟に刃を振るおうとした瞬間、
ステイン「ぐぅ!?」
謎の違和感が更にまし空中姿勢が維持できなくなる。
轟「ウオオオオオォー!」
ボウッ!
炎の波がステインを襲った
ボカンッ!
勢いのままに壁に叩きつけられるステイン
ステイン「まだだ!まだ倒れる訳にはいかん!我が宿願、英雄回帰を実現するまで・・・ッ!?」
「レシプロ・・・バースト!!」
ドゴッ!
壁に叩きつけられて尚執念を見せるステインへ復活した飯田がフルスロットルで勢いのまま蹴りを見舞い駄目押しを食らわせる
ステイン「ガハッ!」
ドサッ
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屋上で一部始終を観ていた緑谷
ヒョイ ジャーネー
ヒョイ アバヨ
足元に転がる2つの[6]を出していたサイコロを拾い天使と悪魔は消えていった
緑谷「・・・・・・」
気付けば戦いの音は静まりを見せ始め、パトカーの近く音が聞こえてきていた。
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激闘を終えた二人の元にその後すぐプロヒーロー達がやって来た
勝手な行動をしたということでグラントリノやプロヒーロー達に軽くお叱りを受ける二人だったが巷で話題の[ヒーロー殺し]が伸びているとなって対応に追われてしまっていた
プロヒーロー達が対応に追われるなか轟と飯田は壁を背に座り込んでしまった
轟「・・・・・・。」
未だ戦いの余韻冷めやらぬ思考の中先程の戦いに思いを馳せ
飯田「轟君。」
ようとしたのもつかの間、隣にいた飯田に話しかけられた
飯田「礼を言わせてくれ、僕は・・・危うく兄さんの名前を守るどころか地に落としてしまうところだった」
轟「・・・別にそんな大層なことはしてねえよ。ただ俺の知ってるインゲニウムはそんな顔していなかったってことをお前に気づいてほしかっただけだ。」
戦いの時に見せていた激情は鳴りを潜め、普段のクールな印象に戻った轟が話す
「おーい、小僧ども。救急車で病院いくぞ。」
グラントリノの声が聞こえ立ち上がろうとするも
轟「・・・ッ!?」フラッ
飯田「おっと、」ガシッ
生死をかけた戦いから緊張の糸が切れふらつく轟を飯田は支えた
轟「すまねえ。」
飯田「構わないさ、それに・・・困ってる人を助けるのがヒーローだろ?」
爽やかな笑顔を見せる飯田に連れて轟も笑みを浮かべた
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「・・・・・・・・・」
「うひぃー、これがヒーロー殺しか。気絶しているとはいえおっかねぇな。」
「おい、プロヒーローがそんなんでどうすんだよ・・・。」
プロヒーロー二人が拘束されているステインの見張りをしているところに
「お疲れ様です!」
警察官が現れた。
「おお、お巡りさん。」
「すぐに別のパトカーも到着しますので先行して敵の搬送にお伺いしました。」
「ちょうどよかった。気絶している今の内に運んじゃってください。」
「ハッ、おい連れていくぞ。」
現れた3人の警察官はステインをパトカーに乗せて走り去っていった。
その後ステインを乗せたパトカーは数時間行方不明となる、
捜索後発見されたパトカーには警察官の姿はなく、白目を向き、意識不明のステインが発見された。
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闇緑谷『睨んだ通り、素晴らしい魂だ。これも最良の贄となるだろう。』
月下で一枚のカードを眺め少年は笑みを浮かべた
緑谷「もうすぐだ、審判の時は近付いている。
ステイン、教えてあげるよ。」
闇緑谷『今、この世界に必要なのは真の英雄ではない。』
『「神、だ。」』