合宿3日目
この日の夜はレクリエーションとしてA組B組別れての驚かせあいの肝試し
きつくつらい訓練への労いと明日以降の活力の為にと企画されたのだが・・・
相澤「ただし、補習組は今から俺と補習な。」
歓喜のあとに涌き出た悲鳴が森の中に消えていった
相澤の捕縛布で捕らえられ歩かされる切島、競呂、砂糖、芦戸、上鳴
上鳴「こんなのってねぇよ・・・。」
芦戸「私も肝を試したーい!」
相澤「ほれ、時間は有限だ、キリキリ歩け。」
途中でB組唯一の補習、物間と担任のブラドキングも合流し宿舎に着こうかというところで
ガッシャアアアアン
上空から鉄檻が現れた
相澤「これは・・・っ!!」
そして宿舎の近くで佇む人影に気付く
ボウッ!!
ブラドキング「イレイザー!!」
相澤「チッ!」
その人影が放った火炎攻撃に生徒を守りながら回避する
荼毘「・・・・・・。」
尚も不気味に敵意を向けてくる相手、更に・・・
『緊急事態発生!森より緑谷出久を含む複数のヴィラン出現!!繰り返す・・・』
マンダレイより緊迫した声のテレパスが届く
相澤「・・・お前ら、今すぐここから離れてクラスの奴等と合流しろ!そして伝えろ、プロヒーロー・イレイザーヘッドの許可のもと自衛の為の個性の使用を許可するとな!」
切島「先生!!」
ブラドキング「物間お前もだ、早く行け!」
二人のプロヒーローがこちらに目もくれず怒鳴りながら促す
その余裕なき態度はいかに今が危険な状態かを如実に物語っていた
相澤「山の麓には緊急時のプロヒーロー達が待機している!それが救援に来るまでお前らだけの力で乗り切れ、だからここは任せて速く行け!!」
ダッ
その空気を察した6人は来た道を全速力で引き返す
荼毘「おーおー、思ったよりも先生してるんだな、プロヒーローども。」
相対して初めて声を発する荼毘
荼毘「おっと、自己紹介がまだだったな、俺の名は荼毘。ステインの意思に感化された者だ。」
相澤「生徒を逃がすまで待ってくれたり、自己紹介したりと随分余裕だな。」
臨戦態勢体制のまま少しでも情報を引き出そうと挑発を試みる相澤
荼毘「ああ、俺の役目はすぐ終わるからな。それにしてもイレイザーヘッド、お前思ったよりも情に厚い奴なんだな。噂聞く限りだと血も涙もねぇ薄情な奴だと思ってたけど、」
いまだに動きを見せず口だけが回る荼毘に対し油断も隙もなく注視する相澤だが
荼毘「しかし・・・今回ばかりはそれが仇となったな。」
ガツンッ
相澤「ぐあぁっ・・・!?」
突然後方より固いなにかで殴られ視界が黒く染まっていく相澤
ブラドキング「イレイザー!」
荼毘「おいおい、敵目の前にしてよそ見かよ。」
ゴオオオォォォッ
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爆豪「ったく!なんでてめぇとなんだよ、半分野郎」
轟「くじ引きで決まったんだからしょうがねぇだろ。」
補習組の悲鳴が闇に溶けていった後B組と見守り役のラグドール・ピクシーボブは啖呵を切り森の中へ消えていき肝試しスタートとなった
そしてなんの因果か一組目のペアとなったのが爆豪・轟だった
もともと乗り気ではない上に二人は体育祭で不本意とは言えの自分の命と姉の命を奪い合う戦いをしたのだ。
更に生来プライドの高い爆豪は轟を一方的にライバル視しており今の今まで二人きりで行動するなどと言うのはあり得ないことだった
特に言葉を交わすこともなく歩く二人
轟「・・・・・・爆豪。」
爆豪「・・・・・・んだよ?」
その気まずい沈黙を破ったのは轟だった
轟「爆豪、俺はお前に感謝している。」
爆豪「はぁ!?」
思わず声が大きくなる
それほどまでに突然の告白だったからだ
轟「体育祭で
爆豪「・・・・・・。」
轟「だが本当は自分の過去に固執し自分の為だけに戦っていた、大切な姉さんの命が危険だと言うのに・・・。」
「守るものの為に力を使えや!」
「テメぇもヒーローになりてぇんだろ!!」
轟「あの言葉がなければ俺は今ここにいない、もしあのまま戦っていたら確実に俺は負けていたし、結果として姉さんが無事でも己の無力さを受け止め切れずに自壊していただろう。」
少し前を歩く爆豪の背中に語り続ける轟
爆豪「・・・感謝すんのは勝手だかまだなにも終わっちゃいねぇだろ、お前の親父も見つかってないしクソデクもまだなにか企んでやがる。」
エンデヴァーの失踪に緑谷出久が関わっていることは間違いない
だからこそ
轟「ああ、わかってる。
だから爆豪、ひとつだけ言っておく
緑谷は俺が決着をつける!」
爆豪と緑谷の因縁、爆豪の固執、すべてを把握した上で轟は己の覚悟を口にした
爆豪「フンッ、勝手にしやがれ。
てめぇがなにしようが最後は俺の手でけりをつける!いや、つけなきゃならねぇんだ!!」
爆豪もまた己の決意を轟にぶつけた
轟「あぁ、じゃあ勝手にやらせてもらうよ。」
爆豪「・・・ケッ!」
互いの胸の内を晒しあった二人は闇の森を歩き続ける
しかし・・・
轟「爆豪・・・。」
爆豪「ああ、」
二人は強烈な違和感に気付く
爆豪「驚かすにしては静かすぎるぜぇ、おい!?」
「なんか勘づいたっぽいな。」「まだ気付いてないぜ。」
「あの二人が今回のターゲットですね、早速刺しにいきましょうか!」
「コラコラ、今回はターゲットの生け捕りが任務だろう?それに幕が上がってからショーは始まるもんさ。」
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ガッシャアアアアン
悪夢の鉄檻 通常魔法
すべてのモンスターは(相手ターンで数えて)2ターン攻撃出来ない。2ターン後このカードを破壊する。
一組目が森に入り二組目が森に入ろうかと言うその時、
木々の向こうの夜のトバリを鉄格子が覆う
あまりに突然の出来事
しかし、勘のいいものはすぐに気がついた
こんな悪趣味な物を発現できるものはあの敵しかいない・・・
飯田「なっ!?」
麗日「これって!?」
峰田「嘘だろ・・・なんで、なんでヴィランがいるんだよ!?」
闇を切り裂く悲痛なる叫びの後
「やあ、みんな。
楽しそうなことしてるね。
僕も混ぜてよ。」
その言い方は完全なる前回の意趣返し
その声が聞こえた瞬間身構えるA組
プロヒーローも子供たちに手は出させまいと立ち塞がる
マンダレイ「みんな、固まって!ここは私達が対処するからみんなは宿舎に走って逃げて!!」
緊迫した声が響く
緑谷「それはやめといた方がいいですよ。だって・・・」
ボゴウッ
「「「「「「!?」」」」」」
宿舎が有る方角から轟音が響き紅い火柱が上がる
緑谷「あっちにも僕らの仲間が一人もう向かってますからそれよりも僕と遊びましょう?」
ズズズ・・・
闇緑谷『さあ、楽しい楽しい夜の時間の始まりだぜ!』
虎「させぬわ!」
ブンッ!
緑谷の個性と残虐かつじわりじわりと追い詰めていく性格的傾向を知らされていた虎は先手必勝と殴りかかるも
闇緑谷『フフッ』スッ
それを横に避ける緑谷
しかしそれは想定済みと虎は追撃を仕掛けにかかるが
虎「ッ・・・グオオオオ!?」ギュオン
不可思議な力に勢いを塞き止められ森に吹き飛ばされる虎
マンダレイ「虎!?「あなたもあっち。」ッあああ!?」
虎の後を追うように吹き飛ばされるマンダレイ
闇緑谷「助かったよ、マグ姉。スピナーも後は任せたよ。」
マグネ「お構い無く、それじゃこっちは任せて後は若い人たちで楽しんじゃってね。」
スピナー「贋物ども、粛清の時間だ!!」
緑谷の後ろから現れた二人はそのまま吹き飛ばされた二人の元へ更なる足止めへと向かう
ザッ
闇緑谷『やあ、みんなこの間は僕に素敵なサプライズをどうもありがとう。』
再び向かい合い固まる卵達に一歩足を踏み出す緑谷
飯田「クッ・・・!?」
ザッ
緑谷「この前は急な開催だったから大したもてなしができなかったけど今回はゆっくり君たちをもてなせそうだよ。」
木の影に月光を遮られ表情はわからぬが穏やかに語り距離を詰めてくる緑谷
ガサガサッ
上鳴「みんな!!」
そこに上鳴達
ザッ
再び距離を詰めて月光の下に晒される緑谷
闇緑谷『役者は揃った!!さぁ闇のゲーム第二章の開幕だぁ!!』
ズオオオォォォオオオオ
屋上の時と同じ、いやそれ以上に濃度の高い闇が辺りを覆う
飯田「ぐっ、またこれか・・・!」
上鳴「相澤先生からの個性の使用許可は出てるぜ!」
合流した上鳴が相澤の言伝を伝える。
常闇「ならば先に仕掛けるのみ!
行け、ダークシャ「ダメだ!」なっ、なぜ止める瀬呂!?」
蛙吹「落ち着いて、常闇ちゃん。緑谷出久は狡猾なヴィランよ、迂闊に仕掛けてはまた罠が張り巡らされているわ!」
八百万「ですが、このまま自由にやられてはまた後手を踏んでしまいますわ!」
未だ全貌が見えない緑谷出久の個性に対し対応で軽い混乱がA 組を襲う
その喧騒のなかに
耳郞「・・・ッ!?」
「~♪~~♪~~~♪♪」
ひどい恐ろしい歌声が紛れていた
個性の影響で特化した聴覚は確実にその歌を捕らえた
耳郞(この歌はUSJの時の!?
なんでそれがここで・・・ハッ!?)
ズズズ・・・
全員の思考が混乱に陥りかけている思考の空白を狙い澄まし空間がいきなり歪み穴が生まれたかと思うとそこから伸びて来るのはいつか見た鋭い爪を持った手
伸ばした先にいたのは・・・
耳郞「ヤオモモ!危ない!!」ドンッ
八百万「きゃあ!?」
突然の出来事に全員の視線がそこに集まる
八百万「じ・・・耳郞さん?
いきなりなに・・・を・・・!?」
耳郞「ぐぅうううう、」
その手が狙ったのは八百万だったがそれにいち早く気づいた耳郞はそこに割り込んだ
その結果その手に首を捕まれ宙に浮かされていた
蛙吹「耳郞ちゃん!!」
ギュオン!
皆が助けようと動き始める瞬間手は耳郞を穴に引きずり込み消えていき
ギュオン!
次に現れたのは主の近く両手で耳郞の首を絞め拘束し本体を伴って姿を見せた
ヘルポエマー「~♪」
効果
このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた場合効果が発動する。
このカードが墓地に存在する限り、相手バトルフェイズ終了時に相手は手札からカードを1枚ランダムに捨てる。
このカードは墓地から特殊召喚できない
上鳴「なっ、アイツは!?」
八百万「そんなッ!USJで倒したはずです!!」
驚愕する二人を見て笑顔になる緑谷
闇緑谷『本来なら倒した奴をこいつの嫉妬の力で連れて来るはずだったがこれでもいいや。』
耳郞「ぐっ、は・・・なせ・・・!!」
上鳴「耳郞を返しやがれ!!」
両手から解放されようと苦しむ耳郞を見て上鳴が怒鳴る
闇緑谷『ああ、返してやるよ、楽しいオマケをつけてなぁ!!』
ズズズズズズズズズ・・・
黒い霧がヘルポエマーと耳郞を飲み込んでいく
耳郞「っ!?」
八百万「耳郞さん!!」
闇緑谷「灼熱の生ける牢獄よ、咎人を抱きその罪の贖罪を断行しろ!そして、それを救いに来る愚者に絶望を与えろ!!
現れたまえ、溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム!!」
ガシャアアアァン!
闇に覆われた耳郞の視線が晴れたとき目に飛び込んできたのは檻の柵の向こうにいるクラスメイトだった。
耳郞「は?なにこれ、なんでみんなが檻に入れられてるの・・・って熱!?」
背中に感じる高温に堪らず振り返る耳郞
そして気付く檻に入れられたのは自分で、その檻はただの檻じゃない!
溶岩で体が構成された化け物の腹にある檻だと!!
耳郞「イッ・・・イヤアアアアアアアアァァァア!!」
上鳴「じ・・・耳郞おおおおおおおおぉぉぉお!!」
闇緑谷『ヒャハハハハハハハハハハハ!!』
森に二つの悲鳴と狂った笑い声が木霊した
溶岩魔神ラヴァゴーレム 星8 炎属性 悪魔族
攻撃力3000
守備力2500
このカードは通常召喚できない。相手フィールド上のモンスター二体をリリースし、手札から相手フィールド上に特殊召喚できる。
自分のスタンバイフェイズ毎に、自分は1000ポイントダメージを受ける。このカードを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。
狂気は、加速する
新年度、新生活皆様どうお過ごしでしょうか。