千年ロッドに選ばれた無個性少年   作:遊人

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H―ヒートハート

降り注ぐ灼熱

 

真夏の太陽がギラギラと大地を焼く中

 

ショッピングモールでの激闘をを乗り越えた雄英高校の卵達は今・・・

 

「ぬああああ!!」

 

「ヒイイイイイイ!!」

 

「ウウウウウウウウ!!」

 

「クソがアアアア!!」

 

阿鼻叫喚の中にいた。

 

 

夏休みを利用しての強化林間合宿

 

来るや否や森の中に放り出され獣の姿をした土人形達に追いかけられながら駆けずり回り

 

次の日は日の出と共に一日中個性の上限を伸ばす訓練

 

更に補習組はそこから睡眠時刻ギリギリまで補習というハードスケジュールが組まれていた

 

王道なき成長への唯一の近道を全力疾走中の1-A一同

 

それを見て

 

鉄哲「気合い入ってんなぁ!A組の奴ら!」

 

拳藤「うちらも負けてられないな!だから・・・いつまでも睨んでんじゃないよ!物間!」

 

その姿に自分達も奮起しようとする1-B組メンバーの中に嫉妬の眼差しで睨んでいた物間

 

物間「フンッ、わかっているよ!すぐに追い抜いてやるからな、待ってろA組め!」

 

そんな物間の恨み節などまるで聞こえないほどに

 

A組は追い込まれていた

 

散々悲鳴や怒号が飛び交うなか

 

爆豪(次こそが決着の時だ!待ってやがれクソデクがぁ!)

 

轟(もっと強くなるんだ!もう二度大切なものを傷つけないためにも!)

 

麗日(こんなところで負けてられへん!)

 

尾白(自分の失態は自分で取り返す!)

 

常闇(更なる高みへ!)

 

八百万(いついかなるときにも対応できてこそ一流ですわ!)

 

瀬呂(情けないとこばっか見せて終われねぇよ!)

 

ヒーローになるそして緑谷出久との因縁に早々に区切りをつけるべく全員の頭のなかは貪欲な向上心が燃え盛っていた

 

相澤「・・・・・・・・・。」

 

「気合い入ってるわね、今年の一年達は。」

 

それを見守る相澤に今回の合宿の協力者である山岳救助をメインに活動しているヒーローチーム、ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツのリーダー・マンダレイが声をかけた

 

虎「うむ、例年にない信念の様なものを感じる、鍛えがいがある!」

 

ピクシーボブ「若いってのはいいわね。」

 

ラグドール「ははは、ピクシーボブ目が遠いところ向いてるよ。」

 

相澤「これくらい乗り越えてもらわなければ困る、それほどこいつらは厄介な奴との戦いに巻き込まれてしまっている。」

 

その言葉に暗い沈黙が流れる

 

敵連合の情報はもちろん、緑谷出久のことも四人は聞かされていた。

 

相澤「こんな状況下で今回の合宿に協力してくれて感謝している。雄英高校を代表して礼を言わせてくれ。」

 

マンダレイ「よしてよ、水くさいわね。」

 

虎「うむ、若人達の夢に手を貸すのは先を歩む者の務めよ。」

 

その言葉に再度感謝の念を送り相澤は林間合宿の前の事を思い返していた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

轟を除く1-A組が緑谷出久を退けた次の日

 

雄英高校は緊急会議が設けられていた

 

塚内「えー、では今回の事件で捕らえた2名の身元についてですが・・・」

 

今回の騒動は報道こそされたが緑谷出久については公にはされていなかった

 

というよりはそもそも緑谷出久というヴィランの存在が公表されていないためしようがないというのが現状だった

 

 

雄英高校側としては世間の注目が集まっていない内に緑谷出久及び彼が率いているというグループ "グールズ"との決着を着け雄英高校の信用失墜の火種を消し、敵を敵連合(ヴィランれんごう)一本に絞っておきたかった

 

その為にも今回捕らえた緑谷出久の部下と思われる男たちの調書は必要だと判断され、また今後の予定等の変動もかねて今回の会議は開催された

 

塚内「現在、蠍に刺された一名は治療中でなんとか命を取り留めましたが経過の観察が必要なため話をすることことができませんでしたがもう片方からは話を聞き出すことができました。」

 

塚内は報告を始めた

 

塚内「闇の仮面と名乗っていた男は都内で2年位前から行方不明になっていた20代後半の男で個性は触れた紙を黒くしてしまうというもので学生時代は周囲から嘲笑の対象として孤立、会社に入っても似たような境遇から抜け出せていなかった模様です。」

 

オールマイト「その心に生まれた隙間を緑谷出久は利用したと・・・。」

 

塚内「はい、彼に従っていたときの具体的な内容までは覚えてないようでしたが深い幸福感、優越感を常に感じていたと語っています。」

 

根津「想像以上にまずい状態だね。」

 

どの世界も平等を唱えながらも人も所詮は動物、弱肉強食のカーストが存在している

 

しかしそんなカーストをひっくり返してしまう術を緑谷出久は手にしている。

 

それはつまり・・・

 

根津「彼の戦力は我々より多く、そして調達も容易・・・これからの戦いは厳しくなりそうだ。」

 

 

 

今の自分達を羨望の目で見てくるもの達が力を授かり復讐者として向かってくる

 

ゴクリと唾を飲む教師一同

 

塚内「そして、オールマイトも耳にしたことがあると思いますが、緑谷出久が度々口にしていた神という言葉ですが、」

 

オールマイトは眉間にシワを寄せた

 

塚内「詳しいことはわかりませんでしたが緑谷出久が目指す世界の原点(オリジン)となる力だと語っていたと、そこだけは鮮明に覚えていたそうです。」

 

その他の報告を一通り終了したあと会議室はこれからの戦いに向けて張り詰めた空気が流れた

 

 

根津「見えないものに怯えてもしょうがない、さて次は見えている控えている問題を解決していこう。」

 

相澤「はい、では控えている林間合宿ですが・・・」

 

ヒーロー科恒例の強化林間合宿

 

しかし、

 

ミッドナイト「この状況下では中止も検討しなくてはならないわよね・・・。」

 

USJの二の舞は避けなくてはならない、だが

 

プレゼント・マイク「だからって、なにもさせないのはマジィと思うぜ。」

 

根津「そうだね。彼らを危険から遠ざけることだけが彼らの為になるとは限らない。」

 

結局話し合いの末、林間合宿は行われることが決定した。

 

ただし

 

一、場所は例年の場所から変更、変更先は外部及び生徒にすら非公開その他の情報も非公開の徹底

 

一、襲撃等の緊急時対策のヒーローを確保及び、待機場所などの体制整備

 

一、担任教師2名には最終手段として生徒の個性使用の許可を出すことの権限を付与

 

 

 

「校長!ちょっと待ってください!!」

 

会議終了後オールマイトは根津に問い詰めた

 

オールマイト「なぜ私は林間合宿に不参加なのですか!!」

 

相澤「落ち着いてください、オールマイト。」

 

そう、今回の林間合宿はオールマイトは帯同せず、さらには緊急時に動員するヒーローのリストからも除外されていた。

 

根津「それについては先程の会議で話したはずだよ。」

 

敵の狙いの一つにオールマイトがいる。

 

ならばオールマイトがいること自体が生徒達を危険に巻き込む可能性が高い

 

オールマイト「しかし、A組の子供達は既に私の息のかかったもの達と見られています。なればこそ、私も帯同し危険から守らなくては!」

 

それもまた懸念事項の一つだった。

 

今回の緑谷出久の襲撃のように1-A単体が狙われることも十分に考えられる

 

根津「それでもだオールマイト、君のその誠意は嬉しく思うが君はこの高校の教師である前に平和の象徴なのだよ。そんな君を今の世間の状態で連れていくことはできない。」

 

敵連合の報道や名前こそ公にされていないが緑谷出久という悪の存在やNo.2ヒーロー、エンデヴァーの行方不明など世間を揺るがすニュースが立て続けに起きて尚、平穏な日常を保てているのは他のヒーロー達の頑張りもあれどやはりオールマイトという存在が大きい

 

根津「現に君も感じていると思うが犯罪率は微弱ながら上昇傾向にある。ここで君が平和の象徴という役目を放棄すればどうなってしまうか、君もわからない訳ではないだろう?」

 

オールマイト「・・・わかり・・・ました。」ギリッ

 

相澤「・・・・・・。」

 

こうして林間合宿のオールマイトの不参加が決まった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

薄暗い路地を一人の少年

 

やがて目的地に着きその扉を開ける

 

緑谷「まったく、急に呼び出して今度はなにを・・・。」

 

トゥワイス「よお。」

 

扉を開けると中には見知った顔があり、その後ろから

 

「君が緑谷君ですか!?かっこいいですね、早速切らせてください。」

 

物騒な事をいい放ちナイフを出す女子高生と

 

「あら、確かに良さげな子じゃない、これでまだ伸び代がありそうだわ。おネエさん羨ましわ。」

 

ゴリゴリのオネエがいた

 

黒霧「お待ちしておりました。緑谷出久。」

 

死柄木「オセーよ。」

 

「・・・・・・。」

 

カウンターに目を移すと黒霧と死柄木そしてつぎはぎに目がいく男がいた。

 

トゥワイス「俺も次の襲撃に参加するからよろしくな。」「仲良くする気ねぇから。」

 

呆けている緑谷の肩を組み声をかけるトゥワイス

 

死柄木「いったろ?近い内にでかいことをするってな、まだ何人か来てないが今度は質で勝負だぜ。」

 

黒霧「それであなたにも参加を要請したく思いまして」

 

緑谷「なにをするの?」

 

死柄木が口を開き告げる

 

死柄木「・・・でその作戦をお前に立てて欲しい。もちろん、こいつらも好きに使ってもらって構わない。

 

どうだ・・・ってそんな顔じゃ聞くまでもねぇな。」

 

「笑った顔もすごい素敵です!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

都内のとある病院

 

「今日はいい天気だな。」

 

かつてプロヒーロー・インゲニウムと名乗っていた男、飯田天晴は現在車イスでの生活を余儀なくされており今日は快晴のため中庭にくり出していた

 

(雄英は今頃林間合宿か・・・。)

 

今もプロヒーローを目指し奮闘する自分のヒーロー名を継いだ弟の姿を思い描く。

 

(俺もできることなら、二人で共に・・・。)

 

自分の足を恨めしく見る

 

(っと、いかんなこれでは、せっかく気分転換に外に出たと言うのに・・・。)

 

自分の絶ち切れぬ未練をごまかそうと頭を振る

 

そこへ

 

 

「失礼、元プロヒーローのインゲニウム様でしょうか?」

 

一人の男が声をかけてきた

 

「っ!?

 

・・・はいそうですが、あなたは?」

 

「そうですね、私のことはパンドラとでもお呼びください。あなたに希望を与えるためにお伺いいたしました。」

 

 

 

 

 




サンダーボルト解禁とか笑

近くストラクチャーデッキで再録すんのかな。
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