千年ロッドに選ばれた無個性少年   作:遊人

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チキンレース

光の仮面「やってやる・・・やってやるんだな・・・」

 

うわ言のように繰り返す光の仮面

 

闇緑谷『では、始めようか。』

 

ブォン

 

再び透明の壁が現れ闘う二人以外は干渉出来ぬようにされる

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

峰田「うわっ!」

 

突然峰田と光の仮面の間に円卓型のテーブルが現れる

 

その高さに合わせ峰田の下の地面がせり上がる

 

闇緑谷『では、ルール説明を・・・ルールは簡単、今からこのスニーカーにコインを入れる。』

 

どこからともなく現れたのは赤いスニーカー

 

そこにコインが無造作に入れられていく

 

闇緑谷『それと・・・こいつだぁ!』

 

仰々しく取り出した小さな箱

 

透明なアクリルで出来たそれは容易に中で蠢くそれを認識できた

 

峰田「さ・・・(さそり)!?」

 

ザワッ

 

見守るメンバー達にも緊張が走る

 

闇緑谷『かわいいだろ?こいつをスニーカーに入れてと・・・』

 

カサカサカサ

 

スニーカーに入れられた蠍は暗がりを好むのか奥へと身を隠していった

 

闇緑谷『じゃあ、とっても簡単なルール説明だ。

 

これから交互にこのスニーカーの中に有るコインを取ってもらう。

 

蠍に刺されたらおしまい。それだけさ。』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

飯田「蠍だと!?」

 

切島「くそ、俺なら蠍の針くらいわけないのに・・・!」

 

口田「」サー

 

砂糖「口田!?しっかりしろ!」

 

先程の勇ましく立ち向かった様はどこへやら、蠍を見て顔を青くしてしまった口田

 

瀬呂「無事に帰ってこいよ。」

 

上鳴「こんなところで馬鹿話出来る仲間を減らすなんてごめんだからな!」

 

例え聞こえないとしても声援を送り続けるクラスメイト達

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

テーブルを挟み向かい合う両者

 

光の仮面「ヒヒヒッ、あの眼鏡とか赤毛の男とかが相手じゃなくてよかったんだな。」

 

明らかに峰田を見下している光の仮面

 

光の仮面「よ・・・弱いものいじめはカッコ悪いからな、お前に先行を譲ってやるんだな。」

 

峰田「・・・・・・」

 

光の仮面の挑発にも終始峰田は無言を貫いた

 

光の仮面「お・・・俺よりもチビで俺よりも冴えなそうな奴初めて見たんだな!ハハッ緑谷様からこのゲームを提案された時はどうなるかと思ったけど・・・お前みたいな奴が相手なんて、俺はついてるんだな!!」

 

段々興奮してきたのか愉快そうに声高らかに侮辱を吐き捨てる光の仮面

 

 

 

 

峰田「・・・・・・・・・言いたいことはそれだけかよ。」

 

スッ

 

光の仮面「へ?」

 

バッ

 

峰田「ほらよ、次はお前の番だ。」

 

スニーカーに躊躇無く手を入れ取り出した手のひらにはコインが確かに一つ握られていた。

 

光の仮面「なっ・・・・・・ッ!?」

 

峰田「あんまり、たらたらしたくねぇんだよ、早くやってくんない?」

 

光の仮面「な・・・舐めやがってこのチビが!!」

 

素っ気なくいい放った峰田の言葉に激昂する光の仮面

 

光の仮面「ふーっ、ふーっ・・・・・・はぁ!」

 

光の仮面もスニーカーから恐る恐るコインを一枚取り出した

 

峰田「・・・次はおいらだな。」

 

またしても躊躇うこと無く手を差し込みコインを取り出す峰田

 

その姿に緑谷も驚きを隠せない、そして何より驚いたのが・・・

 

闇緑谷(に・・・人形がまったく反応していないだとおぉ!?)

 

選ばれた時は泣きわめき負の感情を撒き散らしていた男が今、目前の命を賭けた戦いで驚異的な集中力を発揮していた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

瀬呂「あ・・・あいつすげぇ!」

 

上鳴「いっけーーーーーー!!」

 

飯田「すごいぞ峰田くん、完全に恐怖を克服したのだな!」

 

蛙水「かっこいいわよ、峰田ちゃん。」

 

 

先程までの態度と打って変わって堂々と立ち向かう峰田の姿に感動し勢いずくメンバー達

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

しかし・・・

 

峰田(ハァハァ・・・葉隠になんでも願い事OK・・・あんなことも・・・こんなことも・・・ウッヒョー!!)

 

 

 

当の本人の頭の中は煩悩で溢れかえっていた

 

しかし、その欲望へのストレートな情念が皮肉にも心に恐怖が入り込む隙間を消し飛ばしていた

 

 

もともと己の欲望にまっすぐな性格の峰田にとって今回のチャンスは破格であり千載一遇、すべての運をここで使っても構わないと言わんばかりの集中力だった

 

光の仮面「なんで・・・!」

 

ギリッ

 

峰田「・・・?」

 

光の仮面は小さく震えだし、拳に力を入れる。

 

光の仮面「なんでお前は!なんでお前はあんなに人に思われる!なんで・・・、なんでお前みたいな奴を心配して、励ましてくれる奴がいる!?」

 

『こっち来んな!』

 

『お前の個性マジで役立たずだな!』

 

『なに、あいつ?チョ~キモイんだけど?』

 

『チビが夢語ってんなよ。』

 

光の仮面「なんでお前の為に、そこまでしてくれる奴がいる!」

 

『あいつ?ないない、お金くれるって言われたって拒否するわ!』

 

『気持ち悪い・・・』

 

『ゴミが!邪魔だから引っ込んでろ』

 

『いやマジあり得ないんだけど、マジなんで生きてんの?』

 

光の仮面「お前みたいなヘタレで、対して強くもない個性の奴に!なんで人が集う!」

 

仮面をしていない方からは涙が見え、仮面のペイントが笑顔なだけにその悲しみがより引き立たせられていた。

 

 

峰田「・・・ははーん、さてはお前、学生の時イケてない奴だったな!」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

敵の地雷と思われるところを土足で踏み抜く峰田に驚きの表情を浮かべる一同

 

光の仮面「なんだとぉ・・・!」

 

峰田「おいらはなぁ・・・女の子にモテるためならなぁ、どんな努力も惜しまねぇ!いつか、いつかこの世の全ての女を好きに出来るようにあの手この手を日々磨いてんだ!抗ってんだ!!」

 

シーーーーーン

 

いきなりの宣言に緑谷すらも呆気にとられてしまう

 

峰田「今回は葉隠だけどな・・・いずれは八百万のヤオヨロッパイ!芦戸の腰つき!麗日のうららかボディ!蛙水の意外おっぱい! まだ見ぬB組女子!こんな果実達、味わあずに死ねるかってんだ!」

 

光の仮面「そ・・・そんなの無理に決まって「そこだよ!」っ!?」

 

峰田「今回だっておいらの夢の実現に向けて命かけて必死に戦ってんだ!命をかけるべき時なんだ!お前みたいに全部回りのせいにして逃げてる奴に、少しでも見えた光に命かけて手を伸ばそうともしない奴に!」

 

三度目になるや、即手をスニーカーにいれ

 

峰田「おいらは負けない!!」

 

コインを取り出しテーブルに叩きつけた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

突然の話に応援していたメンバーも少し呆然としていた

 

しかし、

 

上鳴「いいぞー!峰田ー!」

 

瀬呂「そういうお前のぶれないとこ、大好きだぜ~!」

 

八百万「・・・なぜでしょう?命をかけて緊迫した場面の筈なのに頭痛が、」

 

耳郞「気にしない方がいいよ、ヤオモモ。」

 

蛙水「相変わらずね、峰田ちゃん。言ってることは最低だけど・・・その姿勢は最高だわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

光の仮面「黙れ・・・黙れ、黙れ、黙れ!」グウゥ

 

己より格下と見下していた奴からの指摘に怒り狂い

 

光の仮面「黙れええぇ!」バッ!

 

峰田「いっ!?」

 

席から峰田に殴りかかろうとする光の仮面

 

しかし・・・

 

ビタッ

 

光の仮面「ッ!?!?」

 

闇緑谷『光の仮面。』

 

抑揚のない冷たい言葉が放たれる

 

 

闇緑谷『ゲームのルールは守らなくちゃダメだろぉ、なに勝手にルール破ってんだよ、興醒めじゃないか・・・』

 

光の仮面「いやっ、緑谷様、これはっ、そのぉ・・・」

 

一転して血の気が引いて青い顔になっていく光の仮面

 

 

闇緑谷『はぁ、光の仮面。

 

残念だけどルールを破ったものはペナルティを与えなくてはならない。』スウッ

 

緑谷は杖を手に取り光の仮面仮面に向ける

 

グググ・・・

 

光の仮面「緑谷様!?なにを・・・!?」

 

光の仮面の意思と関係なく体が動き始める

 

そしてその手はスニーカーの中へ押し込まれた

 

闇緑谷『言っただろ?ペナルティだよ、これから二十秒間コインをとれてもスニーカーの中に手を入れたままで居てもらう』

 

光の仮面「ひぃっ、緑谷様!!お許しください!!」

 

カサ・・・カサカサカサ

 

光の仮面「ヒイイイイイィィィィ!」

 

闇緑谷『光の仮面、ルールを感情に任せて破るような奴は組織に必要ないんだよ。』

 

冷めたく非情な表情で諭すように話す緑谷

 

 

カサカサカサカサカサカサ

 

 

光の仮面「お許じぐたざい!緑谷ざま!わだしがおろがでじだ、ごじひをどうがごしひを!!」

 

スニーカーの中で蠢く気配を感じとりながら半狂乱になって許しを請う光の仮面

 

そして

 

闇緑谷『時間だよ。』

 

バッ

 

体に自由が戻り急いで手をスニーカーから出す光の仮面

 

光の仮面「も・・・もうじわげありまぜんでじだ。」

 

謝罪の言葉をのべる光の仮面

 

闇緑谷『次から気をつけてくれよ、光の仮面。

 

けどまあ・・・』

 

光の仮面「ヒイッ!?」

 

光の仮面は改めて自分の手の甲に視線を向けた、そこで見たのは・・・。

 

 

闇緑谷『次があれば・・・だけどね。』

 

プスッ

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ・・・!」

 

 

屋上に悲痛な絶叫が響き渡った

 

 

 

 




sinと方界が強化されましたね。

遊戯王のボスキャラ達はなぜにあんなパワー強いのにクセまみれなデッキを使いたがるのですかね?

嫌いじゃないけど・・・
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