千年ロッドに選ばれた無個性少年   作:遊人

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我が身を盾に

屋上へ向かう前

 

切島「なあ・・・。」

 

切島が話かけた相手は・・・

 

八百万「どうされましたか、切島さん?」

 

これから決戦に向かわんとする中で切島は話を切り出した

 

切島「八百万ってヘリとかチャーターできたりするか?」

 

八百万「それは、出来なくもありませんが・・・」

 

上鳴/芦戸「マジで!?」

 

飯田「切島くん、一体なにを・・・」

 

あまりにそぐわない質問に飯田が問いただす

 

切島「闇緑谷(あいつ)と闘うのに、今俺らが切れる唯一つのJOKERを切るんだよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

闇緑谷『アハハハ、なるほど・・・確かにプロヒーローじゃないし、君なら確実にその誘いに乗るよね。

 

なんせ、僕がいるんだから。』

 

爆豪「よぉ、クソデク。

 

楽しそうなことしてんじゃねえか!

 

俺も混ぜろや!」

 

顔に張りついた表情は両者共に笑顔

 

しかしその裏にはそれぞれ色の異なる激情がうずまいていた。

 

切島「来てくれたか、バクゴー!」

 

飯田「すまない爆豪くん、状況の子細をあまり伝えていなかったが今の状況は・・・」

 

爆豪「黙ってろ、クソメガネ。」

 

爆豪は緑谷から視線を逸らさず一蹴した

 

爆豪「ようはあのデカブツぶっ殺せばいいんだろ?」

 

掌から小爆発を連続で起こし戦意を露にする爆豪

 

ヘルレイザー「ウヴヴ!?」

 

爆豪の不意打ちに怯んでいたヘルレイザーが体勢を立て直す

 

爆豪「俺がクソデクもろとも速攻でぶっ殺して来るからそこで指咥えて見てろや、雑魚ども!」

 

そこへ追撃とばかりに駆ける爆豪

 

飯田「一人じゃ無理だ!」

 

飯田が協力を促すも・・・

 

爆豪「なめんな!」

 

BOOM!

 

一人で攻撃を加える爆豪

 

しかし、

 

爆豪「なっ!?」

 

爆炎を切り裂き勢いを落とさず攻撃を仕掛けるヘルレイザー

 

 

闇緑谷『いいねぇ、そうだよ。僕に歯向かうものは刺し違えても葬り去る。

 

僕の下僕のあるべき姿だよ!』

 

凶刃が爆豪を襲うも

 

蛙吹「させないわ!」

 

爆豪の腰に蛙水の舌が巻き付き引き下げた

 

爆豪「ぐあッ!」

 

ヘルレイザー「グオッ!?」

 

対象が不意に消えたことにより動揺が走る

 

その隙を逃さず

 

芦戸「てえーい!」

 

青山「くらえ☆」

 

強酸とレーザーを浴びせる

 

流石に避けきれずダメージを受ける

 

爆豪「テメぇら邪魔すんじゃねえ!!」

 

 

自分一人で決着をつけるべきと息巻く爆豪だが突然の援護に逆に苛立ってしまった

 

そこに

 

麗日「テイッ!」ビシッ

 

麗日の手刀が炸裂する

 

爆豪「ってぇ!何しやがる丸顔!!」

 

麗日「いつまで一人で戦う気なん!?」

 

怒る爆豪を上回る熱量で、捲し立てる麗日

 

飯田「爆豪くん、君とあのヴィランの間に浅からぬ因縁があるのは承知している、しかし僕たちもまた彼に既に因縁ができてしまっている。時間の差はあれど目指すものが被っているなら協力したほうが合理的だと思わないかね?」

 

闇緑谷『敵の眼前でおしゃべりとは余裕だね。』

 

ヘルレイザーがその集まりに突撃するが

 

常闇「行け、ダークシャドー!

 

先程の借りを返してやれ!!」

 

「マカセロッ!!」

 

常闇の個性ダークシャドーが迎撃する

 

爆豪「テメぇら、」

 

切島「委員長、相澤先生みたいになってんぞ。」

 

切島は爆豪の肩に手を置いた

 

切島「ようは俺らもあいつを止めたいんだ、だからバクゴー、協力してほしいんだ。お前ならそれくらい大丈夫だよな。」

 

上鳴「そうそう、いくらお前がどぶを煮込んだような性格でもその才能ならできるだろ?

 

あれ⁉️もしかして才能マン爆豪の唯一つできないことなのか?」

 

爆豪「黙れアホ面!出来るに決まってんだろ!協力し殺してやるわ!」

 

常闇「そろそろもたないぞ!」

 

「ツカレテキタ・・・」

 

話がまとまったところでダークシャドーとつばぜり合いを退けたヘルレイザーが突進してきた

 

飯田「避けろ!!」

 

その言葉を合図に散らばる一同

 

爆豪「チッ、意外と素早いな!

 

おい、ブドウ頭!あいつをお前の個性で動き止めれねえのかよ!?」

 

峰田「おいら一人じゃ無理だよ!第一投げたところで武器振り回されて風圧でやられちまうよ!」

 

「なら、俺も協力するよ。」

 

上鳴「せ・・・瀬呂!?

 

だ、大丈夫なのかよ!!」

 

瀬呂「なんとかね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

葉隠「爆豪くんも来てくれたんだ!」

 

爆豪の登場により希望を見いだした葉隠達だったが

 

葉隠「そ・・・そんな・・・。」

 

爆豪をもってしても決定機を見出だせないという現状に心に影が落ちる

 

すると

 

バキバキ

 

それに反応する人形

 

瀬呂「くそ、俺も参加できれば・・・

 

爆豪の一発叩き込む隙くらいなら作れるかも知れないのに・・・」

 

己の腕を憎たらしく思い嘆く瀬呂

 

それを見ていた葉隠は

 

葉隠「瀬呂くん、いたいかもしれないけど我慢してね」

 

そう告げるや

 

ガシッ

 

葉隠「ふんンンンン~~」

 

瀬呂「お、おい、葉隠何を・・・!?」

 

 

葉隠「テェイ!!」

 

バッ

 

瀬呂の体に貼りついていたカードを無理矢理に引き剥がした

 

瀬呂「うおっ!?」

 

その瞬間スパークのような発光が起き三人の目が眩む

 

瀬呂「う~ん・・・」

 

閃光に眩まされた視界が取り戻されていくなかで瀬呂はある変化に気づく

 

瀬呂「な・・・治ってる!

 

すげぇぞ葉隠一体どうやって・・・。」

 

そこまで言って瀬呂は葉隠に目を向け絶句した。

 

そこには先程まで浮いているようにしか見えなかった服に誰かが袖を通している姿があった

 

葉隠「・・・よかった。

 

あ・・・ごめんね、こんな醜い姿で」

 

カードの効果により個性を上書きされた葉隠の姿は虫に侵食され醜悪な容姿へと変貌させられていた

 

瀬呂は言葉をグッと飲み込み自身の着ていた上着を葉隠に被せる

 

瀬呂「俺ので良ければ使ってくれ、すぐに戻してやるから。」

 

普段は見えないが恐らく元は美人な筈の葉隠の初のお目見えがこれでは余りにも惨いと気を効かせる瀬呂

 

瀬呂「口田!俺たちはなにも見ていない、いいな!!」

 

口田は力強く頷いた

 

それを見た瀬呂は 口田に葉隠の守りを託し戦線へ駆け出した

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

闇緑谷『誰が来ようが関係ない!全員仕止めてしまえ!』

 

緑谷の声に反応し攻勢に出るヘルレイザー

 

しかし、

 

瀬呂「俺だってやりゃ出来る奴なんだよ!!」

 

個性のテープを武器に巻き付け攻めを封じにかかる

 

瀬呂「ぐぅううう!!」

 

しかしヘルレイザーの力は強く振りきられそうになるが

 

飯田「加勢するぞ!瀬呂くん!」

 

障子「俺もだ!」

 

砂糖「フンッ!!」

 

 

1-Aを代表するフィジカルメンバー達の加勢により武器攻撃が止まる

 

瀬呂「峰田、いまだ!」

 

峰田「おうよ、食らえ!

 

グレープラッシュ!!」

 

無数のもぎもぎが引っ付きヘルレイザーの機動力を奪っていく

 

そこへ、

 

ジュアッ

 

ビュン

 

ドガガガガガ

 

ヘルレイザー「グアアアア!」

 

強酸、レーザー、マシンガンと立て続けに当てられ苦悶の声をあげるヘルレイザー

 

切島「あと一息だ!」

 

爆豪「今だ!俺を浮かせ丸顔!」

 

麗日「エイッ!」

 

こちらの勢いに怯んだ隙を逃さず止めの一撃を加えるべく麗日の個性で浮かび上がる爆豪

 

しかし、

 

ヘルレイザー「ッ!」

 

上から攻撃されるとわかったヘルレイザーは武器から片手を離し爆豪に振りかざすが

 

上鳴「上ばかり見てちゃ危ないぜ!」

 

バリバリバリバリ

 

いつの間にか足元に忍び寄っていた上鳴がヘルレイザーに触れ個性を発動

 

強力な電気がヘルレイザーの身を焼く

 

ヘルレイザー「グオォ・・・」

 

耳郞「今だ!」

 

蛙吹「爆豪ちゃん!」

 

個性の使用により頭がショートしてしまった上鳴をヘルレイザーから引き離しながら二人が叫んだ

 

そして皆の思いも重なった千載一遇のチャンス

 

爆豪は

 

「くたばれ!榴弾砲着弾(ハウザー・インパクト)ー!!」

 

自身の現段階の最高火力の技を叩き込んだ

 

すると辺りに爆風が発生

 

瀬呂「うわっ!」

 

飯田「爆豪くんはどうなったんだ!?」

 

切島「バクゴー!!」

 

すると、

 

BOOM

 

爆豪「うるせぇ、生きとるわクソが!」

 

煙の中から飛び出してきた爆豪の姿に安堵の息が漏れる

 

爆豪「それよりも・・・まだ終わってねえだろ!」

 

煙の晴れた先には

 

ザアアアアァァァ・・・

 

光の仮面「・・・・・・」

 

闇の仮面「・・・・・・」

 

先程まで暴れていた怪物は砂となり消え、元いたところには二人の男が倒れているだけとなった

 

そしてその奥、

 

闇緑谷『やるじゃないガッ・・・』ゴポッ

 

胸をおさえ血を吐く緑谷の姿があった

 

尾白「う~ん・・・ハッ、ここは・・・?」

 

切島「尾白!!」

 

常闇「今度こそ大丈夫だろう、行けダークシャドウ。」

 

拘束され柵の向こうに立たされていた尾白を安全地帯連れ戻す

 

そして・・・

 

葉隠「ううっ!?」

 

口田「葉隠さん!?」

 

寄生されていた姿が徐々に透明へと変わる葉隠

 

葉隠「・・・治ったみたい、ありがとう口田くん。行こ、みんなの所へ!」

 

 

 

闇緑谷『ハアッ・・・ハアッ・・・!!』

 

肩で息をし苦悶の声を漏らす緑谷の前に

 

爆豪「偽物のてめえに用はねえ!あいつを出しやがれニセデク!!」

 

かつての幼なじみが対峙した

 

闇緑谷『・・・フフフ、相変わらず気にくわない奴ただ!』

 

緑谷「そんな君が、大っ嫌いだったよ・・・。」

 

緑谷の纏う雰囲気が変わる

 

しかしその目に浮かぶ憎しみの色は褪せることはなく鈍く光っていた

 

爆豪「そうかい、だったらよ・・・俺だけに喧嘩売ってこいや!」

 

緑谷は目を細めた

 

 

緑谷「は?君は、何を・・・?」

 

爆豪「ッ!てめえが(そっち)に居んのもこいつら狙うのも・・・全部俺が発端だろ!

 

・・・俺だってなぁ、あのときの事を許してくれなんて言わねぇよ!でもなぁ!テメぇの落とし前はテメぇでつけてやる!

 

俺だけを狙ってこい!俺の命を賭けててめえを止めてやる!」

 

爆豪の悲痛なる決意

 

しかし・・・

 

緑谷「プッ・・・クククッ・・・アッハハハハハハハハ!」

 

爆豪「ッ!?」

 

堪えきれなかったかのように声をあげ笑う緑谷

 

切島「テメェ!」

 

爆豪の思いを無下にするような態度に切島が怒りを露にするも・・・

 

緑谷「君がそこまで自惚れているとはね、余りにも滑稽だよ。

 

君の命?そんなものだけでこの霧は晴れないよ。

 

僕の大いなる野望、その道にたまたま躓きそうな小石が転がってたから、どかそうとしたまでのことさ。」

 

「「「「「「「!!!?」」」」」」」

 

ボウッ

 

痛烈な宣告に衝撃が走った時

 

緑谷の回りに彼を守らんとするかの様に炎の壁が現れた

 

緑谷「そろそろ迎えが来たようだ。」

 

麗日「まッ・・・!」

 

蛙吹「危ないわ!お茶子ちゃん!」

 

引き留めようとする麗日を抱きついて身を挺して止める蛙水

 

緑谷「今日の所はさよならだ、けど覚えておくといい!

 

新たな秩序と混沌を創世する、偉大なる神の誕生の日は近い!

 

かっちゃん、いや・・・爆豪勝己!

 

昔の(よしみ)で君はその神に粛清される栄誉ある第一号にしてあげるよ!」

 

そう言うや緑谷は駆け出し、フェンスから身を投げ出していった

 

その行動に悲鳴が上がるが・・・

 

ボウウウウッ

 

突如として襲来した火の玉が緑谷を拾い上げそのまま飛び立ってしまった

 

そしてその場に残された1-Aは確信した

 

USJを越える何かが近いうちにまた自分達の身の回りに降り注ぐと・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とあるバー

 

キィ バタン

 

黒霧「おかえりなさい、死柄木弔、大丈夫でしたか?」

 

死柄木「は?」

 

黒霧がテレビを指さす

 

そこに映っていたのは

 

つい先程まで仕事で赴いていたショッピングモールで身元不明の凶悪なヴィランが出現したとの報道が流れていた

 

死柄木「あいつめ・・・また勝手に面白そうなことやりやがって。」

 

その目は嬉々と輝いていた

 

「死柄木、」

 

モニター越しに声がかかる

 

死柄木「先生!見てくれよ、あいつまた面白そうなことしてるぜ!次は俺の番だ!もっともっとすごいことをやってやるぜ!」

 

その姿を見たAFO(オール・フォア・ワン)は内心少し焦りを覚えてた

 

自身の凶悪なる意思を継ぐ後継者として育成を続けていた死柄木だがここに来て成長の度合いが芳しくないと思っていた

 

AFO(あと一皮か二皮ぐらいは剥けてほしいものだけど・・・

 

難しいところだからね、焦って手を誤ってしまうことが一番良くない)

 

しかし悠長にしていられないのもまた事実

 

AFO「死柄木弔、君に一つ話しておくことがある・・・。」

 

打つべき手は全部打っておく

 

AFOもまた己が思い浮かべる未来に向けて歩を進めていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

パンドラ「ご無事で何よりです、緑谷様。」

 

緑谷もまた自らの隠れ家に到着していた

 

緑谷「光の仮面と闇の仮面やられちゃったよ。」

 

やれやれといった感じで首を振った緑谷

 

パンドラ「まあ彼らはもう十分仕事をしました。ここらが切り捨て時だったのでは?」

 

緑谷「そうだね、これを手にいれたのは彼らの尽力あってこそだし。」

 

エンデヴァー「・・・・・・・・・」

 

遺言の仮面 通常魔法

 

①このカードをデッキに戻しシャッフルする

 

②このカードが「仮面魔獣デス・ガーディウス」の効果で装備されている場合そのモンスターのコントロールを得る

 

 

 

 

仮面魔獣デス・ガーディウス

 

効果

 

このモンスターがフィールドから墓地に送られた場合、相手フィールド上の表側表示モンスター1体を対象に発動できる。デッキから「遺言の仮面」1枚を装備カードとして対象のモンスターに装備する

 

 

 

 

 

緑谷は隠れ家の自室に戻り死柄木から受け取ったアタッシュケースを開けた

 

緑谷「また一つ、」

 

 

闇緑谷(ああ、進んだな。)

 

中には眼の模様があしらわれた金の首飾りと天秤が入っていた

 

 

 

悪の糸は知らず知らずと張り巡らされ平和に見える日常の中に確実にその模様を編み上げていた

 

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