3対1と窮地に立たされた爆豪に現れた援軍、それは・・・
切島「大丈夫かっ!?」
補習組で離脱していた筈の切島だった
爆豪「ばか野郎!何しに来やがった!」
トガ「よそ見しちゃダメですよ。」
爆豪の意識が切島に向いた瞬間、トガがナイフを構え爆豪に襲いかかるも
切島「させねぇ!」ガキンッ
トガ「きゃあ!?君固いですねぇ、ナイフが折れちゃいましたよ。」
硬化した切島が盾となった
切島「こっちの二人は任せろバクゴー!
お前は轟をっ!」ガキンッ
トガ「む~、惜しかったです。」
トゥワイス「もうちょいだったな!」「どこ狙ってるんだよ!」
切島が爆豪に背を預け目線を少し逸らした瞬間にトガが再びナイフを投擲してくる
問答をする時間の猶予がないことを悟った爆豪は
爆豪「・・・ッくそ髪!ヘマすんじゃねぇぞ!したら後でぶっ殺す!!」
切島「ッ!ああ、任せとけ!!」
その会話を最後に完全に意識をヴィランに向ける
爆豪「さあ、これでサシだ!半分野郎を返しやがれくそ仮面ヴィランが!」
手のひらを小爆発させ威圧する爆豪
コンプレス「おやおや、困ったな。」
おどけた感じで肩をすくめてジェスチャーをするコンプレス
爆豪「この俺を獲物扱いたぁなめた真似してくれるじゃねぇか!半分野郎の分とまとめてぶっ殺してやるよ!!」
これまで強いられた苦戦のストレスを発散するかの様に今にも飛びかからんとする爆豪
しかし一方で・・・
爆豪(あの半分野郎が後ろを取られたからといってすんなりやられすぎだ。生け捕りとか抜かしてたから死んじゃいねぇだろうが・・・)
頭の中は冷静に現状の整理、相手の分析と動いていた
コンプレス「・・・やれやれ、これでまだ16歳か。
獣のような威勢を見せたかと思えばその頭の中は冷静沈着・・・まるで燃え盛る青い炎のようだ。
誇っていいよ、それはプロでも簡単には習得できるものではないからね。」
諭す様に優しく語りかけるコンプレス
爆豪「はっ、そりゃどうも。
ヴィランに褒められても嬉しくないが、そこまで評価してくれたお礼に速攻で叩き潰してやるよ!」
我慢の限界か勝てる見込みができたのか攻勢に出た爆豪
コンプレス「だが・・・。」
ガンッ
爆豪「ガァッ!」
突然の後頭部への衝撃に驚愕の表情を浮かべる
コンプレス「話に聞いていた過去の君よりも今の君はずっと期待はずれだったよ。
コンプレスの言葉も耳に入らず薄れいく意識を懸命に手繰り衝撃の正体を探る。
爆豪「て・・・てめえ、なん・・・してん・・・だ・・・!」
切島「・・・・・・。」
そこに映ったのは生気のない目をした赤髪の少年
自身が背中を託した筈の切島だった
コンプレス「確かに緑谷くんが失望するわけだ。君は人に頼る事を覚えてしまった。だからこんなあっさり引っ掛かってしまう、まぁ楽に越したことはないから別にいいけどね。」
コンプレスは個性を使い爆豪を回収した
コンプレス「これでよし。」
トガ「こっちはどうしますか?切りますか?切っていいですよね!?」
感情を高ぶらせながらナイフを取り出すトガ
「今回は勘弁してくれないかな。」
トゥワイス「オッ!?」
緑谷「彼にはまだ利用価値があるからね。それに、もっと大舞台で暴れた方が楽しいよ。」
荼毘「・・・・・・・。」
柔らかな笑みで諭す緑谷とその後ろで無言で佇む荼毘が闇より姿を表した
トガ「ムー、イズクくんがそう言うならやめときます。」
渋々納得してナイフをしまうトガ
コンプレス「それにしてもいつから見ていたんだい?出来れば入って頂ければもっと楽に済んだと思うんだけど・・・。」
緑谷「いやー、トガさんの演技に心を奪われて足が止まっちゃいましてね。」
トガ「そうですよね!私の名演技あってこその成功ですもんね!」
トゥワイス「ヨッ、名女優!」「この三文役者が!」
荼毘「・・・終わったなら早く移動しようや。」
これ以上付き合っていられないと態度に表す荼毘
緑谷「ごめんごめん、じゃあ移動しますか。
荼毘さん合図よろしく。」
ボォアアアア
夜空に切り裂くような火柱が上がる
コンプレス「祝砲ってところかな。」
トガ「結局この子はどうしますか?」
切島「・・・・・。」
緑谷「このまま連れていこう。あまりコンプレスさんの持ち物増やしたくないしね。」
トゥワイス「しかし、ここまで仕込みがいいと楽でいいぜ。」「疲れたぜ!」
暗い森の中へ意気揚々と引き上げていく緑谷達
その背中を
「・・・・・・。」
闇に紛れ見つめる者がいた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボォアアアア
虎「ムッ!」
マンダレイ「今度はなにっ!?」
モンスターが消えたかと思えば今度は別方向から火柱が上がる
マグネ「あら、意外と早かったわね。そろそお暇の時間よ。」
スピナー「粛清が完遂できなかったのは残念だかやむを得ん。」
先ほどまでと一転して後退の姿勢となる二人
虎「ここまで好きに荒らされてただで逃がすと思うか!」
そうはさせまいと追撃に走る虎だったが、
スピナー「ふんっ、頭に血が昇った偽物め・・・。」
スピナーが一枚のカードをかざす
「・・・・・・。」
虎「っ邪魔だ!」バッ
虎の動線を遮るように異形のモンスターが現れるが虎はお構いなしに腕を一閃する
すると・・・
ボガアァァン
マンダレイ「虎!!」
虎「グウウウ・・・。」
なんとモンスターは腕に弾かれた瞬間に自爆のようにその場で弾けとんだのだ
ニュードリア 星4 闇属性 悪魔族
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られたとき、フィールド上に存在するモンスターを1体破壊する。
マンダレイ「しっかりして!」
虎に急いで駆け寄るマンダレイ
かくしてヴィランの追跡は断念を余儀なくされる二人だった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マグネ「この辺よね。」
藪をかき分け予定していた集合場所へとたどり着いた二人
辺りを見渡すが誰もいない。
すると・・・
「ちょっとだけそっちが早かったね。」
マグネ「あら、ほぼ同じ位だったわね。そっちの首尾はどう、リーダー?」
緑谷「上出来さ。」
切島「・・・。」
マグネとスピナーの目が切島にいく
スピナー「こいつは?」
緑谷「切島君。僕の元クラスメイトで今回の作戦の功労者さ。」
トゥワイス「しかし洗脳ってのは便利でいいな。」「使いづらいぜ!」
コンプレス「後はあのモンスター達も凄かったな。
いや、それもあるが流れを読み的確にそれを使用できる君の勝負勘の良さ、おじさん感服しちゃうよ。」
トガ「すごいですね!まるで魔法使いみたいでしたよ!」
ズズズ・・・
黒霧「お時間なので迎えに上がりましたが、どうやら首尾よく済んだようですね。」
なにも無い空間から黒霧が現れる
トゥワイス「大成功さ。」「ダメだったぜ!」
緑谷「それじゃあ、皆さん帰りましょうか。」
緑谷の一声で黒霧の個性を潜ろうとしたとき
「ま、待て!!」
呼び止める声が聞こえてきた
芦戸「切島を元に戻して!あと、どこ行ったかわからないけど轟と爆豪も返せ!」
黒霧「おやおや、かわいらしいお客様ですね。」
乱入者の正体を知るや見るからに肩の力が抜けた敵達の態度に
芦戸「ばっ、バカにしないでね!
あたしだってヒーロー目指してるんだから!」
精一杯の勇気を振り絞り戦意を見せる芦戸
荼毘「・・・誰か相手してやれよ。」
コンプレス「おじさんはもう疲れたから今日は手仕舞で。」
緑谷「じゃあ、せっかくだしもう一仕事してもらおうかな
切島君。」
芦戸「ッ!!」
虚ろな目をした切島が前に出る
闇緑谷『ただでさえ情に厚い彼が仲間を裏切り、更には中学からの同級生を手にかけたとなれば・・・洗脳を解いたときどうなっちゃうのかなぁ?』ニタァ
愉快な声色で歪んだ笑顔を見せる緑谷
荼毘「いい趣味してるぜ。」
呆れた顔で野次る荼毘
闇緑谷『黒霧、ここは俺がが残るから後の皆は帰しとけ。』
黒霧「かしこまりました。」
その言葉に他のメンバー達も従う
トガ「私も残りたいです!「ダ~メ。」えー、なんでですか?」
マグネ「夜更かしは乙女の大敵よ。」ガシッ
トガも残留の意思を示すもマグネに掴まれ連行されていった
黒霧「では改めて迎えに来ますがくれぐれも油断なさらぬよう・・・。」
ズズズ・・・
こうして緑谷以外を飲み込み黒霧は姿を消した
闇緑谷『待たせたね、じゃあ始めようか!』
キィィィン
緑谷と切島の額にヴジャドの眼が浮かび上がる
芦戸「っ!?」
闇緑谷『さあ切島くん・・・
殺れ。』
ビキビキビキッ
ダッ
緑谷の言葉に反応し個性を発動し芦戸に飛びかかる切島
ブンッ
芦戸「きゃあ!」
持ち前の運動神経でなんとか回避する芦戸
芦戸「ちょっと切島!
なに敵に操られてんのよ!しっかりして!!」
必死に呼び掛けるも、
切島「殺す・・・殺す!」
血走った目を見開き有りもしない殺意を植え込まれ暴走する切島
芦戸「切島・・・。」
自分の訴えがまるで届いていない事へ悲痛な思いが胸を覆う
その隙が命取りだった
切島「ウガアアアアア!」ガッ
芦戸「エッ・・・きゃあ!」ドサッ
飛びかかって来た切島体当たりをモロに喰い転倒してしまった
切島「ガアッ!」ガシッ
芦戸「ウグッ!」
そこを好機とばかりにのし掛かり上から芦戸を押さえ込む切島
切島「殺す・・・殺す・・・。」
トドメを刺すべく硬化した拳を振り上げる切島
芦戸「お願い、戻って・・・。
助けて・・・切島・・・。」ツゥー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・ここはどこだろうか?
暗い、でも窮屈さは感じない。
むしろ体が軽い。
んっ?
???「・・・・・・。」
誰かいる。
黒髪の・・・気弱そうな・・・学ランの・・・俺。
嗚呼、そうだ。
地味な個性で、助けを求める人に向けて一歩も踏み出せない
惨めな・・・俺。
漢気なんて無い、本来の俺はヒーローになんて到底向かない奴だったんだ。
俺はとんだ勘違いのバカヤロウだ。
暗い景色に体が同化していくような錯覚に見舞われる
どんどん闇が濃くなっていく気がする。
自分が飲み込まれていく。
それでも構わない・・・。
だって俺の本質は・・・。
「あの時のこと、辛かったんだねェ」
ッ!?
「そんな暗い顔してちゃ決別にならないよ!」
嗚呼・・・。
「いつか切島の中でちゃんと乗り越えられたら、そん時は教えてね!」
本当に俺は馬鹿野郎だ。
いつのまにか大切なものを忘れていた
「高校デビューマンだって言いふらすからさ!」
その笑顔に救われて、
その
そうだ、大切なモノを守る為に、傷つき涙する人をこの力で救う為に!
後悔しない生き様を描く為に!
俺は・・・ヒーローを目指したんだ!
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闇緑谷『どうした!?早くそいつを始末しろ!拳を振り落とせ!!』
切島「ガッ・・・アアッ・・・!?」
芦戸「き・・・切島!?」
トドメの拳は振り落とされることなく芦戸の上で両手で頭を押さえ苦しみ出す切島
闇緑谷『まさか!?
洗脳を打ち破ろうと言うのか!?
ありえない!貴様の自我は完全に押さえ込んだ筈だ!』
驚愕の表情を浮かべる緑谷
切島「アアアアアアアアアアアアッ・・・!!」
まるでなにかにもがくような呻き声をあげる切島
芦戸「そうだよ!切島!!
あんたは優しくて強い漢になるんでしょ!
あんな奴の言いなりになんてなっちゃダメだよ!頑張って切島ァ!!」
組伏せられた状態から檄を飛ばす芦戸
闇緑谷『ぐぅぅぅ!ならば、もう一度押さえ込むまでだ!』
ヒュン
闇緑谷『ゴフッ!?』
どこからか飛んできた光の玉が緑谷の体に吸い込まれる
切島「ダアアアアアアアアアアアアッ!!」
ピシッピシピシッ
ーーーーーバリン
切島「ごめん、芦戸。
俺は・・・俺は・・・。」
芦戸「大丈夫、大丈夫だから・・・ね。」
そう告げるとすまなそうな笑顔を浮かべ切島は気絶した
闇緑谷『ハアッ、ハアーッ、まったく忌々しい!』
胸を押さえながら二人へ距離を詰める緑谷
闇緑谷『我が洗脳を破るとはたいしたものだ、こうなれば俺 自ら二人とも始末してやる!』スチャ
千年ロッドの仕込み刀を取り出し更には詰めより振りかぶる緑谷
芦戸「クゥッ・・・!」
切島の洗脳は解けたものの未だ状況は絶体絶命
緑谷の凶刃が二人の命を刈り取ろうとしたとき
DRRRRRRRッ!
ヒユッ
「させない!」
ドゴンッ!
緑谷『ウゴォ!?』
何者かに横から体を浴びせられ吹き飛ぶ緑谷
ドカッ
緑谷『グッフォ!』
その勢いのまま木に衝突し倒れこんでしまった
飯田「委員長としてこれ以上クラスの皆に危害が及ぶのを許す訳にはいかない!」
闇緑谷『クソッ、どいつもこいつも邪魔ばかりしやがって!』
「緑谷出久。」
ズズズ・・・
黒霧「こちらの目的はもう達成されています。
ここは頭を冷やし引きましょう。」
他のメンバーを送り届けた現れた黒霧の忠告に
闇緑谷『・・・チッ!覚えておけ!貴様らがどれだけ足掻こうとも新たなる世の創生は止めることはできない!新たなる神の前に跪くがいい!』
そう捨て台詞を残し黒い霧の中へ入っていく緑谷
こうして林間合宿は生徒の命は無事だったものの二名誘拐されヒーロー側の完全敗北としてひとまずの終結となった。
ーーーーー運命の日は近い!